本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

お久しぶりです!ネフェリアたん!

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今までの経緯を事細かに伝えたネフェリアは、俯いたままフルフルと震える芳子さんを心配そうに見つめていた。


すると、ギッと急に顔を上げた芳子の顔は涙と鼻水と…鼻血?を垂れ流していた。

「よ、芳子さん!!」
オロオロと狼狽えるネフェリアは、上着のポケットからハンカチを取り出して芳子の顔に当てた。


芳子はそのハンカチでブヒーンと思いっきり鼻をかんだ。

「…ぐしゅんっ!!あのクソ野郎共!!私のネフェリアたんに!!ピーして、ピーをピーしてやるからな!!」


芳子さん…ピーばかりで何言っているか分からない。


「ゲームでは、ネフェリアたんに尽くしているくせに!!裏切るとはなんて愚かな奴!!推しは嫁として愛すべき存在!尊い存在なのにー!!キー!!」


ごめん、芳子さん。ピーを言わなくても何を言っているか分からないや。

「その点、ヴィヴァリアン様やキリウス様達は流石ですぞ!!なんて素敵な殿方達!!はわわわ!!ぬいぐるみの件なんて、見たかった!!ゲームでもそんなのなかったのに!!解せぬー!!萌え萌えしたいー!!」


頭を掻きむしる芳子を放ってお茶を飲む事にしたネフェリアは、ゆっくりとストロベリーティーを口に含んだ。


「…で、ネフェリアたんは誰に処女あげるんですか?」


ブバーーーー!!

いきなりの質問に、令息あるまじきお茶を吹き出してしまった。


「汚いですよ。ネフェリア様。」

こんな時だけ、メイドらしくしないで欲しい。
鼻水と鼻血を僕のハンカチでかむような女性に言われたく無い。


「…処女って言うな…。」

耳まで真っ赤にして膨れながら芳子を睨むネフェリアの顔に、また萌えて悶える芳子。

「ハアハアハア!!恥ずかしがっているネフェリアたんもカワユス!!」


「…うるさい。」

布巾で口を拭き、ムスッとするネフェリアたんに新しい紅茶を注ぐ。

「ですが好きになった以上、まだどなたかを決めかねていようと、複数と結婚しようと、捧げる相手を決めなければなりませんよ?………ハッ!!まさか、初めてをいきなり複数プレイ!?」


ブバーーーー!!

またしても紅茶を吹き出してしまったネフェリア。


「ネフェリアたん、汚い…。」


「じ、女性がその様な事、口にしてはいけません!!」


プルプルとトマトより真っ赤になり怒るネフェリアたんが新鮮でニマニマしてしまう芳子。

「ムフーーン。ネフェリアたんまだまだですね!女性の方がそういう話大好物なのですよ?休憩時間のメイドの会話などこれ以上すごいですからね?」


え?そうなの?


ネフェリアは驚いて目を見開き芳子を見た。


「ど、どんな話を?」


ネフェリアだって男の子。女性がその様な話をすると聞いたら興味津々になって当たり前だ。


「旦那の夜の話や、誰と誰が垣根のとこでしていたとか?」


「か、垣根!?そ、外?」

ビックリし過ぎて声が裏返ってしまったネフェリアに、温かい目を向ける芳子。


その辺の令嬢より、純白やな。


「そうそう!こんなの序の口ですよ?女が少ない分、同性同士が多い世の中ですよ??男同士なら初めてなんて関係ないですし、女も性への興味はありますしね!純潔は守りますが、途中までなら経験ある人がほとんどでは?」


ガーン!!


なんて事だ!!ぼ、僕が遅れているのか??



「昔は女性に厳しい社会だと聞いていましたが法も変わり、守られている分、同性同士の恋の発展や性の意欲が強くなりましたからねー!BL世界だしー!!ちょっと薄暗い、人目がつかないとこ覗けば、イチャイチャパラダイスですよ!!」


ガガーン!!

って事は、皆経験あるの?

もしかしてクラスの男子、皆あったりして!!
いや、待てよ?フィフィルが僕を穢れたと罵っていた!!

って事はやはり純潔が大事なのでは?

僕は芳子さんに聞くとはあー~って大きくため息をつかれて、首を振られた。


「それは、クソヒロインが貴方の評判を落とす為に敢えて言った事です。高貴な存在のビューティーフルな令息が穢れた!って言えば、皆んな興味を唆るでしょ??ヤッた行為より、イメージを変えたかったに過ぎません。見た目純粋で気高いイメージのネフェリアたんが、ビッチ!!ってなったら、イメージ悪く感じるでしょ?だから、敢えて純潔なんて言葉を使ったのです。
男に純潔もへったくりもないでしょ?閨教育で、殆どの者が童貞捨てるんですから!」

た、確かに!!高位貴族は閨教育もあるし、実技を受ければ……


そうだ、前世はしていないけど、皆んな性に興味津々で、少しばかり触れさせていた…。悪役だからと思っていたけど、実際皆そうなのか。

ってか、男に純潔ないって酷くない??

ハッ………!!


も、も、もしかしてこのまま行くと、ぼ、僕だけ童貞!!?ってか、僕だけ経験無い?!


サーーーッと顔を青ざめるネフェリア。


皇子様方やキリウス、アリウス、サリファンも経験あるって事だ……。


胸がズキズキ痛くなってきた…。

血の気もどんどんと下がる気がする。

皆も、どっかでしているのかな?


確か、男性は性を放出しないといけないって少しばかり聞いた気がする。


僕はあんまりそういうの無いけど…。


どんどんと暗くなるネフェリアに芳子は慌てた。


「ネフェリアたん!!だ、大丈夫です!貴方は純粋さが魅力です!!確かにゲームでは凄かったですが、今のネフェリアたんだから皆夢中なんです!!」


「…子供っぽいってこと?」


皆が既に大人になっていると思った瞬間から、捻くれた物言いになってしまった。


「違いますよ!ネフェリアたんはそのままで素晴らしい!萌えるって事です!!」     


芳子は思春期男子のナイーブさを知らなかった。


傷ついたネフェリアは布団に潜り、晩食の時間まで出てくる事は無かった。


「ネフェリアたーん!!」



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