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誰が1番偉いのか?
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「はい、かなりの変貌ぶりです。国のことを考えるのであれば、ヒヨリを側室などお考えならない方が良いかと。」
「ううむ……だが、惜しい…。」
ガルの事とヒヨリを側室にしたい気持ちで蒼白になりながらも悩む国王。
いやいや、国を出されたら、即諦めましょうよ!!
ってか、ガル=国って、あいつマジなんなの!?
「父上、王族が何故、1人の男にそれほど恐れるのですか?」
眉を寄せ、情けないとばかりに国王を睨みつける。
「お前は奴を知らないのだ。まだ幼かったしな。私が前国王の突然死で、即位したのち…王都がオークの軍団に襲われた時……あああ!!恐ろしい……国には願ってもない人物だが、奴には愛国精神も無い。だから、気をつけねばならん。」
国を救った英雄のはずが、恐ろしいとは……。あいつどんな戦い方したんだ?
「私はそのような者を恐れてヒヨリを逃したくはありません。父上がそうであれば、私は遠慮なくヒヨリを正妃に致します。」
すると皇子はウランの近くで縮こまるヒヨリの手を取り、甲にキスをした。
「ヒヨリ、私はジグナス。私の正妃になって頂きたい。」
ジグナスは紫色の瞳を潤ませヒヨリを愛おしそうに見つめた。
ひぇぇ!この権力に逆らうにはどうしたら……って、あれ?この顔、誰かに似てるな…
ヒヨリはジッとジグナスの顔を覗き込んだ。
すると、照れたジグナスが顔を染めて、ヒヨリの頬に触れた。
「そんなに見つめられると、抑えられなくなるよ。」
そう、ジグナスな呟き、顔をヒヨリに近づけた瞬間、ヒヨリの影が揺れる。
「何が、抑えられなくなるんだ?」
影が盛り上がり、黒い闇から出てきた人物に、皇子が驚き後退り、騎士が慌てて剣を構えて駆けつける。
「誰のモノに手を出す気だ?」
「ガ、ガルディア・ガルファス!!」
騎士は駆けつけたがいいが、ガルの姿に、剣を握りしめながら震えている。
皇子は眉を寄せ、数歩下がり騎士の背後へと回る。
「ガルディア……なぜ!?」
1番怯えて、王座の椅子の背後に回る国王は少し情けなく感じた。
「久しいな。フィリムス国王。」
いつもの無表情だが、俺にはわかる、ガルは苛ついている。
「俺に会いたく無いのは別に構わないが、俺がいない事を良い事に、俺の妻を口説くとは…死をも覚悟のことか?」
魔王では?と思うほどの低い声に、国王は大きい身体で必死に背もたれに身を隠す。
「おい!いつ妻になった!?」
一応ちゃんとツッこまないとな!
「ヒィィ!!ガルディア!すまない!息子の事は謝るから!だから、今すぐ王宮から出て行ってくれ!!」
国王……先程のかっこよさは…国一番偉いの貴方でしょ?
「ヒヨリは妻では無いといっている!しかも王族にむかって、不敬だぞ。」
皇子は騎士の背中からガルを睨みつける。
周りの騎士は、皇子に余計な事を言うなばかりに睨む視線に皇子は気付いていない。
「フン。生まれたただの場所のただのトップに何故従わねばならない?別に気に入らなければ、出ていけばいいだけの事だ。この場所が落ち着くから仕方なくルールを守っているだけのことだが。」
コイツ、、マジで愛国精神ゼロや。
「な、なんだと!!おい!この者を捕らえよ!!」
青筋立てた皇子の言葉に騎士達はギョッとする。
彼らも痛いほどガルの力は知っているが、仕事として震えながら剣を向けただけだ。到底捕らえる事などできない。
チッ!!誰か皇子を止めろよ!!
…と、先程から騎士の心の声が聞こえるようだ。
「ジグナス!!やめい!!ガルディアに関わるな!!」
いや、国王!椅子の背後から出てきて止めてよ!!
ガルはまた、指を掲げた。
あっ、やべえ……!!
パチンッ!!
ガルが指を鳴らした瞬間、パンッと騎士達の剣が砕け、皇子の剣も粉々に地へと砕け散った。
これには皇子も蒼白になり、ヘナヘナと腰砕け、立ち上がれなくなる。
騎士達も、手を上げ、怯えながら数歩下がる。
「口程にもない。おい、早く報酬を寄越せ。そしたら帰る。ヒヨリと大事な約束があるんだ。」
ガルはヒョイッと俺を抱き上げ国王を見た。
「わ、わ、わかった!持ってこい!!」
慌てて控えていた方々が涙目になりながら、たんまりの金貨を持ってきた。
ウヒョー!!すごい量!!
ティーンはアイテムボックスに仕舞うと立ち上がり、お辞儀をした。
俺達は怯えて動けない騎士と立ち上がれなくなった皇子、椅子から出てこない国王達にきちんと頭を下げてその場を去った。
ごめんね、国王様、皇子様。
「ううむ……だが、惜しい…。」
ガルの事とヒヨリを側室にしたい気持ちで蒼白になりながらも悩む国王。
いやいや、国を出されたら、即諦めましょうよ!!
ってか、ガル=国って、あいつマジなんなの!?
「父上、王族が何故、1人の男にそれほど恐れるのですか?」
眉を寄せ、情けないとばかりに国王を睨みつける。
「お前は奴を知らないのだ。まだ幼かったしな。私が前国王の突然死で、即位したのち…王都がオークの軍団に襲われた時……あああ!!恐ろしい……国には願ってもない人物だが、奴には愛国精神も無い。だから、気をつけねばならん。」
国を救った英雄のはずが、恐ろしいとは……。あいつどんな戦い方したんだ?
「私はそのような者を恐れてヒヨリを逃したくはありません。父上がそうであれば、私は遠慮なくヒヨリを正妃に致します。」
すると皇子はウランの近くで縮こまるヒヨリの手を取り、甲にキスをした。
「ヒヨリ、私はジグナス。私の正妃になって頂きたい。」
ジグナスは紫色の瞳を潤ませヒヨリを愛おしそうに見つめた。
ひぇぇ!この権力に逆らうにはどうしたら……って、あれ?この顔、誰かに似てるな…
ヒヨリはジッとジグナスの顔を覗き込んだ。
すると、照れたジグナスが顔を染めて、ヒヨリの頬に触れた。
「そんなに見つめられると、抑えられなくなるよ。」
そう、ジグナスな呟き、顔をヒヨリに近づけた瞬間、ヒヨリの影が揺れる。
「何が、抑えられなくなるんだ?」
影が盛り上がり、黒い闇から出てきた人物に、皇子が驚き後退り、騎士が慌てて剣を構えて駆けつける。
「誰のモノに手を出す気だ?」
「ガ、ガルディア・ガルファス!!」
騎士は駆けつけたがいいが、ガルの姿に、剣を握りしめながら震えている。
皇子は眉を寄せ、数歩下がり騎士の背後へと回る。
「ガルディア……なぜ!?」
1番怯えて、王座の椅子の背後に回る国王は少し情けなく感じた。
「久しいな。フィリムス国王。」
いつもの無表情だが、俺にはわかる、ガルは苛ついている。
「俺に会いたく無いのは別に構わないが、俺がいない事を良い事に、俺の妻を口説くとは…死をも覚悟のことか?」
魔王では?と思うほどの低い声に、国王は大きい身体で必死に背もたれに身を隠す。
「おい!いつ妻になった!?」
一応ちゃんとツッこまないとな!
「ヒィィ!!ガルディア!すまない!息子の事は謝るから!だから、今すぐ王宮から出て行ってくれ!!」
国王……先程のかっこよさは…国一番偉いの貴方でしょ?
「ヒヨリは妻では無いといっている!しかも王族にむかって、不敬だぞ。」
皇子は騎士の背中からガルを睨みつける。
周りの騎士は、皇子に余計な事を言うなばかりに睨む視線に皇子は気付いていない。
「フン。生まれたただの場所のただのトップに何故従わねばならない?別に気に入らなければ、出ていけばいいだけの事だ。この場所が落ち着くから仕方なくルールを守っているだけのことだが。」
コイツ、、マジで愛国精神ゼロや。
「な、なんだと!!おい!この者を捕らえよ!!」
青筋立てた皇子の言葉に騎士達はギョッとする。
彼らも痛いほどガルの力は知っているが、仕事として震えながら剣を向けただけだ。到底捕らえる事などできない。
チッ!!誰か皇子を止めろよ!!
…と、先程から騎士の心の声が聞こえるようだ。
「ジグナス!!やめい!!ガルディアに関わるな!!」
いや、国王!椅子の背後から出てきて止めてよ!!
ガルはまた、指を掲げた。
あっ、やべえ……!!
パチンッ!!
ガルが指を鳴らした瞬間、パンッと騎士達の剣が砕け、皇子の剣も粉々に地へと砕け散った。
これには皇子も蒼白になり、ヘナヘナと腰砕け、立ち上がれなくなる。
騎士達も、手を上げ、怯えながら数歩下がる。
「口程にもない。おい、早く報酬を寄越せ。そしたら帰る。ヒヨリと大事な約束があるんだ。」
ガルはヒョイッと俺を抱き上げ国王を見た。
「わ、わ、わかった!持ってこい!!」
慌てて控えていた方々が涙目になりながら、たんまりの金貨を持ってきた。
ウヒョー!!すごい量!!
ティーンはアイテムボックスに仕舞うと立ち上がり、お辞儀をした。
俺達は怯えて動けない騎士と立ち上がれなくなった皇子、椅子から出てこない国王達にきちんと頭を下げてその場を去った。
ごめんね、国王様、皇子様。
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