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ネフェリア、学園編

尾行

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ここ最近カフェに張り込みをかけるが、フィフィルは現れない。

ターゲットをフィフィルに絞り、尾行して思った事は、こいつは屑だってこと。

何故自分がネフェリアと張り合えると思ったのか、作文用紙20枚に纏めて欲しいと思う。


アリウスはげんなりとした表情で空き教室の天井裏でため息を吐く。

何故このようなところにいるかというと、空き教室でフィフィルが現在アレの真っ最中だからだ。

「あん!!いい、いいよ!パラノック様!!」


お相手は3年のパラノック男爵家の次男坊だ。

確か、ネフェリアに恋焦がれ肖像画を描かせていたと影から連絡が入っていた奴だ。

「ハアハア!フィフィル!!うっ!もう、たまらない!!」


こうも簡単に鞍替えするとは…。
そんな微々たる思いで、ネフェリアを想わないで欲しいと、舌打ちが出そうになる。

フィフィルを尾行して気付いた点は、このように密かにネフェリアに恋焦がれる奴を誘い、自分に魅了する。
そしてネフェリアの嘘八百の情報を渡して、悪い噂を流したり、ネフェリアが自分に好意があるかのように伝えている。

現在フィフィルの失敗により、裏の奴とフィフィルは連絡をとっていないようだ。

普通に学校に登校し、男と密会し、授業、我々の誰かに接近し、授業、放課後はまた、男と密会だ。


「あん!ああっ!!イクッ!」


気色悪い、嘘くさい喘ぎをここ数日ずっと聞かされ、吐きそうになる。


ああ、早くネフェリアに会いたい!癒されたい!!


しかし、しょうがない…ネフェリアの為だ。

影はネフェリアの警護と後一名を俺が見張れない時フィフィルを見て貰っている。

しかし、上がってくる報告書は同じもの。



「う!!フィフィル!!イクー!!」



おおっ!やっとフィニッシュか。


これで今日の調査も終われる。


「私とのは…どうだったか?」


「パラノック様…とても良かったです。これなら、ネフェリア様も貴方無しでは生きられなくなるでしょう。ネフェリア様は交わりがお好きなようで、貴方とも…と求めていましたので。」

フィフィルは赤い顔でパラノックの耳元で囁く。


「誠か?…ネフェリア様も罪な方だ。そう言って誘って下さればいいものを!!ただ見ることだけで満足していた時間が憎い!!」

パラノックは自身の胸を叩き、恋焦がれるネフェリアを思い出すかの様にうっとりと空を見上げた。


少しムッとした表情を作りつつも、フィフィルは続ける。

「あの方は自分の思いとは裏腹に現在皇子様の婚約者候補です。自ら動く事は難しいでしょう。あの方の合図は視線です。目が合ったり、自分が誘われているという視線を感じたら行動を移すべきです。」

「なるほど、視線か…」

フィフィルは考えるパラノックの姿にクスリと笑い、また耳元に唇を近づけた。


「後…ネフェリア様は少し乱暴な方がお好みです。」


ゴクリと唾を飲み込むパラノックは興奮を隠せず、ウキウキとニヤケながら身だしなみを整え出した。


「…とても良い時間と情報だった。ありがとう。フィフィル殿。」


そして、パラノックは空き教室を出た。


アリウスは側に控えていた影に合図をし、パラノックがネフェリアに手を出さないように対策、まあ脅しを掛けるよう動かした。



「はあ!!どいつもこいつもネフェリア!ネフェリア!うるさいっつうの!!」


ギリギリと歯軋りをしながらフィフィルも身だしなみを整える。


「くそ!!あんな人形みたいな奴のどこがいんだよ!ヒロインは僕のはずなのに!カウディリアンもアリウスも、サリファンも!キリウス様だって!!イベントも全然起こらないし!!」


ヒロイン?イベント?

何かの暗号か?



「あの方からの指示には従っているけど、本当にこれだけでいいのかな…。」



何!?指示は出ているのか??


フィフィルはため息を吐き、教室を後にした。


アリウスは速攻で生徒会室へと向かった。


中には既にサリファンないた。


「サリファン!!フィフィルがやはり誰かから指示を貰っている。」

サリファンはゆっくり顔を上げ、頷いた。


「僕の方にも情報が入った。」


「ずっと見張っていたが、それらしき奴とは接触していないぞ?」

「食堂のテーブルだよ。アリウス。」


食堂?


「フィフィルは必ず同じ席に休憩から10分遅れて座る。10分遅れているのに、何故同じ席に座れると思う?」

サリファンは面白そうに笑みを浮かべて、アリウスを見た。


「そこを空けておく必要があるが、男爵にその力は無いし、食堂は混雑している……あっ!!誰かが先に座り、フィフィルと交換している!?」

アリウスは目を見開きサリファンを見た。


「そうだ。ダミーもいるようで、数人怪しい奴がいる。その中で1番怪しい人物は必ず週の中日に座り、フィフィルが来ると同時に席を立っている。」

「中日って明日じゃないか!!」


サリファンはニヤッと口元を笑わせた。


「ああ。アリウス。動くぞ。」


サリファンの悪魔のような笑みに一瞬ゾワッと鳥肌を立てつつ、アリウスは頷いた。



こいつは敵に回したく無いな。
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