本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

出会いイベント!

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本日の学校は主な規則、自己紹介などのがらり、その後入学式の為、移動した。

移動中もネフェリアはカウディリアン達と談笑しつつ向かうが、周りの視線はネフェリアに注がれ、サリファンとアリウスは周りを意識しながら、ネフェリアを視線からなるべく隠す様に守る。


入学式では、生徒会長となったヴィヴァリアンの挨拶があり、エスティリオも副会長として、壇上にいた。

わー!!ヴィー様も兄様もかっこいい!!

生徒会の美貌に周りもざわめきたつ。

「見ろよ!兄上も生徒会で下に控えているが、つまらなそうな顔してる。」

アリウスがこそっと耳打ちをしてきたので、視線を壇上下に移すと、確かにキリウスがいた。かなりの長身にガッチリとした身体付きにキリッとした瞳は男らしいさが増していて、凄くネフェリアの理想的男性像だった。

カリウスに似てきたな!ああ!あんながたいと顔で生まれたなら、女みたいに扱われなかっただろう…。

ネフェリアの視線に気づいたのか、キリウスはジッとネフェリアを見た。

気付かれた事にへらっと笑いかけると、キリウスはニッと口元を笑わし、片目を瞑りウィンクしてきた。

きゃ!!なんちゅう、イケメンウィンク!!
なんか、キリウスがやると軽いというより、かっこいいな!!

こういうところ真似すべきなのか!?

ネフェリアは意を決して、キリウスを見つめると、キリウスもネフェリアを見つめた。

ネフェリアは片目を瞑ろうとしたが、上手く出来ず、両眼をパチンと瞑ってしまった。
上手く出来ない事に、ふにゃっとまた笑って誤魔化すが、キリウスは両手で顔を覆い震えており、こちらを見ていない。

よかった!失敗したの見られてないや。
意外と難しいぞ!ウィンク!
練習しよう!!

すると、一連の流れを何故か壇上から見ていたヴィヴァリアンとエスティリオの顔は引きつりながらも、怒鳴るのを耐えていたが、嫉妬心からネフェリアに向けて声を発してしまった。

「ネフェリア・プロント 。私に集中しなさい。」

壇上からのヴィヴァリアンの声に、ピシッと姿勢を正してヴィヴァリアンを見た。

「それで良し。」
いつもの冷たい表情とは違う笑みに、周りから悲鳴が上がる。


「ったく、兄上は…。」
フーと溜息を吐くカウディリアン。

「凄い人気だね。ヴィー様。」   

「ああ、なんか今の生徒会は氷城と呼ばれているようだよ。我が兄ながら恥ずかしい。」

「氷の城?」
ネフェリアは首を傾げる。

「ああ、私の兄とエスティリオ、キリウス、3人ともあまり表情を崩さない、興味を示さない、冷酷と言われていてね。氷の3人がいる城と言う意味らしい。」

「あはは!嘘だー、3人ともいつもニコニコしていますよ?」

それはネフェリアにだけだよ。とカウディリアンは思ったが、意識されても困るので言わなかった。

あっという間に式が終わり、この後は昼食と寮への案内と説明だけだ。

だけだが、ネフェリアにとって、今後を左右する重要なことがこれから起きる。

そう、事前に聞いていた、カウディリアンとヒロイン、フィフィルの出会いはこの後すぐに起こる。

誰かとぶつかり、小柄なヒロインは転んでカウディリアンの前に倒れる。

それを優しく起こしてやるカウディリアン。
平民から男爵になったばかりの為か性格か、お礼を簡単に済ませて去るヒロインに、驚きつつ、背中を見つめるカウディリアン。が、今回の流れで、その後も何気なく絡みはあるようだが、本格的動き出すのはもう少し後らしい。

だから、出会いイベントに僕が居てなんか変わるか分からないが、少しドキドキする…っ!!

ドカッ!!

ベシャッ!!

「ネフェリア!?」
慌てたカウディリアンの声。

イテテッ!なんか後ろから衝突され、顔から床にダイブしたネフェリア。

アリウスが気付いて、咄嗟に手を出したが、勢い良く飛んでしまい、間に合わなかった。

「すまん!間に合わなかった!大丈夫か!?」

ネフェリアはゆっくり起き上がろうとするが、足に何かが乗っていて起き上がれない。

「うっ、何か重い…。」

振り返ると足の上には人が倒れ込んでおり、そのピンクのふわふわ頭に驚愕する!

この、派手なピンク頭は!!

「おい!お前!ネフェリアが起き上がれないではないか!無礼だぞ!早く起きろ!」

アリウスが苛立つ声でピンクの人物に言うと、彼は慌ててネフェリアの上から退いた。

「ご、ごめん!!わざとじゃ…!」
ああ、この甲高い声!思い出した!やっぱりフィフィル。
ピンクのふわふわ髪にピンクの瞳の垂れ目、小柄で華奢な可愛いらしい青年。

「ネフェリア、大丈夫か?」
カウディリアンは心配そうにネフェリアを抱え起こす。

「大丈夫です。」
ちょっと鼻が痛いけど。鼻を触るとピリッと痛みが走る。

「可愛い鼻が真っ赤になってしまったな…。」

心配そうに鼻を見つめるカウディリアン。

「ありゃ、コレは冷やした方がいいな。赤鼻ネフェリア?」

うー!!意地悪アリウス!!

「ネフェリア!!」
人垣をかき分け現れたヴィヴァリアンとエスティリオ、キリウス。

壇上に居たため見えていたようだ。

「ああ!鼻が!ちょうどいい、食堂で氷をもらおう。カウディリアン行くぞ。」

カウディリアンからネフェリアを奪うと、ヴィヴァリアンは急いで食堂へと向かう。

「えっ!あの!」
フィフィルが何か言おうとしている事に気づき、振り向こうとしたが、引っ張っられ、先に進むしかなかった。


残されたフィフィルは唖然とその場に座り込んだまま。

そこへ、スッと手が差し出され、その手を見ると、サリファンだった。

「あ、ありがとう。」
フィフィルは恥ずかしそうにサリファンの手を掴み、立ち上がり、笑顔でお礼を言うが、サリファンは笑わず、ジッと赤い目で見つめている。
そしてゆっくり口を開く。


「君、わざとだったよね?」
思いの外低い声に、フィフィルはドキッと身体を跳ねさす。

「ネフェリアに今後近づくな。」

サリファンは最後に赤い瞳で睨み、ネフェリアの後を追った。

「何、コレ…!?」
立ち尽くすフィフィルの周りの人達も、興味を失い、また動き出すが、フィフィルは動けずにいた。


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