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ネフェリア、学園編
嫌な視線
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ハァァ…
ネフェリアは大きく溜息をつく。
芳子さんに会いたい…。
ここ最近、ヴィヴァリアン、キリウス、サリファン…そして先程のカウディリアン…何故か、攻略対象に告白をされている。
幼少期は婚約の件もあったから…しょうがないとして、学園ではヒロインもいるから対象が変わると思いきや…芳子さんの説明通りに全くならず…
前回と大きく違うストーリーに、もうどうしたらいいか分からない。
これなら…何も起こらずに済むのかな?
っていうか、やはり僕の婚約相手はあの中の誰かになるってこと?
ムムムム…
皆の事、嫌いじゃない…だけど、、少しトラウマもあるし…
でも、サリファンにちゃんと考えるって言ったしな…。
それに、僕…女の子が好きだけど、関わった女の子は怖い子ばかりなんだよな…
唯一優しい芳子さんも変わってるし…。
7歳から断罪の事ばかり考えるてたから、こんな事に悩むことになるとは…。
あっ!そう言えば、図書室のあの子、可愛かったな…
「誰のこと考えているんだ?」
ふーっと耳に息が吹きかけられた。
「ひゃああ!!」
ネフェリアはピョンッと数センチ跳ね、後ろを振り向くと、ニヤニヤ笑いのキリウスが立っていた。
「キリウス様!こういうのは心臓に悪いです!や、やめてください!」
変な声を出した事で、恥ずかしく、頬を染めながら怒るネフェリアをただただニヤニヤ見下ろす長身のキリウス。
「ホラッ生徒会室行くんだろ、女の事なんて考えてないで行くぞ。」
な、何故わかったんだ…。
むにむにと自分の頬を揉むネフェリア。
いやらしい顔でもしてたのかな…僕だって男だし…。
キリウスはネフェリアの肩を抱き、歩き始めると、廊下ですれ違う生徒の数人から、何故か嫌な視線を向けられた。
そして微かに聞こえるヒソヒソとした声も嫌な感じがする。
生徒会メンバーは目立つので、見られる事には慣れていたが、何かがおかしい…。
僕は視線をキョロキョロと泳がせると、肩に回されたキリウスの腕に力が入り、引き寄せられる。
キリウスは歩きながら、耳元に口を寄せた。
「真っ直ぐ前だけを向け。堂々としろ。」
キリウスも気付いているんだ。
僕はキリウスの言う通り、前だけを向いて、胸を張って歩いた。
「いいぜ。めちゃくちゃいい男だ。その調子。」
ニッと笑うキリウスに釣られて笑うと、周りからの嫌な視線が薄れた気がした。
すごいね、キリウス。
視線一つで僕は狼狽えたのに。
流石だな。
キリウスは優しく肩を抱きながら、前を見つめて堂々としている。
だけど歩幅の違うネフェリアに合わせてくれている、何気ない優しさ。
氷城と言われる由来の氷の騎士には、僕は見えないけど、人気があるのはわかるな。
確か兄様も氷の公爵だっけ?見えん!!
そんな事を考えている内に、生徒会室に着いた。
もう皆来ていたようで、仕事に取り掛かっていた。
「おはようございます。」
僕が挨拶すると、皆笑顔で迎えてくれた。
「ネフェリア、おはよう。キリウス、手を離せ。」
ヴィヴァリアンの一言にへいへいと、手を離すキリウス。
「おはようネフェリア。」
うっ!カウディリアン…様…。
朝の事を思い出して、頬をピンク色に染めると、カウディリアンは満足気に見つめてきた。
「その顔はピンクの薔薇だね。」
「カウディ様!!」
僕は揶揄われたのに気付き、つい大きい声を出してしまった。
「ふふっ!久しぶりだね。その呼び方。嬉しいよ。」
ニコニコとご機嫌に笑うカウディリアンにヴィヴァリアン達は眉を寄せる。
「何か雰囲気が違いますね。カウディリアン様?」
ふーん…とアリウスは意味ありげにカウディリアンを見ると、カウディリアンはまあな。と呟く。
「私も前を向く事にしたのだ。」
「行動がお早い事で。」
嫌味たらしく言うアリウスを無視して、書類に目を通す。
「私も久しぶりにヴィーと呼ばれたい。ネフェリア、呼んでくれ。」
席から立ち上がり、ヴィヴァリアンはネフェリアの腰に両手を回し、抱き込むと、ネフェリアは距離の近さに、顔を赤らめのけ反る。
「近いですよ、ヴィー様!」
「ふふっいいな。また呼んでくれ。」
呼んでも解放してくれないヴィヴァリアンにネフェリアはあわあわしていると、少し怖い顔のエスティリオに引き剥がされた。
「ヴィヴァリアン様…。」
「はいはい。ネフェリアの兄上はおっかないね。」
降参という様に、両手を広げるヴィヴァリアンは大人しく席に戻った。
「兄様…ありがとうございます。」
こっそりと伝えると、キラキラの笑顔を向けてくれた。
やはり兄様も氷じゃないよ。でもめちゃくちゃかっこいい!
僕はサリファンの隣の自分の席につき、自分の分の積み上げられた仕事に取り掛かる。
生徒会はかなりの仕事を抱えているため、免除される授業もあるが、成績も関係してくるのでかなりしんどい。
苦手科目は必ず授業にでる様にしているが仕事量に寄っては、泣く泣く生徒会を優先する。
成績を落とさずに業務をこなすのを何年もやっている兄様達はすごいなと思う。
だから生徒達からは尊敬の眼差しで生徒会は見られていた。
見られていたからこそ気になる、今日の嫌な視線。
多分見られていたのは僕だ。
あんな嫌な視線を向けられるような覚えはない。
だからこそ、不安が襲う。
しかし、僕は公爵家、そして生徒会一員。キリウスがいう様に前を向かないとダメだ。
それが何かの始まりだとしても。
ネフェリアは大きく溜息をつく。
芳子さんに会いたい…。
ここ最近、ヴィヴァリアン、キリウス、サリファン…そして先程のカウディリアン…何故か、攻略対象に告白をされている。
幼少期は婚約の件もあったから…しょうがないとして、学園ではヒロインもいるから対象が変わると思いきや…芳子さんの説明通りに全くならず…
前回と大きく違うストーリーに、もうどうしたらいいか分からない。
これなら…何も起こらずに済むのかな?
っていうか、やはり僕の婚約相手はあの中の誰かになるってこと?
ムムムム…
皆の事、嫌いじゃない…だけど、、少しトラウマもあるし…
でも、サリファンにちゃんと考えるって言ったしな…。
それに、僕…女の子が好きだけど、関わった女の子は怖い子ばかりなんだよな…
唯一優しい芳子さんも変わってるし…。
7歳から断罪の事ばかり考えるてたから、こんな事に悩むことになるとは…。
あっ!そう言えば、図書室のあの子、可愛かったな…
「誰のこと考えているんだ?」
ふーっと耳に息が吹きかけられた。
「ひゃああ!!」
ネフェリアはピョンッと数センチ跳ね、後ろを振り向くと、ニヤニヤ笑いのキリウスが立っていた。
「キリウス様!こういうのは心臓に悪いです!や、やめてください!」
変な声を出した事で、恥ずかしく、頬を染めながら怒るネフェリアをただただニヤニヤ見下ろす長身のキリウス。
「ホラッ生徒会室行くんだろ、女の事なんて考えてないで行くぞ。」
な、何故わかったんだ…。
むにむにと自分の頬を揉むネフェリア。
いやらしい顔でもしてたのかな…僕だって男だし…。
キリウスはネフェリアの肩を抱き、歩き始めると、廊下ですれ違う生徒の数人から、何故か嫌な視線を向けられた。
そして微かに聞こえるヒソヒソとした声も嫌な感じがする。
生徒会メンバーは目立つので、見られる事には慣れていたが、何かがおかしい…。
僕は視線をキョロキョロと泳がせると、肩に回されたキリウスの腕に力が入り、引き寄せられる。
キリウスは歩きながら、耳元に口を寄せた。
「真っ直ぐ前だけを向け。堂々としろ。」
キリウスも気付いているんだ。
僕はキリウスの言う通り、前だけを向いて、胸を張って歩いた。
「いいぜ。めちゃくちゃいい男だ。その調子。」
ニッと笑うキリウスに釣られて笑うと、周りからの嫌な視線が薄れた気がした。
すごいね、キリウス。
視線一つで僕は狼狽えたのに。
流石だな。
キリウスは優しく肩を抱きながら、前を見つめて堂々としている。
だけど歩幅の違うネフェリアに合わせてくれている、何気ない優しさ。
氷城と言われる由来の氷の騎士には、僕は見えないけど、人気があるのはわかるな。
確か兄様も氷の公爵だっけ?見えん!!
そんな事を考えている内に、生徒会室に着いた。
もう皆来ていたようで、仕事に取り掛かっていた。
「おはようございます。」
僕が挨拶すると、皆笑顔で迎えてくれた。
「ネフェリア、おはよう。キリウス、手を離せ。」
ヴィヴァリアンの一言にへいへいと、手を離すキリウス。
「おはようネフェリア。」
うっ!カウディリアン…様…。
朝の事を思い出して、頬をピンク色に染めると、カウディリアンは満足気に見つめてきた。
「その顔はピンクの薔薇だね。」
「カウディ様!!」
僕は揶揄われたのに気付き、つい大きい声を出してしまった。
「ふふっ!久しぶりだね。その呼び方。嬉しいよ。」
ニコニコとご機嫌に笑うカウディリアンにヴィヴァリアン達は眉を寄せる。
「何か雰囲気が違いますね。カウディリアン様?」
ふーん…とアリウスは意味ありげにカウディリアンを見ると、カウディリアンはまあな。と呟く。
「私も前を向く事にしたのだ。」
「行動がお早い事で。」
嫌味たらしく言うアリウスを無視して、書類に目を通す。
「私も久しぶりにヴィーと呼ばれたい。ネフェリア、呼んでくれ。」
席から立ち上がり、ヴィヴァリアンはネフェリアの腰に両手を回し、抱き込むと、ネフェリアは距離の近さに、顔を赤らめのけ反る。
「近いですよ、ヴィー様!」
「ふふっいいな。また呼んでくれ。」
呼んでも解放してくれないヴィヴァリアンにネフェリアはあわあわしていると、少し怖い顔のエスティリオに引き剥がされた。
「ヴィヴァリアン様…。」
「はいはい。ネフェリアの兄上はおっかないね。」
降参という様に、両手を広げるヴィヴァリアンは大人しく席に戻った。
「兄様…ありがとうございます。」
こっそりと伝えると、キラキラの笑顔を向けてくれた。
やはり兄様も氷じゃないよ。でもめちゃくちゃかっこいい!
僕はサリファンの隣の自分の席につき、自分の分の積み上げられた仕事に取り掛かる。
生徒会はかなりの仕事を抱えているため、免除される授業もあるが、成績も関係してくるのでかなりしんどい。
苦手科目は必ず授業にでる様にしているが仕事量に寄っては、泣く泣く生徒会を優先する。
成績を落とさずに業務をこなすのを何年もやっている兄様達はすごいなと思う。
だから生徒達からは尊敬の眼差しで生徒会は見られていた。
見られていたからこそ気になる、今日の嫌な視線。
多分見られていたのは僕だ。
あんな嫌な視線を向けられるような覚えはない。
だからこそ、不安が襲う。
しかし、僕は公爵家、そして生徒会一員。キリウスがいう様に前を向かないとダメだ。
それが何かの始まりだとしても。
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