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18.裏切り
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卒業式が終わってからは、ジェフリーの仕事がますます忙しくなったようで、彼からの電話はおろかメールすらほとんどない。会うこともまったくなくなった。
アデレイドは、たまに侯爵夫妻と買い物に出かけたりしているだけで、ほとんど毎日離れの書斎でゲームをしている。
「結婚の披露宴は、半年後ですって。結納金を受け取った後は、子爵家に行かなくちゃいけないのが憂鬱だわ」
結納を交わせば、”花嫁修業”と称して、同棲するのが一般的だ。国王に結婚の承認を受けたあとのお披露目パーティーを、一流ホテルの大広間で行うそうだ。
「結納の日はまだ決まっていないけれど、できるだけ遅くしてもらうようにお願いしたわ。花嫁修業のほうも遠慮させてもらいたいって言おうかしら」
パーティー会場も、お披露目の日取りも、結婚に関するほとんどのことを侯爵家の都合で決めていようだ。
アデレイドがヒルト子爵家へ嫁げばハイジの専属メイドとしての仕事はなくなるし、そうなればいつ追い出されるかわからないので、ハイジも、彼女にはできるだけ長くフォールコン侯爵家にいてほしい。
「結婚するまで、私はハイジのそばにいるわ」
まるでハイジを心配しているかのように聞こえるが、ジェフリーとの婚約を見せつけているようにも思える。
にっこり微笑むアデレイドが、あざとい女に見えて仕方がない。
「――わかりました」
ハイジは、入れ替わるチャンスをうかがうためにも我慢した。
ある日の朝、アデレイドは、離れにやってくると、ハイジにお使いを頼む。
「今日はおばあ様とアフタヌーンティーをする約束なの。ハイジ、有名老舗のお菓子を買ってきてくれない?」
侯爵夫人の好物らしいが、有名老舗は、電車を乗り継いで片道二時間もかかる遠方にしか店舗がないので、ギーゼラたちには頼めないという。
「アフタヌーンティーに間に合わせようとすれば、今から出かけなければいけないじゃないですか」
ハイジが文句を言うと、アデレイドは拝むように両手を合わせる。
「どうしても、お願い! 代わりに、私のおごりで好きなところでお昼を食べていいから、ね」
多めのお金を渡されて、ハイジは、急き立てられるように書斎から追い出された。
駅に着くと、構内の太い柱に”老舗フェア”の広告が掲げられている。アデレイドの指定したお店の名前も書いてあり、近くのデパートに出店しているらしい。
わざわざ遠くまで行かなくても買えそうだと、ハイジはデパートの催し会場へ行くことにした。
目当てのお菓子を買って、気軽なレストランで昼食をとっても、予定よりずいぶん早く済んだ。寄り道したい店もなかったので、ハイジはさっさと侯爵家に帰ることにした。
離れに行くとドアに鍵がかかっている。
アデレイドが出かけるとは聞いていなかったので、屋敷の自室に戻っているのかもしれない。ハイジは、お菓子の袋を持って裏口へ行くと、厨房には誰もいなかった。時間的に、ピエールは買い物に行っているようだ。
壁にあるキーホルダーを見ると、離れの鍵が戻っていない。離れの鍵を持っているのは、ハイジとアデレイドだけだが、アデレイドの鍵は予備的なもので、いつもハイジの鍵を使っている。そして、ハイジの鍵は、万が一の時のために厨房に置いておくようにとギーゼラに言われていた。
アデレイドもそのことを知っているから、屋敷の部屋に戻るときはきちんとハイジの鍵を厨房に戻すはずなのに、ないことをいぶかしく思う。
(もしかして……?)
ハイジが離れに入れないようにするために、アデレイドは鍵を戻していないのかもしれない。そう思ったハイジは、お菓子の袋を厨房のテーブルにおいて、自分の部屋へ行く。
ジェフリーとの初めてのデートの日にアデレイドから締め出されたことを教訓にして、こっそり離れの合鍵を作っておいた。
机の引き出しから合鍵を取り出すと、ハイジは離れへ向かう。音をたてないようにドアを開けて中に入った。
キッチンに、二人分の食事のあとが流しに置きっぱなしになっているのを見て、彼女は胸騒ぎを覚える。
卒業してから、アデレイドはいつも離れでハイジを昼食をとるようにしていた。今日は、ハイジが買い物に行く時、ピエールは席を外していていなかったから、彼はいつものように二人分の昼食を用意してくれていたのだろう。それをアデレイドがハイジのふりをして、厨房から離れへ運んだのだ。
(また、デニス様と一緒にいるのかしら?)
デニスでなくとも、取り巻きの誰かを招待しているのなら、応接室にいるのだろう。そう思ってハイジは、そっと書斎のドアを開ける。誰もいないのを確認して、素早く身を潜めると、テレビのスイッチを入れた。
「あ……、デニス……。んん……」
突然、なまめかしい声が聞こえて、ぎょっとする。
画面には、アデレイドとデニスが抱き合ってキスしている姿が映っていた。
「アデレイド……。愛している」
「あん……。あ……デニス……、私もよ。あ……あ……」
舌を絡めるような口づけを交わし、アデレイドはしがみつくようにデニスの首に腕を回していた。デニスは、キスをしながらアデレイドの胸をもんでいる。
やがて彼がアデレイドのドレスのボタンを外し、肩や胸にも唇を這わせていった。
「あ……、んん……」
デニスは、肌をあらわにしたアデレイドの乳房に吸い付き、手を彼女のスカートの中に入れる。
どこを触られているのかわからないが、時折アデレイドの体がびくびくとしていた。
「可愛い、アデレイド。もう、こんなに濡れているよ」
デニスがスカートに入れていた手を見せると、アデレイドの頬が真っ赤に染まる。
「いや、恥ずかしいわ」
彼女は顔をそむけるだけで、全く抵抗をしていない。彼にされるがまま、下着まで脱がされていた。
ソファーに座ったアデレイドの前にしゃがんだデニスは、彼女の足の間に顔をうずめている。
「あ……! あん……、いや、……デニス……」
言葉では嫌だと言っていても、アデレイドは喜んでいるようだ。はしたなく足を広げて、デニスの髪をなでていた。
「俺がこんなに愛しているのに、アデレイドは、ヒルト子爵家のジェフリーと結婚するのか?」
デニスが聞くと、アデレイドは吐息交じりにこたえる。
「あ……。私は、フォールコン侯爵令嬢よ。……んん……。いまさら破談にするつもりはないわ。あっ。……あなたも納得していたでしょう?」
「そう、だったね。それでも、たとえ誰と結婚しようとも、俺は、君を愛し続けるよ、アデレイド」
そのあとは、かすかな水音が聞こえた。
「あ! あ……ん! ああ……」
アデレイドが嬌声を上げながら、悶えている。恍惚とした表情をしている彼女を見て、ハイジは気分が悪くなってきた。
誰と何をしているのか気になって、隠しカメラの映像を見てみようと思っただけで、アデレイドとデニスの情事をのぞき見るつもりなど毛頭ない。
急いでテレビを消すと、ハイジは静かに離れから出て行った。
厨房に戻ると、ピエールも戻ってきた。ハイジに気が付くと、彼は心配そうな顔をする。
「どうしたんだい、ハイジ? 顔色が悪いよ」
「ちょっと、気分が悪くて……。部屋で休んでいるわ」
「わかった、大事にしておきな。お嬢様に何かすることはないのか?」
彼は、ハイジの仕事を手伝おうと申し出てくれた。
「ありがとう。そこにあるお菓子をアフタヌーンティーに出すように頼まれているだけなの」
テーブルの上に載っている紙袋を指し示すと、ピエールがうなずく。
「じゃあ、ギーゼラにもそういっておくよ」
「お願いします」
ハイジは、ピエールに感謝して、自分の部屋に入った。
アデレイドは、たまに侯爵夫妻と買い物に出かけたりしているだけで、ほとんど毎日離れの書斎でゲームをしている。
「結婚の披露宴は、半年後ですって。結納金を受け取った後は、子爵家に行かなくちゃいけないのが憂鬱だわ」
結納を交わせば、”花嫁修業”と称して、同棲するのが一般的だ。国王に結婚の承認を受けたあとのお披露目パーティーを、一流ホテルの大広間で行うそうだ。
「結納の日はまだ決まっていないけれど、できるだけ遅くしてもらうようにお願いしたわ。花嫁修業のほうも遠慮させてもらいたいって言おうかしら」
パーティー会場も、お披露目の日取りも、結婚に関するほとんどのことを侯爵家の都合で決めていようだ。
アデレイドがヒルト子爵家へ嫁げばハイジの専属メイドとしての仕事はなくなるし、そうなればいつ追い出されるかわからないので、ハイジも、彼女にはできるだけ長くフォールコン侯爵家にいてほしい。
「結婚するまで、私はハイジのそばにいるわ」
まるでハイジを心配しているかのように聞こえるが、ジェフリーとの婚約を見せつけているようにも思える。
にっこり微笑むアデレイドが、あざとい女に見えて仕方がない。
「――わかりました」
ハイジは、入れ替わるチャンスをうかがうためにも我慢した。
ある日の朝、アデレイドは、離れにやってくると、ハイジにお使いを頼む。
「今日はおばあ様とアフタヌーンティーをする約束なの。ハイジ、有名老舗のお菓子を買ってきてくれない?」
侯爵夫人の好物らしいが、有名老舗は、電車を乗り継いで片道二時間もかかる遠方にしか店舗がないので、ギーゼラたちには頼めないという。
「アフタヌーンティーに間に合わせようとすれば、今から出かけなければいけないじゃないですか」
ハイジが文句を言うと、アデレイドは拝むように両手を合わせる。
「どうしても、お願い! 代わりに、私のおごりで好きなところでお昼を食べていいから、ね」
多めのお金を渡されて、ハイジは、急き立てられるように書斎から追い出された。
駅に着くと、構内の太い柱に”老舗フェア”の広告が掲げられている。アデレイドの指定したお店の名前も書いてあり、近くのデパートに出店しているらしい。
わざわざ遠くまで行かなくても買えそうだと、ハイジはデパートの催し会場へ行くことにした。
目当てのお菓子を買って、気軽なレストランで昼食をとっても、予定よりずいぶん早く済んだ。寄り道したい店もなかったので、ハイジはさっさと侯爵家に帰ることにした。
離れに行くとドアに鍵がかかっている。
アデレイドが出かけるとは聞いていなかったので、屋敷の自室に戻っているのかもしれない。ハイジは、お菓子の袋を持って裏口へ行くと、厨房には誰もいなかった。時間的に、ピエールは買い物に行っているようだ。
壁にあるキーホルダーを見ると、離れの鍵が戻っていない。離れの鍵を持っているのは、ハイジとアデレイドだけだが、アデレイドの鍵は予備的なもので、いつもハイジの鍵を使っている。そして、ハイジの鍵は、万が一の時のために厨房に置いておくようにとギーゼラに言われていた。
アデレイドもそのことを知っているから、屋敷の部屋に戻るときはきちんとハイジの鍵を厨房に戻すはずなのに、ないことをいぶかしく思う。
(もしかして……?)
ハイジが離れに入れないようにするために、アデレイドは鍵を戻していないのかもしれない。そう思ったハイジは、お菓子の袋を厨房のテーブルにおいて、自分の部屋へ行く。
ジェフリーとの初めてのデートの日にアデレイドから締め出されたことを教訓にして、こっそり離れの合鍵を作っておいた。
机の引き出しから合鍵を取り出すと、ハイジは離れへ向かう。音をたてないようにドアを開けて中に入った。
キッチンに、二人分の食事のあとが流しに置きっぱなしになっているのを見て、彼女は胸騒ぎを覚える。
卒業してから、アデレイドはいつも離れでハイジを昼食をとるようにしていた。今日は、ハイジが買い物に行く時、ピエールは席を外していていなかったから、彼はいつものように二人分の昼食を用意してくれていたのだろう。それをアデレイドがハイジのふりをして、厨房から離れへ運んだのだ。
(また、デニス様と一緒にいるのかしら?)
デニスでなくとも、取り巻きの誰かを招待しているのなら、応接室にいるのだろう。そう思ってハイジは、そっと書斎のドアを開ける。誰もいないのを確認して、素早く身を潜めると、テレビのスイッチを入れた。
「あ……、デニス……。んん……」
突然、なまめかしい声が聞こえて、ぎょっとする。
画面には、アデレイドとデニスが抱き合ってキスしている姿が映っていた。
「アデレイド……。愛している」
「あん……。あ……デニス……、私もよ。あ……あ……」
舌を絡めるような口づけを交わし、アデレイドはしがみつくようにデニスの首に腕を回していた。デニスは、キスをしながらアデレイドの胸をもんでいる。
やがて彼がアデレイドのドレスのボタンを外し、肩や胸にも唇を這わせていった。
「あ……、んん……」
デニスは、肌をあらわにしたアデレイドの乳房に吸い付き、手を彼女のスカートの中に入れる。
どこを触られているのかわからないが、時折アデレイドの体がびくびくとしていた。
「可愛い、アデレイド。もう、こんなに濡れているよ」
デニスがスカートに入れていた手を見せると、アデレイドの頬が真っ赤に染まる。
「いや、恥ずかしいわ」
彼女は顔をそむけるだけで、全く抵抗をしていない。彼にされるがまま、下着まで脱がされていた。
ソファーに座ったアデレイドの前にしゃがんだデニスは、彼女の足の間に顔をうずめている。
「あ……! あん……、いや、……デニス……」
言葉では嫌だと言っていても、アデレイドは喜んでいるようだ。はしたなく足を広げて、デニスの髪をなでていた。
「俺がこんなに愛しているのに、アデレイドは、ヒルト子爵家のジェフリーと結婚するのか?」
デニスが聞くと、アデレイドは吐息交じりにこたえる。
「あ……。私は、フォールコン侯爵令嬢よ。……んん……。いまさら破談にするつもりはないわ。あっ。……あなたも納得していたでしょう?」
「そう、だったね。それでも、たとえ誰と結婚しようとも、俺は、君を愛し続けるよ、アデレイド」
そのあとは、かすかな水音が聞こえた。
「あ! あ……ん! ああ……」
アデレイドが嬌声を上げながら、悶えている。恍惚とした表情をしている彼女を見て、ハイジは気分が悪くなってきた。
誰と何をしているのか気になって、隠しカメラの映像を見てみようと思っただけで、アデレイドとデニスの情事をのぞき見るつもりなど毛頭ない。
急いでテレビを消すと、ハイジは静かに離れから出て行った。
厨房に戻ると、ピエールも戻ってきた。ハイジに気が付くと、彼は心配そうな顔をする。
「どうしたんだい、ハイジ? 顔色が悪いよ」
「ちょっと、気分が悪くて……。部屋で休んでいるわ」
「わかった、大事にしておきな。お嬢様に何かすることはないのか?」
彼は、ハイジの仕事を手伝おうと申し出てくれた。
「ありがとう。そこにあるお菓子をアフタヌーンティーに出すように頼まれているだけなの」
テーブルの上に載っている紙袋を指し示すと、ピエールがうなずく。
「じゃあ、ギーゼラにもそういっておくよ」
「お願いします」
ハイジは、ピエールに感謝して、自分の部屋に入った。
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