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ネフェリア、学園編
お久しぶりです芳子さん
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「ネフェリアたーん!!!」
涙、鼻水のアルタこと芳子さんに現在崇められております。
「落ち着いて…芳子さん。」
事件のこともあり、父様母様と話す時間も無かった為、僕と兄様だけ、1日実家に泊まってから学園に帰る事になった。
そして、現在僕の部屋にアルタを呼んだらこの状況。
久しぶりで歓迎してくれのはいいんだけど、床に座り神に祈る用に僕を崇める芳子さんにドン引きです。
「だってだって!!ネフェリアたんが居なくなったせいで、BL要素が足りて無いんだもん!!手紙だって簡潔にまとめただけだしー!!」
ぐしゃぐしゃの顔で迫られると怖いです…。
「しかも、ネフェリアたん!なんか事件にまきこまれたんでしょ?内容分かんないけど、一時屋敷の中がピリついて…でも、ネフェリアたんの手紙には何も書いてないし…心配で心配でおばちゃん寝れなかっよー!!」
「芳子さん…。」
そっか、芳子さん…僕のこと心配してくれたんだ…。
芳子の気持ちに胸がぽかぽかした。
芳子の手を取り立たせると、いつのまにか身長差が大分出来ているのに気付く。
「ぐすん…ネフェリアたん…大きくなったね。」
「ふふっ!芳子さんは小さくなったね。」
ヘヘッと笑うネフェリアの笑顔に芳子は幼き頃、不安に包まれた顔を思い出していた。
「ネフェリアたん…幸せそうで良かった。」
いつも、不安に顔を曇らせていたネフェリア。笑顔もあったが、何かに急かされている様に生き急いでいた幼き頃。
こんなにも柔らかく、優しい笑顔はゲームでも、幼い頃でも出せていなかっただろう。
「幸せ…か。うん、何か少し色々楽になったよ。」
ネフェリアは紫色の瞳を優しく細めて芳子を見つめた。
「まだまだ何も片付いてないんだけどね。」
ネフェリアの言葉に芳子も心の中で頷く。
そう、まだ何も片付いていない。
だけど、なのに、その言葉を発するネフェリアの笑顔もまた、柔らかい。
この笑顔は誰のおかげなんだろう…。
芳子は幼き頃から見守っていたネフェリアの変化に、その良い影響を与えた人物に感謝と、そして少しばかりの嫉妬をした。
私では与えられ無かった表情。
ちょっと悔しいな…。
芳子はそんな自分の気持ちに笑う。
「芳子さん?」
ネフェリアは芳子の少し困った様な笑みに首を傾げる。
ん!!?待てよ?
ネフェリアたんが幸せそう…=誰かに幸せにしてもらっている?=BL発展!?
いつのまにか発展してるー!!!!!
手紙には何も書いてなかとよ!?
某、シークレットキャラの興奮ぐらいしか味あって無いぜよー!!!
確かに最近、ネフェリアたんが婚約者候補だと屋敷内で話の種にはなったが、今までもそうだったのに、何故今更感の話題ではあったが、本当の意味だったの!?
皇子様方が勝手に言っていた訳じゃなかったの!??
うぉー!!!!
私が必死にシーツ洗って、妄想してシークレットキャラに焦がれて、ネフェリアたんを心配している中、あんな事やこんな事が!!!!
解せぬ!!解せぬー!!
息を荒く、頭を抱える芳子に、ネフェリアは身構えながら数歩後退した。
「だ、大丈夫?芳子さん…。」
芳子は後ろで束ねた髪を振り回して悶えながら何やら叫んでいた。
そして、数分後、落ち着いた芳子の瞳は飢えた獣の様に影を差し、ゆったりとネフェリアを射抜いた。
「……ネフェリアたん、全て、全て私に話して下さい。全てですよ…。
少しでも、飛ばしたら、ネフェリアたんの幼き頃の下着を攻略者共に売り捌きますからね。」
ギロリとした芳子の目つきにネフェリアは顔を青くして頷くしかなかった。
「…はい。」
涙、鼻水のアルタこと芳子さんに現在崇められております。
「落ち着いて…芳子さん。」
事件のこともあり、父様母様と話す時間も無かった為、僕と兄様だけ、1日実家に泊まってから学園に帰る事になった。
そして、現在僕の部屋にアルタを呼んだらこの状況。
久しぶりで歓迎してくれのはいいんだけど、床に座り神に祈る用に僕を崇める芳子さんにドン引きです。
「だってだって!!ネフェリアたんが居なくなったせいで、BL要素が足りて無いんだもん!!手紙だって簡潔にまとめただけだしー!!」
ぐしゃぐしゃの顔で迫られると怖いです…。
「しかも、ネフェリアたん!なんか事件にまきこまれたんでしょ?内容分かんないけど、一時屋敷の中がピリついて…でも、ネフェリアたんの手紙には何も書いてないし…心配で心配でおばちゃん寝れなかっよー!!」
「芳子さん…。」
そっか、芳子さん…僕のこと心配してくれたんだ…。
芳子の気持ちに胸がぽかぽかした。
芳子の手を取り立たせると、いつのまにか身長差が大分出来ているのに気付く。
「ぐすん…ネフェリアたん…大きくなったね。」
「ふふっ!芳子さんは小さくなったね。」
ヘヘッと笑うネフェリアの笑顔に芳子は幼き頃、不安に包まれた顔を思い出していた。
「ネフェリアたん…幸せそうで良かった。」
いつも、不安に顔を曇らせていたネフェリア。笑顔もあったが、何かに急かされている様に生き急いでいた幼き頃。
こんなにも柔らかく、優しい笑顔はゲームでも、幼い頃でも出せていなかっただろう。
「幸せ…か。うん、何か少し色々楽になったよ。」
ネフェリアは紫色の瞳を優しく細めて芳子を見つめた。
「まだまだ何も片付いてないんだけどね。」
ネフェリアの言葉に芳子も心の中で頷く。
そう、まだ何も片付いていない。
だけど、なのに、その言葉を発するネフェリアの笑顔もまた、柔らかい。
この笑顔は誰のおかげなんだろう…。
芳子は幼き頃から見守っていたネフェリアの変化に、その良い影響を与えた人物に感謝と、そして少しばかりの嫉妬をした。
私では与えられ無かった表情。
ちょっと悔しいな…。
芳子はそんな自分の気持ちに笑う。
「芳子さん?」
ネフェリアは芳子の少し困った様な笑みに首を傾げる。
ん!!?待てよ?
ネフェリアたんが幸せそう…=誰かに幸せにしてもらっている?=BL発展!?
いつのまにか発展してるー!!!!!
手紙には何も書いてなかとよ!?
某、シークレットキャラの興奮ぐらいしか味あって無いぜよー!!!
確かに最近、ネフェリアたんが婚約者候補だと屋敷内で話の種にはなったが、今までもそうだったのに、何故今更感の話題ではあったが、本当の意味だったの!?
皇子様方が勝手に言っていた訳じゃなかったの!??
うぉー!!!!
私が必死にシーツ洗って、妄想してシークレットキャラに焦がれて、ネフェリアたんを心配している中、あんな事やこんな事が!!!!
解せぬ!!解せぬー!!
息を荒く、頭を抱える芳子に、ネフェリアは身構えながら数歩後退した。
「だ、大丈夫?芳子さん…。」
芳子は後ろで束ねた髪を振り回して悶えながら何やら叫んでいた。
そして、数分後、落ち着いた芳子の瞳は飢えた獣の様に影を差し、ゆったりとネフェリアを射抜いた。
「……ネフェリアたん、全て、全て私に話して下さい。全てですよ…。
少しでも、飛ばしたら、ネフェリアたんの幼き頃の下着を攻略者共に売り捌きますからね。」
ギロリとした芳子の目つきにネフェリアは顔を青くして頷くしかなかった。
「…はい。」
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