85 / 107
ネフェリア、学園編
尾行
しおりを挟む
ここ最近カフェに張り込みをかけるが、フィフィルは現れない。
ターゲットをフィフィルに絞り、尾行して思った事は、こいつは屑だってこと。
何故自分がネフェリアと張り合えると思ったのか、作文用紙20枚に纏めて欲しいと思う。
アリウスはげんなりとした表情で空き教室の天井裏でため息を吐く。
何故このようなところにいるかというと、空き教室でフィフィルが現在アレの真っ最中だからだ。
「あん!!いい、いいよ!パラノック様!!」
お相手は3年のパラノック男爵家の次男坊だ。
確か、ネフェリアに恋焦がれ肖像画を描かせていたと影から連絡が入っていた奴だ。
「ハアハア!フィフィル!!うっ!もう、たまらない!!」
こうも簡単に鞍替えするとは…。
そんな微々たる思いで、ネフェリアを想わないで欲しいと、舌打ちが出そうになる。
フィフィルを尾行して気付いた点は、このように密かにネフェリアに恋焦がれる奴を誘い、自分に魅了する。
そしてネフェリアの嘘八百の情報を渡して、悪い噂を流したり、ネフェリアが自分に好意があるかのように伝えている。
現在フィフィルの失敗により、裏の奴とフィフィルは連絡をとっていないようだ。
普通に学校に登校し、男と密会し、授業、我々の誰かに接近し、授業、放課後はまた、男と密会だ。
「あん!ああっ!!イクッ!」
気色悪い、嘘くさい喘ぎをここ数日ずっと聞かされ、吐きそうになる。
ああ、早くネフェリアに会いたい!癒されたい!!
しかし、しょうがない…ネフェリアの為だ。
影はネフェリアの警護と後一名を俺が見張れない時フィフィルを見て貰っている。
しかし、上がってくる報告書は同じもの。
「う!!フィフィル!!イクー!!」
おおっ!やっとフィニッシュか。
これで今日の調査も終われる。
「私とのは…どうだったか?」
「パラノック様…とても良かったです。これなら、ネフェリア様も貴方無しでは生きられなくなるでしょう。ネフェリア様は交わりがお好きなようで、貴方とも…と求めていましたので。」
フィフィルは赤い顔でパラノックの耳元で囁く。
「誠か?…ネフェリア様も罪な方だ。そう言って誘って下さればいいものを!!ただ見ることだけで満足していた時間が憎い!!」
パラノックは自身の胸を叩き、恋焦がれるネフェリアを思い出すかの様にうっとりと空を見上げた。
少しムッとした表情を作りつつも、フィフィルは続ける。
「あの方は自分の思いとは裏腹に現在皇子様の婚約者候補です。自ら動く事は難しいでしょう。あの方の合図は視線です。目が合ったり、自分が誘われているという視線を感じたら行動を移すべきです。」
「なるほど、視線か…」
フィフィルは考えるパラノックの姿にクスリと笑い、また耳元に唇を近づけた。
「後…ネフェリア様は少し乱暴な方がお好みです。」
ゴクリと唾を飲み込むパラノックは興奮を隠せず、ウキウキとニヤケながら身だしなみを整え出した。
「…とても良い時間と情報だった。ありがとう。フィフィル殿。」
そして、パラノックは空き教室を出た。
アリウスは側に控えていた影に合図をし、パラノックがネフェリアに手を出さないように対策、まあ脅しを掛けるよう動かした。
「はあ!!どいつもこいつもネフェリア!ネフェリア!うるさいっつうの!!」
ギリギリと歯軋りをしながらフィフィルも身だしなみを整える。
「くそ!!あんな人形みたいな奴のどこがいんだよ!ヒロインは僕のはずなのに!カウディリアンもアリウスも、サリファンも!キリウス様だって!!イベントも全然起こらないし!!」
ヒロイン?イベント?
何かの暗号か?
「あの方からの指示には従っているけど、本当にこれだけでいいのかな…。」
何!?指示は出ているのか??
フィフィルはため息を吐き、教室を後にした。
アリウスは速攻で生徒会室へと向かった。
中には既にサリファンないた。
「サリファン!!フィフィルがやはり誰かから指示を貰っている。」
サリファンはゆっくり顔を上げ、頷いた。
「僕の方にも情報が入った。」
「ずっと見張っていたが、それらしき奴とは接触していないぞ?」
「食堂のテーブルだよ。アリウス。」
食堂?
「フィフィルは必ず同じ席に休憩から10分遅れて座る。10分遅れているのに、何故同じ席に座れると思う?」
サリファンは面白そうに笑みを浮かべて、アリウスを見た。
「そこを空けておく必要があるが、男爵にその力は無いし、食堂は混雑している……あっ!!誰かが先に座り、フィフィルと交換している!?」
アリウスは目を見開きサリファンを見た。
「そうだ。ダミーもいるようで、数人怪しい奴がいる。その中で1番怪しい人物は必ず週の中日に座り、フィフィルが来ると同時に席を立っている。」
「中日って明日じゃないか!!」
サリファンはニヤッと口元を笑わせた。
「ああ。アリウス。動くぞ。」
サリファンの悪魔のような笑みに一瞬ゾワッと鳥肌を立てつつ、アリウスは頷いた。
こいつは敵に回したく無いな。
ターゲットをフィフィルに絞り、尾行して思った事は、こいつは屑だってこと。
何故自分がネフェリアと張り合えると思ったのか、作文用紙20枚に纏めて欲しいと思う。
アリウスはげんなりとした表情で空き教室の天井裏でため息を吐く。
何故このようなところにいるかというと、空き教室でフィフィルが現在アレの真っ最中だからだ。
「あん!!いい、いいよ!パラノック様!!」
お相手は3年のパラノック男爵家の次男坊だ。
確か、ネフェリアに恋焦がれ肖像画を描かせていたと影から連絡が入っていた奴だ。
「ハアハア!フィフィル!!うっ!もう、たまらない!!」
こうも簡単に鞍替えするとは…。
そんな微々たる思いで、ネフェリアを想わないで欲しいと、舌打ちが出そうになる。
フィフィルを尾行して気付いた点は、このように密かにネフェリアに恋焦がれる奴を誘い、自分に魅了する。
そしてネフェリアの嘘八百の情報を渡して、悪い噂を流したり、ネフェリアが自分に好意があるかのように伝えている。
現在フィフィルの失敗により、裏の奴とフィフィルは連絡をとっていないようだ。
普通に学校に登校し、男と密会し、授業、我々の誰かに接近し、授業、放課後はまた、男と密会だ。
「あん!ああっ!!イクッ!」
気色悪い、嘘くさい喘ぎをここ数日ずっと聞かされ、吐きそうになる。
ああ、早くネフェリアに会いたい!癒されたい!!
しかし、しょうがない…ネフェリアの為だ。
影はネフェリアの警護と後一名を俺が見張れない時フィフィルを見て貰っている。
しかし、上がってくる報告書は同じもの。
「う!!フィフィル!!イクー!!」
おおっ!やっとフィニッシュか。
これで今日の調査も終われる。
「私とのは…どうだったか?」
「パラノック様…とても良かったです。これなら、ネフェリア様も貴方無しでは生きられなくなるでしょう。ネフェリア様は交わりがお好きなようで、貴方とも…と求めていましたので。」
フィフィルは赤い顔でパラノックの耳元で囁く。
「誠か?…ネフェリア様も罪な方だ。そう言って誘って下さればいいものを!!ただ見ることだけで満足していた時間が憎い!!」
パラノックは自身の胸を叩き、恋焦がれるネフェリアを思い出すかの様にうっとりと空を見上げた。
少しムッとした表情を作りつつも、フィフィルは続ける。
「あの方は自分の思いとは裏腹に現在皇子様の婚約者候補です。自ら動く事は難しいでしょう。あの方の合図は視線です。目が合ったり、自分が誘われているという視線を感じたら行動を移すべきです。」
「なるほど、視線か…」
フィフィルは考えるパラノックの姿にクスリと笑い、また耳元に唇を近づけた。
「後…ネフェリア様は少し乱暴な方がお好みです。」
ゴクリと唾を飲み込むパラノックは興奮を隠せず、ウキウキとニヤケながら身だしなみを整え出した。
「…とても良い時間と情報だった。ありがとう。フィフィル殿。」
そして、パラノックは空き教室を出た。
アリウスは側に控えていた影に合図をし、パラノックがネフェリアに手を出さないように対策、まあ脅しを掛けるよう動かした。
「はあ!!どいつもこいつもネフェリア!ネフェリア!うるさいっつうの!!」
ギリギリと歯軋りをしながらフィフィルも身だしなみを整える。
「くそ!!あんな人形みたいな奴のどこがいんだよ!ヒロインは僕のはずなのに!カウディリアンもアリウスも、サリファンも!キリウス様だって!!イベントも全然起こらないし!!」
ヒロイン?イベント?
何かの暗号か?
「あの方からの指示には従っているけど、本当にこれだけでいいのかな…。」
何!?指示は出ているのか??
フィフィルはため息を吐き、教室を後にした。
アリウスは速攻で生徒会室へと向かった。
中には既にサリファンないた。
「サリファン!!フィフィルがやはり誰かから指示を貰っている。」
サリファンはゆっくり顔を上げ、頷いた。
「僕の方にも情報が入った。」
「ずっと見張っていたが、それらしき奴とは接触していないぞ?」
「食堂のテーブルだよ。アリウス。」
食堂?
「フィフィルは必ず同じ席に休憩から10分遅れて座る。10分遅れているのに、何故同じ席に座れると思う?」
サリファンは面白そうに笑みを浮かべて、アリウスを見た。
「そこを空けておく必要があるが、男爵にその力は無いし、食堂は混雑している……あっ!!誰かが先に座り、フィフィルと交換している!?」
アリウスは目を見開きサリファンを見た。
「そうだ。ダミーもいるようで、数人怪しい奴がいる。その中で1番怪しい人物は必ず週の中日に座り、フィフィルが来ると同時に席を立っている。」
「中日って明日じゃないか!!」
サリファンはニヤッと口元を笑わせた。
「ああ。アリウス。動くぞ。」
サリファンの悪魔のような笑みに一瞬ゾワッと鳥肌を立てつつ、アリウスは頷いた。
こいつは敵に回したく無いな。
70
お気に入りに追加
3,074
あなたにおすすめの小説
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中

お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる