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自己紹介後、ソファへとエスコートされ、目の前に運ばれた温かいお茶にホッとした。
紅茶かな?
飲んだことある味に少しばかり緊張が緩む。
「聖女様、この度は急な召喚誠に申し訳ございません。」
ダダはゆっくりと頭を下げ、理由を話してくれた。
丁度1000年前に、今まで平和だった世界が禍々しい瘴気に包まれたそうだ。
瘴気は草木をゆっくり腐らせ、水を汚染した。
そして、森や山に住む魔物、動物達は瘴気を浴び凶暴化し、街を襲っていった。
瘴気のせいか、魔物も大量発生し、人間までも凶暴化し他国との戦争も増え続けて行った。
当時の人々は神の怒りと考え、生贄を山に与えたが鎮まらず、魔物と人間の戦いは100年続いた。
そして、もう世界の人口も減り、終わりを迎えるだろうと諦め、神へ最後の祈りを捧げた瞬間、聖女が舞い降り、瘴気を消し去ったそうだ。
全ての瘴気を消したが、また100年後に瘴気が発生し、神へ祈りを捧げ、また聖女を召喚し、世界を瘴気から救ってもらった。
「…なるほど、それでは今回も瘴気が発生したということですね?」
コトッと、テーブルへカップを置き、ダダを見つめると、如何にも…と小さく呟いた。
「私にその…瘴気を消せる力があるかわかりませんが…今までの聖女さんはどうやって瘴気を消していたのですか?」
高嶺の言葉にダダは眉を下げ俯き、周りも気まずそうに視線を下げた。
「?」
「……分からないのだ。」
暫くの沈黙の中、言葉を発したのは王太子だった。
「分からない?」
「タカネ様は500年振りの聖女様であり、以前の書物には3人の聖女の瘴気の消し方が書いてあるが…3人ともバラバラで、曖昧なものばかりなのだ。」
1000年のうちに3人だけ?
「最後が500年前って、それまで瘴気は無かったのですか?」
私の質問に、顔を曇らせ首を振る王太子に息を飲む。
「100年から150年の間に瘴気は現れる。以前よりは濃く無いらしいが、今年は前の2倍の濃さらしい…。」
瘴気はあった。
しかし、聖女召喚は久しぶりの成功だという事は…
「瘴気の元が分かったのですか?」
私の言葉に、目を見開く一同。
「…流石だ聖女様…。」
王太子はフッと口元に笑みを作った。
「そうだ…。だが、まずは聖女召喚についてだ。1000年前、神に生贄を捧げたり、祈りは常にしていた筈が、何故100年後に聖女を召喚できたのか、そして次の100年後も…。
そのまた100年後に聖女召喚を失敗して気付いたらしい。
…聖女召喚に必要なのは、想像だ。」
「想像?」
「最初の召喚の時王が言ったらしい。『神よ。この悪しき瘴気を打ち払い、国を浄化し平和に出来る力を!!』と。すると、その力を持つ聖女が降り立った。2回目は大神官が言ったそうだ。『この瘴気を消し去る力を持つ気高き聖女様!どうか!お救いください。』と。
…何故、大神官が気高きと言ったかは、最初の聖女が気が弱く、瘴気を消し世界を救った後に心を病んでしまったそうだ。だから、少しでも強くと思ったのだろう。
そして3度目は、また大神官が祈ったそうだが、召喚しなかった。当時は何故出来なかったか分からず、何度も祈ったらしい、人を変えたり、大勢で祈ったりと。そして100年経ち、やっとの事で召喚出来た。これで気づいたのだ…。」
「想像だと?」
私の言葉に王太子は頷いた。
「そうだ。だが、少し違う。想像だとは3度目には気づいていた。2度目に来た聖女でな。…ただ、文献ではその聖女が気が強すぎて酷く…まぁ、アレだったらしい。その為、3度目は色々な要望を願って失敗したのだ。そう、気づいたのは、その要望や想像と同じ様な聖女がいないと召喚されない事だ。」
なるほど、召喚には聖女像がハッキリしていないとダメで、望む様な女性がいないとダメなのか!
紅茶かな?
飲んだことある味に少しばかり緊張が緩む。
「聖女様、この度は急な召喚誠に申し訳ございません。」
ダダはゆっくりと頭を下げ、理由を話してくれた。
丁度1000年前に、今まで平和だった世界が禍々しい瘴気に包まれたそうだ。
瘴気は草木をゆっくり腐らせ、水を汚染した。
そして、森や山に住む魔物、動物達は瘴気を浴び凶暴化し、街を襲っていった。
瘴気のせいか、魔物も大量発生し、人間までも凶暴化し他国との戦争も増え続けて行った。
当時の人々は神の怒りと考え、生贄を山に与えたが鎮まらず、魔物と人間の戦いは100年続いた。
そして、もう世界の人口も減り、終わりを迎えるだろうと諦め、神へ最後の祈りを捧げた瞬間、聖女が舞い降り、瘴気を消し去ったそうだ。
全ての瘴気を消したが、また100年後に瘴気が発生し、神へ祈りを捧げ、また聖女を召喚し、世界を瘴気から救ってもらった。
「…なるほど、それでは今回も瘴気が発生したということですね?」
コトッと、テーブルへカップを置き、ダダを見つめると、如何にも…と小さく呟いた。
「私にその…瘴気を消せる力があるかわかりませんが…今までの聖女さんはどうやって瘴気を消していたのですか?」
高嶺の言葉にダダは眉を下げ俯き、周りも気まずそうに視線を下げた。
「?」
「……分からないのだ。」
暫くの沈黙の中、言葉を発したのは王太子だった。
「分からない?」
「タカネ様は500年振りの聖女様であり、以前の書物には3人の聖女の瘴気の消し方が書いてあるが…3人ともバラバラで、曖昧なものばかりなのだ。」
1000年のうちに3人だけ?
「最後が500年前って、それまで瘴気は無かったのですか?」
私の質問に、顔を曇らせ首を振る王太子に息を飲む。
「100年から150年の間に瘴気は現れる。以前よりは濃く無いらしいが、今年は前の2倍の濃さらしい…。」
瘴気はあった。
しかし、聖女召喚は久しぶりの成功だという事は…
「瘴気の元が分かったのですか?」
私の言葉に、目を見開く一同。
「…流石だ聖女様…。」
王太子はフッと口元に笑みを作った。
「そうだ…。だが、まずは聖女召喚についてだ。1000年前、神に生贄を捧げたり、祈りは常にしていた筈が、何故100年後に聖女を召喚できたのか、そして次の100年後も…。
そのまた100年後に聖女召喚を失敗して気付いたらしい。
…聖女召喚に必要なのは、想像だ。」
「想像?」
「最初の召喚の時王が言ったらしい。『神よ。この悪しき瘴気を打ち払い、国を浄化し平和に出来る力を!!』と。すると、その力を持つ聖女が降り立った。2回目は大神官が言ったそうだ。『この瘴気を消し去る力を持つ気高き聖女様!どうか!お救いください。』と。
…何故、大神官が気高きと言ったかは、最初の聖女が気が弱く、瘴気を消し世界を救った後に心を病んでしまったそうだ。だから、少しでも強くと思ったのだろう。
そして3度目は、また大神官が祈ったそうだが、召喚しなかった。当時は何故出来なかったか分からず、何度も祈ったらしい、人を変えたり、大勢で祈ったりと。そして100年経ち、やっとの事で召喚出来た。これで気づいたのだ…。」
「想像だと?」
私の言葉に王太子は頷いた。
「そうだ。だが、少し違う。想像だとは3度目には気づいていた。2度目に来た聖女でな。…ただ、文献ではその聖女が気が強すぎて酷く…まぁ、アレだったらしい。その為、3度目は色々な要望を願って失敗したのだ。そう、気づいたのは、その要望や想像と同じ様な聖女がいないと召喚されない事だ。」
なるほど、召喚には聖女像がハッキリしていないとダメで、望む様な女性がいないとダメなのか!
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