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眠れる獅子ども2.
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「3人で何処に?」
サーフボードを倉庫にしまい、玄関を開けると、圭介が立っていた。
壁に寄りかかり、腕を組んで見下ろす瞳は秘めた怒りを感じ、睡蓮は言葉を詰まらせた。
「なんだ、怖い顔して。サーフィンだサーフィン。朝、目が覚めたから、試しに声掛けたら起きてたから誘っただけだ。邪魔者も付いてきたけどな。」
なんでもないように、兵藤は靴を脱ぎ、圭介の肩を叩いた。
「並びだから、音がしてな。2人より良かっただろ?鵜山。」
西園寺もサラッと圭介の横を通り過ぎた。
「ふーん。」
2人の背を見た後、俺に視線を向ける圭介。一瞬冷たく感じたが、次の瞬間にはいつもの表情に戻り、抱きついてくる。
「今度は俺と遊べよ。俺もサーフィン出来るぜ。」
俺はホッとして、頷いた。
「さあ、朝飯食べよ!」
パタパタと圭介を連れてリビングに向かう。
皆、もう起きていて、だらだら過ごしていた。
双子は待てずに朝食を済ませたらしく、今日の天気をチェックしていた。
「スイスイー!!今日は海で水鉄砲しよう!銃持つと性格変わって面白かった!」
「そっか?いいですよーラキ先輩。」
わーい!とはしゃぐ双子に癒され、玄関で不機嫌だった圭介の袖を引っ張る。
「圭介もやるだろ?」
袖を引っ張られ、少し照れて頷く圭介。
やれやれと、西園寺、兵藤は視線を合わせて肩を竦める。
朝食終了後、水着に着替え最終チェックをする。日焼けもしているし、大丈夫かな。
俺は心配になり、ベランダから兵藤を呼ぶ。
兵藤はベランダからまたヒョイっと部屋に来てくれた。
「なあ、跡目立たねえ?」
兵藤はンーっと唸りながら、身体を隅々見て周り、正面の首筋で視線が止まった。
えっ!?見逃してた?
兵藤の視線部分を手で押さえると、兵藤はニヤッと笑い、唇にチュッと啄むキスをする。
「嘘だよ。大丈夫だ。安心して遊べよ。」
俺はボアッと全身を赤く染めて、兵藤をベランダに追いやり鍵を閉めた。
「おい!!せっかく確認してやったのに!てめぇ!ふざけんな!!」
あーうるせー!!
お前の甘甘が俺の心臓に悪いんだよバーカ!!
俺は水着にパーカーを羽織り、部屋を出た。
双子と小倉が必死に水鉄砲を抱えて、ちょうど玄関から出るところだった。
「手伝いますよ!」
「スイスイは、庭のシャチを膨らますの手伝ってあげて!倉庫にあったからお願いしたの!」
俺は庭を覗くと、豪がシャチとワニをポンプで膨らませてた。
「豪、手伝うよ。」
「……助かる。」
豪はワニとポンプを俺に投げた。
2人で必死に踏んで空気を入れる姿が何か笑える。
笑いながらプシュプシュ膨らませていると、意外と大きく、形が出来てきた。
すると、出来たシャチの上にいきなり現れた森脇先輩がダイブ。
「おわ!!」
ホースが勢いで外れて、せっかく入れた空気が抜ける。
「優希!!」
豪が怒りながら森脇先輩をシャチから引き離す。
何故かむくれている森脇先輩。
「何で、てめぇがむくれてんだよ。」
ホースを刺しながら、むくれている森脇先輩を睨む豪。
「…なに、2人でイチャイチャしてんだよ!」
はい?イチャイチャ?
「………。」
無言で真っ赤になる豪に、森脇先輩は更にむくれた。
「赤くなんじゃねえ!気持ち悪いな!!豪のむっつりスケベ!」
あー…確かにむっつりそう…。
俺はつい、そう思ってしまい、チラッと豪を見ると、その視線に気付いたのか、豪は俺の耳元に顔を近づけた。
「むっつりじゃねえ…かなりスケベだが、試してみるか?」
豪のハスキーボイスと内容に、カッと頬を染めると、また森脇先輩がキーッと怒り出した。
「だから、イチャイチャすんなよー!!」
や、やはりむっつりです。森脇先輩!
サーフボードを倉庫にしまい、玄関を開けると、圭介が立っていた。
壁に寄りかかり、腕を組んで見下ろす瞳は秘めた怒りを感じ、睡蓮は言葉を詰まらせた。
「なんだ、怖い顔して。サーフィンだサーフィン。朝、目が覚めたから、試しに声掛けたら起きてたから誘っただけだ。邪魔者も付いてきたけどな。」
なんでもないように、兵藤は靴を脱ぎ、圭介の肩を叩いた。
「並びだから、音がしてな。2人より良かっただろ?鵜山。」
西園寺もサラッと圭介の横を通り過ぎた。
「ふーん。」
2人の背を見た後、俺に視線を向ける圭介。一瞬冷たく感じたが、次の瞬間にはいつもの表情に戻り、抱きついてくる。
「今度は俺と遊べよ。俺もサーフィン出来るぜ。」
俺はホッとして、頷いた。
「さあ、朝飯食べよ!」
パタパタと圭介を連れてリビングに向かう。
皆、もう起きていて、だらだら過ごしていた。
双子は待てずに朝食を済ませたらしく、今日の天気をチェックしていた。
「スイスイー!!今日は海で水鉄砲しよう!銃持つと性格変わって面白かった!」
「そっか?いいですよーラキ先輩。」
わーい!とはしゃぐ双子に癒され、玄関で不機嫌だった圭介の袖を引っ張る。
「圭介もやるだろ?」
袖を引っ張られ、少し照れて頷く圭介。
やれやれと、西園寺、兵藤は視線を合わせて肩を竦める。
朝食終了後、水着に着替え最終チェックをする。日焼けもしているし、大丈夫かな。
俺は心配になり、ベランダから兵藤を呼ぶ。
兵藤はベランダからまたヒョイっと部屋に来てくれた。
「なあ、跡目立たねえ?」
兵藤はンーっと唸りながら、身体を隅々見て周り、正面の首筋で視線が止まった。
えっ!?見逃してた?
兵藤の視線部分を手で押さえると、兵藤はニヤッと笑い、唇にチュッと啄むキスをする。
「嘘だよ。大丈夫だ。安心して遊べよ。」
俺はボアッと全身を赤く染めて、兵藤をベランダに追いやり鍵を閉めた。
「おい!!せっかく確認してやったのに!てめぇ!ふざけんな!!」
あーうるせー!!
お前の甘甘が俺の心臓に悪いんだよバーカ!!
俺は水着にパーカーを羽織り、部屋を出た。
双子と小倉が必死に水鉄砲を抱えて、ちょうど玄関から出るところだった。
「手伝いますよ!」
「スイスイは、庭のシャチを膨らますの手伝ってあげて!倉庫にあったからお願いしたの!」
俺は庭を覗くと、豪がシャチとワニをポンプで膨らませてた。
「豪、手伝うよ。」
「……助かる。」
豪はワニとポンプを俺に投げた。
2人で必死に踏んで空気を入れる姿が何か笑える。
笑いながらプシュプシュ膨らませていると、意外と大きく、形が出来てきた。
すると、出来たシャチの上にいきなり現れた森脇先輩がダイブ。
「おわ!!」
ホースが勢いで外れて、せっかく入れた空気が抜ける。
「優希!!」
豪が怒りながら森脇先輩をシャチから引き離す。
何故かむくれている森脇先輩。
「何で、てめぇがむくれてんだよ。」
ホースを刺しながら、むくれている森脇先輩を睨む豪。
「…なに、2人でイチャイチャしてんだよ!」
はい?イチャイチャ?
「………。」
無言で真っ赤になる豪に、森脇先輩は更にむくれた。
「赤くなんじゃねえ!気持ち悪いな!!豪のむっつりスケベ!」
あー…確かにむっつりそう…。
俺はつい、そう思ってしまい、チラッと豪を見ると、その視線に気付いたのか、豪は俺の耳元に顔を近づけた。
「むっつりじゃねえ…かなりスケベだが、試してみるか?」
豪のハスキーボイスと内容に、カッと頬を染めると、また森脇先輩がキーッと怒り出した。
「だから、イチャイチャすんなよー!!」
や、やはりむっつりです。森脇先輩!
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