こんなはずじゃなかった

B介

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眠れる獅子ども7

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「王様だーれだ!」

ヒョイッ

今現在試しに一回やってみよう!ということで、やってみている。


「あっ!僕だ!」

森脇先輩が引いたようだ。

すると、森脇先輩は辺りを見回す。

バチッと目が合った。

「睡蓮!番号隠さないとバレちゃうよ?」

へ?あっ!!

慌てて手元の番号を隠した。

本当だ!皆隠してる!


森脇先輩はニコッと笑った。

「じゃあ、2番は王様をおんぶして一階を一周して!」


やはり見られていた。2番俺だ!


俺は森脇先輩をおんぶして玄関に向かった。


すると、俺の耳元で森脇先輩はこっそり教えてくれた。


「いい?睡蓮、引いたらすぐ番号のとこを隠さないと大変な事になるよ?あまり際どいのは無いと思うけど、自分が王様の時に命令したい分、結構な命令が来ても他人を注意しないと思うから…このゲーム、合コン用のなんだよ。」

「えっ!?合コン用のゲーム!?」

何、男同士でやってんだよ!!

俺が呆れた顔をすると、森脇は慌てて俺の肩を揺すった。


「ち、違うよ?知ってただけで、合コンなんてしたことないからね!?」

あわあわと否定する森脇先輩を背に抱え、リビングを一周して終えた。


そして俺は、先程の定位置、田島先輩と小川先輩の間に座った。

大富豪で固まってたのが広がって輪になったから、こうなったんだよな。


いつも隣に座ろうとする圭介はブスっとしている。


「何となくわかったな?じゃあ本番な!」

西園寺の声に缶に入った、割り箸を振る。


「王様だーれだ。」


「僕だ。」

引いたのは洋一郎だった。


俺はちゃんと王様に見えないよう番号を隠した。

「じゃあ、5番が10番にデコピンをして下さい。」


「ゲッ!!」


10番は圭介のようだ。

5番は二階堂先輩。ニコニコ笑顔で圭介のおでこに指をスタンバイ。

バシンッ!!


「イデー!!!」


「おやおや、これでも手加減したんだけどね?」

ふふっ!と、面白そうに笑う二階堂を見て、森脇先輩に感謝した。


そして2回目、今度は林が王様だった。

「じゃあ、11番は腕立て伏せを50回!」

何その筋肉バカな命令。

「えーっ!出来るかな…」

当たったのはキラ先輩だった。

意外にも筋肉あるのか、形は綺麗だが、30回あたりから震えてきていた。

やっとの事で終わらせたキラ先輩に拍手。

見てて楽しくなり、少し気を抜いていた。

抜いていたんだが、王様が小倉になった瞬間から流れが変わった。

あの野郎……


「やった~!僕が王様!!」

小倉は嬉々として俺を見るが、俺はちゃんと王様から隠している。

残念そうに眉を下げる王様。


「じゃあ、9番と12番!10秒間抱きついて下さい!!」

鼻息荒く言ったのち、スチャッとスマホを構える王様。


シーンと静まり返る場に、名乗り上げる者がいない。

皆の頭にはてなマークが浮かぶ。

「えー?誰?宣言後だから番号皆見せて?」

ラキ先輩の言葉に皆は番号をかざすが、約2名、番号を見せなかった。

ちょうど隣同士だった為、お互い気づいたのだろう。

すごい歪んだ表情をしている。

俺はその2名を見て、噴き出したいのを必死に耐えた。


皆も目が点だった。

「うひゃー!!ミラクルカップル!!萌えます!!俺様×俺様?hshs!」


そう、西園寺と兵藤だった。


「かいちょー!ちゃんとやらなきゃ!!ホラッギュッとしてー!!」

面白そうにマリマリのヤジが飛ぶ。

「ふふっ!風紀なんだからルールは守らなきゃねw」

二階堂もニヤニヤと口元を笑わす。

青筋立てながら、立ち上がり、見つめ合う、いや、睨み合う2人。

「仕方ね…やるぞ。」

「お前に抱かれるなんてキモい、同時に行くぜ?」

勢いつけて、鬼の形相で抱き合う2人を俺は必死に笑いを堪えて見ていた。


「ギャハハハ!ヒー!ヒー!」

圭介は我慢しなかったようだ。2人の恐ろしい視線に圭介は気付いていない。

小倉は必死に写真撮影。


2人はゲームに対する目つきが変わり、ちょっと怖いと思いながら、まさかの場面を見れて、散々な事をされた2人に心でザマーミロ!!と思った。


すると2人と目が合い、バレてないかヒヤヒヤだ。


さーて!

「王様だーれだ!」


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