本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

文字の大きさ
上 下
83 / 107
ネフェリア、学園編

まさかのお風呂2

しおりを挟む
浴室の逃げ場のない環境に裸体の男4人。


「ヴィヴァリアン様…キリウス様…カウディリアン様…。」

ネフェリアは顔を真っ赤にして3人を見る。


3人の顔も真っ赤で熱いし視線で見つめられる。


「大丈夫だ…ネフェリア。何もしない。」

ヴィヴァリアンはそっと手を差し出した。


「父上が…一緒に風呂に入ったと言うから…ついな。」

キリウスがムッと唇を突き出す。


「さ、早く汗を流そう。」

カウディリアンも恥ずかしそうに笑う。


僕はドキドキしながらヴィヴァリアンの手を取ると、ゆっくりと引き寄せられた。


ヴィヴァリアン様の素肌に触れているところが熱く感じた。


「ネフェリア、私が洗ってあげよう。」

ヴィヴァリアンの発言にネフェリアは慌てた。


「いや!私が洗います!!第一皇子様にそのような事させられません!!」


「そうか?じゃあ頼む。」


ニンマリと笑い、椅子に腰掛けた。


あれ?はめられた?


僕は泡を作り、ヴィヴァリアンの広い背中に布を当てた。

ドキドキするせいか、震えながらゆっくりと洗う。


キリウスは僕の頭にキスをしながら、椅子に腰掛けてこちらを見ている。


カウディリアンも壁に寄りかかりジッと見下ろしているようだ。


見られている事と、ヴィヴァリアンに触れている事で心臓が凄い音を奏でている。


「クスッ。いつまで背中だ?前も頼む。」

ヴィヴァリアンはくるっと方向を変えてネフェリアと向き合った。

ネフェリアはビクッと身体を震えさせて、またゆっくりとヴィヴァリアンに触れる。

熱い胸板、長い手足、割れた腹筋。

どれも目が離せなくなるほど美しく感じた。

しかし、ヴィヴァリアンの吐息が徐々に荒くなるのを感じると共に、視線に入らないようにしている部分が反応しているのがわかり、ネフェリアは羞恥に身体中が赤くなる。

「お、終わりました!!」

ネフェリアは側から離れようとすると腕を掴まれた。

「まだ、洗っていないとこがあるが?」

意地悪な笑みで覗き込まれ、パクパクと口を動かすと、クスッとヴィヴァリアンは手を離した。

「冗談だ。ありがとうネフェリア。」

キリウスが少し荒々しくヴィヴァリアンにお湯を掛けた。

「ブッ!!キサマ!!」

「冗談が過ぎます。あ、まだ泡が!」

ザバァ!

「ゴボッ!覚えとけよ!」


「ネフェリア、俺も洗って?」

次にカウディリアンが座る。

カウディリアンはヴィヴァリアンより少しばかり筋肉量は少ないが同世代の中ならアリウスと揃ってダントツだ。

同じようにゆっくりと背中を洗い、前に移る。ニコニコと笑みを向けて、キラキラの金の瞳に見つめられ、恥ずかしさにもじもじと身体を動かしてしまう。

「お、終わりました!!」

やっとの思い出洗きり、顔を上げると、頭にキスをされた。

「ありがとうネフェリア。」

ザバァ!!


今度はヴィヴァリアンがカウディリアンの頭の上からお湯をかける。

「ゴボッ!あ、兄上!!ブヘ!」

しかも2連ちゃんだ。


「じゃあ、次は俺だな?俺が洗うのと、ネフェリアが洗うのどっちがいい?」


ニヤッと笑みを浮かべ見つめられ、僕が洗うと宣言した。


キリウスは椅子に座り背中を向けると、筋肉隆々の背中に、ネフェリアは目を見開く。

目の前で見る迫力がすごくて、つい固まってしまった。


「チッ!体質か…。」

ヴィヴァリアンが悔しそうに舌打ちをする。


一つ一つの筋肉が主張し姿を表している背中は彫刻のようだった。

僕はあまりの凄さに恥ずかしいと言う感覚より、理想的身体、男なら憧れる筋肉に見入ってしまった。

背中が終わり、前に取り掛かっても同じように、主張する筋肉の厚さ。

つい見過ぎて、キリウスが僕に贈る視線に気付かなくて、ただただ必死に洗いながら見入っていると、

「ネフェリア、筋肉の見惚れているせいで視姦されているぞ?」

不機嫌なヴィヴァリアンの声に気付き、キリウスを見ると、キリウスは猛獣のような瞳で僕の身体を見ていた。

僕の視線に気付き、キリウスは視線を合わせると、ニヤッといやらしい笑いを浮かべる。

僕はあまりの色気に背後に倒れてしまい、僕の全てがキリウスの前に曝け出してしまった。


キリウスはヒューと、口笛を吹いて、その一点を見つめる。


慌てて、僕は両手で隠すと、意地悪な顔でキリウスは笑った。

「ご馳走さん。」

バシャー!!

カウディリアンとヴィヴァリアンが一気にキリウスにお湯をかける。

「ゴボッガハッ!やめ!!」

何度も連続でかけて、さすがのキリウスも溺れている。

「貴様!ネフェリアの可愛いピンクを特等席で!」

「ネフェリアの可愛い蕾を正面で見やがって!」

ふ、2人も見た!?

「もう!!みんな、先に出てって下さい!!早く出ないと、暫く兄様と寝ますよ!!」


僕は羞恥に赤く染めたまま、3人を睨むと、慌てて、浴室から出て行った。


もう!!!本当に!変態め!!


せっかく自分の気持ちと見つめ合ったが、暫く言ってやらん!!

ぷりぷりとネフェリアは自分の身体を洗い出した。




しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつまりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

処理中です...