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ネフェリア、学園編
自分の気持ち
しおりを挟む背後から抱きつくフィフィルは、視線で男2人に合図を送ると、2人は鼻息荒く、興奮した様子でネフェリアの両腕と両足を掴み、持ち上げた。
ネフェリアは必死にもがくが、筋力の差は歴然で、床の上に押さえ込まれた。
「ハアハア…ネフェリア様…ネフェリア様が俺の腕の中にいるなんて!!」
腕を押さえて、ネフェリアの上に跨る男は、前世の右腕、トビー・ポンズ。
大柄で、力自慢な彼に買い物を行く度に荷物を持ってもらったり、変質者から助けて貰っていた。
確か、僕のハンカチなどを盗み、コレクションにしていた男だ。
気持ち悪いが、身を守る為に側に置いていた男。僕に直接の害を与えなかったから続いた関係性だ。
そして、足を押さえている、フレディー・シュームズは前世の左腕。
長身で皇子達には及ばないが、美形の部類に入る。綺麗な赤みがかった茶髪は肩甲骨くらいまであり、綺麗に纏めている。彼は顔が広く、情報関係の強みから側に置いていた。僕への執着が強く、少しでも隙を見せると襲ってくる奴だが、トビーが居れば安心だし、彼の情報量は手放すには惜しかった。ほっぺにキスくらいはしていた気がする。
懐かしい顔ぶれが、いやらしい笑みを見せながら、僕を抑え込み、息を荒くしている。
「ネフェリア様…彼らは貴方のファンらしいのです。貴方に随分ご執心でして…。少し、彼らに相談したら、力になってくれるそうなんです。」
にっこりと微笑むフィフィルに、ネフェリアは視線を向ける。
「…相談?」
「ええ。…貴方は自分の美貌と、身体を使い、僕の愛する方々を操り、騙し、僕の邪魔をしようと、何か吹き込みましたよね?」
フィフィルはコツコツと組み敷かれるネフェリアの側まできて、蹲み込み、怒りに満ちたピンクの瞳を向けた。
「なっ!?美貌?身体?操る?…君の事を吹き込むって…一体なぜ!?」
以前、カウディリアンの時も、彼はそんな事を言っていた…。
「そんな事する理由なんて無い!何か誤解がある様だ…話し合おう。」
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「嘘言うな!!彼らは、僕を愛する筈なのに、あんな態度!!…貴方が何かしたんでしょ!?妖精なんて噂流して、彼らを垂らしこんだ!」
癇癪を起こし、キーキーと怒鳴りつけるフィフィルは、ネフェリアの前髪を掴み、揺さぶる。
ネフェリアは頭皮の痛みに、グッと目を瞑り、耐える。
「…そんなに飢えているなら…他の人に相手をして貰えばいいんだ…。だから、貴方を見つめる彼らに声を掛けたんだ。ネフェリア様は性欲が盛んで、綺麗な皇子様達を誑かし、騙し、陥れている。皇子様達は僕を愛する筈なのに、貴方に操られ虐められるから、彼らに代わりにネフェリア様の身体を慰めて欲しいとお願いしたんだ。」
ニヤリと笑うフィフィルの表情は、前世の自分よりも、もっと黒くいやらしく、歪んでいた。
「まさか…美しく儚げなネフェリア様が、皇子様方と身体の関係だとは思いもしませんでした。貴方は本当に綺麗で…汚れをしらないと…見ているだけで良かった…。暴漢に幼き頃襲われた噂もあるから、怖がらせては…と、遠巻きで見るだけにしていたのに……ハアハア…そんなにお身体が寂しいなら…お、俺が…!!」
トビーは、ギラギラと焦げ茶の瞳を光らせ、ネフェリアの白い頬に舌を這わした。
滑る感触に鳥肌が立つ。
「うっうっ!僕は誰にも身体を許した覚えは無い!!」
ネフェリアはギラつく男の瞳に恐怖と嫌悪感を感じながらも、必死に訴えるが、彼らは、もう、ネフェリアを組み敷くことしか考えていない様だ。
フレディーはネフェリアのズボンを脱がしにかかり、ネフェリアは必死に抵抗し、暴れるが、フィフィルが足を抑えるのを手伝った。
「嫌だ!やめ…!」
ネフェリアの叫びはトビーの大きな手によって遮られる。
「んっん!!」
苦しくてもがくが、トビーは背後を振り返り、もがくネフェリアに気づかない。
下半身は露わになった様で、肌が空気に晒されている。
ネフェリアの下半身を見つめる3人の男は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「…なんて、美しいんだ…こんなとこまでとは!!」
フレディーは、熱い息を吐きながら、ネフェリアの下半身に釘付けになる。
「肌が真っ白で、真珠の様だ…ネフェリア様はやはり、男性なのに、毛は薄いんだね。足も綺麗でツルツルだ。剃った感じでも無いし…陰毛だって、プラチナブロンドでサラサラで…こんなにも薄い…何も隠せていないよ?」
フレディーの言葉にネフェリアは羞恥に震えた。
「確かに…悔しいが、綺麗だ。こんな身体で迫られたら一溜まりもないね。可哀想…僕の皇子様。」
フィフィルは眉をよせ、呟くと、教室の扉に向かった。
「後は頼んだよ?君らの虜にしちゃってね?2度と僕の邪魔をさせないようにして下さい。」
トビーとフレディーはネフェリアから視線を外さず、フィフィルに向かい、手を挙げた。
フィフィルは教室から出て行ったのだろう。
扉の閉まる音が響く。
「おい。俺が抑えとくから、鍵を閉めろ。」
トビーに言われ、フレディーは扉に鍵をかけた。
「ネフェリア様…気持ちよくなりましょうね。」
ニタリと笑うトビーに、ネフェリアはもがきながら、トビーを睨みつける。
フレディーは鍵を閉めると、ハンカチを取り出した。
それを見たトビーは口を塞いでいた手を離して、ネフェリアの顎を持つと、口を開かせ、そこにフレディーはハンカチを詰め込んだ。
「ちょっとの間我慢してください。喘ぎ声聞きたいけど、まだ人がいますしね。」
トビーは片手でネフェリアの両手を押さえたまま、空いた手で制服のボタンを外していく。
フレディーは下肢の方にまた周り、吸い付く肌を楽しみながら、内腿に舌を這わせ舐めしゃぶる。
「ンンー!!」
ネフェリアは身体全体を激しく動かそうとするが、トビーの重さでうまく動けない。
胸元から現れたピンクの小さな突起に、トビーは夢中でしゃぶりついた。
ゾクゾクと背筋に悪寒が走り、恐怖のあまり、身体が震えだす。
嫌だ!嫌だ!
触らないで!止めて!!
ネフェリアの瞳に涙が浮かぶ。
ヴィヴァリアンやキリウス、サリファン、カウディリアン、アリウスの時には感じなかった嫌悪感に襲われる。
触られた場所、舐められた場所から汚れていくように感じ、自分が惨めになる。
こんな…初めて…やだよ…。
前世からずっと襲われたり、欲望の瞳で見られてきたけど、初めては誰にも渡さなかった。
立川も、多分、僕もそう…好きな人と幸せを感じたかったんだ…。
欲望の捌け口じゃなく、好きな人と…。
触られる気色悪さにギュッと目を瞑ると、涙がこぼれ落ちる。
夢中な彼らはその事に気付かず、貪りつづけ、フレディーはネフェリアの双丘の奥底の蕾を見つけた。
スーと外気に晒された奥の場所に、ネフェリアは驚愕する。
ハアハアと熱い息をそこに感じて、暴れたいが動けない。
フレディーは、長い舌を尖らせて、蕾を突くと、ビクンとネフェリアの身体が電気が走ったように跳ねる。
フレディーはうっとりと呟きながら、舌を何度も這わせた。
「ああ…なんて美しいんだ。まだ誰にも汚されていないように綺麗だ。こんな小さな穴で、あの皇子様方を迎えたのか?」
くそっ!!
ちくしょー!!
なんて僕は無力なんだ!あんなに剣も練習したのに!体術だって…!!
確かに、生き残る為なら、身体だって差し出すって言った!!
だけど、初めてくらい夢見てもいいだろう!?
ううっ!どうせ捧げるなら…
可愛い女の子……
その時、ネフェリアの頭に浮かんだのは…可愛い女の子ではなく、いつも側にいたヴィヴァリアン達だった。
ネフェリアはそんな自分自身に驚き、何度も可愛い女の子を思い浮かべ様とするが、彼らのキスや笑顔が鮮明に浮かんだ。
ああ…僕は、まだ見ぬ彼女より、彼らのが大事なんだ。
彼らなら良かったと思える程には。
彼らを好きかは…まだ、分からないけど、彼らとなら、この行為も嫌悪せず、受け入れられたのかもしれない。
フィフィルが言う通りなのかも…
僕がヒロインの邪魔をした。
僕が彼らを求めてしまったのかも…
ネフェリアはふと、瞳を閉じて、呼吸を整えた。
これは罰なのだ、自分自身の為に、他人の邪魔をしてしまった罰だと。
ネフェリアは諦め、身体から力を抜き、抵抗を止めて受け入れる決断をしたのだ。
「やっと、お許し頂けた…」
ネフェリアから受け入れて貰ったと、歓喜に震え、張り詰めた自分のペニスをフレディーはズボンから解放し、ネフェリアの足を抱え、奥の蕾に自身を当てた。
諦め、グッと強く目を瞑った時だった。
バタンッと激しい音が響き渡る。
トビーとフレディーは扉の方へ振り向くと、金具から外れた扉は倒れ、怒りに燃えたキリウスが立っていた。
「お前ら何をしている!!!」
ネフェリアからは見えないが、先程何度も思い出した彼の声に、涙が溢れた。
ああ、神様…ありがとうございます。
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