こんなはずじゃなかった

B介

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ラブとライク8

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はっちゃける悪魔と化した睡蓮は二丁拳銃こと、水鉄砲を乱射して全てのメンバーのパンツまでびしょびしょにした。

逃げ惑い過ぎて息切れで、レジャーシートの上で乾かしながら寝っ転がらる男達。

その中にははしゃぎ過ぎて爆睡する睡蓮もいた。

隣で愛おしいそうに、その寝顔を見つめる兵藤。

兵藤はぷにぷにの睡蓮のほっぺを突っつきながら、楽しそうに笑う。

同じように、睡蓮の横で爆睡する圭介が、睡蓮の身体の上に腕を回すと、苛つきながらその腕を退かした。


そんなやり取りを西園寺はベンチから眺めている。

すると、白樺はコーヒーを西園寺に渡し、向かい側に座りながら、西園寺の視線の先を見つめた。

「晴臣、本気なんですね。」

白樺の問いに西園寺を無言を貫く。

「…その背中の傷がなんだかくらい、わかる。……だが、睡蓮の様子的に、まだ決まったようには感じない。……私…俺も諦めるつもりはない。」

そういうと、白樺は立ち上がり、眠る睡蓮の方へと向かう。

一度立ち止まり、西園寺へと振り向く。

「それだけ伝えたかっただけです。」


立ち去る白樺の背中を西園寺は見ながら、大きく息を吐く。

「身体を繋いでも、不安は消えないか…。」

いや、より欲が出て、より不安が大きくなったか?

この西園寺が…。


「本当に厄介な奴だよ。」






「兵藤、そろそろ戻りましょうか?」

白樺は睡蓮の寝顔を眺めている兵藤へ声を掛けた。

「ああ。」

白樺は幸せそうに眠る睡蓮のツルッとしたおでこについ、触れてしまう。

触れた指先から睡蓮の熱が伝わり、ドキドキと胸を高鳴らせる。
すると指先も触れることを許さないとばかりに、兵藤は白樺の手首を掴み上げた。

白樺と兵藤の無言の睨み合いは、睡蓮の覚醒によって終えた。

「んっ~…」

「睡蓮、そろそろ帰りますよ。」

まだ完全に起きていない頭で、頷き、睡蓮はトイレへと立つ。

「皆も起きて、行きますよ!」

欠伸をしながら、アスレチック場に隣接されたトイレで用を済ます。手を洗い、トイレから出ると、急遽腕を掴まれ、物陰に引っ張られた。

「うわっ!!」

木の幹にトンッと背中が当たり、正面に立つ男を見た。

「マリマリ先輩?」

金髪の髪をサラッと風が靡かせる。カラコンだがよく似合うブルーの瞳が睡蓮を見つめていた。

「どうしました?マリマリ先輩。」

いつもと雰囲気が違う気がして、心配そうに首を傾げると、鞠田は、睡蓮の唇を奪った。

「!!」

睡蓮は急に訪れた柔らかい感触に頭が一気に覚醒し、目を見開く。

数秒間の柔らかさから解放されたかと思うと、また、角度を変えて訪れる。

「マリマリ、せん、ぱ!」

何度も角度を変えて唇を啄むようなキスの優しさに、睡蓮は抵抗すら出来ず、鞠田が満足するのを待った。

優しく、エロいキスに睡蓮はなすがままになったのだ。

何度目かな啄みに満足して、唇を離すと、鞠田は恥ずかしそうにブルーグレーを潤ます睡蓮をうっとりと見下ろす。

「マリマリ先輩…なんで…?」

「何で?好きだからだよ睡蓮ちゃん。俺が睡蓮ちゃんを好きだからキスしたんだよ。」

疑問に眉を寄せた睡蓮に、鞠田は鼻先すれすれまで顔を近づけて、熱のこもった眼差しで伝える。

「俺はチャラチャラに見えるから、信じられない?」

慌てた俺が答えようと口を開いた瞬間、また、口付けされ、舌が口内へと差し込まれた。

柔らかく甘い、熱い舌が俺の舌に絡みつく。

はあ…

苦しさに息を吐くと、優しく、チュッと音を立てて離れていく。

「俺の本気伝わった?」

頬にキスを落としながら、鞠田は睡蓮に尋ねる。

睡蓮は顔を赤くしながらコクンと頷いた。

「兵藤や、多分西園寺にも遅れを取ったけど…負けるつもりはないから…。俺のこともちゃんと見ててね。」

鞠田の真剣さに睡蓮は頷くことしか出来なかった。

あのマリマリ先輩のこんな姿…。

頷く睡蓮に、マリマリはいつものヘラっとした笑みを浮かべて、おでこにキスをして、皆の元へと戻って行った。

睡蓮はへなへなと、その場に蹲み込んで熱い顔を手で仰ぐ。

「ハァァ…参った。いくつ心臓があっても足りないな。」


俺はどうしたらいいんだ…
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