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29.鬼に金棒、カロリナにラファウ。
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午前中の試食を終えて時点でルドヴィクとラファウがかなり参っていた。
美味しすぎて食べ過ぎたのだ。
ルドヴィクとラファウも芝生の上で倒れていた。
「食い過ぎた」
「失敗しました」
「二人ともダラしないですわ。まだ半分ですよ」
ルドヴィクは下手をすると、食い過ぎで死ぬかもしれないとはじめて思った。
肉串が美味かったので食べ過ぎた。
その後のザニガニ料理の各種を全部完食した。
ラファウは流石におかわりまでしていなかったので、言葉以上に余裕があるようだ。
「カロリナ様はよく平気ですね!」
「もちろん、加減をして食しております」
「庶民の食べ物がこれほど旨いとは思いませんでした」
「違うよ!」
「そうだ!」
「違う、違う」
「最初は、こんなに美味しくないよ」
「坊主、どういう意味だ」
「カロリナ様が美味しくしたんだ」
「カロリナ様が言うと美味しくなるんだ」
「カロリナ様、万歳」
「カロリナ様、万歳」
「お肉、万歳」
カロリナは拙い屋台を回り、その欠点を教えて改善させていった。
時に材料。
時には調味料。
将又、時には配合まで口を出した。
屋敷に招いて料理教室まで開けば、腕も向上する。
あくまで教えるのは庶民料理だ。
高級食材を使う貴族料理を教えても意味がない。
でも、ザニガニは高級食材と同じ技法?
境界は曖昧だ。
こうして、安く拙い品と旨くそれなりの値段の品は並ぶようになった。
今日は美味しい品だけが並んでいる。
ラファウはカロリナのお腹が無事な理由を知っている、
カロリナは子供達と一皿を分け合って完食していた。
庶民の子供も一皿を分け合う貴族がいるだろうか?
そんなカロリナを下町の人がこよなく愛しているのが感じられる。
ラファウはカロリナの崇高さを褒め讃えていた。
否、カロリナは食べ歩きで食べ過ぎた経験があるだけであった。
すべて食べたいがすべてを回るとお腹が持たない。
そこで考えたのが分け合うであった。
深い意味はない。
それを真似て、あの三貴族子息も一皿を三人で分けていた。
こちらも食べ歩きで食い過ぎた経験からだ。
それに!
食べ残すとカロリナが凄く怒るのだ。
「ラファウ、昼からどうする?」
「当然、付いてゆく。お前はこのまま離脱するか?」
「馬鹿な!」
しかし、午前で12店、午後から15店も回る予定だ。
午前より午後の方が多い。
試食をしないと言うのはカロリナが許さない。
絶対に許さない。
ルドヴィクはやはり死ぬかもしれないと思った。
「おい、どうする。マジで死ぬぞ!」
「簡単だ! お前の弟らと一皿を5等分にすればいい」
「おぉ、そうか!」
そう聞いて、ルドヴィクが元気を取り戻して立ち上がった。
「もう大丈夫ですか?」
「まだ、時間はあると思いますが!」
「そうね、休憩の時間はまだあります」
どうやら、それ以外の用事もあるみたいだ。
「ラファウ、貴方に見て欲しい物があります。付いて来て下さい」
カロリナがラファウを連れて公園を出て悪路(下町)の方へ歩き出す。
当然だが、ルドヴィクをはじめ、皆も付いてくる。
奥に進むほど、鼻を摘みたくなるような臭いが強烈になってゆく。
ルドヴィクとラファウの顔が歪み、ハンカチで鼻を覆った。
カロリナや子供らは平気そうだ。
あの三貴族子息も平然としている。
でも、違った。
平然としているだけで、平気な訳ではない。
「ねぇ、ラファウ」
「はい、何でしょうか?」
「先ほどの試食品は美味しかったでしょう!」
「そうですね。庶民の食べ物という認識を変える必要があるくらいには」
「よかった。がんばった甲斐がありました」
カロリナが微笑む。
その背中から後光が溢れるように感じた。
天使のようだと称えられるが、なるほど本物の天使のようだ。
マジ、天使。
美味しい物の事を考えている時のカロリナはいい笑顔を出すのだ。
ラファウもうっとり見惚れてしまう。
見とれている自分に気づき、ラファウは慌てる。
まだ8歳にならない少女に見とれるとはなんてことだ。
俺は馬鹿か!
「美しい」
「そうでしょう、兄上」
「最高だ」
「異議なし!」
ルドヴィク、三貴族子息は素直に感動している。
見とれるルドヴィクを見て、ラファウは心の中でルドヴィクに“馬鹿野郎、帰って来い”と突っ込む。
だが、ルドヴィクはそれを感じ取ったのか、親指を立て“大丈夫だ。これは信仰だ”と、答えた。
ラファウは両手を広げて、“そういうことなら婚約者に行ってもいいのか?”と返事をする。
ルドヴィクは拳を握って、“殺すぞ”と脅した。
ラファウはにやりと流し目で笑って、ルドヴィクが謝った。
おもしろい二人だ。
「ここをどう思います」
「どうと言われても何を答えれば?」
「この不潔な場所で住んでいます。この酷い臭い中です」
「確かに! この臭い、(こんな場所に住むのは)酷いと思います」
「そうでしょう。こんな場所で(美味しい物を食べるなんて)酷いですよね」
「はい、(不潔な場所で住むのは健康に)よくないと思います」
「ラファウ、(私はもっと美味しく食べたいの)どうにかなりませんか? どうにかしたいのです。(美味しく食べる為に!)」
「(生活の改善なんて)難しいですね」
カロリナは肩を落とした。
何とかして、屋台でいつでも美味しく食べられるようにしたかった。
この酷い臭いの中で美味しさも半減してしまう。
これは意外とカロリナの中で重要な案件であった。
でも、カロリナの足りない脳みそでは改善方法が思いつかない。
だから、賢そうなラファウに聞いてみた。
でも、ラファウでも駄目と言われた。
カロリナは落胆した。
何と言う高貴なお方だ!
民の健康をこれほど心から心配されるのか!
ラファウは感動した。
ラファウの中でカロリナの評価がドンドンと上がってゆく。
ホント、二人の会話は微妙に食い違ったままで思いがかけ離れてゆく。
うな垂れるカロリナ、それを見下ろすラファウ。
ルドヴィクが割込んだ。
ルドヴィクがラファウに食い下がる。
「カロリナ様がお前を頼っている。何故、応えてやらない。お前ならできるだろう。いや、お前しかできない。天才のお前なら何か思い付くだろう」
「俺は天才じゃない、タダの秀才だ。俺一人の力じゃ」
「俺も手を貸す! どんなことでもやってやる。知恵を出せ!」
「ルドヴィク。手を放せ! 俺の力などしれている。俺はカロリナ様のような人脈も…………あっ!」
「やっぱり、思い付いたな!」
「できるかどうかは判らない。だが、カロリナ様なら可能性がある」
ラファウは膝を付いて、俯くカロリナの顔を見上げた。
「カロリナ様、本気でお望みですか?」
「望んでいます」
「私にはできませんが、カロリナ様が本気でお望みなら可能です」
「ホントですか?」
「私にはできません。私にはそんな力がありません。ですが、カロリナ様にはご生母様と大蔵大臣が付いております。そして、幸いなことに国庫に潤沢な資産が眠っております。挑戦しますか?」
「愚問です。可能性があるならヤルに決まっています」
カロリナが躊躇する訳がない。
「ならば、このラファウ。あらん限りの知恵をお貸ししましょう」
鬼に金棒、カロリナにラファウ。
時代が動きはじめた。
美味しすぎて食べ過ぎたのだ。
ルドヴィクとラファウも芝生の上で倒れていた。
「食い過ぎた」
「失敗しました」
「二人ともダラしないですわ。まだ半分ですよ」
ルドヴィクは下手をすると、食い過ぎで死ぬかもしれないとはじめて思った。
肉串が美味かったので食べ過ぎた。
その後のザニガニ料理の各種を全部完食した。
ラファウは流石におかわりまでしていなかったので、言葉以上に余裕があるようだ。
「カロリナ様はよく平気ですね!」
「もちろん、加減をして食しております」
「庶民の食べ物がこれほど旨いとは思いませんでした」
「違うよ!」
「そうだ!」
「違う、違う」
「最初は、こんなに美味しくないよ」
「坊主、どういう意味だ」
「カロリナ様が美味しくしたんだ」
「カロリナ様が言うと美味しくなるんだ」
「カロリナ様、万歳」
「カロリナ様、万歳」
「お肉、万歳」
カロリナは拙い屋台を回り、その欠点を教えて改善させていった。
時に材料。
時には調味料。
将又、時には配合まで口を出した。
屋敷に招いて料理教室まで開けば、腕も向上する。
あくまで教えるのは庶民料理だ。
高級食材を使う貴族料理を教えても意味がない。
でも、ザニガニは高級食材と同じ技法?
境界は曖昧だ。
こうして、安く拙い品と旨くそれなりの値段の品は並ぶようになった。
今日は美味しい品だけが並んでいる。
ラファウはカロリナのお腹が無事な理由を知っている、
カロリナは子供達と一皿を分け合って完食していた。
庶民の子供も一皿を分け合う貴族がいるだろうか?
そんなカロリナを下町の人がこよなく愛しているのが感じられる。
ラファウはカロリナの崇高さを褒め讃えていた。
否、カロリナは食べ歩きで食べ過ぎた経験があるだけであった。
すべて食べたいがすべてを回るとお腹が持たない。
そこで考えたのが分け合うであった。
深い意味はない。
それを真似て、あの三貴族子息も一皿を三人で分けていた。
こちらも食べ歩きで食い過ぎた経験からだ。
それに!
食べ残すとカロリナが凄く怒るのだ。
「ラファウ、昼からどうする?」
「当然、付いてゆく。お前はこのまま離脱するか?」
「馬鹿な!」
しかし、午前で12店、午後から15店も回る予定だ。
午前より午後の方が多い。
試食をしないと言うのはカロリナが許さない。
絶対に許さない。
ルドヴィクはやはり死ぬかもしれないと思った。
「おい、どうする。マジで死ぬぞ!」
「簡単だ! お前の弟らと一皿を5等分にすればいい」
「おぉ、そうか!」
そう聞いて、ルドヴィクが元気を取り戻して立ち上がった。
「もう大丈夫ですか?」
「まだ、時間はあると思いますが!」
「そうね、休憩の時間はまだあります」
どうやら、それ以外の用事もあるみたいだ。
「ラファウ、貴方に見て欲しい物があります。付いて来て下さい」
カロリナがラファウを連れて公園を出て悪路(下町)の方へ歩き出す。
当然だが、ルドヴィクをはじめ、皆も付いてくる。
奥に進むほど、鼻を摘みたくなるような臭いが強烈になってゆく。
ルドヴィクとラファウの顔が歪み、ハンカチで鼻を覆った。
カロリナや子供らは平気そうだ。
あの三貴族子息も平然としている。
でも、違った。
平然としているだけで、平気な訳ではない。
「ねぇ、ラファウ」
「はい、何でしょうか?」
「先ほどの試食品は美味しかったでしょう!」
「そうですね。庶民の食べ物という認識を変える必要があるくらいには」
「よかった。がんばった甲斐がありました」
カロリナが微笑む。
その背中から後光が溢れるように感じた。
天使のようだと称えられるが、なるほど本物の天使のようだ。
マジ、天使。
美味しい物の事を考えている時のカロリナはいい笑顔を出すのだ。
ラファウもうっとり見惚れてしまう。
見とれている自分に気づき、ラファウは慌てる。
まだ8歳にならない少女に見とれるとはなんてことだ。
俺は馬鹿か!
「美しい」
「そうでしょう、兄上」
「最高だ」
「異議なし!」
ルドヴィク、三貴族子息は素直に感動している。
見とれるルドヴィクを見て、ラファウは心の中でルドヴィクに“馬鹿野郎、帰って来い”と突っ込む。
だが、ルドヴィクはそれを感じ取ったのか、親指を立て“大丈夫だ。これは信仰だ”と、答えた。
ラファウは両手を広げて、“そういうことなら婚約者に行ってもいいのか?”と返事をする。
ルドヴィクは拳を握って、“殺すぞ”と脅した。
ラファウはにやりと流し目で笑って、ルドヴィクが謝った。
おもしろい二人だ。
「ここをどう思います」
「どうと言われても何を答えれば?」
「この不潔な場所で住んでいます。この酷い臭い中です」
「確かに! この臭い、(こんな場所に住むのは)酷いと思います」
「そうでしょう。こんな場所で(美味しい物を食べるなんて)酷いですよね」
「はい、(不潔な場所で住むのは健康に)よくないと思います」
「ラファウ、(私はもっと美味しく食べたいの)どうにかなりませんか? どうにかしたいのです。(美味しく食べる為に!)」
「(生活の改善なんて)難しいですね」
カロリナは肩を落とした。
何とかして、屋台でいつでも美味しく食べられるようにしたかった。
この酷い臭いの中で美味しさも半減してしまう。
これは意外とカロリナの中で重要な案件であった。
でも、カロリナの足りない脳みそでは改善方法が思いつかない。
だから、賢そうなラファウに聞いてみた。
でも、ラファウでも駄目と言われた。
カロリナは落胆した。
何と言う高貴なお方だ!
民の健康をこれほど心から心配されるのか!
ラファウは感動した。
ラファウの中でカロリナの評価がドンドンと上がってゆく。
ホント、二人の会話は微妙に食い違ったままで思いがかけ離れてゆく。
うな垂れるカロリナ、それを見下ろすラファウ。
ルドヴィクが割込んだ。
ルドヴィクがラファウに食い下がる。
「カロリナ様がお前を頼っている。何故、応えてやらない。お前ならできるだろう。いや、お前しかできない。天才のお前なら何か思い付くだろう」
「俺は天才じゃない、タダの秀才だ。俺一人の力じゃ」
「俺も手を貸す! どんなことでもやってやる。知恵を出せ!」
「ルドヴィク。手を放せ! 俺の力などしれている。俺はカロリナ様のような人脈も…………あっ!」
「やっぱり、思い付いたな!」
「できるかどうかは判らない。だが、カロリナ様なら可能性がある」
ラファウは膝を付いて、俯くカロリナの顔を見上げた。
「カロリナ様、本気でお望みですか?」
「望んでいます」
「私にはできませんが、カロリナ様が本気でお望みなら可能です」
「ホントですか?」
「私にはできません。私にはそんな力がありません。ですが、カロリナ様にはご生母様と大蔵大臣が付いております。そして、幸いなことに国庫に潤沢な資産が眠っております。挑戦しますか?」
「愚問です。可能性があるならヤルに決まっています」
カロリナが躊躇する訳がない。
「ならば、このラファウ。あらん限りの知恵をお貸ししましょう」
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