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はじめてのお使い。

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バリアのレベルを上げよう!

俺は心に決めた!安心安全熟睡!やはり人間は睡眠が命だ!

「ヒヨリ!ヒヨリ!」
朝食をもぐもぐしながら、そんなことを考えている俺を背後からべったりと抱くガル。

まあ、熟睡出来たしこれぐらい許してやろう。

そんな本日の俺のミッションは「お使い」だ!
たまたま、食料の配達をいつもしてくれる商会の人が盗賊騒ぎで遅れているらしく、足りない食材分だけ買いに行く事になったのだ!俺1人で!
1度アリアナさんとアルと街に行ったが、1人は初めて!
ダイナの提案で、バリアを張りながらお使いをして、長時間耐えられるようにする練習目的!ギルドメンバーがいると、目立つし、悪いやつも来ないから、自分の身を守れるぐらいのバリアで、行ってこい!ということだ!
まあ初日人攫いに合いそうになったしな!今回はバリアで触れさせないぜ!

ワクワクしている俺とは逆に俺と一緒に行けない事に拗ねるガルと意外と心配症なシス、アルはちょっと隠密技で付いてきそう。

ウランはじっとしてられないのか討伐で朝からいない。

「では、ヒヨリ君。これがお買い物のメモだよ?沢山あるけど、アイテムボックスに入れれば重たくないから、夕方迄に戻ってくれれば、夕飯には間に合うからよろしくね!」

ベアードさんからメモとお金を受け取った。

「はい!」

「ヒヨリくん、お使いのお礼に、お金多めにあるから、お菓子1個買っていいからね?」

「わー!こっちのお菓子初めて!」

わーい!…ってガキか!

「俺もヒヨリと菓子を選ぶ!」
いや、ガルはお留守番!

「お菓子あげるからってついていっちゃダメだよ?」
シス、俺は何歳だよ!

「大丈夫!いつでもヒヨリの声は聞こえるようにしておくから。」
アル…なんか怖い。

「迷子にならないようにな。ちゃんと地図持ったか?」
確かに、迷子は心配です。ダイナさん。

「ちゃんと分からなかったら人に道を聞くのよ?」
聞けますよ。アリアナさん。

「帰り道わかんなかったら、黒竜の牙ギルドってちゃんと言うんだぞ?」
ベアードさんまで…

「心配になってきた!可愛いから声とか掛けらて、ヒヨリ優しいから、体調悪いとか何とか言われて、家までついて行って、ペロッて食べられちゃうんじゃ!」
それはシス…お前だ!!

「斬る。」
ガル、まだなんも起きていません!剣から手を離して!

「大丈夫。ちゃんと聞いているから。」
だから、アル怖い。


「もう!!大大大だから!行ってきます!」
バリア可動!!
俺が光りに包まれたのを見て、ダイナと心配顔のシスにOKをもらい、さあ出発!!

街まではすぐだし、ちょっとウキウキでスキップしちまう!

時間出来たらノートとペン買おう!ダイナに貰っちゃったから、ダイナにも新しいやつ買おう!

フンフン♪鼻歌歌っていたら着いた。

さて、地図見て…まずは果物屋!トトの実を10個とミラーフルーツを20個!
フムフムて地図を見ながら進み…あった!

「すみません!トトの実10個とミラーフルーツ20個下さい!」

「あいよ!チビちゃん、可愛いからトトの実1個サービスな!」

チビちゃんに引っかかるが…

「ありがとうございます!」
有り難くもらいます!へへっ!

にっこり笑うと、店主の顔が赤くなる。
俺は手を振り、次の野菜屋へ向かう。

野菜屋もすぐら見つかり、またサービスしてもらった!小さいのに偉いね!だってさ。やはり、子どもに見えるのか…しょぼん…。

後はお肉屋だけ。ワイルドボアの肉を大量にアイテムボックスに入れる。

「チビちゃん!可愛いから、サービスだよ?焼き立てのスモールボアの串焼き!食べてごらん?」

「わあ!ありがとう!」
串焼きを受け取り、一口齧ると…うま!
「うまいよ!硬くないし!ありがとう!」

俺はお肉を齧りながらお菓子屋さんを探した。

ん?なんか店の前に瓶が並んで、キラキラしたのが入っている…石?宝石?
俺はフラフラと近づくと、大きな瓶の中にビー玉みたいな大きさのがキラキラと入っていた。

キラキラしてる…買って行ったらアリアナさん喜ぶかな?

「ぼうや、欲しいのかい?」
歳をとったお爺さん店主が声を掛けてきた。

お爺さんに見えるから、もう300歳くらい?

「どれくらい買っていくかい?」

お爺さんは大きいスプーンと袋を取り出した。

「えっと、コレは何?」

お爺さんは目を丸くし、その後可哀想な子を見るように、優しく微笑んだ。

「そうか、見たことも食べたこともないのか…孤児だったのかな?コレはお菓子だょ。一つ味見してみなさい。」

孤児ではないが、お爺さんの行為に甘え、赤色のビー玉みたいなのを口に入れた。
お、美味しい!
ツルツルしてて、甘くて、噛むともにゅもにゅ!
なんか飴とグミみたい!!
赤は苺のような味!
他にも、青、黄色、緑、紫、白、オレンジ、ピンクがある!何味なんだろ…じゅるり!!

「お爺さん!これで買えるだけ頂戴?」
俺は買い物のお釣りを渡した。
なんと!安かったのか袋いっぱい買えた!

帰ったら皆で食べよう!

ホクホク♪と歩いていたら、今度は文具店を見つけた。

あっ!ノートとペン!

日本と違い、羽ぺんや万年筆見たいなのが主流っぽい。普通のボールペンは無いんだな。

「げっ!!」
ダイナから貰ったペンと同じものがあり、き、金貨1枚って書いてある!俺の金銭感覚が間違え無ければ、約1万円!!

ガタブルですよ!!

どうしよう、俺、神から貰ったお金はあるけど、まだちゃんと稼げてない。

ダイナに同じのは買えない…と、指を加えて、ウロウロした。

「あっ!これ、ダイナみたい!!」

俺が見つけたのは万年筆で、薄い灰色の蛇柄だ。
銀貨5枚だし!

「すみませーん!これ下さい!」
俺はダイナ用のペンと自分用にノートを買った。ペンは意外とするので、ダイナに貰ったのがあるので止めて、代わりにアリアナさん用に可愛い押し花の栞を買った。いつもお世話になっているし!

バリアも集中力必要だから、さすがに精神的に疲れたから、そろそろ帰ろうと思ったら、アクセサリーの出店を見つけた。出店だからか、ちょいとお安め!

あのおバカ達にもお世話になったしと、紫硝子細工のピアスと、赤茶の革とブルーのガラス玉が付いているブレスレット、エメラルドのガラス玉のペンダント。スカイブルーのガラス玉のチャームに金色の硝子細工のブローチを買った。こっそり、アリアナさんに2個めのプレゼントも!花の細工の髪飾り!ダイナも2個だがら1つはお返しだし、アリアナさんだけ特別なら皆怒らないだろ?

アイテムボックスに仕舞い、帰路につこうとした。

「ジャン!!」
急に俺は肩を捕まれたが、バリアが弾き返した。
びっくりして、振り向くと、1人の男性が目を見開き立っていた。俺の世界だと、50歳くらい?ダイナよりもっと老けている。アリアナさんよりも…

「すみません!10歳の息子が居なくなって…!間違えてしまいました!」

10歳と間違えただと!?
いや、それどころじゃない。

「だ、大丈夫ですか?どこで居なくなったんです?」

「お菓子を選ぶと…目を離した隙に!!今人攫いが多くなっているのに!ああっ!」

頭を抱え込む男性。

確かに、ガルとの出会いもそうだったな!

「一緒に探します!!」


*******


はい、バカでした。大バカです!

こっちに行ったかもーと言われ、林の中に付いていき、探すのに夢中でバリアが緩んだところを背後から殴られ、小屋の中で縛られています。

アルが盗聴していた事を願います。

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