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長き耐えたダムの崩壊5
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俺は指輪をガン見し、ハッと我に変える。
「いやいや!男同士だろ!結婚なんて出来ねえよ!そして重い!!」
「ふふっ慌てる睡蓮も可愛いね!大丈夫、養子縁組すれば同じ籍だし、結婚式は海外で上げればいいさ。重い?当たり前だろ?睡蓮が生まれた時から今まで愛しているんだ、溢れるほど重いの当たり前だろ?」
いや、自信満々に言われても…。
「海斗、俺…、もう気づいてるかもだけど、お前との約束破っちまった…だけど、まだ恋とか愛とかよくわからなくて…お前を失いたくないけど、応えられない。」
ここまでしてもらったんだ、正直に気持ちを伝えようと、グッと唇を噛み締めて切なく歪む顔で海斗を見つめる。
海斗はフゥッと、大きくため息をつき、歪む睡蓮の唇をまた奪った。
ん!ンン!
「か、海斗!!」
息が出来ないほどのキスの間から必死に名前を呼ぶと、ようやく離れてくれた。
「本当に俺、いらないの?」
海斗の言葉にドキンッと心臓が弾む。
「え?」
「俺は、お前がいなかったら死ねる。お前は本当に俺がいなくてもいいの?」
海斗がいない?
だ、だって、さっきはずっと家族って?
俺の顔から、言いたいことを察した海斗は、また息を吐き、ジッと睡蓮を見つめる。
「ああ、家族だよ。だが、俺はそれ以上を求めている。ただの家族を望むなら、この気持ちに蓋をしなければならない。今までの様に、側に入れないし、執着もしない…距離を取らないと諦めきれない!叔父の顔は出来ない…。」
海斗が?側にいない?
あんなに、鬱陶しい程、俺を求め、側にいたのに?
いなくなる?
想像しただけで、ハラハラと自然と涙が零れ落ちた。
「…やだ、…やだよ!」
「睡蓮…。」
「嫌だ!海斗は、俺が嫌がっても、一緒にいなきゃ!側にいてくれなきゃ!俺がウザがっても、俺のこと…なんでも知っててくれなきゃ…愛してくれなきゃ…。」
おい、俺…何言ってんだ、ガキか…。
とんでもない我儘言ってるぞ!
何ヤダヤダ言ってんだよかっこ悪い!
自分の発言に呆然とするが、涙は溢れ出て、胸は苦しい。
くしゃりと歪む顔で自分を見下ろし海斗を見つめることしか出来なかった。
ああ、知らない間に、これほど海斗を必要としてたんだな俺…。
「…側にいてくれよ…海斗。」
ハラハラと泣きじゃくる俺を海斗はゆっくりと抱きしめてくれた。
「睡蓮…そんなに、俺がいないとやだ?」
耳元の声に泣きながら頷く睡蓮。
「嬉しいよ、睡蓮…。じゃあ、こうしよう。俺達は婚約者で家族だ。だけど、睡蓮がまだ気持ちがわからないなら、このまま誰と居ようが許してあげる…。まだアイツらに気持ちが僅かながらあるから戸惑うんだろ?俺を受け入れてくれるなら、アイツらの事も許そう…。お前は自分の気持ちに向き合いながら青春すればいい。それまで婚約者として、待っててあげる…。だから俺を受け入れてくれるかい?」
ジッと見つめる鋭い海斗の視線に吸い込まれる。
涙は自然と止まり、ゴクッと息を飲む。
「俺から、離れない?家族で、愛してくれる?」
「ああ、受け入れてくれるならね。」
ニッと笑う海斗の笑みに違和感を覚えるが、海斗を失う事に怯えた睡蓮はコクッと頷く。
「離れないで、俺の気持ちを待っててくれるなら…わかった。」
笑う海斗はそんな、睡蓮の涙を指で拭い、頬を滑り、首に触れた。
「いいよ。交渉成立だ…俺はお前の叔父として、ちゃんと側で愛そう。…だが、これだけは付け加えとく…。どんな事があっても…」
グッと首に触れる手に力がこもり、睡蓮は苦しそうに眉を寄せた。
「…俺から逃げる事は許さない。」
先程より、光を失い、冷たく薄暗い瞳に睡蓮は背筋をゾッとさせながら頷いた。
睡蓮の頷きに満足した海斗は、また温かい笑みを浮かべ、おでこにキスわ落とす。
「交渉成立。」
海斗の見たことない幾つもの表情に、戸惑いながらも、やっとの安心感にホッと睡蓮は身体を起こそうとしたが、ポンと胸を押されて、またベッドに沈んだ。
へ?
「さあ、気を取り直して続きをしようか?」
「海斗?」
にっこりと笑う海斗を見る。
「約束を破った事には変わりないからね!さあ、初めての婚約者との熱いセックスをしよう!」
結局、何も変わらない!!
「いやいや!男同士だろ!結婚なんて出来ねえよ!そして重い!!」
「ふふっ慌てる睡蓮も可愛いね!大丈夫、養子縁組すれば同じ籍だし、結婚式は海外で上げればいいさ。重い?当たり前だろ?睡蓮が生まれた時から今まで愛しているんだ、溢れるほど重いの当たり前だろ?」
いや、自信満々に言われても…。
「海斗、俺…、もう気づいてるかもだけど、お前との約束破っちまった…だけど、まだ恋とか愛とかよくわからなくて…お前を失いたくないけど、応えられない。」
ここまでしてもらったんだ、正直に気持ちを伝えようと、グッと唇を噛み締めて切なく歪む顔で海斗を見つめる。
海斗はフゥッと、大きくため息をつき、歪む睡蓮の唇をまた奪った。
ん!ンン!
「か、海斗!!」
息が出来ないほどのキスの間から必死に名前を呼ぶと、ようやく離れてくれた。
「本当に俺、いらないの?」
海斗の言葉にドキンッと心臓が弾む。
「え?」
「俺は、お前がいなかったら死ねる。お前は本当に俺がいなくてもいいの?」
海斗がいない?
だ、だって、さっきはずっと家族って?
俺の顔から、言いたいことを察した海斗は、また息を吐き、ジッと睡蓮を見つめる。
「ああ、家族だよ。だが、俺はそれ以上を求めている。ただの家族を望むなら、この気持ちに蓋をしなければならない。今までの様に、側に入れないし、執着もしない…距離を取らないと諦めきれない!叔父の顔は出来ない…。」
海斗が?側にいない?
あんなに、鬱陶しい程、俺を求め、側にいたのに?
いなくなる?
想像しただけで、ハラハラと自然と涙が零れ落ちた。
「…やだ、…やだよ!」
「睡蓮…。」
「嫌だ!海斗は、俺が嫌がっても、一緒にいなきゃ!側にいてくれなきゃ!俺がウザがっても、俺のこと…なんでも知っててくれなきゃ…愛してくれなきゃ…。」
おい、俺…何言ってんだ、ガキか…。
とんでもない我儘言ってるぞ!
何ヤダヤダ言ってんだよかっこ悪い!
自分の発言に呆然とするが、涙は溢れ出て、胸は苦しい。
くしゃりと歪む顔で自分を見下ろし海斗を見つめることしか出来なかった。
ああ、知らない間に、これほど海斗を必要としてたんだな俺…。
「…側にいてくれよ…海斗。」
ハラハラと泣きじゃくる俺を海斗はゆっくりと抱きしめてくれた。
「睡蓮…そんなに、俺がいないとやだ?」
耳元の声に泣きながら頷く睡蓮。
「嬉しいよ、睡蓮…。じゃあ、こうしよう。俺達は婚約者で家族だ。だけど、睡蓮がまだ気持ちがわからないなら、このまま誰と居ようが許してあげる…。まだアイツらに気持ちが僅かながらあるから戸惑うんだろ?俺を受け入れてくれるなら、アイツらの事も許そう…。お前は自分の気持ちに向き合いながら青春すればいい。それまで婚約者として、待っててあげる…。だから俺を受け入れてくれるかい?」
ジッと見つめる鋭い海斗の視線に吸い込まれる。
涙は自然と止まり、ゴクッと息を飲む。
「俺から、離れない?家族で、愛してくれる?」
「ああ、受け入れてくれるならね。」
ニッと笑う海斗の笑みに違和感を覚えるが、海斗を失う事に怯えた睡蓮はコクッと頷く。
「離れないで、俺の気持ちを待っててくれるなら…わかった。」
笑う海斗はそんな、睡蓮の涙を指で拭い、頬を滑り、首に触れた。
「いいよ。交渉成立だ…俺はお前の叔父として、ちゃんと側で愛そう。…だが、これだけは付け加えとく…。どんな事があっても…」
グッと首に触れる手に力がこもり、睡蓮は苦しそうに眉を寄せた。
「…俺から逃げる事は許さない。」
先程より、光を失い、冷たく薄暗い瞳に睡蓮は背筋をゾッとさせながら頷いた。
睡蓮の頷きに満足した海斗は、また温かい笑みを浮かべ、おでこにキスわ落とす。
「交渉成立。」
海斗の見たことない幾つもの表情に、戸惑いながらも、やっとの安心感にホッと睡蓮は身体を起こそうとしたが、ポンと胸を押されて、またベッドに沈んだ。
へ?
「さあ、気を取り直して続きをしようか?」
「海斗?」
にっこりと笑う海斗を見る。
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結局、何も変わらない!!
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