本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

カウディリアンとの閨

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僕は今非常にドキドキしています。

まさかのカウディリアン様と寝室にいるからです。


前世からの僕がこんな事を想像出来たでしょうか。


ただ、今1番困るのは、カウディリアン様の視線の先が、ぬいぐるみ3体に向いている事です。


ぬいぐるみをガン見してから無言の数分間…僕はどうしたらいいんでしょうか。


比較的大きいベッドなので邪魔にはならないはずの3体。


一応ベッドメイキング担当のメイドが気を使い、毎回3体ベッドの上にいて、その日の閨相手が自分以外のぬいぐるみを放り出すルーティン。


しかし、今回は何も知らないカウディリアン様。

この空気が重い感じはなんだ。


カウディリアン様はゆったりと歩き出した。

すると、ぬいぐるみ3体をベッドから放り投げると、何事もなかったように僕を抱きしめた。


「か、カウディリアン様?」

「ん?」


おずおずと顔をあげてみると、爽やかな笑顔を向けられ、何も言えない。

っていうか、言わせないオーラが強い。


ベッドに2人で腰をかけると、チュッと額にキスをされ、ゆっくりと倒された。

カウディリアン様はベッドに僕を潜り込ませ、腕枕をしてくれた。

向き合う瞳が優しく輝いている。


「ネフェリア…君の事が好きだ。大好きだよ。…だから、早く君も俺を…。」


蕩けそうなほど甘い表情で、囁かれ、触れるだけの口付けをされた。

たった少しの触れるキスだけど、カウディリアン様の熱さを感じてジンジンする。


嫌がら無い僕にホッとしたのか、繰り返し熱い唇をが触れ、徐々に啄むように激しくなっていく。

互いの唇を挟みあいながら、角度を変えて…そしてカウディリアンの舌先が僕の舌に触れた。

「んっ!!」

絡まる舌の甘さに痺れる感じが気持ちいい。

「甘い……。」

ハア…と吐息を漏らして、うっとりするカウディリアンに、ネフェリアも顔を熱らす。


抱き合いながらのキスは隙間を余す事なく埋めていく。


キスの心地よさにカウディリアンの身体に抱きついて求めていると、カウディリアンの硬いものが僕の足に当たる。

恥ずかしさに、僕が横を向くと、許さないとばかりに、顔を戻され、深く、唇を貪られる。


「俺を…受け入れてくれ…。」

熱い吐息と共に囁かれた言葉にドキッとした。

戸惑う僕の視線に、クスリと笑い…またキス…

「ん!…カウディリアン様…」

「ネフェリアが…俺を恐れている事に…気付かないとでも?」

少し切なそうに笑うカウディリアン様に僕は呆然と見つめてしまった。


「長い付き合いだからな…お前が、幼い頃から、時々視線が合うと怯えていた…最初は、男が怖いのだと…だからだと、言い聞かせていたが、他の者へとは違う視線に、成長と共に気付き始めた。…最初は自分の惚れている相手に、そのような顔をされて…苦しく思えた。……だが、ある夢を何度も見るうちに、内なる何かが、いつかお前を傷つけるのでは?…だからお前も私が怖いんじゃないか?…そう思うようになった。」

カウディリアン様の言葉に、僕の心臓は破裂しそうなくらいバクバクと音を鳴らした。


「諦めることも…考えたよ。……だけど、お前を思うと、最後の踏ん切りがつかない、中途半端な奴なんだ俺は…。すまない、好きなんだ。大好きだ、愛してる。言葉じゃ言えないほど…。必ず幸せにする…いや、せめて側にいさせてくれ…。受け入れてくれ…ネフェリア。」

苦しそうな…切なそうな…カウディリアン様の表情と、キラキラ光る瞳から溢れ落ちる涙が、僕の頬を濡らした。

ああ、なんて綺麗な涙なんだろう…。

先程とは明らかに違う僕の心臓の音。

キュウウッと締め付けられる程の愛しさに彼を抱きしめた。


もう、僕は…貴方に対しての過去を忘れます。

今の貴方と向き合います。


「もう……怖くない…怖くないです。カウディ様。とっくに…受け入れてます。」

僕もつい、涙ぐんでしまった。

見せたくなくて、ギュッとしがみつくと、カウディリアン様もギュッと抱きしめ返してくれた。

そして、また貪るようなキス。


普通はありえない、巻き戻しのやり直せた今世。


これは、怯える為ではない。

これは、やり直しではない。


これは、新しい人生なのだと、今気づいた。


神様…僕にチャンスをくれてありがとございます。



カウディリアンとの初めての閨は涙溢れて少ししょっぱくてあったかいものだった。
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