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ネフェリア、学園編

悪魔の囁き

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本日テストの結果が張り出される。

学年毎に60位までが張り出される。
そのうちの30位までがSクラス、31位からがAクラスの生徒で無ければならない。1年の総結果で次の学年のクラスが決まるのだ。

ネフェリア達はドキドキしながら2年の結果の前に来た。

もう、沢山の生徒が集まってきているが、カウディリアンの姿を見て、生徒達が見やすいように前をあけた。


ネフェリアは両手でギュッとお祈りした。

前回ネフェリアはBクラスなのだ。今回の世界ではSクラスをキープしているが、不安でしか無い。


「ハア…また負けたか。悔しいな。お前の頭はどうなっているんだサリファン。」

カウディリアンはジロッとサリファンを見る。

「剣術を削った分の差です。剣術で負けている分、勉学で補わなければ勝てませんから、必死ですよ。」

常にサリファンは一位。剣術の成績では真ん中辺りだが、それ以外は満点に近いのだ。

そして、サリファンがいる為、常に2位だカウディリアン。カウディリアンも負けず嫌いなのか、テスト期間中は部屋に篭もりがちだが、まだ抜かせていない。

3位も安定の人、入学時の成績はSクラスギリギリだったのだが、途中から上位にいきなり入り、それから常に3位のマリック。


あっ!!やった!!良かった!

僕の名前もあった!

今回はヴィヴァリアンとキリウス、サリファンのせいで自信無かったけど、僕も安定の4位!!


いつ、クラスから外れてしまうか、不安で毎日復習した甲斐があった。

5位はアリウス。剣術ではいつも満点で勉学はその時のやる気次第。5位から7位を行き来している。


「また、サリファンが一位か。我が弟はいつお前に勝てるのかな。」

「…兄上が卒業までには抜いてみせますよ。兄上こそ、エスティリオとはいつも僅差ですよね。大丈夫なのですか?」

気付くと背後にヴィヴァリアン達がいた。

カウディリアンはムッとヴィヴァリアンに言い返している。

「フッ、確かにエスティリオは優秀だ。だがな、剣術では私の方がまだ成績が良い。その事が唯一の救いだ。」

「ヴィヴァリアン様。私も弟にかっこいいところをお見せしたいので、卒業までには一位を取らせていただきます。」

エスティリオは不敵な笑みをヴィヴァリアンに向ける。


「兄様はいつでも凄くカッコいいですよ!!」

フンス!と鼻息荒くネフェリアはエスティリオを見た。

「ありがとう…ネフェリア。」

少し照れたエスティリオの声はとても嬉しそうだった。

「…お前とネフェリアが兄弟でよかった。血の繋がりがあってもこんなに嫉妬するのだからな。…私もエスティリにカッコ悪いところは見せられん。お前には負けられないな。」

ヴィヴァリアンは面白くなさ気にネフェリアの肩を抱き、側によせる。

「ネフェリア?かっこいい兄に勝つ私もかっこいいよな?」

ネフェリアの顎を優しく掴み、顔を寄せると、見る見る赤くなり、頷くネフェリアにヴィヴァリアンは満足する。


「あー、、エスティリオに勝たなきゃカッコいいって言ってもらえないのか?…勉学じゃあ難しいな。」

ふむ…と考え込むキリウスにネフェリアは苦笑する。

「皆様とてもカッコいいですよ。お国の為に努力して身につけたスキル…僕も頑張ってみて、わかりました。皆様がどれだけ努力しているか。僕が言うのも烏滸がましいですが、とてもかっこいいです。」

少し照れながら、花が綻ぶ様な笑顔に癒される。

ネフェリアの笑顔に釣られて、笑みを溢す。

それは皇子様達だけではなく、周りにも影響する。


皇子様達が必死にお国の為に頑張ってるんだ、自分達も頑張り、ネフェリアにかっこいいと思ってもらおう!

その場にいた生徒達は強く決心する。




「な、何よ!あれ!!」


成績を見にきたイザベラは手に持つ扇子をギュッと握りしめた。

ワナワナと怒りで震える身体は、誰も寄せ付けないほど怒りに燃えていた。

こんな顔をヴィヴァリアンに見せられないと、柱に身を隠し、落ち着こうとするのは公爵令嬢として残る少しばかりの理性。


だが、身を隠すことで、その少しばかりの理性も消え失せていく。

歯をギリギリと軋ませ、醜く歪む顔は、嫉妬に燃える心を映すようだった。


悔しい!!悔しい!!

なんなのアレ!!!!

何故、男のアイツが、私よりチヤホヤされるの!?


…アイツなんか、いなくなれば…!!


ハッと自分の恐ろしい考えに理性を取り戻す。


私、なんてことを…


その時だった…悪魔が私に近づいたのは…


ポンッと肩を叩かれて、ビクッと身体が揺れた。

「あ、貴方様は……!」

イザベラは振り向き、驚愕する。

「シー……君の愛しい人に聞こえてしまうよ?」

口元に指を当てる仕草がイザベラを魅了する。


「君は愛しい人を手に入れたいんだろ?私が協力してあげよう……。」


イザベラはゴクリと唾を飲み込み…悪魔の囁きに、心を奪われた。



愛しいヴィヴァリアン様は私のものよ!


ネフェリア・プロント!!!






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