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54.カロリナ、あんぱんを食べる。
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カロリナはラファウに見つかってしまった。
「お探ししました。事前に行って頂ければ」
「仰々しい護衛は要りません」
「お立場を考え下さい。以前と違い、カロリナ様を狙う輩もいるのです」
「アンブラ達がいるから大丈夫よ」
突如の体調不良、お茶会をドタキャンして屋敷を抜け出した。
屋敷では大騒ぎだ。
イェネー、クリシュトーフ、カールは領兵と共に周囲を探しに行った。
報告を受けてラファウ、ルドヴィクも捜査に加わった。
「私が誘拐? 兄上が近衛を動かそうとしたのですか? マズル兄ぃも!」
「近衛はこの程度で動きません」
「よかった」
「よかったではありません。場合によってはあり得ました」
「大袈裟よ」
「お立場をお考え下さい。王国の英雄で王子の婚約候補なのですよ。森人を追い駆けて、王都外に出たとなればあり得る話です」
王都外なら誘拐として、兄のレヴィンが近衛を動かすつもりだった!
冗談じゃない。
カロリナはマズルに叱られると焦った!
森人は冒険者パーティの名称だ。
レフは仲間を連れてダンジョンに潜っていた。
目的はレベルアップ。
今まで潜れなかった下層にチャレンジ中だった。
下層の魔物素材はかなり儲かる。
増えるパーティメンバーを養うにも金が要った。
南には冒険者学校があるらしいが、王都にはない。
貧しい子は冒険者を目指す。
手伝いや薬草採取などFランクを卒業した冒険者を森人は一手に引き受けていた。
カロリナから資金援助を受けていたが、いつまでも甘えている訳にもいかない。
レベルアップが急務だった。
ダンジョンの下層はレベル30相当の魔物が徘徊する。
パーティ平均レベル20の森人では分不相応だった。
しかし、ジクはレベル42、ニナはレベル44となって帰ってきた。
レベルアップは今しかない。
ニナ達がダンジョンに行ったことをカロリナも知っている。
追い駆けた?
カロリナも腕試しに潜りたいと言っていた。
下層に潜ったとなると、領兵では実力不足。
誘拐ということにして、近衛を動かそうと兄のレヴィンは考えたそうだ。
過保護だった!
あり得ないとラファウが反対したらしい。
「アンブラだけで過剰兵力でしょう」
「私もそう申しましたが、聞き入れて貰えません。早馬を送って王都外に出ていないことを確認して取り止めて頂きました」
「お兄様も大概よね!」
「大概なのがカロリナ様です」
「ごめんなさい」
「出掛けるときは行先だけは言って下さい」
「あと一軒、パン屋さんに行ったら帰るわ!」
「まったく」
ラファウの態度が粗雑になって来た気がした。
気のせいではない。
ラファウなりにカロリナの行動が読めるようになってきた。
屋台巡りを終えたら、流行りの店に行くに違いない。
大公園で見張っていると、カロリナは下町街から出てきた。
「あと1軒だけです」
「判っているわ!」
カロリナはパン屋に入った。
その瞬間、驚いた。
色々なパンが並んでいる。
何ですか、ここは!?
パン屋と言えば、カウンターがあり、その奥に石窯がある。
並んでいるのはパンか、黒パンだ。
料金を安くする為に生地を持ってきて焼いて貰う客もおり、並んでいることもある。
それがパン屋であった。
ふっくらとしたパン。
カロリナはゆっくりとパンを押してみた。
ぷにぃ、柔らかい!
「お客様、パンに触れるのはよして下さい。お買いになられるならトレーにお願いします。一度取ったパンを戻さないで下さい」
「判ったわ!」
カロリナはいくつかあるパンを取った。
噂通り、ちょっとお高い。
間違いない。
この柔らかさは宮廷パンだ。
白パンもあった。
貴族が使う一等の小麦を使い、秘伝でふっくらとさせる。
そう考えると格安なパンだ。
でも、それだけで商人らは噂にしない。
贅沢をしないだけで、商人らも口は肥えている。
何が違うの?
「食べれば、判りますよ」
言われたままにさっそく食べる。
中にほんのり甘い餡があった。
この甘さは水飴だ。
絶妙な味のバランスで成立していた。
「美味しいわ!」
「はい、大変美味しいです」
「邪道です。神聖なパンの中に餡を入れるのはどうでしょうか?」
「ラファウ、美味しい物に邪道などありません。美味しいか、美味しくないかだけです」
カロリナは店主の手を取って称賛した。
屋敷に招きたいとも言った。
「そのように申して頂きありがとうございます」
「冗談ではないのよ」
「ありがとうございます。ですが、エリザベート商会の契約でパン職人を止めた場合はパンを作ることができなくなっております」
「エリザベート商会?」
「はい、難民で合った私を救済して頂き、南方商会の食堂で料理の基礎を教えて頂きました。こちらにあるパンはそこで学んだパンでございます」
話を聞いて、ラファウも驚いた。
貧困者の救済。
エリザベート商会の小店のほとんどが難民や貧困民で構成されているらしい。
礼儀作法から技能まで叩き込む。
カロリナがやっていることを組織的に行っていた。
そんなことまで!
冒険者学校といい、やることが大規模だ。
ただ、カロリナと違って善意だけではない。
契約で縛っている。
料理や技法を漏えいすれば、契約魔法が発動する。
呪いの一種でギルドカードに契約違反の文字が浮き出るだけだが、商人として終わりだ。
だが、縁を切る気がない店主らにとって何の障害にならない。
エリザベートは恩人であり、商業ギルド登録の証人、独立資金の貸し出し、材料の提供をエリザベート商会がやってくれる。
そんな思考にふけるラファウを無視して、カロリナは料理の話で盛り上がっていた。
「カレーが、至高カレーがその店にあるのですか!」
「はい、私が学んだ食堂で提供されております。私の夢はそのカレーをパンの中に閉じ込めることです」
「素晴らしいです。研究費を出しましょう」
「申し訳ございません。支援を他で受けることはできません」
「ならば、カレーパンの前金を払いましょう。それなら問題ないわね!」
「はい、ありがとうございます!」
いい話を聞いた。
南方のクレタ港町にある南方交易所の近くに食堂があり、紹介があれば誰でも食事ができ、カレーを提供している。
食べることになると、カロリナの灰色の脳細胞は活性化する。
「ラファウ、魔の森は王国にとって貴重な魔石を産出する土地です。遠征して、この目で確かめに行きます」
クレタ港の東。
魔の森は香辛料と交換する魔石を産出する。
冒険者が稼ぎに行く。
魔物討伐が王国の一大産業となっていた。
大蔵省として視察をするのも変ではない。
カロリナが冒険者として魔の森に遠征し、その次いで同行者として視察してくる。
遠征・視察のどちらが目的か?
そんなことはどうでもいいが、大蔵大臣の令嬢に従って視察に赴くという言い訳になる。
ラファウとルドヴィクが同行するなら、お父様もお兄様も許可を出してくれる。
「7月に計画を入れてよろしいでしょうか?」
「いいですわよ。ただ、3日目の朝にちょっとお食事に出掛けてくるかもしれないわ」
(明日中に計画書を提出しろ)
カロリナの無茶ぶりに溜息を付いた。
「お探ししました。事前に行って頂ければ」
「仰々しい護衛は要りません」
「お立場を考え下さい。以前と違い、カロリナ様を狙う輩もいるのです」
「アンブラ達がいるから大丈夫よ」
突如の体調不良、お茶会をドタキャンして屋敷を抜け出した。
屋敷では大騒ぎだ。
イェネー、クリシュトーフ、カールは領兵と共に周囲を探しに行った。
報告を受けてラファウ、ルドヴィクも捜査に加わった。
「私が誘拐? 兄上が近衛を動かそうとしたのですか? マズル兄ぃも!」
「近衛はこの程度で動きません」
「よかった」
「よかったではありません。場合によってはあり得ました」
「大袈裟よ」
「お立場をお考え下さい。王国の英雄で王子の婚約候補なのですよ。森人を追い駆けて、王都外に出たとなればあり得る話です」
王都外なら誘拐として、兄のレヴィンが近衛を動かすつもりだった!
冗談じゃない。
カロリナはマズルに叱られると焦った!
森人は冒険者パーティの名称だ。
レフは仲間を連れてダンジョンに潜っていた。
目的はレベルアップ。
今まで潜れなかった下層にチャレンジ中だった。
下層の魔物素材はかなり儲かる。
増えるパーティメンバーを養うにも金が要った。
南には冒険者学校があるらしいが、王都にはない。
貧しい子は冒険者を目指す。
手伝いや薬草採取などFランクを卒業した冒険者を森人は一手に引き受けていた。
カロリナから資金援助を受けていたが、いつまでも甘えている訳にもいかない。
レベルアップが急務だった。
ダンジョンの下層はレベル30相当の魔物が徘徊する。
パーティ平均レベル20の森人では分不相応だった。
しかし、ジクはレベル42、ニナはレベル44となって帰ってきた。
レベルアップは今しかない。
ニナ達がダンジョンに行ったことをカロリナも知っている。
追い駆けた?
カロリナも腕試しに潜りたいと言っていた。
下層に潜ったとなると、領兵では実力不足。
誘拐ということにして、近衛を動かそうと兄のレヴィンは考えたそうだ。
過保護だった!
あり得ないとラファウが反対したらしい。
「アンブラだけで過剰兵力でしょう」
「私もそう申しましたが、聞き入れて貰えません。早馬を送って王都外に出ていないことを確認して取り止めて頂きました」
「お兄様も大概よね!」
「大概なのがカロリナ様です」
「ごめんなさい」
「出掛けるときは行先だけは言って下さい」
「あと一軒、パン屋さんに行ったら帰るわ!」
「まったく」
ラファウの態度が粗雑になって来た気がした。
気のせいではない。
ラファウなりにカロリナの行動が読めるようになってきた。
屋台巡りを終えたら、流行りの店に行くに違いない。
大公園で見張っていると、カロリナは下町街から出てきた。
「あと1軒だけです」
「判っているわ!」
カロリナはパン屋に入った。
その瞬間、驚いた。
色々なパンが並んでいる。
何ですか、ここは!?
パン屋と言えば、カウンターがあり、その奥に石窯がある。
並んでいるのはパンか、黒パンだ。
料金を安くする為に生地を持ってきて焼いて貰う客もおり、並んでいることもある。
それがパン屋であった。
ふっくらとしたパン。
カロリナはゆっくりとパンを押してみた。
ぷにぃ、柔らかい!
「お客様、パンに触れるのはよして下さい。お買いになられるならトレーにお願いします。一度取ったパンを戻さないで下さい」
「判ったわ!」
カロリナはいくつかあるパンを取った。
噂通り、ちょっとお高い。
間違いない。
この柔らかさは宮廷パンだ。
白パンもあった。
貴族が使う一等の小麦を使い、秘伝でふっくらとさせる。
そう考えると格安なパンだ。
でも、それだけで商人らは噂にしない。
贅沢をしないだけで、商人らも口は肥えている。
何が違うの?
「食べれば、判りますよ」
言われたままにさっそく食べる。
中にほんのり甘い餡があった。
この甘さは水飴だ。
絶妙な味のバランスで成立していた。
「美味しいわ!」
「はい、大変美味しいです」
「邪道です。神聖なパンの中に餡を入れるのはどうでしょうか?」
「ラファウ、美味しい物に邪道などありません。美味しいか、美味しくないかだけです」
カロリナは店主の手を取って称賛した。
屋敷に招きたいとも言った。
「そのように申して頂きありがとうございます」
「冗談ではないのよ」
「ありがとうございます。ですが、エリザベート商会の契約でパン職人を止めた場合はパンを作ることができなくなっております」
「エリザベート商会?」
「はい、難民で合った私を救済して頂き、南方商会の食堂で料理の基礎を教えて頂きました。こちらにあるパンはそこで学んだパンでございます」
話を聞いて、ラファウも驚いた。
貧困者の救済。
エリザベート商会の小店のほとんどが難民や貧困民で構成されているらしい。
礼儀作法から技能まで叩き込む。
カロリナがやっていることを組織的に行っていた。
そんなことまで!
冒険者学校といい、やることが大規模だ。
ただ、カロリナと違って善意だけではない。
契約で縛っている。
料理や技法を漏えいすれば、契約魔法が発動する。
呪いの一種でギルドカードに契約違反の文字が浮き出るだけだが、商人として終わりだ。
だが、縁を切る気がない店主らにとって何の障害にならない。
エリザベートは恩人であり、商業ギルド登録の証人、独立資金の貸し出し、材料の提供をエリザベート商会がやってくれる。
そんな思考にふけるラファウを無視して、カロリナは料理の話で盛り上がっていた。
「カレーが、至高カレーがその店にあるのですか!」
「はい、私が学んだ食堂で提供されております。私の夢はそのカレーをパンの中に閉じ込めることです」
「素晴らしいです。研究費を出しましょう」
「申し訳ございません。支援を他で受けることはできません」
「ならば、カレーパンの前金を払いましょう。それなら問題ないわね!」
「はい、ありがとうございます!」
いい話を聞いた。
南方のクレタ港町にある南方交易所の近くに食堂があり、紹介があれば誰でも食事ができ、カレーを提供している。
食べることになると、カロリナの灰色の脳細胞は活性化する。
「ラファウ、魔の森は王国にとって貴重な魔石を産出する土地です。遠征して、この目で確かめに行きます」
クレタ港の東。
魔の森は香辛料と交換する魔石を産出する。
冒険者が稼ぎに行く。
魔物討伐が王国の一大産業となっていた。
大蔵省として視察をするのも変ではない。
カロリナが冒険者として魔の森に遠征し、その次いで同行者として視察してくる。
遠征・視察のどちらが目的か?
そんなことはどうでもいいが、大蔵大臣の令嬢に従って視察に赴くという言い訳になる。
ラファウとルドヴィクが同行するなら、お父様もお兄様も許可を出してくれる。
「7月に計画を入れてよろしいでしょうか?」
「いいですわよ。ただ、3日目の朝にちょっとお食事に出掛けてくるかもしれないわ」
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