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ネフェリア、学園編
カウディリアンの覚悟
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コンコン…
「誰だ。」
「アリウスです。カウディリアン様。」
カチャリと鍵が空き、アリウスは中へと入る。
「なんだアリウス。もう寝るつもりでいた。」
白い、胸元がゆったりとしたシャツでソファに座るカウディリアンは、髪を掻き上げながら、アリウスを招く。
「申し訳ございません。少しお話ししたい事がございまして。」
アリウスは頭を下げる。
「ここには2人しかいない。普通にしていい。」
「畏まりました。…では、カウディリアン…夢を見るって言っていただろ?どんな夢だ。」
アリウスは仲間内だけの時の様に、カウディリアンと向き合った。
カウディリアンは眉を寄せながら、アリウスの発言に息を飲む。
「……何故、気にする?」
探る様な瞳が向けられ、アリウスは大きく深呼吸しながら、地下での出来事を話した。
無言で凍りついた様に動かないカウディリアンに、アリウスはやはり同じ内容の夢なのか?とゾワリと背中に悪寒を走らせた。
カウディリアンは掌で顔を覆いつつ、重たい口を開いた。
「…私が見る夢は…少し違うが…ネフェリアの事で間違いない…。」
グッと唇を噛み締め、ゆっくりと話し始めた。
「…私が、何故か…ネフェリアに失望し…怒鳴る場面…。そして、ネフェリアが、縛られて、斬首されるんだ…俺が、俺が指示した…。色褪せたアメジストの瞳、艶のないプラチナブロンド…必死に涙を流しながら、俺に何かを叫んでいるが…俺は…合図するんだ…簡単に手を上げて…そして、いつもそこで目を覚ます…。」
カウディリアンの話は、アリウスが思っていた以上の内容で、全ての血が失ったのでは無いかと思うほど、身体が寒く、震えていた。
「…アリウスがネフェリアを牢へと連れていく幻……私が、ネフェリアを斬首する夢……やはり、これはただの夢では無いんだな。」
カウディリアンはガタガタと身体を震えさせながら、拳を強く握りしめた。
アリウスは自分を恐怖から奮い立たせる様に立ち上がる。
まだ血の気が引いたままでクラクラする頭を必死に起こす様に頭を振った。
「アリウス?」
その様子に、情けなくも、眉を下げ、不安そうな顔をしたカウディリアンが見つめる。
「…これが予知なのか、なんなのか、分からないが…俺は絶対にあんな幻の通りにさせない!!俺はネフェリアをずっと笑顔でいさせるんだ!」
グッと握りしめ、まだ震える拳を壁にぶつけ、無理矢理にでも恐怖と戦う。
アリウスは不安に曇らせた情けない表情のカウディリアンを強く射抜く。
「俺は、今後の為に、夢の確認に来ただけだ。内容は俺が思っていた以上に恐ろしい…だがな、だからってネフェリアを諦める気にはならねえし、俺は絶対に幻や夢のように、ネフェリアを追い詰めない!最後まで味方で信じて守る!絶対!…お前は夢に怯えて、ネフェリアに向き合えないなら、中途半端な事してないで、とっとと諦めちまえ!敵が減って嬉しいね!」
フッと不敵に笑うアリウスは、一礼し、そのまま部屋を出て行った。
唖然とアリウスの背中を見送り、暫し固まったカウディリアンは、アリウスの発言を頭に巡らせ、フッと笑いが込み上げてきた。
「フッハッ…クックッ…あいつは本当に…単純で…真っ直ぐで…バカで羨ましい…ハハッ確かに…中途半端だな…私は…。」
天を仰ぎ、大きく息を吐く。
ネフェリアを愛し、誰にも渡したく無いのに、触れるのを恐れている。
最初は気にせず、自分のモノにと思っていたが、何度も見る夢に…恐怖を感じて…。
なのに、兄上や弟、キリウス達に嫉妬し、ただ喚くだけ…。
ネフェリア…私はどうしたらいい?
君を愛していていいのだろうか?
アリウスの様に、切り替えられるだろうか…乗り越えられるだろうか…。
「とっとと諦めちまえ…か…。」
諦める…
諦められるのか?
兄上達と仲睦まじく添い遂げるネフェリアを見守れるのか?
考えただけでも嫉妬で狂いそうになる。
胸が痛み、握る拳は爪で皮膚が切れる。
じわりと流れ出る血がどす黒い何かに思える。
嫌だ。まだ俺は何もしていない…気持ちすらも、真っ直ぐに伝えていないのに、諦めらめられるか!
こんな状態で、ネフェリアが誰かのモノになるのを見守れるか!
だったら、最後まで足掻きたい。
諦めがつくまで…足掻いて、足掻いて…。
…自分の感情に自問自答して初めて気がつく。
カウディリアンの瞳から熱い雫が一筋頬を伝う。
ああ、最初から…答えは一つしかなかった。
私がネフェリアを愛し、諦められる筈がない。
なら、あの夢に争うしかないのだ。
「アリウス…感謝する。…私も、お前と一緒にバカになろう…。」
ネフェリア…覚悟しておけ。
私の愛はお前を溺れさすほど深い…。
もう、迷わない…。
愛しのネフェリア…守ってみせる。
「誰だ。」
「アリウスです。カウディリアン様。」
カチャリと鍵が空き、アリウスは中へと入る。
「なんだアリウス。もう寝るつもりでいた。」
白い、胸元がゆったりとしたシャツでソファに座るカウディリアンは、髪を掻き上げながら、アリウスを招く。
「申し訳ございません。少しお話ししたい事がございまして。」
アリウスは頭を下げる。
「ここには2人しかいない。普通にしていい。」
「畏まりました。…では、カウディリアン…夢を見るって言っていただろ?どんな夢だ。」
アリウスは仲間内だけの時の様に、カウディリアンと向き合った。
カウディリアンは眉を寄せながら、アリウスの発言に息を飲む。
「……何故、気にする?」
探る様な瞳が向けられ、アリウスは大きく深呼吸しながら、地下での出来事を話した。
無言で凍りついた様に動かないカウディリアンに、アリウスはやはり同じ内容の夢なのか?とゾワリと背中に悪寒を走らせた。
カウディリアンは掌で顔を覆いつつ、重たい口を開いた。
「…私が見る夢は…少し違うが…ネフェリアの事で間違いない…。」
グッと唇を噛み締め、ゆっくりと話し始めた。
「…私が、何故か…ネフェリアに失望し…怒鳴る場面…。そして、ネフェリアが、縛られて、斬首されるんだ…俺が、俺が指示した…。色褪せたアメジストの瞳、艶のないプラチナブロンド…必死に涙を流しながら、俺に何かを叫んでいるが…俺は…合図するんだ…簡単に手を上げて…そして、いつもそこで目を覚ます…。」
カウディリアンの話は、アリウスが思っていた以上の内容で、全ての血が失ったのでは無いかと思うほど、身体が寒く、震えていた。
「…アリウスがネフェリアを牢へと連れていく幻……私が、ネフェリアを斬首する夢……やはり、これはただの夢では無いんだな。」
カウディリアンはガタガタと身体を震えさせながら、拳を強く握りしめた。
アリウスは自分を恐怖から奮い立たせる様に立ち上がる。
まだ血の気が引いたままでクラクラする頭を必死に起こす様に頭を振った。
「アリウス?」
その様子に、情けなくも、眉を下げ、不安そうな顔をしたカウディリアンが見つめる。
「…これが予知なのか、なんなのか、分からないが…俺は絶対にあんな幻の通りにさせない!!俺はネフェリアをずっと笑顔でいさせるんだ!」
グッと握りしめ、まだ震える拳を壁にぶつけ、無理矢理にでも恐怖と戦う。
アリウスは不安に曇らせた情けない表情のカウディリアンを強く射抜く。
「俺は、今後の為に、夢の確認に来ただけだ。内容は俺が思っていた以上に恐ろしい…だがな、だからってネフェリアを諦める気にはならねえし、俺は絶対に幻や夢のように、ネフェリアを追い詰めない!最後まで味方で信じて守る!絶対!…お前は夢に怯えて、ネフェリアに向き合えないなら、中途半端な事してないで、とっとと諦めちまえ!敵が減って嬉しいね!」
フッと不敵に笑うアリウスは、一礼し、そのまま部屋を出て行った。
唖然とアリウスの背中を見送り、暫し固まったカウディリアンは、アリウスの発言を頭に巡らせ、フッと笑いが込み上げてきた。
「フッハッ…クックッ…あいつは本当に…単純で…真っ直ぐで…バカで羨ましい…ハハッ確かに…中途半端だな…私は…。」
天を仰ぎ、大きく息を吐く。
ネフェリアを愛し、誰にも渡したく無いのに、触れるのを恐れている。
最初は気にせず、自分のモノにと思っていたが、何度も見る夢に…恐怖を感じて…。
なのに、兄上や弟、キリウス達に嫉妬し、ただ喚くだけ…。
ネフェリア…私はどうしたらいい?
君を愛していていいのだろうか?
アリウスの様に、切り替えられるだろうか…乗り越えられるだろうか…。
「とっとと諦めちまえ…か…。」
諦める…
諦められるのか?
兄上達と仲睦まじく添い遂げるネフェリアを見守れるのか?
考えただけでも嫉妬で狂いそうになる。
胸が痛み、握る拳は爪で皮膚が切れる。
じわりと流れ出る血がどす黒い何かに思える。
嫌だ。まだ俺は何もしていない…気持ちすらも、真っ直ぐに伝えていないのに、諦めらめられるか!
こんな状態で、ネフェリアが誰かのモノになるのを見守れるか!
だったら、最後まで足掻きたい。
諦めがつくまで…足掻いて、足掻いて…。
…自分の感情に自問自答して初めて気がつく。
カウディリアンの瞳から熱い雫が一筋頬を伝う。
ああ、最初から…答えは一つしかなかった。
私がネフェリアを愛し、諦められる筈がない。
なら、あの夢に争うしかないのだ。
「アリウス…感謝する。…私も、お前と一緒にバカになろう…。」
ネフェリア…覚悟しておけ。
私の愛はお前を溺れさすほど深い…。
もう、迷わない…。
愛しのネフェリア…守ってみせる。
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