こんなはずじゃなかった

B介

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素顔は有名でした。3

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「あの、睡蓮は今まで、何のスポーツやって来たんですか?本人に聞いても、興味無さそうで…。」
洋一郎が蓮花に聞くと、蓮花は考えるような仕草をして、スマホを取り出した。

「確か、1番初めは7歳で私と一緒にテニスだっかな?
母が昔の漫画にハマり、連れて行かれて…。いきなり大会出て、7歳で優勝してから、母が睡蓮の運動神経に目をつけて、アニメ、漫画の再現の如く、色々やらせたわ。小学生では、後卓球、野球かな?中学で柔道と拳法と空手と水泳かな。大体、母の目的が活躍だから、大会一回か二回で終わるの。母が亡くなってからは何も。本人もこんな感じだから。」
皆に、大きなテニスラケットを持つ、7歳の俺を見せた。

『可愛いい♡』

「か、空手の時の写真ありますか!?」
圭介と兵藤がゴクリと唾を飲み込みながら聞く。

蓮花は、ちょっと待って?とスマホをいじる。

「これ?私がカラーリングの練習後に大会に急遽出ることになってね。髪色で言われるかヒヤヒヤしたんだけど、目の色で地毛と思われてラッキーだった!なんか弱小道場のヘルプだったわ!」

スマホを向け、画面いっぱいに広げた写真を2人に見せる。2人は四つん這いで、近づき、覗き込んだ。

「や、やっぱり。辰杯の天使…。」
そこには、自分を一瞬で床に沈めた、金髪姿の睡蓮がいた。
感動のあまり、圭介はポロッと涙を零す。

「えっ!圭介くん!?どうしたの?」
ギョッとする姉。

「……やっと、会えた…。」
兵藤も少し潤ませた、熱い眼差しで俺を見る。

「睡蓮、俺と圭介は、この大会でお前に負けたんだ。いつも大体、コイツと決勝でな。お互い飽き飽きしていて。この日も何十との道場大会、辰杯に参加して、決勝は変わらないと思いきや、弱小道場の無名選手にやられた。飛ぶように軽やかな蹴りでその大会では、辰杯の天使って言われていたが、その後消えた。この様子だと、圭介もそうだろうが、俺の初恋で、めちゃくちゃ探したんだ。名前まで調べたが Lily ・Water って外国人の名前で。」
兵藤はグッと眉を寄せて、拳を握りしめた。

「ああ、それ私が金髪にしちゃったから付けたの!
反対にするとWater lily!睡蓮よ♡」
蓮花の言葉に、潤ませた瞳を大きく見開いた。

「でも、そんな頃から想っててくれて、しかも知らないで、また睡蓮を好きになってくれるなんて!ロマンチック!!」
うっとりとする蓮花とは逆に、話の主人公は初めて知った事実に気まずく、太巻きを貪る。
「水泳ではマーメイド、空手では天使。すごいですね睡蓮。」
副会長、関心しないで……。

「じゃあ、今日睡蓮に勝てばマーメイドに勝ったことになるんだな?」
西園寺の言葉に、先程まで瞳を潤ませていた兵藤がニヤッと笑う。
「確かに、そんな強いやつに勝てたら、さぞ気持ちいいだろうな…。」

小倉と阿部がスマホで検索した、俺の当時の記事を見せつけた。
「本当に綺麗な泳ぎで!優勝してから消えて、人魚が人間界に現れた!って記事が当時の水泳雑誌に載ったんですよ!」
「知ってる!!めちゃくちゃ綺麗な子で男もうっとりと聞いて、BLキター!って調べたもん!」

知らない間に俺、いくつも二つな持ってたんだな。厨二病かよ!!
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