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第十二話 「平穏」

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あの日から、二日が立っただろう。
あの日というのは、不破と立神の二人が風紀委員の女子を負かした出来事のことだ。

そんな不破と立神の二人は今、罰として廊下の掃き掃除をしていた。

「はぁ~、どうして俺様がこんな掃除しなくちゃいけないんだよ」

「そう怒っても仕方ないだろう。立ち入り禁止の屋上に出てたのがバレてバツが掃除させられるくらい、当然といえば当然だ」

「そうだけどよぉ~。かったりぃっちゃないぜ!」

と立神は文句をいい、ホウキ先に顎を乗せて溜息を吐いている。掃除の手を止めてだ。
その様子を見られたら、先生に怒られること間違いないだろう。

「ちょっと、貴方たち手を止めない!」

と同じく掃除をさせられているメガネをかけた女子は怒りの形相で俺たち二人を睨みつける。その腕には風紀委員の腕章を巻いている。

「うるせぇ! どうしてお前らと一緒に掃除しなくちゃなれねぇんだ!!」

「それは、こっちのセリフです! なぜ、男子何かと一緒に掃除など……」

とメガネの風紀委員女子は、手を止めて文句を言う立神に文句を返す。

(こいつら……)

不破は呆れていた。
どうして、風紀委員の女子まで、掃除をしているのか。
それは屋上で風紀委員女子二人を倒した、あの日。
ちょうどハイタッチをし終わった時に、運動場から屋上に誰かいる事を知った先生がやってきたのだ。
その場には風紀委員女子二人と、俺たちを二人の姿があった。
先生に俺たち四人全員が屋上で遊んでいたと誤解され、風紀委員女子二人も合わせて、罰を背負わされたのだ。

「それにしても、お前たちなら屋上にいた俺達を注意しに行ったといえば、こんな罰背負うとなかっただろうに……
どうしてそうしなかったんだ?」

「そ、それは……」

とメガネの女子は黙った。
何か言い難いことのようだ。
と、そこへもう一人の罰を背負いし風紀委員がやってきた。

「そんなの男子に負けたのが、悔しかったからじゃん! ねぇ、紀伊ちゃん!!」

「何で、いうのよぉー!!」

言い難いこといった、ギャル女の首を、顔を真っ赤にしながら絞めている。
首を絞められるギャル女の顔もみるみるうちに真っ赤になっていく。

「おい、そいつ死ぬぞ!」

「え、あ、桃ちゃん! ごめん!!」

と立神の助け舟により首から手を離し、桃ちゃんは助かった。
ぜぇぜぇと呼吸を整える姿は、見るに堪えない。


「おい……お前たち。掃除はどうした?」

そうこうしていると、見張り役の立中たてなか先生がやってきていた。
この惨状を見て、立中先生は顔に手を当て呆れた様子……
風紀委員の一人はぜぇぜぇ言ってるし、一人その一人に謝り続けている。
立神はその様子を見ながら、サボっている。真面目にやっているのは、不破くらいだ。

「お前たち、掃除延長な」

連帯責任で掃除していた不破まで、罰を延長させられてしまう。
先生が居なくなった後、また三人が掃除延長になったことで揉めていたのは、言うまでもない。
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