本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

罪悪感

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「ヴィヴァリアン皇子様、カウディリアン皇子様!もしよろしければ、僕も昼食ご一緒してもよろしいでしょうか?」

ピンクの髪を靡かせながら走ってくるフィフィル。

この光景を最近何度見たか。

「フィフィル・カトローザ…。昼は生徒会専用ルームで食べると何度も伝えているだろう?すまんが生徒会ではない、君を入れることは出来ない。」

ヴィヴァリアンは冷たい口調で伝えながら、溜息をつく。


「で、でも僕…一緒に食べてくれる人がいなくて…。」

ぐすん…とピンクの瞳いっぱいに涙を溜めて、垂れ目をより下げた。

「だからと言って、何故君と親しくない、それも一般生徒が立ち寄れない場所で食べる私達に話しかける?」

ヴィヴァリアンは眉を寄せ、不快そうにフィフィルを見る。

「えっ?そ、それは…。」

ヴィヴァリアンの質問にフィフィルは目をキョロキョロと動かして、言葉に詰まらす。


そうなんだよね。ワザとじゃなかったけど、出会いイベントも、親密になるイベントも壊しちゃって罪悪感はあるんだが、普通に考えて、関わりのない、しかも男爵の位で皇子様達に話掛けるって、なんかおかしいんだよね。

ゲームのヒロインだからかな? 

カウディリアンに好意がある事は、あの時わかったけど、学園だからいいが、普通は不敬に当たる。

だから、皆関わりたくても皇子様達とは距離をおいているのに。


それに、僕はフィフィルを虐めてないのに、食べる人がいないの??

そこがちょっと心配。

ヒロインであるフィフィルは僕に虐められて、カウディリアン達が守って一緒にいてくれたはずなのに、虐めてないにせよ、ひとりぼっちにさせたのが僕なら…

うっ!罪悪感が半端ない。


僕が一緒に食べるのはダメかな?

「あの…」

ネフェリアが口を開こうとすると、キリウスの大きい手で口を塞がれた。

へ?

キョトンとキリウスを見ると、首を横に振る。

ううっ…僕が口出しちゃダメなんだね。


「で、でも!入学の時からネフェリア様も、アリウス様達も、専用ルーム使ってたじゃないですか!!僕だって、ご一緒するくらっ…!!」

フィフィルは勢いに任せて話出したが、ヴィヴァリアン、カウディリアンの鋭い視線に、途中で言葉を失った。

鋭く、冷たい視線にフィフィルは蒼ざめる。

「……あの時は、誰かがぶつかったせいでネフェリアが鼻を怪我したからだ。それに生徒会専用ルームと言っても、王族を守る為に作られた部屋だ。私達の側近候補達を入れて何が悪い?しかも、私の権限内の事を、何故君に言われなければならんのだ?」

こんな怒ったヴィヴァリアン…初めて見た…。

「…それに、君と私の大事なネフェリアを同じに考えるな。比べものにもならん。」

ヴィヴァリアンはネフェリアの手を取り、先へと歩き出した。

「……もう、私達に話掛けるな。」

カウディリアンはガクガクと震えるフィフィルに耳打ちし、ヴィヴァリアン達の後へと続いた。

ネフェリアは心配になり、振り返るが、そこには禍々しいオーラを放ちピンクの瞳でネフェリアを睨みつけるフィフィルの姿があった。

ネフェリアはゾッとして、慌てて前を向くと、アリウスがネフェリアの肩を叩きながら、後ろのフィフィルを牽制するかのように睨みつけた。

食堂で食事をしながらも、あんな丸わかりの敵意を向けられた事の無いネフェリアは不安でしょうがなかった。

前回立川はあんな瞳を死ぬ前に受けたんだろうか…。


「ネフェリア?大丈夫か?」

心配そうに尋ねるヴィヴァリアンに、ネフェリアはニコッと微笑んだ。

「先程、フィフィル・カトローザが、ネフェリアを殺気だった表情で睨んでいたので、それで不安なんですよ。」

アリウスは食事をしながら、ネフェリアの代わりに説明する。


「ほう…。ネフェリアを。万が一の為、ネフェリアの周りを強化しろ。サリファン、アリウス良いな?」

「ハッ!」

ヴィヴァリアンの指示に、アリウス、サリファンは真剣な面持ちで答えた。

「そんな大丈夫ですよ。それに、僕も昔より強いし!」

「そうだな、剣術の授業はサリファンより良いからな。」

「アリウス!」

ニヤニヤ笑うアリウスにサリファンはムッと顔を歪めた。

「遅くなりました。」

そこへ、エスティリオとナヴィルリアンが遅れて到着した。


「留学生の手続きに手間取りまして、申し訳ございません。」

ナヴィルリアンが行くはずであった隣国から留学として第四皇子様が来る事になり、何度か隣国に見学に行っていたナヴィルリアンと、そのサポートとしてエスティリオが対応していたのだ。


僕はちょっと不安なんだよね。
芳子さんのノートに留学生の話はなかったんだ。

手紙に書いてみようかなぁ。

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