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70. カロリナ、青い空、白い砂浜。
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カロリナは漁民から感謝された。
今年は不作で税が厳しいと嘆いていたが、王都の役人が来て税が全額免除と連絡が入ったらしい。
「ラファウ、小麦を配給するのではなかったのですか?」
「カロリナ様、よくお考え下さい。一度配給してから税を回収するのと、配給と回収を相殺するのと、どちらが効率的と思いますか」
そりゃ、そうだ!
配ってから回収すると印象も悪い。
税がすべて免除と言われた方が喜ばれる。
よく判っていらっしゃる。
役人は国王の温情と言った。
だが、誰もそんなことを信じない。
王への不審は大きい。
「陛下はおら達のことなど考える訳がねい」
「うんだ」
「兵に出ろとか、税を納めろとしか言わん」
「うんだ、うんだ」
「おら達のことを考えて下さるのはカロリナ様しかおらん」
「おら達はカロリナ様に従うぞ!」
「そうだな!」
「うんだ、うんだ」
国王陛下よりカロリナの命令を聞く?
国王の耳は入ったら反逆罪で首が飛びそうなことを言っていた。
聞かなかったことにしよう。
カロリナはそう思った。
「う~ん、おいしいわ!」
「元気になられてよろしゅうございました」
「エルが悪いのよ」
「申し訳ございません」
「悪いと思うなら、お代わりを取って下さい」
取れたばかりの魚がぶったぎりして、大きな鍋で塩ゆでする。
素朴な料理だが美味しかった。
星が出るまで、騒いで食べまくった。
漁村の人は酒を飲んで潰れてゆく。
芋から作る焼酎と呼ばれる酒がこの辺りでは安く手に入るらしい。
「ルドヴィク、私にも少し分けて下さる」
「申し訳ございません。成人するまでお待ち下さい」
「そんなに美味しそうに呑むからいけないのです。少し渡しなさい」
「申し訳ございません」
やはり、呑ませてくれない。
それで諦めるカロリナではない。
「ラファウ、明日は教会に訪問します」
「教会は次の漁村の向こうです。それから、向こうに着いても試飲は駄目ですよ」
「どうしてですか?」
「カロリナ様は匂いだけでも酔うでしょう」
「ここの特産物を確認するのも私の仕事です」
「酔っぱらうから駄目です」
「お皿を舐めるだけです」
教会の酒造所には様々のお酒が用意されている。
それを皿に掬って舐めて味見をする。
すべての樽を確認すれば、かなりの飲酒量になってしまう。
匂いだけで酔うというのは言い過ぎだった。
「おい、エル」
「ラファウ様、何でしょうか?」
「カロリナ様が成人しても、一定量以上の酒を出すなよ」
「心得ております」
以前、試飲だけで酒乱となってカロリナが暴れた。
暴力を奮ったとかではない。
自由奔放な性格に歯止めが掛からなくなった。
カロリナが逃げ出した。
その身体能力に付いていける者は少ない。
カロリナを捕まえるのがどれほど面倒臭いか身に染みていた。
漁民は朝まで呑み続けたが、カロリナは船に戻って寝むりに付いた。
漁村の宿屋より船の方が豪華だったからだ。
漁村を起点に村を巡り、次の漁村を目指す。
ご領主の令嬢の視察はどこでも歓迎された。
「開拓村には温情(税免除)がないのはびっくりしました」
「元々、5年間の税を免除されています。支援物資が必要なくなった所です。来年から税が掛かります」
「得したのでしょうか?」
「さぁ、どうでしょう。また、新たな開拓民を募集しております」
「まだまだ、開拓の余地が残っていますね」
「はい、人口が増えれば、徴兵も楽になります」
開拓村の人口は300人ほどであった。
漁村を起点に街道沿いに2つ村が作られていた。
チャーターした船を次の漁村に向わせて、カロリナは馬で街道を北上した。
『ファイラー・アロー』
ジクの索敵に掛かった魔物のボアーをカロリナが一撃で仕留める。
山火事を起こさないように、限界まで魔力を収束させた白い光を放つ炎の矢である。
「カロリナ様、お見事です」
「ニナほどじゃないわ」
「弓は私の本職です。カロリナ様は手加減しないといけません。カロリナ様の方が凄いでう」
ニナはカロリナと一緒が嬉しいのか?
やたらとはりきっていた。
今日も鳥を9羽、森狼を6頭、ボアーを2頭も仕留めていた。
ジクもニナの為に索敵をがんばっている。
森人達が俺達にも活躍する場所を残してくれと訴えるが、「早い者勝ちです」とニナは言う。
『ホーリーアロー』
光の矢が木々を避けながら飛んで的を射る。
軌道が変わる魔法の矢はカロリナも出来ない。
ラファウも無理らしい。
ニナは何となくできたと言っている。
何となく出来るモノなのか?
みんな、唖然だ。
浮かれるニナを誰も止められない。
森人の仲間はただの荷物運びに成り下がった。
うん、次の村も喜びそうだ。
ラファウの予定では東海岸の3つの漁村と6つ村を巡り、代官のいる港町で帰るつもりだった。
「何を言っているのですか? ここまで来て西海岸を見ずに帰れません」
カロリナは観光を続ける気であった。
港町から先はチャーター船が使えない。
代官から内海仕様の船で外海は危険だと言われた。
それで諦めるカロリナではない。
村の粗末な家で寝ることをカロリナは気にしない。
ダンジョンと思えば、雨・露が凌げて敵がいない環境は天国だ。
港町の城壁を出ると開拓村が1つある。
その先の西海岸には漁村1つと旧村が1つしかない。
街道の獣道のように粗末になった。
「その先に砦村があると聞きました」
「砦の人員を補充する為に作った村で開拓村と別です」
砦村は長い海岸線を守る見張り台となる砦であり、船で侵入して敵国の兵を見つける為に置かれていた。
砦村は西海岸に3つあり、領兵50人に守っている。
その領兵を支える為に小さな畑を作って暮らす従者が50人から100人ほど働いており、村もどきの生活をしていた。
警備を担当する領兵や従者はカロリナの慰問を泣いて喜んだ。
「ありがとうございます」
「喜んで貰って嬉しいわ!」
「姫様に来て頂いて感激です。一生の思い出とさせて頂きます」
皆、号泣する。
カロリナもちょっと引いた。
毎日、海を監視し、森を巡回するだけの日々らしい。
任期は3年で帰りたくとも帰れない。
「ラファウ、ここにも開拓村を作った方がいいのではないかしら?」
「外海用の港を作らないと物資の輸送が難しいのです」
「漁村と村があったではないですか?」
「あの者らは元々から原住民です」
現地の森の民と海の民らしい。
森の民は有事の際の道案内であり、深い森の中でも迷わない。
海の民はあの貧相な船で外海を渡れる。
荒波と岩だらけの海岸に船を付けるのは難しいらしい。
「まったく、無理なのですか?」
「湾になっている場所もあります」
「では、明日でも視察に行ってみましょう」
カロリナは何かと理由を付けて帰る日を伸ばしてゆく。
領都の執事から帰宅予定の使者が何度も通って来た。
でも、カロリナは意にも介さない。
「ねぇ、ルドヴィク。砦に慰問に行けば、喜んで頂けるかしら?」
「それはもう大喜びでしょう」
「ラファウ、どうかしら?」
「いけません。砦は万が一もありえます」
「私達なら向こうの砦を陥落させるくらいの戦力があると思いますよ」
「そんなことをして戦端が開かれたら大変なことになります。我が国と隣の国では戦力が違うのです」
国境の砦を総称してハコネ砦と呼ぶ。
3つ山道の出口に造られており、その後詰にさらに3つの砦が守っている。
合計6つの砦で守っていた。
砦に各300人の領兵が配置されている。
ここで時間を稼いでいる間に領都から5,000人の領軍の到着を待つ。
山が連なり、平野部はない。
プー王国が大軍で攻めて来ても数の有利が使えず、時間を稼ぐ。
こうして王都から騎士団1万人の到着を待って決戦に臨む。
これを500年間も続けてきた。
「よく、それで500年も守れましたね?」
「万が一の場合は砦を放棄します。その後に西海岸からゲリラ戦を仕掛け、東は領都砦で敵を足止めする。大軍であるほど物資の消耗は激しく、ハコネ山地を超えて物資を送り続けるのは向こうにとっても負担となるのです」
「それが西海岸を開発しない理由でしたか!」
「カロリナ様が言われるように、物資輸送の為の港を作るくらいは悪くないでしょう。砦の兵をここから船で避難させるのも悪くないと思います。あっ、見えてきました」
森を抜けると、美しい緑色の湾が見えた。
青い空、白い砂浜、エメラルドグリーンの海が広がっていた。
砂浜に白い波が何度も打ち寄せている。
「なぁ、なんですか? この緑色の海は?」
「凄く綺麗です」
「素敵です」
カロリナもその景色に心を奪われた。
これもう、これもう、これは泳ぐしかないでしょう!
「アザ、ニナ、泳ぎましょう」
「いいわね!」
「泳ぎたいです」
「でしょ、でしょう!」
「でも、こいつらは邪魔よ」
アザが男達を指差した。
今年は不作で税が厳しいと嘆いていたが、王都の役人が来て税が全額免除と連絡が入ったらしい。
「ラファウ、小麦を配給するのではなかったのですか?」
「カロリナ様、よくお考え下さい。一度配給してから税を回収するのと、配給と回収を相殺するのと、どちらが効率的と思いますか」
そりゃ、そうだ!
配ってから回収すると印象も悪い。
税がすべて免除と言われた方が喜ばれる。
よく判っていらっしゃる。
役人は国王の温情と言った。
だが、誰もそんなことを信じない。
王への不審は大きい。
「陛下はおら達のことなど考える訳がねい」
「うんだ」
「兵に出ろとか、税を納めろとしか言わん」
「うんだ、うんだ」
「おら達のことを考えて下さるのはカロリナ様しかおらん」
「おら達はカロリナ様に従うぞ!」
「そうだな!」
「うんだ、うんだ」
国王陛下よりカロリナの命令を聞く?
国王の耳は入ったら反逆罪で首が飛びそうなことを言っていた。
聞かなかったことにしよう。
カロリナはそう思った。
「う~ん、おいしいわ!」
「元気になられてよろしゅうございました」
「エルが悪いのよ」
「申し訳ございません」
「悪いと思うなら、お代わりを取って下さい」
取れたばかりの魚がぶったぎりして、大きな鍋で塩ゆでする。
素朴な料理だが美味しかった。
星が出るまで、騒いで食べまくった。
漁村の人は酒を飲んで潰れてゆく。
芋から作る焼酎と呼ばれる酒がこの辺りでは安く手に入るらしい。
「ルドヴィク、私にも少し分けて下さる」
「申し訳ございません。成人するまでお待ち下さい」
「そんなに美味しそうに呑むからいけないのです。少し渡しなさい」
「申し訳ございません」
やはり、呑ませてくれない。
それで諦めるカロリナではない。
「ラファウ、明日は教会に訪問します」
「教会は次の漁村の向こうです。それから、向こうに着いても試飲は駄目ですよ」
「どうしてですか?」
「カロリナ様は匂いだけでも酔うでしょう」
「ここの特産物を確認するのも私の仕事です」
「酔っぱらうから駄目です」
「お皿を舐めるだけです」
教会の酒造所には様々のお酒が用意されている。
それを皿に掬って舐めて味見をする。
すべての樽を確認すれば、かなりの飲酒量になってしまう。
匂いだけで酔うというのは言い過ぎだった。
「おい、エル」
「ラファウ様、何でしょうか?」
「カロリナ様が成人しても、一定量以上の酒を出すなよ」
「心得ております」
以前、試飲だけで酒乱となってカロリナが暴れた。
暴力を奮ったとかではない。
自由奔放な性格に歯止めが掛からなくなった。
カロリナが逃げ出した。
その身体能力に付いていける者は少ない。
カロリナを捕まえるのがどれほど面倒臭いか身に染みていた。
漁民は朝まで呑み続けたが、カロリナは船に戻って寝むりに付いた。
漁村の宿屋より船の方が豪華だったからだ。
漁村を起点に村を巡り、次の漁村を目指す。
ご領主の令嬢の視察はどこでも歓迎された。
「開拓村には温情(税免除)がないのはびっくりしました」
「元々、5年間の税を免除されています。支援物資が必要なくなった所です。来年から税が掛かります」
「得したのでしょうか?」
「さぁ、どうでしょう。また、新たな開拓民を募集しております」
「まだまだ、開拓の余地が残っていますね」
「はい、人口が増えれば、徴兵も楽になります」
開拓村の人口は300人ほどであった。
漁村を起点に街道沿いに2つ村が作られていた。
チャーターした船を次の漁村に向わせて、カロリナは馬で街道を北上した。
『ファイラー・アロー』
ジクの索敵に掛かった魔物のボアーをカロリナが一撃で仕留める。
山火事を起こさないように、限界まで魔力を収束させた白い光を放つ炎の矢である。
「カロリナ様、お見事です」
「ニナほどじゃないわ」
「弓は私の本職です。カロリナ様は手加減しないといけません。カロリナ様の方が凄いでう」
ニナはカロリナと一緒が嬉しいのか?
やたらとはりきっていた。
今日も鳥を9羽、森狼を6頭、ボアーを2頭も仕留めていた。
ジクもニナの為に索敵をがんばっている。
森人達が俺達にも活躍する場所を残してくれと訴えるが、「早い者勝ちです」とニナは言う。
『ホーリーアロー』
光の矢が木々を避けながら飛んで的を射る。
軌道が変わる魔法の矢はカロリナも出来ない。
ラファウも無理らしい。
ニナは何となくできたと言っている。
何となく出来るモノなのか?
みんな、唖然だ。
浮かれるニナを誰も止められない。
森人の仲間はただの荷物運びに成り下がった。
うん、次の村も喜びそうだ。
ラファウの予定では東海岸の3つの漁村と6つ村を巡り、代官のいる港町で帰るつもりだった。
「何を言っているのですか? ここまで来て西海岸を見ずに帰れません」
カロリナは観光を続ける気であった。
港町から先はチャーター船が使えない。
代官から内海仕様の船で外海は危険だと言われた。
それで諦めるカロリナではない。
村の粗末な家で寝ることをカロリナは気にしない。
ダンジョンと思えば、雨・露が凌げて敵がいない環境は天国だ。
港町の城壁を出ると開拓村が1つある。
その先の西海岸には漁村1つと旧村が1つしかない。
街道の獣道のように粗末になった。
「その先に砦村があると聞きました」
「砦の人員を補充する為に作った村で開拓村と別です」
砦村は長い海岸線を守る見張り台となる砦であり、船で侵入して敵国の兵を見つける為に置かれていた。
砦村は西海岸に3つあり、領兵50人に守っている。
その領兵を支える為に小さな畑を作って暮らす従者が50人から100人ほど働いており、村もどきの生活をしていた。
警備を担当する領兵や従者はカロリナの慰問を泣いて喜んだ。
「ありがとうございます」
「喜んで貰って嬉しいわ!」
「姫様に来て頂いて感激です。一生の思い出とさせて頂きます」
皆、号泣する。
カロリナもちょっと引いた。
毎日、海を監視し、森を巡回するだけの日々らしい。
任期は3年で帰りたくとも帰れない。
「ラファウ、ここにも開拓村を作った方がいいのではないかしら?」
「外海用の港を作らないと物資の輸送が難しいのです」
「漁村と村があったではないですか?」
「あの者らは元々から原住民です」
現地の森の民と海の民らしい。
森の民は有事の際の道案内であり、深い森の中でも迷わない。
海の民はあの貧相な船で外海を渡れる。
荒波と岩だらけの海岸に船を付けるのは難しいらしい。
「まったく、無理なのですか?」
「湾になっている場所もあります」
「では、明日でも視察に行ってみましょう」
カロリナは何かと理由を付けて帰る日を伸ばしてゆく。
領都の執事から帰宅予定の使者が何度も通って来た。
でも、カロリナは意にも介さない。
「ねぇ、ルドヴィク。砦に慰問に行けば、喜んで頂けるかしら?」
「それはもう大喜びでしょう」
「ラファウ、どうかしら?」
「いけません。砦は万が一もありえます」
「私達なら向こうの砦を陥落させるくらいの戦力があると思いますよ」
「そんなことをして戦端が開かれたら大変なことになります。我が国と隣の国では戦力が違うのです」
国境の砦を総称してハコネ砦と呼ぶ。
3つ山道の出口に造られており、その後詰にさらに3つの砦が守っている。
合計6つの砦で守っていた。
砦に各300人の領兵が配置されている。
ここで時間を稼いでいる間に領都から5,000人の領軍の到着を待つ。
山が連なり、平野部はない。
プー王国が大軍で攻めて来ても数の有利が使えず、時間を稼ぐ。
こうして王都から騎士団1万人の到着を待って決戦に臨む。
これを500年間も続けてきた。
「よく、それで500年も守れましたね?」
「万が一の場合は砦を放棄します。その後に西海岸からゲリラ戦を仕掛け、東は領都砦で敵を足止めする。大軍であるほど物資の消耗は激しく、ハコネ山地を超えて物資を送り続けるのは向こうにとっても負担となるのです」
「それが西海岸を開発しない理由でしたか!」
「カロリナ様が言われるように、物資輸送の為の港を作るくらいは悪くないでしょう。砦の兵をここから船で避難させるのも悪くないと思います。あっ、見えてきました」
森を抜けると、美しい緑色の湾が見えた。
青い空、白い砂浜、エメラルドグリーンの海が広がっていた。
砂浜に白い波が何度も打ち寄せている。
「なぁ、なんですか? この緑色の海は?」
「凄く綺麗です」
「素敵です」
カロリナもその景色に心を奪われた。
これもう、これもう、これは泳ぐしかないでしょう!
「アザ、ニナ、泳ぎましょう」
「いいわね!」
「泳ぎたいです」
「でしょ、でしょう!」
「でも、こいつらは邪魔よ」
アザが男達を指差した。
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