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B介

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ネフェリア10歳

決意を胸に!

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王都からネフェリアが帰ってくるまで、バロンは部屋の中を行ったり来たりしていた。

馬車が到着したと聞き、ホッと胸を撫で下ろす。

「お父様、ただいま帰りました!」
ネフェリアの声にバロンは、笑みを浮かべた。

「楽しかったかネフェリア?」

ネフェリアを抱き抱えて気づく。瞳がほんのり赤いのと、涙の跡が微かに残っている。
報告の為プロント家に来たアーロンとサイクスに向けて、鋭く冷たい視線を送るバロン。

「これはどういう事だ?」
バロンの殺気立つオーラにビクリと身体を震わせる。

ネフェリアも雰囲気で自分が泣いた事をバロンが知ったのだと気づく。

「お父様!これは違います!僕が失恋したからです。」
思い出してしょをしょんぼりするネフェリア。

バロンはネフェリアのまさかの発言に驚く。
「ネフェリアが失恋!?」
側で聞いていたエフィネも驚いた。

まずネフェリアにその様な相手が?
私達の可愛いネフェリアが失恋!?振られた?誰だ!!ネフェリアを傷つけた人物は!!

だんだんと驚きから苛つきに変わるバロン。
「僕の好きな花のお姫様みたいな女の子がいたんだ。でも、僕のことアリウスと比べて…小さいって…。」

思い出し、言葉にすることで、また傷つくネフェリア。

「なんだと!!どこの誰だ!アーロン!?」

「は、はい?バロン宰相。屋台の焼肉屋の娘です。」
言いにくそうに、アーロンが伝えた。

「な!平民がプロント家に!?」
カッて目を見開き、怒りに燃えるバロン。

「いえ!ネフェリア様は名乗っておりませんので、フードのせいもあり貴族とは思われておりません。」

本当は店主は気付いていただろうが、子供のしたこと、アーロンはあえてこの様に伝えた。

「お父様、怒らないで!!あの子は悪くないょ。正直な気持ちだもん。僕がもっと大きくなって、立派な騎士になれば何も言われないでしょう?僕は頑張ります!だから、怒らないで?」

ネフェリアはバロンに抱きつき、バロンの怒りを治めようとする。

「それに、その子もアリウスに言われた言葉で傷ついたんだ。だからこれ以上は怒らないであげて??」

ウルウルとまた、瞳を潤ませたネフェリアに、バロンも大きく息を吐き、頷く。

「わかった。ネフェリア。もう怒ってなどいない。」

その言葉に嬉しそうに笑ったネフェリア。

バロンは怒りは治めたが、ネフェリアの失恋した相手は見に行こうと心の中で思う。

私のネフェリアを振るとは余程の自信があるのだな。

少し子供のようなバロンの性格をエフィネは知っている。旦那を見つめため息を吐いた。


「お父様、見て!サイクスが買ってくれたウサギ!!それにお父様、お母様にお土産があります!」

黄金色の飴のウサギを自慢げに見せて、サイクスの持っていた焼き菓子を受け取り2人に差し出した。

「まあ、ネフェリア!!ありがとう!」
エフィネはネフェリアに微笑む。

「ありがとうネフェリア。それにすまないな。サイクス。」

サイクスは頭を下げた。

「焼き菓子いっぱい買ったから、皆にも配って?」
執事に声を掛けて残りの焼き菓子を渡した。

「アーロン、サイクス!残りはカリウス様と騎士団の皆様に持って行って?今日は僕の為にありがとう!」

「かしこまりました。ネフェリア様。」

2人はお辞儀をして、プロント家を後にした。

「お父様、お母様。僕、もっと大きくなり、強くなって、もっと色んなところへ行けるようになります!沢山の経験が出来て良かったです!」

「そうね。ネフェリア、外は怖い事だけでは無いわ。色々経験していきましょう。」

エフィネは我が子の成長に嬉しく思う。

「では、勉学と剣術を頑張り、泣き虫も直さないとな。」

うう!確かに泣き虫直さないとな。男らしくなるんだ!!

「はい!!がんばります!」

まだまだどうなるか分からないけど、僕は精一杯頑張り、もうあんな悲劇は起こさないよ。前回、立川が十分嘆き悲しんでくれた。今世は戦う番だ!!






※次回13歳編となります為、短くなってしまい申し訳ございません。

徐々にR 18が増えて行きますのでよろしくお願いします!


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