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古き魔術師、ナンパな調香師に森の住処を嗅ぎつけられて食べられる
05. 優しくするね *
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沈黙は肯定と捉えたニイロは、初めて来たはずの家なのに寝室をあっさりと見つけた。そして、オリヴェルが毎日寝起きをするベッドへと体を下ろされて、そこに二人で沈んだ。
広くはないベッドに知らない男がいるのは不思議な光景だったが、体に灯った熱はもう無かったことにはできない。
ニイロがシャツを脱ぎ捨てている間に、オリヴェルも纏っていた服を脱いでいく。あっという間に互いに裸になると、ニイロは唇をオリヴェルの胸元に寄せながら笑って言った。
「見た目に反して意外と積極的だったり?」
「僕だって火がつけられて黙っているわけじゃない……んっ」
もうここまで来てしまったのだから、仕方がない。
オリヴェルとて、清廉潔白なわけではないのだ。オメガゆえにそういう知識は師匠からも正しく教えられていた。経験も一応はある……百五十年くらい前にだが。
「優しくするね」
そう言って、胸の突起を舐められてオリヴェルは体をびくんっと跳ねさせた。
「いい反応。想像していた何倍も可愛い」
「んっ、あっ……っ」
左の乳首を舌で捏ねられながら、右の乳首を指先で摘まれる。女好きなはずのニイロが真っ平らな自分の胸を弄んでいるという事実がなんとも奇妙だ。
オリヴェルは女性ではないが、胸を弄られるだけでも快感を得てしまい頬を赤く染めた。ニイロはさすが百戦錬磨なだけあって、性技に長けているのだろう。胸を弄られているだけなのに、体がどんどん疼いて熱が昂っていく。
「キミは、男も……いけるのか、っ?」
「んーまあね。それよりも無粋だなぁ。ニイロって呼んでよ」
「あっ、ひゃぁっ」
乳首を弄んでいたと思ったら突然性器を握られて、オリヴェルは感じ入った声をあげた。ふるりと震えた性器を捕らえたニイロの手は、竿を上下に優しく扱きながら先端をくるくると指で撫で回していく。
「あっだめだめっ、出る、からっ」
「いいよ、出して。オリヴェルの好きなように感じてよ」
「ああっ! ん、はぁ、やぁっ」
射精しそうだと訴えれば、ニイロは目を細めてオリヴェルの性器を扱く手を加速させた。その動きが気持ち良すぎて、オリヴェルは呆気なく達してしまった。
「いいね、いっぱい出た。次はこっちも欲しいよね? ちゃんと隅々まで可愛がってあげる」
「え……あっ、んんっ」
いつの間に準備していたのか——節操無しの軟派な男のことだから常に準備しているのだろう——たっぷりと香油が入った瓶の蓋を開けて、手のひらで人肌に温めたのち、ニイロはオリヴェルの後孔へとたっぷりと液体を垂らしていく。
その香油は、先ほどオリヴェルのためにと作ってくれたものではない香りがした。決して嫌な匂いではない、花のような香りを嗅いでいるとニイロが少しだけ困った様子で言った。
「間に合わせがこれしかなくて。今度はオリヴェルに合わせた香油で可愛がってあげるから今日は我慢して」
「別に気にして、な……あぅっ……ん、あぁっ」
香油を使って、つぷりと挿れられた指はオリヴェルの内襞をやわやわと刺激する。はじめは様子を窺うようにして一本だった指は、二本、三本と増えていき、オリヴェルの悦いところを指先で押すようになっていた。
「あっあっ、そこ……あ、ぁっ」
性器の根元ら辺を内側から押されると、快感の波が一際大きくなる。何度も弄られると、体は面白いように跳ねて、甘ったるい声があがるのを止められない。オリヴェルはそれなりの性的衝動を持ち合わせてはいるが、二ヶ月に一度起きる発情期のときに自分を慰めるほかは、性器も後孔も性的に触れることはないので、久しぶりの感覚に体はあっさりと陥落していく。
「も、無理ぃ……早く、挿れて、っ」
これ以上指で追い立てられ続けると、どうにかなりそうだった。
羞恥心など忘れてニイロを求めれば、彼は嬉しそうに微笑んで額や頬、唇に口づけを落とす。そして耳元で「俺をたくさん味わって」と囁くと、ぐぷりと彼の熱く猛った性器をオリヴェルの後孔へと突き入れた。
「はっ、あぁっ! や、すご……あ、ふぅ、んっ」
「うわ、すご……。オリヴェルのなか、すっごく気持ちいい。やっぱ俺たち、相性いいって」
「な、ぁ……あ、待っ、そんな……激し、あぁっ」
ニイロも気持ちいいのか、腰を激しく動かしてオリヴェルの中を掻き回しながら吐息混じりで色気のある声で囁く。軽薄な男が紡ぐ言葉が本心なのか飾り立てた言葉なのか考える暇もないほど、オリヴェルは与えられる快楽に体も頭も溶かされていた。
「イく……、イっちゃ……っ!」
「いいよ、たくさん出して。俺も出そうだから一緒にイこう」
「ひゃ、ああぁっ! 奥、や……あぁっ」
奥の奥まで暴かれるように猛った性器を突かれて、オリヴェルは白濁を吐き出した。同時に、腹の中で熱い飛沫が散るのを感じてピクピクと体を震わせる。
オリヴェルがはぁはぁと浅い息を吐いていると、ニイロが「まさかこれで満足してないよね?」と艶めいた笑みを浮かべる。ぐっと腰を引かれると、中に埋めたままのニイロの性器が再び熱さと硬さを取り戻していくのがわかり、オリヴェルはふっと小さく笑い返した。
まだ月は昇らぬ時間に、二人は飽くことなく体を交え続けた。
+ + +
広くはないベッドに知らない男がいるのは不思議な光景だったが、体に灯った熱はもう無かったことにはできない。
ニイロがシャツを脱ぎ捨てている間に、オリヴェルも纏っていた服を脱いでいく。あっという間に互いに裸になると、ニイロは唇をオリヴェルの胸元に寄せながら笑って言った。
「見た目に反して意外と積極的だったり?」
「僕だって火がつけられて黙っているわけじゃない……んっ」
もうここまで来てしまったのだから、仕方がない。
オリヴェルとて、清廉潔白なわけではないのだ。オメガゆえにそういう知識は師匠からも正しく教えられていた。経験も一応はある……百五十年くらい前にだが。
「優しくするね」
そう言って、胸の突起を舐められてオリヴェルは体をびくんっと跳ねさせた。
「いい反応。想像していた何倍も可愛い」
「んっ、あっ……っ」
左の乳首を舌で捏ねられながら、右の乳首を指先で摘まれる。女好きなはずのニイロが真っ平らな自分の胸を弄んでいるという事実がなんとも奇妙だ。
オリヴェルは女性ではないが、胸を弄られるだけでも快感を得てしまい頬を赤く染めた。ニイロはさすが百戦錬磨なだけあって、性技に長けているのだろう。胸を弄られているだけなのに、体がどんどん疼いて熱が昂っていく。
「キミは、男も……いけるのか、っ?」
「んーまあね。それよりも無粋だなぁ。ニイロって呼んでよ」
「あっ、ひゃぁっ」
乳首を弄んでいたと思ったら突然性器を握られて、オリヴェルは感じ入った声をあげた。ふるりと震えた性器を捕らえたニイロの手は、竿を上下に優しく扱きながら先端をくるくると指で撫で回していく。
「あっだめだめっ、出る、からっ」
「いいよ、出して。オリヴェルの好きなように感じてよ」
「ああっ! ん、はぁ、やぁっ」
射精しそうだと訴えれば、ニイロは目を細めてオリヴェルの性器を扱く手を加速させた。その動きが気持ち良すぎて、オリヴェルは呆気なく達してしまった。
「いいね、いっぱい出た。次はこっちも欲しいよね? ちゃんと隅々まで可愛がってあげる」
「え……あっ、んんっ」
いつの間に準備していたのか——節操無しの軟派な男のことだから常に準備しているのだろう——たっぷりと香油が入った瓶の蓋を開けて、手のひらで人肌に温めたのち、ニイロはオリヴェルの後孔へとたっぷりと液体を垂らしていく。
その香油は、先ほどオリヴェルのためにと作ってくれたものではない香りがした。決して嫌な匂いではない、花のような香りを嗅いでいるとニイロが少しだけ困った様子で言った。
「間に合わせがこれしかなくて。今度はオリヴェルに合わせた香油で可愛がってあげるから今日は我慢して」
「別に気にして、な……あぅっ……ん、あぁっ」
香油を使って、つぷりと挿れられた指はオリヴェルの内襞をやわやわと刺激する。はじめは様子を窺うようにして一本だった指は、二本、三本と増えていき、オリヴェルの悦いところを指先で押すようになっていた。
「あっあっ、そこ……あ、ぁっ」
性器の根元ら辺を内側から押されると、快感の波が一際大きくなる。何度も弄られると、体は面白いように跳ねて、甘ったるい声があがるのを止められない。オリヴェルはそれなりの性的衝動を持ち合わせてはいるが、二ヶ月に一度起きる発情期のときに自分を慰めるほかは、性器も後孔も性的に触れることはないので、久しぶりの感覚に体はあっさりと陥落していく。
「も、無理ぃ……早く、挿れて、っ」
これ以上指で追い立てられ続けると、どうにかなりそうだった。
羞恥心など忘れてニイロを求めれば、彼は嬉しそうに微笑んで額や頬、唇に口づけを落とす。そして耳元で「俺をたくさん味わって」と囁くと、ぐぷりと彼の熱く猛った性器をオリヴェルの後孔へと突き入れた。
「はっ、あぁっ! や、すご……あ、ふぅ、んっ」
「うわ、すご……。オリヴェルのなか、すっごく気持ちいい。やっぱ俺たち、相性いいって」
「な、ぁ……あ、待っ、そんな……激し、あぁっ」
ニイロも気持ちいいのか、腰を激しく動かしてオリヴェルの中を掻き回しながら吐息混じりで色気のある声で囁く。軽薄な男が紡ぐ言葉が本心なのか飾り立てた言葉なのか考える暇もないほど、オリヴェルは与えられる快楽に体も頭も溶かされていた。
「イく……、イっちゃ……っ!」
「いいよ、たくさん出して。俺も出そうだから一緒にイこう」
「ひゃ、ああぁっ! 奥、や……あぁっ」
奥の奥まで暴かれるように猛った性器を突かれて、オリヴェルは白濁を吐き出した。同時に、腹の中で熱い飛沫が散るのを感じてピクピクと体を震わせる。
オリヴェルがはぁはぁと浅い息を吐いていると、ニイロが「まさかこれで満足してないよね?」と艶めいた笑みを浮かべる。ぐっと腰を引かれると、中に埋めたままのニイロの性器が再び熱さと硬さを取り戻していくのがわかり、オリヴェルはふっと小さく笑い返した。
まだ月は昇らぬ時間に、二人は飽くことなく体を交え続けた。
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