刺殺からはじまる侯爵令嬢、カロリナだってがんばります!

牛一/冬星明

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30.どこかで呪いの歌が唄われていた。(第2場、プロローグ)

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ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ!
(笛の音色に合わせて、)悲しい弔いの歌うたってよ。
わたしは涙ながして溜息をする。
聴いてよ、わたしの救いのない話。
青い目の少女が奪っていった。
希望も夢も奪い去った。
そして、思い出だけを残していった。

シュレミッヒの丘の上。
山査子さんざし摘んで精を出し、
喜びの歌を唄うとやって来た。
金の髪をたなびかせ、多くの小人を引き連れて、
死の大輪を咲かせにやってきた。

ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ!
(笛の音色に合わせて、)悲しい弔いの歌うたってよ。
わたしは涙ながして溜息をする。
聴いてよ、わたしの悲しい話。
闇夜に咲いた大輪の花。
気づかれぬように、女・子供が歩いてゆく。
声を潜めて逃げ出した。

ウーファーミッヒの村の中。
大火のダンスを踊り出し、すべての命を天に投げ、
喜びの歌を唄い出す。
緑の血を神に捧げ、我らは祈る未来の為に、
呪いの言葉を口ずさむ。

ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ!
(笛の音色に合わせて、)悲しい弔いの歌うたってよ。
わたしは涙ながして溜息をする。
聴いてよ、わたしの苦悩の話。
彷徨う森で仲間が散った。
呪いと祟りを口ずさみ、後を託して散っていった。
魂はわたしの中で渦巻いた。

シュウォーツの森の中。
呪って喰らってすべてを晴らす。
歓喜の歌を唄い出す。
進め我ら、すべてを喰らい尽くす日まで、
青き目を喰らうまで。
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