15 / 45
第二章:いつわりの婚約生活と、入れ墨
14:日本橋へのお出掛け
しおりを挟む
翌日、日曜日。市電を乗り継ぎ、龍進に連れられた睡蓮が、日本橋に着いたのは午前十一時前だった。
買い物をする人々でごった返し、その合間を市電や人力車が行き交う休日の繁華街を、龍進と睡蓮は連れ立って歩く。
今日の龍進は、白いワイシャツにカーキ色のズボンという洋装。一方の睡蓮は和服ではあるが、今の流行りを取り入れた、白と薄紫色を基調にした着物に、パステル調の花が地に描かれた塩瀬の帯。
雑踏の中でも、二人の整った容姿はよく目立ち、すれ違う人の中には時折、驚いたように目を釘付けにしている者もいる。
どうにも、落ち着かない、と睡蓮は心の中でつぶやく。
彼女は、人混みが好きではない。人斬りである以上、人目を避けて動くことが多かったし、それ以上に、雑踏に紛れるということは、すなわち、自分が誰かに死をもたらすことを意味していた。
だけど、これも偽りの婚約者としての務めである以上、仕方のないことだ。彼女は表情を変えることなく、黙々と歩き続ける。
と、不意に彼が声をかけてきた。
「人が多いな。大丈夫か?」
彼の手が差し伸べられる。
「つかまれ。決して、離れないように」
「はい……」
困惑したものの、主人の命令だ。拒むことは出来ない。
彼女がゆっくりと伸ばした手を、龍進が握ってきた。その手は大きくて力強く、そして温かい。
皮膚から伝わってきた彼のぬくもりに、睡蓮はどう反応すればいいかわからず、そっと彼の横顔を盗み見る。いつもどおりの軍人らしい生真面目な顔つきに、彼女は当惑の感情を抱く。
昨晩、家の中から聞こえてきたピアノの旋律のことがずっとひっかかっていたからだ。
どうしてこの人は、毎晩あんなにもの悲しく、寂しい音色を奏でるのだろうか。あまり人の思いに興味を抱くことのない睡蓮ですら、違和感を覚えるほどであった。
そんなことを考えながら、睡蓮は引っ張られるまま前へ進む。
そのときだった。
「…………?」
ほんの微かではあるものの、火薬の匂いがすることに気づいた。
鼻の奥でなにかがはじけるような特徴的なこの匂いは、昨日、家の前の坂を上がっていたトラックから匂ったものと同じだ。
どうしてこんなところで?
奇妙に思って周囲に視線を巡らせていると、龍進がこちらを振り向いた。
「どうした?」
「……いえ、なんでもありません」
「そうか」
気のせいだろうか、と頭を振り、視線を前に戻す。火薬の匂いは既に消えていた。
やがて、二人の目の前に五階建ての白い建物が現れた。
古代ローマ建築のような左右対称型の意匠で、中央にあるアーチ状の入口には、雑踏の人々が次々に吸い込まれていく。
建物の前はちょっとした広場になっていて、そこには、小さな泉と、口から水を吐く獅子の彫刻が置かれていた。親に連れられた子供たちが、手を泉の中に入れたり、獅子の口に手をいれたりしてはしゃいでいる。
物珍しさに、睡蓮は思わず目を大きく見開く。
「このデパートに来るのは初めてか?」
「はい」
数年前に有名な呉服店が百貨店なるものを作ったということは聞いていたが、実際に間近で見るのは初めてのことだった。その大きさはもとより、ルネサンス様式の外観は、別の国に来たかのような錯覚を覚えさせる。
彼は目を細めて言った。
「君も、子供のように目を輝かせることが出来るんだな」
「…………」
どう答えたらよいかわからず口ごもっていると、龍進が手を引き、店内へ入るよう促してくる。
デパートの中は吹き抜けになっており、中央には自動で昇っていく階段が据え付けられていた。ためらいつつもそれに乗って二階へ上がると、婦人用の雑貨がところ狭しと並べられているのが目に入った。まるで万華鏡のような色の洪水に、睡蓮は目を白黒させる。
そして、その一角、女性用の髪飾りが陳列されている棚に向かうと、二人に気づいた洋風の制服を着た女性店員が笑顔で近づいてきた。
「いらっしゃいませ。なにかお探しですか?」
「ええ。彼女のこの髪に似合う髪ざしを選びたいのです。いくつか見繕っていただけますか?」
「かしこまりました。それではおかけになってお待ちくださいませ」
しばらくして、店員はトレイの上に、色の異なる三つの髪ざしを持って二人の元に戻ってきた。
鮮やかな紅色に、野の花のような黄色、そして、藤棚を思わせる藤色。
「奥様の黒く艶やかで美しい|御髪(おぐし)を引き立てるものをお持ちいたしました」
『奥様』と呼ばれたことに戸惑いつつ睡蓮は龍進を見上げるが、彼は「好きなものを選びなさい」と言うだけ。
迷いながらも、小さな手を伸ばし、紅色の髪ざしを手に取った。
鮮やかな紅――血に似た色が一番、自分に馴染みがあるからだ。
「そちらにいたしますか」
店員が微笑み、睡蓮を姿見の前に連れて行くと、髪ざしを黒髪の間に丁寧に挿し入れてくれた。それから、微かに息を飲み込み、感嘆のため息とともに言った。
「奥様……、とてもよくお似合いです」
姿見に映っていたのは、美しい日本人形だった。
鴉の濡れ羽のような艶やかな黒髪の中に、一点、鮮やかな紅椿を咲かせることで、完成品となった人形。
睡蓮は戸惑いに、長い眉毛を震えさせながら、鏡の中で視線をさまよわせる。
と、龍進と目があった。彼にしてはめずらしく目を見開き、なにかに魅入られたように睡蓮の顔を見つめている。
「……どうなさったのですか?」
「いや……。なんでもない」
我に返ったかのようにわずかに目を逸らすと、
「とても、よく似合っているよ」
そう言うと、笑顔で控えている女性店員に向き合って言った。
「それではこちらをいただきます。それと、オペラバッグなどの小物も見せていただけないでしょうか。これを機会に一式揃えた方がいいと思いまして」
「かしこまりました。最近流行りの柄でおすすめのものを取りそろえておりますので、ご案内いたします」
店員に連れられて売り場の奥へと進もうとする龍進の袖を、思わず引っ張ってしまった。
「旦那様、私は、そんなに……」
彼は一瞬、ちょっと驚いたような表情を見せたが、すぐにいつもの生真面目な顔つきになり、
「構わない。偽りとはいえ、君は僕の婚約者なのだから、これくらいはさせて欲しい」
そう言って彼女の手を取ると、鞄売り場へと向かった。
買い物をする人々でごった返し、その合間を市電や人力車が行き交う休日の繁華街を、龍進と睡蓮は連れ立って歩く。
今日の龍進は、白いワイシャツにカーキ色のズボンという洋装。一方の睡蓮は和服ではあるが、今の流行りを取り入れた、白と薄紫色を基調にした着物に、パステル調の花が地に描かれた塩瀬の帯。
雑踏の中でも、二人の整った容姿はよく目立ち、すれ違う人の中には時折、驚いたように目を釘付けにしている者もいる。
どうにも、落ち着かない、と睡蓮は心の中でつぶやく。
彼女は、人混みが好きではない。人斬りである以上、人目を避けて動くことが多かったし、それ以上に、雑踏に紛れるということは、すなわち、自分が誰かに死をもたらすことを意味していた。
だけど、これも偽りの婚約者としての務めである以上、仕方のないことだ。彼女は表情を変えることなく、黙々と歩き続ける。
と、不意に彼が声をかけてきた。
「人が多いな。大丈夫か?」
彼の手が差し伸べられる。
「つかまれ。決して、離れないように」
「はい……」
困惑したものの、主人の命令だ。拒むことは出来ない。
彼女がゆっくりと伸ばした手を、龍進が握ってきた。その手は大きくて力強く、そして温かい。
皮膚から伝わってきた彼のぬくもりに、睡蓮はどう反応すればいいかわからず、そっと彼の横顔を盗み見る。いつもどおりの軍人らしい生真面目な顔つきに、彼女は当惑の感情を抱く。
昨晩、家の中から聞こえてきたピアノの旋律のことがずっとひっかかっていたからだ。
どうしてこの人は、毎晩あんなにもの悲しく、寂しい音色を奏でるのだろうか。あまり人の思いに興味を抱くことのない睡蓮ですら、違和感を覚えるほどであった。
そんなことを考えながら、睡蓮は引っ張られるまま前へ進む。
そのときだった。
「…………?」
ほんの微かではあるものの、火薬の匂いがすることに気づいた。
鼻の奥でなにかがはじけるような特徴的なこの匂いは、昨日、家の前の坂を上がっていたトラックから匂ったものと同じだ。
どうしてこんなところで?
奇妙に思って周囲に視線を巡らせていると、龍進がこちらを振り向いた。
「どうした?」
「……いえ、なんでもありません」
「そうか」
気のせいだろうか、と頭を振り、視線を前に戻す。火薬の匂いは既に消えていた。
やがて、二人の目の前に五階建ての白い建物が現れた。
古代ローマ建築のような左右対称型の意匠で、中央にあるアーチ状の入口には、雑踏の人々が次々に吸い込まれていく。
建物の前はちょっとした広場になっていて、そこには、小さな泉と、口から水を吐く獅子の彫刻が置かれていた。親に連れられた子供たちが、手を泉の中に入れたり、獅子の口に手をいれたりしてはしゃいでいる。
物珍しさに、睡蓮は思わず目を大きく見開く。
「このデパートに来るのは初めてか?」
「はい」
数年前に有名な呉服店が百貨店なるものを作ったということは聞いていたが、実際に間近で見るのは初めてのことだった。その大きさはもとより、ルネサンス様式の外観は、別の国に来たかのような錯覚を覚えさせる。
彼は目を細めて言った。
「君も、子供のように目を輝かせることが出来るんだな」
「…………」
どう答えたらよいかわからず口ごもっていると、龍進が手を引き、店内へ入るよう促してくる。
デパートの中は吹き抜けになっており、中央には自動で昇っていく階段が据え付けられていた。ためらいつつもそれに乗って二階へ上がると、婦人用の雑貨がところ狭しと並べられているのが目に入った。まるで万華鏡のような色の洪水に、睡蓮は目を白黒させる。
そして、その一角、女性用の髪飾りが陳列されている棚に向かうと、二人に気づいた洋風の制服を着た女性店員が笑顔で近づいてきた。
「いらっしゃいませ。なにかお探しですか?」
「ええ。彼女のこの髪に似合う髪ざしを選びたいのです。いくつか見繕っていただけますか?」
「かしこまりました。それではおかけになってお待ちくださいませ」
しばらくして、店員はトレイの上に、色の異なる三つの髪ざしを持って二人の元に戻ってきた。
鮮やかな紅色に、野の花のような黄色、そして、藤棚を思わせる藤色。
「奥様の黒く艶やかで美しい|御髪(おぐし)を引き立てるものをお持ちいたしました」
『奥様』と呼ばれたことに戸惑いつつ睡蓮は龍進を見上げるが、彼は「好きなものを選びなさい」と言うだけ。
迷いながらも、小さな手を伸ばし、紅色の髪ざしを手に取った。
鮮やかな紅――血に似た色が一番、自分に馴染みがあるからだ。
「そちらにいたしますか」
店員が微笑み、睡蓮を姿見の前に連れて行くと、髪ざしを黒髪の間に丁寧に挿し入れてくれた。それから、微かに息を飲み込み、感嘆のため息とともに言った。
「奥様……、とてもよくお似合いです」
姿見に映っていたのは、美しい日本人形だった。
鴉の濡れ羽のような艶やかな黒髪の中に、一点、鮮やかな紅椿を咲かせることで、完成品となった人形。
睡蓮は戸惑いに、長い眉毛を震えさせながら、鏡の中で視線をさまよわせる。
と、龍進と目があった。彼にしてはめずらしく目を見開き、なにかに魅入られたように睡蓮の顔を見つめている。
「……どうなさったのですか?」
「いや……。なんでもない」
我に返ったかのようにわずかに目を逸らすと、
「とても、よく似合っているよ」
そう言うと、笑顔で控えている女性店員に向き合って言った。
「それではこちらをいただきます。それと、オペラバッグなどの小物も見せていただけないでしょうか。これを機会に一式揃えた方がいいと思いまして」
「かしこまりました。最近流行りの柄でおすすめのものを取りそろえておりますので、ご案内いたします」
店員に連れられて売り場の奥へと進もうとする龍進の袖を、思わず引っ張ってしまった。
「旦那様、私は、そんなに……」
彼は一瞬、ちょっと驚いたような表情を見せたが、すぐにいつもの生真面目な顔つきになり、
「構わない。偽りとはいえ、君は僕の婚約者なのだから、これくらいはさせて欲しい」
そう言って彼女の手を取ると、鞄売り場へと向かった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
金沢ひがし茶屋街 雨天様のお茶屋敷
河野美姫
キャラ文芸
古都・金沢、加賀百万石の城下町のお茶屋街で巡り会う、不思議なご縁。
雨の神様がもてなす甘味処。
祖母を亡くしたばかりの大学生のひかりは、ひとりで金沢にある祖母の家を訪れ、祖母と何度も足を運んだひがし茶屋街で銀髪の青年と出会う。
彼は、このひがし茶屋街に棲む神様で、自身が守る屋敷にやって来た者たちの傷ついた心を癒やしているのだと言う。
心の拠り所を失くしたばかりのひかりは、意図せずにその屋敷で過ごすことになってしまいーー?
神様と双子の狐の神使、そしてひとりの女子大生が紡ぐ、ひと夏の優しい物語。
アルファポリス 2021/12/22~2022/1/21
※こちらの作品はノベマ!様・エブリスタ様でも公開中(完結済)です。
(2019年に書いた作品をブラッシュアップしています)
【完結】召しませ神様おむすび処〜メニューは一択。思い出の味のみ〜
四片霞彩
キャラ文芸
【第6回ほっこり・じんわり大賞にて奨励賞を受賞いたしました🌸】
応援いただいた皆様、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました!
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
疲れた時は神様のおにぎり処に足を運んで。店主の豊穣の神が握るおにぎりが貴方を癒してくれる。
ここは人もあやかしも神も訪れるおむすび処。メニューは一択。店主にとっての思い出の味のみ――。
大学進学を機に田舎から都会に上京した伊勢山莉亜は、都会に馴染めず、居場所のなさを感じていた。
とある夕方、花見で立ち寄った公園で人のいない場所を探していると、キジ白の猫である神使のハルに導かれて、名前を忘れた豊穣の神・蓬が営むおむすび処に辿り着く。
自分が使役する神使のハルが迷惑を掛けたお詫びとして、おむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりをご馳走してくれる蓬。おにぎりを食べた莉亜は心を解きほぐされ、今まで溜めこんでいた感情を吐露して泣き出してしまうのだった。
店に通うようになった莉亜は、蓬が料理人として致命的なある物を失っていることを知ってしまう。そして、それを失っている蓬は近い内に消滅してしまうとも。
それでも蓬は自身が消える時までおにぎりを握り続け、店を開けるという。
そこにはおむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりと、かつて蓬を信仰していた人間・セイとの間にあった優しい思い出と大切な借り物、そして蓬が犯した取り返しのつかない罪が深く関わっていたのだった。
「これも俺の運命だ。アイツが現れるまで、ここでアイツから借りたものを守り続けること。それが俺に出来る、唯一の贖罪だ」
蓬を助けるには、豊穣の神としての蓬の名前とセイとの思い出の味という塩おにぎりが必要だという。
莉亜は蓬とセイのために、蓬の名前とセイとの思い出の味を見つけると決意するがーー。
蓬がセイに犯した罪とは、そして蓬は名前と思い出の味を思い出せるのかーー。
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
※ノベマに掲載していた短編作品を加筆、修正した長編作品になります。
※ほっこり・じんわり大賞の応募について、運営様より許可をいただいております。
裏吉原あやかし語り
石田空
キャラ文芸
「堀の向こうには裏吉原があり、そこでは苦界の苦しみはないよ」
吉原に売られ、顔の火傷が原因で年季が明けるまで下働きとしてこき使われている音羽は、火事の日、遊女たちの噂になっている裏吉原に行けると信じて、堀に飛び込んだ。
そこで待っていたのは、人間のいない裏吉原。ここを出るためにはどのみち徳を積まないと出られないというあやかしだけの街だった。
「極楽浄土にそんな簡単に行けたら苦労はしないさね。あたしたちができるのは、ひとの苦しみを分かつことだけさ」
自称魔女の柊野に拾われた音羽は、裏吉原のひとびとの悩みを分かつ手伝いをはじめることになる。
*カクヨム、エブリスタ、pixivにも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる