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運命には逆らえるのか?
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「夏原芳子の、未来を変えてネフェリアたんを守るぞ作戦!その1を開始します!」
パチパチパチ
僕は一応拍手をした。
僕達は昨日、芳子と手を結び、本日作戦会議中である。
「まずはですね!王宮に行かず、婚約しない未来を作ってみましょう!」
フンっと鼻息荒く夏原は言った。
「実は、ゲームの開始は学園からで、大体のあらすじは説明書と、はじめと回想シーンぐらいでしか把握出来ません。
ネフェリアたんの性格を作る重要部分は、綺麗過ぎて周りから襲われて、王宮で陛下に見染められ、皇子と婚約。それからは襲われる事がなくなり、チヤホヤされる事をいい事に、ワガママになる設定までが説明でありました。
その後、学園スタートで主人公とのイザコザなので、8歳~13歳までは何があるかわかりません。」
芳子の説明にネフェリアは考える。
「なるほど、7歳までの流れは、もう変更出来ないから、後分かる未来で変更出来るのは、婚約だけなんだね?」
芳子はブンブンと頭を縦に振る。
「YES!本当は皇子とのイチャコラも見たいのですが、その次、分かっている未来がもう学園なので…不安もあり、諦めまするー!」
皇子とのイチャコラって…僕、何してたのかな?
「具体的にどうすればいいのかな?」
小首を傾げると、芳子はネフェリアたんカワユスとぶつぶつ呟きながら指を立てた。
「ご主人様…ネフェリアたんのお父上様から、王宮へ一緒に来るよう言われます。今回の件で、心配になり目を離したくない為です。それをなんとかお断りを!」
「わかった!!」
僕は力強く頷いた。
それから、僕の打撲と首の擦り傷と締められた痕が消えたくらいから、芳子の言った通り、お父様から何度か王宮についてくるよう誘われた。
「僕みたいな若輩者が王宮に、しかもお父様のお仕事にご一緒するなど…兄様を差し置いてなんて、とても出来ません!」
「いや、しかし…」
「王宮は優秀な方が集まる場です。優秀な兄様さえ、まだです。だから、お父様、ごめんなさい。」
そんなやり取りがここ最近毎日のように 行われていた。
その度に、兄が顔を赤らめていたが、なぜだろう。
ごめんなさい。兄様を理由にして。でも、お父様の仕事場に行くなら、後を継ぐ長兄からが普通でしょ?
*******
「はああ~…。」
いつも冷静な宰相がここ最近、ため息ばかりだ。まあ、仕事はこなしているからいいが…。
「なんだ、最近ため息ばかりで、こっちが滅入る。」
「陛下…。申し訳ございません。家の事で少し…。」
国王に頭を下げ、額を手で抑える宰相。
「あの、美しい奥方と喧嘩でもしたのか?」
面白そうにニヤニヤ笑う国王を睨む宰相。
「いえ、うちの次男の事で少し…。」
「噂で少し耳に入ったが、大層美しいらしいな。その次男がどうした?」
より興味が出たのか、国王は前のめりになりながら聞いた。
「親の目抜きにしても天使の様な容姿でして、プロント家だとしても、次男ということから、危ない目にも何度か合い…
この間もクズに襲われそうになった為、心配で心配で…。はああ~…。」
項垂れる宰相に、国王は少し考える仕草をとった。
「なるほどな、プロント家に手を出すとは…それほどの美しいさか…。まだ7歳だろ?王宮へ一緒に連れてくれば良かろう。」
「私もそうしようとネフェリアに話したのですが、私の職を継ぐであろう兄より先には行かないと。王宮は優秀な人が集う場で、若輩な自分が…なんて言うんです。可愛いことを…だが、心配で。」
「なんと、奥ゆかしい!私も見てみたい!よし!王命を出す!」
鼻息荒く国王は言った。
その言葉を待ってましたばりに、顔をパッと明るくした宰相。
「誠ですか?それでは早急に進めて行きます!」
此奴、最初からそれが狙いで毎日私の前でため息を…?
さすが国の頭脳だな。
今度は国王からため息が出た。
*******
「芳子さん!いやアルタ!どうしよう!」
眉を寄せて、芳子にすがり付くネフェリア。
「か、カワユス!って、そうじゃない!
王命では、もう逆らえません!まさか、王命が降るとは~!」
あわあわする芳子と頭を抱えるネフェリア。
「こうなったら、覚悟を決めましょう!なんとか婚約にならない様にするんです!」
「なんとかって?」
なんか、作戦があるのか?と期待した眼差しを送る。
「わかりません!!」
自信満々に腰に手を当てて言う言葉ではない!!
ガクリと項垂れるネフェリア。
「ネフェリアたんなら、なんとかなります!」
芳子さん…ちょっと黙って…泣きそうです。
確かに、こうなったら覚悟するしかない。
パチパチパチ
僕は一応拍手をした。
僕達は昨日、芳子と手を結び、本日作戦会議中である。
「まずはですね!王宮に行かず、婚約しない未来を作ってみましょう!」
フンっと鼻息荒く夏原は言った。
「実は、ゲームの開始は学園からで、大体のあらすじは説明書と、はじめと回想シーンぐらいでしか把握出来ません。
ネフェリアたんの性格を作る重要部分は、綺麗過ぎて周りから襲われて、王宮で陛下に見染められ、皇子と婚約。それからは襲われる事がなくなり、チヤホヤされる事をいい事に、ワガママになる設定までが説明でありました。
その後、学園スタートで主人公とのイザコザなので、8歳~13歳までは何があるかわかりません。」
芳子の説明にネフェリアは考える。
「なるほど、7歳までの流れは、もう変更出来ないから、後分かる未来で変更出来るのは、婚約だけなんだね?」
芳子はブンブンと頭を縦に振る。
「YES!本当は皇子とのイチャコラも見たいのですが、その次、分かっている未来がもう学園なので…不安もあり、諦めまするー!」
皇子とのイチャコラって…僕、何してたのかな?
「具体的にどうすればいいのかな?」
小首を傾げると、芳子はネフェリアたんカワユスとぶつぶつ呟きながら指を立てた。
「ご主人様…ネフェリアたんのお父上様から、王宮へ一緒に来るよう言われます。今回の件で、心配になり目を離したくない為です。それをなんとかお断りを!」
「わかった!!」
僕は力強く頷いた。
それから、僕の打撲と首の擦り傷と締められた痕が消えたくらいから、芳子の言った通り、お父様から何度か王宮についてくるよう誘われた。
「僕みたいな若輩者が王宮に、しかもお父様のお仕事にご一緒するなど…兄様を差し置いてなんて、とても出来ません!」
「いや、しかし…」
「王宮は優秀な方が集まる場です。優秀な兄様さえ、まだです。だから、お父様、ごめんなさい。」
そんなやり取りがここ最近毎日のように 行われていた。
その度に、兄が顔を赤らめていたが、なぜだろう。
ごめんなさい。兄様を理由にして。でも、お父様の仕事場に行くなら、後を継ぐ長兄からが普通でしょ?
*******
「はああ~…。」
いつも冷静な宰相がここ最近、ため息ばかりだ。まあ、仕事はこなしているからいいが…。
「なんだ、最近ため息ばかりで、こっちが滅入る。」
「陛下…。申し訳ございません。家の事で少し…。」
国王に頭を下げ、額を手で抑える宰相。
「あの、美しい奥方と喧嘩でもしたのか?」
面白そうにニヤニヤ笑う国王を睨む宰相。
「いえ、うちの次男の事で少し…。」
「噂で少し耳に入ったが、大層美しいらしいな。その次男がどうした?」
より興味が出たのか、国王は前のめりになりながら聞いた。
「親の目抜きにしても天使の様な容姿でして、プロント家だとしても、次男ということから、危ない目にも何度か合い…
この間もクズに襲われそうになった為、心配で心配で…。はああ~…。」
項垂れる宰相に、国王は少し考える仕草をとった。
「なるほどな、プロント家に手を出すとは…それほどの美しいさか…。まだ7歳だろ?王宮へ一緒に連れてくれば良かろう。」
「私もそうしようとネフェリアに話したのですが、私の職を継ぐであろう兄より先には行かないと。王宮は優秀な人が集う場で、若輩な自分が…なんて言うんです。可愛いことを…だが、心配で。」
「なんと、奥ゆかしい!私も見てみたい!よし!王命を出す!」
鼻息荒く国王は言った。
その言葉を待ってましたばりに、顔をパッと明るくした宰相。
「誠ですか?それでは早急に進めて行きます!」
此奴、最初からそれが狙いで毎日私の前でため息を…?
さすが国の頭脳だな。
今度は国王からため息が出た。
*******
「芳子さん!いやアルタ!どうしよう!」
眉を寄せて、芳子にすがり付くネフェリア。
「か、カワユス!って、そうじゃない!
王命では、もう逆らえません!まさか、王命が降るとは~!」
あわあわする芳子と頭を抱えるネフェリア。
「こうなったら、覚悟を決めましょう!なんとか婚約にならない様にするんです!」
「なんとかって?」
なんか、作戦があるのか?と期待した眼差しを送る。
「わかりません!!」
自信満々に腰に手を当てて言う言葉ではない!!
ガクリと項垂れるネフェリア。
「ネフェリアたんなら、なんとかなります!」
芳子さん…ちょっと黙って…泣きそうです。
確かに、こうなったら覚悟するしかない。
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