24 / 107
ネフェリア、学園編
やった!意外と身長高かった!
しおりを挟む
「ああ!!ネフェリア!忘れ物は無い?虐められたら、すぐエスティリオに言うのよ?」
エフィネはネフェリアを抱きしめながら心配そうに、何度も同じ事を繰り返し伝えた。
「お母様、これでもう4度目です。そろそろ行かなくては…。」
困ったように笑うネフェリア。
「そうだ。エフィネ。ネフェリアなら大丈夫だ。こんなに立派になったじゃないか。…だが、いいか?変な男が寄ってきたら皇子様かエスティリオに伝えるんだ。暗いところや、空き教室に1人で行くなよ?友達が出来たら、どこの家かきちんと報告しろよ?」
バロンはネフェリアの肩に手を置き、真剣に伝える。
「お父様も6度目ですよ。もう、サイクス達を待たせてますし、学園でカウディリアン様ともお約束しておりますので行きますね?行ってきます!」
僕は少し離れたところから心配そうに見つめるアルタこと芳子に笑顔で頷く。
アルタには学園に入ると相談がすぐできない。思い出す限りの学園での出来事を芳子さんは紙に纏めてくれた。これが僕の命綱。
そして心配性のバロンと国王の配慮で学園まで護衛を行なってくれる事になった、サイクスともう1人、トーマと共に馬車に乗り込む。ちなみに、カウディリアンとアリウスは一緒に向かう。護衛にはカリウスとアーロンが付くと聞いた。サリファンは侯爵家から向かうようだ。
「サイクス、トーマ。学園までよろしくね。」
「はい。ネフェリア様。」
「よろしくお願いします!いやー!ネフェリア様を護衛出来るなんて!嬉しいです!団長なんて、無理矢理こっちに付いて来ようとして、陛下に怒られていましたよ。」
ニコニコ明るく話すトーマ。オレンジ色の髪を後ろで束ねて、モスグリーンの瞳が印象的だ。トーマはサイクスと同じ歳らしいが、サイクスよりフレンドリーで明るい。騎士団の中でもよく話し掛けてくれる。カリウスによく怒られているが。
道中の馬車の中、話しかけてくれるのは嬉しい。サイクスといるのも安心するが、基本無口なので僕から話を振る事が多い。
「ネフェリア様の制服姿、騎士団の中で一番最初に見れるなんて感激です!!昨日ジャンケンで勝てて良かったです!!」
トーマはグッとガッツポーズを取る。
「ジャンケン?」
ネフェリアが小首を傾げると、サイクスは冷たい視線をトーマに送った。
「…ネフェリア様の護衛役、決めるのに1週間かかったんです。希望者が多すぎて。団長と副団長はカウディリアン様に付く事が決まっていて、王都の件もあり、私がネフェリア様に付く事も決まっていたので、あと1枠に騎士団のほとんどの者が希望しまして。色々テストがあり、最後の最後に残った5名が昨日ジャンケンしまして。」
「見事勝ったのが、俺です!!」
ニッと笑うトーマに、ネフェリアは引きつった笑顔で答える。
「その後も大変だったよな!腐ったミルク出されたり、部屋に閉じ込められそうになったり!」
「ああ、どうにかしてこのポジションを最後まで奪おうとされたが死守した。死守した甲斐がありました。」
「なんか、僕なんかの為にごめんね?」
すまなそうに言うネフェリアに、2人は全力で首を振った。
「いえいえ!ネフェリア様の側に入れるなら、命も惜しくありません!」
いや、命は大事にしてよサイクス。
「そうです!こんな素敵な制服姿見れただけでも、命かけた甲斐がありましたよ!」
制服に命かけないで、トーマ。
「えー。僕、この制服似合ってる?」
実は、今朝鏡でみて、似合って無い気がしたんだ。芳子さんは鼻血出しながら親指立てていたけど。
基本、プラチナブロンドといい、肌といい、白に近い僕に薄いグレーのジャケットにパンツ、シャツも白く、ネクタイも白。なんか全体的に白く、薄い感じがする。もう少し、髪色が有れば違ったんだろうけど。兄様は金髪だから似合ってたな。
「いえ!なんか、めちゃくちゃ神々しくて!色気あって!俺おかしくなりそうです!」
「はい。綺麗です。」
鼻息荒く答えるトーマと、耳を赤くしててで口元を覆うサイクス。
じゃあ、大丈夫かな?
2日かけての旅路は盛り上がった。
学園に着き、門の前は人集りが出来ていた。
「ネフェリア様、団長がいますので、皇子様がいるのでしょう。」
「えー!!皇子様待たせちゃってる?急いで降りよう!」
馬車を止めてもらい、サイクスの手を借り、馬車から降りる。
すると、一斉に視線がネフェリアに集まり、ネフェリアはその圧に、一歩下がるが、男たる者、筆頭公爵家たる者、背筋を伸ばして凛としろ!と父に教わった事を思い出し、皇子の元へ歩き出した。
その姿が皆の心を鷲掴みにしたことなど、ネフェリアは知らない。
白く光輝くような姿は正に神々しく、紫色の瞳は際立ち、魅了する。
皇子達もネフェリアの制服姿に見惚れていた。
「おはようございます。カウディ様、お待たせして申し訳ございません。」
「い、いや、今着いたところだ。顔を赤らめながら、ネフェリアを見つめるカウディリアン。カリウスは羨ましかったのか、トーマを蹴って憂さ晴らしをしている。
「ネフェリア!!」
兄様の声にネフェリアは振り向くと、そこには久しぶりに見る兄の姿と第一皇子、ヴィヴァリアンがいた。
わあ、2人ともまた大きくなってる!
しかも、なんか男らしい…。
「兄様、ヴィヴァリアン様。」
「ネフェリア…凄く綺麗だ。」
ヴィヴァリアン様がうっとりと呟いて、僕を見下ろす。
ひー!!めちゃくちゃ視線を感じる!!こんなに、王族に囲まれたらそうか!
だけど、僕は気付いてしまった!!周りの一年らしき子達と比べて…なんと!
僕は大きい!!ヤッホーイ!!
エフィネはネフェリアを抱きしめながら心配そうに、何度も同じ事を繰り返し伝えた。
「お母様、これでもう4度目です。そろそろ行かなくては…。」
困ったように笑うネフェリア。
「そうだ。エフィネ。ネフェリアなら大丈夫だ。こんなに立派になったじゃないか。…だが、いいか?変な男が寄ってきたら皇子様かエスティリオに伝えるんだ。暗いところや、空き教室に1人で行くなよ?友達が出来たら、どこの家かきちんと報告しろよ?」
バロンはネフェリアの肩に手を置き、真剣に伝える。
「お父様も6度目ですよ。もう、サイクス達を待たせてますし、学園でカウディリアン様ともお約束しておりますので行きますね?行ってきます!」
僕は少し離れたところから心配そうに見つめるアルタこと芳子に笑顔で頷く。
アルタには学園に入ると相談がすぐできない。思い出す限りの学園での出来事を芳子さんは紙に纏めてくれた。これが僕の命綱。
そして心配性のバロンと国王の配慮で学園まで護衛を行なってくれる事になった、サイクスともう1人、トーマと共に馬車に乗り込む。ちなみに、カウディリアンとアリウスは一緒に向かう。護衛にはカリウスとアーロンが付くと聞いた。サリファンは侯爵家から向かうようだ。
「サイクス、トーマ。学園までよろしくね。」
「はい。ネフェリア様。」
「よろしくお願いします!いやー!ネフェリア様を護衛出来るなんて!嬉しいです!団長なんて、無理矢理こっちに付いて来ようとして、陛下に怒られていましたよ。」
ニコニコ明るく話すトーマ。オレンジ色の髪を後ろで束ねて、モスグリーンの瞳が印象的だ。トーマはサイクスと同じ歳らしいが、サイクスよりフレンドリーで明るい。騎士団の中でもよく話し掛けてくれる。カリウスによく怒られているが。
道中の馬車の中、話しかけてくれるのは嬉しい。サイクスといるのも安心するが、基本無口なので僕から話を振る事が多い。
「ネフェリア様の制服姿、騎士団の中で一番最初に見れるなんて感激です!!昨日ジャンケンで勝てて良かったです!!」
トーマはグッとガッツポーズを取る。
「ジャンケン?」
ネフェリアが小首を傾げると、サイクスは冷たい視線をトーマに送った。
「…ネフェリア様の護衛役、決めるのに1週間かかったんです。希望者が多すぎて。団長と副団長はカウディリアン様に付く事が決まっていて、王都の件もあり、私がネフェリア様に付く事も決まっていたので、あと1枠に騎士団のほとんどの者が希望しまして。色々テストがあり、最後の最後に残った5名が昨日ジャンケンしまして。」
「見事勝ったのが、俺です!!」
ニッと笑うトーマに、ネフェリアは引きつった笑顔で答える。
「その後も大変だったよな!腐ったミルク出されたり、部屋に閉じ込められそうになったり!」
「ああ、どうにかしてこのポジションを最後まで奪おうとされたが死守した。死守した甲斐がありました。」
「なんか、僕なんかの為にごめんね?」
すまなそうに言うネフェリアに、2人は全力で首を振った。
「いえいえ!ネフェリア様の側に入れるなら、命も惜しくありません!」
いや、命は大事にしてよサイクス。
「そうです!こんな素敵な制服姿見れただけでも、命かけた甲斐がありましたよ!」
制服に命かけないで、トーマ。
「えー。僕、この制服似合ってる?」
実は、今朝鏡でみて、似合って無い気がしたんだ。芳子さんは鼻血出しながら親指立てていたけど。
基本、プラチナブロンドといい、肌といい、白に近い僕に薄いグレーのジャケットにパンツ、シャツも白く、ネクタイも白。なんか全体的に白く、薄い感じがする。もう少し、髪色が有れば違ったんだろうけど。兄様は金髪だから似合ってたな。
「いえ!なんか、めちゃくちゃ神々しくて!色気あって!俺おかしくなりそうです!」
「はい。綺麗です。」
鼻息荒く答えるトーマと、耳を赤くしててで口元を覆うサイクス。
じゃあ、大丈夫かな?
2日かけての旅路は盛り上がった。
学園に着き、門の前は人集りが出来ていた。
「ネフェリア様、団長がいますので、皇子様がいるのでしょう。」
「えー!!皇子様待たせちゃってる?急いで降りよう!」
馬車を止めてもらい、サイクスの手を借り、馬車から降りる。
すると、一斉に視線がネフェリアに集まり、ネフェリアはその圧に、一歩下がるが、男たる者、筆頭公爵家たる者、背筋を伸ばして凛としろ!と父に教わった事を思い出し、皇子の元へ歩き出した。
その姿が皆の心を鷲掴みにしたことなど、ネフェリアは知らない。
白く光輝くような姿は正に神々しく、紫色の瞳は際立ち、魅了する。
皇子達もネフェリアの制服姿に見惚れていた。
「おはようございます。カウディ様、お待たせして申し訳ございません。」
「い、いや、今着いたところだ。顔を赤らめながら、ネフェリアを見つめるカウディリアン。カリウスは羨ましかったのか、トーマを蹴って憂さ晴らしをしている。
「ネフェリア!!」
兄様の声にネフェリアは振り向くと、そこには久しぶりに見る兄の姿と第一皇子、ヴィヴァリアンがいた。
わあ、2人ともまた大きくなってる!
しかも、なんか男らしい…。
「兄様、ヴィヴァリアン様。」
「ネフェリア…凄く綺麗だ。」
ヴィヴァリアン様がうっとりと呟いて、僕を見下ろす。
ひー!!めちゃくちゃ視線を感じる!!こんなに、王族に囲まれたらそうか!
だけど、僕は気付いてしまった!!周りの一年らしき子達と比べて…なんと!
僕は大きい!!ヤッホーイ!!
96
お気に入りに追加
3,060
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
時々おまけのお話を更新しています。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる