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32. カロリナ、はじめてのおつかい。
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呼び出しって、何なのかしら?
王宮に行くには大変なのよ。
沢山の目もある。
誰が見ているか判らない。
そう考えると手を抜く訳にはいかなかった。
湯あみをとって玉の肌をつるつるに仕上げ、御髪を綺麗に磨ぎ直し、最高級のドレスを身に纏って王宮に向かう。
急な呼び出しであった。
不意打ちに近い。
待たせるなんてできない。
それでも完璧に仕上げて送り出すのがオルガの仕事であった。
「お嬢様の御髪は整えて!」
「オルガ、もうこのままでいいのじゃない」
「いけません。完璧に仕上げてみせます」
「それよりお昼を!?」
「どうせ、お嬢様のことですから買い食いをされていたのでしょう。これ以上は体形を崩されてなりません」
「オルガさん、オルガさん、そう言わずに」
「お嬢様、帰ってきたらおいしい食事を用意させておきますからお利口に出頭して下さい。さもなければ、晩御飯はスープだけにします」
「オルガ、それは余りにも」
「大丈夫です。お嬢様は愛想笑いをしているだけでお美しいのですから!」
侍女(従長)のオルガに迫力が出てきた。
家令(スチュワード)も執事(バトラー)もタジタジであった。
執事(バトラー)と家令(スチュワード)は微妙に違う。
執事(バトラー)は従僕(フットマン)を勤め上げた者が得る最高の地位であり、屋敷の従僕(フットマン)を統括する。
でも、王都と自領に2つの屋敷があり、それを統括するのが家令(スチュワード)だ。
家令(スチュワード)は貴族の家臣がなり、自領にあまり帰れない侯爵に代わって領地を代行している。
そこから大家令(ロード・ハイ・スチュワード)とも呼ばれている。
領主によって領主代理を置く家もあって色々だ。
二人ともオルガからカロリナのことを伺うようになり、屋敷で一番偉いのはオルガかもしれない。
領地経営をオルガに訪ねるのはとても変なことだ?
でも、カロリナが新領地開発の発案者からであり、カロリナが何を考えているのかで領地経営を左右する。
おねだり1つで侯爵の方針が変わる。
カロリナが何を考えているのが知らない訳にいかない。
カロリナが何を考えているか?
ぞわぁぁぁ、考えるだけでオルガは鳥肌が立ってしまう。
『お嬢様は何も考えておりません。ただ、食い意地が張っているだけ』
お嬢様をまっとうにしなければ!
カロリナ以上にカロリナを知るオルガは大変な役目を押し付けられた。
でも、お嬢様の名誉の為に絶対に言えない。
このお嬢様を立派に育てないと、この国が大変なことになってしまう。
オルガは今まで以上に使命感を燃えさせていた。
お昼抜きでカロリナを送り出した。
オルガの馬鹿!
「カロリナ・ファン・ラーコーツィ、召喚に応じ。参上致しました」
「ご苦労であった」
王が謁見の間で待っていた。
てっきり王宮の個室に呼び出されると思っていたカロリナはちょっと焦った。
まるで公式行事です。
王の左右に王妃と御生母様が座っている。
宰相が檀上に下に立ち、両脇に大臣・長官がずらりと並んでいる。
“ちょっと、お父様”
最前列に立っている父に小声で聞く訳にもいかない。
「カロリナ・ファン・ラーコーツィ、そなたにミスホラ王国への勅使を命ずる」
「はぁ?」
「おどろくのも無理もない。もう一度言う。そなたにミスホラ王国への勅使を命ずる」
「承知しました。然れど、若輩の身。成人もせぬ私でよろしいのでしょうか?」
「此度、非公式である。ミスホラ王国の大生母様の100歳を迎えた祝いに、ご生母様へささやかな品が贈られてきた。私の気持ちとして、その返礼の品を持っていって貰う。これはご生母様のお願いである」
「謹んで拝命致します」
理解した。
国王から頼まれた『おつかいイベント』だ。
貴族デビューだ。
カロリナのライバルと称されるエリザベートは、大司教と供として国王に謁見するという貴族デビューを果たした。
ご生母様と父ラーコーツィ侯爵はライバル心を燃やした。
伯爵家如きに負ける訳はいかない。
このお使いをご生母様が頼んでもよかったのだが、それでは格が1つ下がる。
そこで国王からの勅命という形を取った。
貴族デビューの定番は『はじめてのおつかい』だ。
ただ、国王の勅使というのは王国はじまって以来のことであった。
『勝った』
ご生母様とラーコーツィ侯爵は何か都合のいい貴族デビューはないかとずっと模索していた。
国王に謁見するだけでは二番煎じだ。
かと言って、国政に関わることを未成人の少女に任せる訳に行かない。
よい案もなく、2年間も貴族デビューがおあずけされていた。
やっと巡ってきた貴族デビューだ。
ミスホラ王国の大使がいる滞在している間に決めたかった。
カロリナは目を輝かせた。
妖精の国、ミスホラ王国はアール王国では食べられない珍しい食べ物があると聞く。
輸入したくとも手に持ち出し禁止らしく手に入らない。
素晴らしいわ!
一度、行ってみたかったのよ。
「国王陛下、このような素晴らしい仕事を頂けたことに心より感謝致します」
「母上に頼みだ。無碍にもできまい」
「カロリナ、無事の帰りを待っていますよ」
「はい、御婆様」
使者が決定すると、大使が呼ばれた。
カロリナは大使と儀礼的にあいさつを交わした。
カロリナは立ち上がってもう一礼をする。
カロリナに大使の顔も噂に聞く料理に見えた。
食べ物のことを考えているカロリナは素敵な笑顔を披露する。
おぉ~、大使も思わず息を呑んだ。
大臣・官僚達も、その笑顔に、その美しい立ち振る舞いに息をするのを忘れるほどであった。
“これがご生母様を魅了した。100万金貨の微笑か!”
カロリナが王妃にふさわしい印象を付けられてご生母様もご満悦であった。
大使が帰国の途につくと、カロリナも退出を許可された。
王妃は始終不満そうであった。
謁見の間を出ると、兄のレヴィンが待っていた。
「見事だった。兄として誇らしい」
「急なことでドキドキしました」
「詳しい話をする。部屋に付いて来い!」
「はい」
レヴィンの部屋に到着すると、一人の騎士が立っていた。
懐かしい顔にカロリナの顔が綻び、その騎士に抱きついた。
「マズル兄ぃ!」
「お久ぶりです。カロリナ様」
「最近は御無沙汰ですね。オルガも寂しがっていますよ。玉には顔を見せないさい」
「申し訳ございません」
マズルは侍女(従長)オルガの弟であり、よくカロリナの遊びに付き合ってくれた。
しかし、最近は全然、顔を出してくれない。
「カロリナ、無理を言っていけない。近衛の小隊長となれば、中々に休みも貰えない。休みの日も王城で待機して隊員の訓練をする。休みらしい休みが貰えない役職だ」
「いいえ、将来のことを考えれば、カロリナ様の為になると姉も申しておりました」
「姉弟でカロリナを支えてくれるのは感謝する。だが、そんな先の話は後にしよう」
そうであった。
カロリナは王の使者として、ミスホラ王国に行く。
使者には護衛が付く。
通常は30人であるが、今回の使者は正式な外交官ではない。
非公式である。
王から近衛小隊10人のみが随行することが許可された。
レヴィンはさっそくマズルの隊を引き抜こうと走り回っている間にカロリナが王宮に到着して打ち合せも出来ずに謁見となってしまったのだ。
カロリナは上機嫌だ。
マズル兄ぃと旅行とは、カロリナにとってご褒美であった。
屋敷の籠りがちなカロリナを外に連れ出したのがマズルなら、カロリナの性格をよく知っているのもマズルだ。
侍女のオルガと同じく、マズルならまったく気を使う必要のない。
カロリナはレヴィンに感謝した。
王宮に行くには大変なのよ。
沢山の目もある。
誰が見ているか判らない。
そう考えると手を抜く訳にはいかなかった。
湯あみをとって玉の肌をつるつるに仕上げ、御髪を綺麗に磨ぎ直し、最高級のドレスを身に纏って王宮に向かう。
急な呼び出しであった。
不意打ちに近い。
待たせるなんてできない。
それでも完璧に仕上げて送り出すのがオルガの仕事であった。
「お嬢様の御髪は整えて!」
「オルガ、もうこのままでいいのじゃない」
「いけません。完璧に仕上げてみせます」
「それよりお昼を!?」
「どうせ、お嬢様のことですから買い食いをされていたのでしょう。これ以上は体形を崩されてなりません」
「オルガさん、オルガさん、そう言わずに」
「お嬢様、帰ってきたらおいしい食事を用意させておきますからお利口に出頭して下さい。さもなければ、晩御飯はスープだけにします」
「オルガ、それは余りにも」
「大丈夫です。お嬢様は愛想笑いをしているだけでお美しいのですから!」
侍女(従長)のオルガに迫力が出てきた。
家令(スチュワード)も執事(バトラー)もタジタジであった。
執事(バトラー)と家令(スチュワード)は微妙に違う。
執事(バトラー)は従僕(フットマン)を勤め上げた者が得る最高の地位であり、屋敷の従僕(フットマン)を統括する。
でも、王都と自領に2つの屋敷があり、それを統括するのが家令(スチュワード)だ。
家令(スチュワード)は貴族の家臣がなり、自領にあまり帰れない侯爵に代わって領地を代行している。
そこから大家令(ロード・ハイ・スチュワード)とも呼ばれている。
領主によって領主代理を置く家もあって色々だ。
二人ともオルガからカロリナのことを伺うようになり、屋敷で一番偉いのはオルガかもしれない。
領地経営をオルガに訪ねるのはとても変なことだ?
でも、カロリナが新領地開発の発案者からであり、カロリナが何を考えているのかで領地経営を左右する。
おねだり1つで侯爵の方針が変わる。
カロリナが何を考えているのが知らない訳にいかない。
カロリナが何を考えているか?
ぞわぁぁぁ、考えるだけでオルガは鳥肌が立ってしまう。
『お嬢様は何も考えておりません。ただ、食い意地が張っているだけ』
お嬢様をまっとうにしなければ!
カロリナ以上にカロリナを知るオルガは大変な役目を押し付けられた。
でも、お嬢様の名誉の為に絶対に言えない。
このお嬢様を立派に育てないと、この国が大変なことになってしまう。
オルガは今まで以上に使命感を燃えさせていた。
お昼抜きでカロリナを送り出した。
オルガの馬鹿!
「カロリナ・ファン・ラーコーツィ、召喚に応じ。参上致しました」
「ご苦労であった」
王が謁見の間で待っていた。
てっきり王宮の個室に呼び出されると思っていたカロリナはちょっと焦った。
まるで公式行事です。
王の左右に王妃と御生母様が座っている。
宰相が檀上に下に立ち、両脇に大臣・長官がずらりと並んでいる。
“ちょっと、お父様”
最前列に立っている父に小声で聞く訳にもいかない。
「カロリナ・ファン・ラーコーツィ、そなたにミスホラ王国への勅使を命ずる」
「はぁ?」
「おどろくのも無理もない。もう一度言う。そなたにミスホラ王国への勅使を命ずる」
「承知しました。然れど、若輩の身。成人もせぬ私でよろしいのでしょうか?」
「此度、非公式である。ミスホラ王国の大生母様の100歳を迎えた祝いに、ご生母様へささやかな品が贈られてきた。私の気持ちとして、その返礼の品を持っていって貰う。これはご生母様のお願いである」
「謹んで拝命致します」
理解した。
国王から頼まれた『おつかいイベント』だ。
貴族デビューだ。
カロリナのライバルと称されるエリザベートは、大司教と供として国王に謁見するという貴族デビューを果たした。
ご生母様と父ラーコーツィ侯爵はライバル心を燃やした。
伯爵家如きに負ける訳はいかない。
このお使いをご生母様が頼んでもよかったのだが、それでは格が1つ下がる。
そこで国王からの勅命という形を取った。
貴族デビューの定番は『はじめてのおつかい』だ。
ただ、国王の勅使というのは王国はじまって以来のことであった。
『勝った』
ご生母様とラーコーツィ侯爵は何か都合のいい貴族デビューはないかとずっと模索していた。
国王に謁見するだけでは二番煎じだ。
かと言って、国政に関わることを未成人の少女に任せる訳に行かない。
よい案もなく、2年間も貴族デビューがおあずけされていた。
やっと巡ってきた貴族デビューだ。
ミスホラ王国の大使がいる滞在している間に決めたかった。
カロリナは目を輝かせた。
妖精の国、ミスホラ王国はアール王国では食べられない珍しい食べ物があると聞く。
輸入したくとも手に持ち出し禁止らしく手に入らない。
素晴らしいわ!
一度、行ってみたかったのよ。
「国王陛下、このような素晴らしい仕事を頂けたことに心より感謝致します」
「母上に頼みだ。無碍にもできまい」
「カロリナ、無事の帰りを待っていますよ」
「はい、御婆様」
使者が決定すると、大使が呼ばれた。
カロリナは大使と儀礼的にあいさつを交わした。
カロリナは立ち上がってもう一礼をする。
カロリナに大使の顔も噂に聞く料理に見えた。
食べ物のことを考えているカロリナは素敵な笑顔を披露する。
おぉ~、大使も思わず息を呑んだ。
大臣・官僚達も、その笑顔に、その美しい立ち振る舞いに息をするのを忘れるほどであった。
“これがご生母様を魅了した。100万金貨の微笑か!”
カロリナが王妃にふさわしい印象を付けられてご生母様もご満悦であった。
大使が帰国の途につくと、カロリナも退出を許可された。
王妃は始終不満そうであった。
謁見の間を出ると、兄のレヴィンが待っていた。
「見事だった。兄として誇らしい」
「急なことでドキドキしました」
「詳しい話をする。部屋に付いて来い!」
「はい」
レヴィンの部屋に到着すると、一人の騎士が立っていた。
懐かしい顔にカロリナの顔が綻び、その騎士に抱きついた。
「マズル兄ぃ!」
「お久ぶりです。カロリナ様」
「最近は御無沙汰ですね。オルガも寂しがっていますよ。玉には顔を見せないさい」
「申し訳ございません」
マズルは侍女(従長)オルガの弟であり、よくカロリナの遊びに付き合ってくれた。
しかし、最近は全然、顔を出してくれない。
「カロリナ、無理を言っていけない。近衛の小隊長となれば、中々に休みも貰えない。休みの日も王城で待機して隊員の訓練をする。休みらしい休みが貰えない役職だ」
「いいえ、将来のことを考えれば、カロリナ様の為になると姉も申しておりました」
「姉弟でカロリナを支えてくれるのは感謝する。だが、そんな先の話は後にしよう」
そうであった。
カロリナは王の使者として、ミスホラ王国に行く。
使者には護衛が付く。
通常は30人であるが、今回の使者は正式な外交官ではない。
非公式である。
王から近衛小隊10人のみが随行することが許可された。
レヴィンはさっそくマズルの隊を引き抜こうと走り回っている間にカロリナが王宮に到着して打ち合せも出来ずに謁見となってしまったのだ。
カロリナは上機嫌だ。
マズル兄ぃと旅行とは、カロリナにとってご褒美であった。
屋敷の籠りがちなカロリナを外に連れ出したのがマズルなら、カロリナの性格をよく知っているのもマズルだ。
侍女のオルガと同じく、マズルならまったく気を使う必要のない。
カロリナはレヴィンに感謝した。
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