ファイナルトリック

黒崎伸一郎

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セカンドトリック②

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翌日弓川は山中で首を吊った状態で発見された。
警察では自殺と他殺の両面で捜査を開始した。
現場に弓川以外の足跡が見つかったのだ。
前の日は雨など降っていなかった為足跡は重要な証拠に思われた。
もし自殺だとしたら辻褄の合わないことが多かった。
弓川は確かに借金はしていたがこの半年の間に自分の給料以上の金を支払いに回している。
どこからか借りてきたか脅し取ったか盗んだとか色々考えられた。
弓川は結構あくどい事もしていたので恨まれる事は多々あった。
何人かの容疑者が浮かび上がった。
その中でケントも重要参考人として名前が上がっていた。
だがケントには完璧なアリバイがあった。
弓川の死亡時刻は夕方の6時前後とされていてその時刻には番組スタッフ3人とミーティングをしていたのが確認された。
警察は自殺より他殺の可能性が高いと判断した。
番組のスタッフも全員事情聴取されたが皆アリバイはあったので形式だけの調べで解放された。
委託殺人の可能性もあったのでそれも入れての取り調べだったがはっきりとした容疑者は上がらなかった。
警察は犯人らしき足跡を重要な証拠として取り上げていた。
足のサイズは27センチで男性と思われた。
ケントも同じサイズだった為、もしかしたら
テレポートで殺人をしたのかという刑事もいたがあくまでもマジックショーとしてのトリックがあり、しかも瞬間移動できたとしても事件現場とミーティングの場所は30キロ以上離れていた為一蹴された。
事件は暗礁に乗り上げた。

そうは言っても番組は進めていく必要のあった
サブディレクター岡島はサブではなくなりディレクターに昇進して番組を切り盛りしていく大役になった。
岡島は弓川とは全く違いギャンブルもしなければ女癖の問題はない何の変哲もない男だった。
岡島はケントを尊敬していた。
ケントは自分より1つ歳が下でわりと融通が効く男だったので結構話が合った。
「ケントさん本番まで後2ヶ月切っちゃいましたけどリハなしですから本番はバッチリお願いしますよ!」
「大丈夫…!!完璧なテレポーション見せるから泥舟に乗ったつもりでいて…!」
「はい…?泥舟ってそれ沈むじゃないですか…?  酷いなぁ……。
本当に本番は頼みますよ!」
「わかった(笑)。本番は任しといて!」
ケントは弓川と話しているときとは全く違うまったりとした気分でいた。
後は本番を待つだけだった。
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