勇者は可愛すぎるキメラたんに夢中です。

B介

文字の大きさ
上 下
8 / 12

勇者では無いかも。

しおりを挟む
「……ん、俺の研究か?」

「そうそう!」

 それはつまり俺の観察日記を書くと言うことか?

「まあ、いいけど。じゃあ律はどうする?」

「……僕は春樹を研究するから」

「えっ、それって俺だけタマの研究ってこと?」

 思わず二人の方を向いた。
 すると二人ともポカンとした表情をしていた。

「ん? オレは気にしないけど、もしアオが気にするなら律の研究でもすればいいだろ。なあ律」

「うん」

 律の言葉がきっかけになった。
 別にタマにこだわっているわけでもないし、こうなったら幼なじみたちを徹底的に研究してやろう。

 はるちゃんに「じゃあ俺も律の研究する」と伝えると、満面の笑顔がかえってきた。

「よし! それじゃあアオに質問なっ!!」

 好きな食べ物に趣味。
 そういった俺の好みを、確かめるようにはるちゃんが質問していく。
 自分でも知らなかった癖を言い当てられたのはビックリした。
 そしてはるちゃんだけでなく律も把握していたらしい。
 というか律の方がよく知っていたほどだ。

「あとは、身長と体重だな!」

「たぶん140と30だっけ」

「……蒼翔、嘘はダメ。139と28だった」

 思い出しながら答えた俺に、律が声を上げる。

「いやいや何で知ってるんだよ?!」

「律はアオのことよく見てるもんな~」

 はるちゃんは口の端をぺろっと舌でなめると、その情報をノートに記入していった。
 すでに片面のすべてが文字で埋め尽くされている。
 ノートの左下から右上へはるちゃんの手が動いていく。

「よし!」

 と、はるちゃんが鉛筆を机に置いた。

「じゃあアオ、服ぬいで?」

 なんで、と視線で問いかければ答えてくれる。

「アオの絵を描くからだけど」

「……蒼翔の研究を紙に書くなら、絵は必要」

「いやいや、なんで裸じゃないとダメなんだよ」

 堪えきれずに笑うと二人は顔を見合わせる。
 よくいがみ合ったりするくせに、こういうときは息がぴったりだなぁ。

「その方がアオのことをよく知れるだろ?」

 ……言ったな?

「じゃあはるちゃんも律の研究で服ぬげよ」

「もちろん!!」

 予想とは違って躊躇なく言い切るはるちゃん。
 数秒くらいは迷うものだと思っていたんだけど。

 と、そこではるちゃんが律にこっそり何か伝えたことを思い出した。
 そして愕然とする。

 ……まさかはるちゃん、いままでのことって全部計算済みなのか?

 嫌な予感がして、おそるおそる律に問いかける。 
 はるちゃんはともかく、律はこういうのが苦手なはずだ。

 水泳とか、お風呂でもいつも身体を隠しているし、律も恥ずかしいからと呟いていた。

「なあ、もしかして律も俺の研究するとき服、ぬぐのか?」

 はるちゃんがお菓子をつまむのをやめて律に注目する。
 その表情はニヤニヤとしていて、面白がっているようにみえた。
 筆箱の上に鉛筆をころがして、律はキッとはるちゃんのことを睨む。

 そして一度だけ視線をさまよわせたあと上目遣いでこちらを見た。

 そのまま数秒くらい沈黙してから、ためらうように口を開いた。

「蒼翔になら、何されたっていい」

 口を閉じると耳を赤く染めた。

「そ、そうか」

 なんだか俺まで恥ずかしくなってきた。
 はるちゃんが真っ赤になった律をからかってすごく怒られている。

「アオ、俺たちもぬぐんだから、いいよな!」

「……わかったよ」

 そうして俺は服をぬいでいった。
 パンツだけの姿になった俺に、はるちゃんは言い募った。

「パンツも!!」

 いやいや、うそだよな?

「……はるちゃんが先にぬげよ」

「おう」

 さすがに冗談だよな、と思っていたら、はるちゃんは迷いなく服をぬいでいった。
 たまらず律に話しかけた。

「なぁ律。はるちゃん本当にぬいだんだけど、どうしたらいいと思う?」

「蒼翔もぬげばいいと思う」

 律も乗り気か!
 思わず天を仰いだ。

「ほらアオ、ぬぎ終わった!」

 そうしてはるちゃんが見せてきたのは、スポーツをして適度に筋肉のついた身体だった。
 その日焼けのあとから、普段ノースリーブのシャツを着ていることがわかった。

「ほれほれ」

 はるちゃんは腰をふって、ブラブラとちんこを揺らしている。
 皮が半分むけているからピンク色の亀頭が露出している。
 恥ずかしくないのか。うん、そういう性格じゃなかったな。

「……春樹は動かないで」

「おう!」

 律がはるちゃんに近づいていく。
 その片手にはメジャーがあった。

 そっと下からすくい上げるようにして、ちんこを測りはじめる。

「……それ、自由研究にも書くのかよ?」

「……そんなわけない、と思う」

「え、二人とも書かないのか?!」

 はるちゃんは常識を一から学び直せばいいと思う。

「……長さが5センチで、周りが6.5センチ」

 律はそう口にしながら、紙に書いていった。

「じゃあ次」

 そうしてちんこの皮が根元までおろされる。
 先端のふくらみにさしかかると、ペロンとめくれた。

「……皮はむけてる、と」

 好奇心があったのか、まるで「へぇ、他の人のはこんな感じなんだ」という表情をしている。
 俺は律がしていることを黙って眺めていることしかできなかった。

「ふふん」

 律はこれを二度、三度とはるちゃんが勃起するまで続けた。

「10センチ」

「じゃあ次アオの番な!」

「……わかった」

 俺は二人ともやめる気がないのを確認して観念した。
 パンツをぬいだ。

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目

カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

あめ
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話 基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想 からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定

兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~

クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。 いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。 本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。 誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。

堕とされた悪役令息

SEKISUI
BL
 転生したら恋い焦がれたあの人がいるゲームの世界だった  王子ルートのシナリオを成立させてあの人を確実手に入れる  それまであの人との関係を楽しむ主人公  

処理中です...