こんなはずじゃなかった

B介

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水族館5

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触れ合いを楽しんで、お土産やら食事やらをしていたら、あっという間に最後のショーの時間となった。


睡蓮は嬉しそうに前の方に座る。


「おい、睡蓮。そこじゃぬれるんじゃないか?」


圭介の言葉にそっか!と頷き、もう少し後ろの席にと移動するが、その席に座る人もカッパを着込んでいて、悩む睡蓮。

「前で見たいが濡れたくない。ギリギリはどこだ。」

「もう一つ後ろの席の人はカッパ着てないぞ?」

圭介が顎で示す方に人がいて、確かに着ていない。


睡蓮は四列目の椅子に座ると、我先にと隣に座る圭介、反対側には豪が座る。

何やら、ヒソヒソと2人で話していた西園寺と兵藤がアッ!と声を上げる。

「てめぇら!!何勝手に隣座ってんだよ!」

「先輩を敬え!!」

無理矢理間に割り込もうとして、ギャーギャー煩い4人に耳を塞ぐ。

イケメンのガタイが良い奴らが騒いでいるせいか、目立ち視線を感じ、流石の2人も舌打ちして座る。

もー、何やってんだか…。意外と西園寺、兵藤もガキなんだよな。

そんな事を考えていると、ショーが始まった。

「ここなら濡れねーよな?」

「大丈夫だろ?」

なんて圭介と笑い合いながら、アシカのショーを見ていた。





これがフラグになるとは思わなかった。






アシカやトドのショーから始まりました!!イルカショー!!


可愛いイルカの頭の良さに、見入っていると……



バジャーーーーン



「「「「「……………。」」」」」


なるほどねー…。そういう事ですか!



イルカが跳ねる場所がありましたね。


その場合四列目でも濡れるんですね!!
勉強になりました。


「うへー!!ビショビショ!」

「やられたな…。」

「せめて、カッパを買っておけば良かったわ!!」

「………。」

「チッ。」


いやーですが、皆さん、流石色男!水も滴るいい男ですよ?

ほら?前髪掻き上げる仕草にメロメロのお姉様型。


そんなことを考えてると、ジッと兵藤が俺の方を見ている。

ん?いや、目線が合わない。


「!!」

ギャーーー!!乳首が透けてる!!

……って、俺男だろ?気にすんなよ…。

気にしたくないが…

兵藤!その目止めろ!!

視姦されてる気分だよ!!


「…西園寺。もういくぞ。我慢できねー。」

兵藤は低く呟くと、睡蓮に羽織っていたシャツをかける。


「濡れてんじゃん!冷てえよ!」

掛けられたシャツも濡れている。


「他の奴に見せたら殺すぞ?」



え?乳首一つで?

てか、俺、海もプールでも見られていますが?

だが、黙っておこう。怖いから。


引っ張られながら着いた所はシーパラダイス内のホテルだった。

マジかよ!?


「どう連れ込むか考えていたが、濡れて良かった。」

ニヤッと笑う西園寺に、俺は呆れてしまう。


エレベーター内が、野獣達の興奮の熱気で、息苦しい。

圭介!?何、勃起させてんだよ!!


「あー!!マジ会長様様!!我慢の限界だった。」


いや、お前の股間、既に立ってるから?


「俺も、もうどこでもよかった。」

怖い事いうなよ、豪!!



しかも、最上階…。


何故、ここまで来て喰われなければならない…。


せっかく癒されたのに…




チーン♪


エレベーターの扉が空いてしまった。
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