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第九話 「襲撃」

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「それでどうする?当初の予定じゃない方がお前を狙ってるようだが?」

「聞くなよ。どうせどっちも倒すのは、決まってんだからよ!」

と立神は怒りを込めながら、風紀委員の桃を見ている。

「ちょっと桃さん!本気でやってくれますか?」

「ええ~、本気だよ!」

と風紀委員の二人が俺たちを間に挟んで会話をしている。

「いくぜ、ギャル女!」

立神は走り出した。ギャル女である桃に向かって。

ところが、立神のダッシュが途中で止まる。まるで、何かに止められたような、不自然な動きをした。体の重心も下がり、何故か歯を食いしばっている。

「どうした立神!」

と不破は不自然な立神にいった。

「体が重てぇ……」

と立神はいった。
体が重い……超能力か!
不破はギャル女をみた。

「相手は桃さんだけではありませんよ!」

と立神の後方で、一切動かないもう1人の風紀委員が声を発した。

その時だった。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ」


「なに!」

不破がもう1人の声に気を取られている間に、立神が悲鳴をあげたのだ。
一瞬の出来事に驚いた。
立神にギャル女がどこから取り出したか分からない15センチのものさしを握り、立神の肩に突き刺していたのだ。

「立神!」

不破は立神を呼んだ。

しかし……立神は、膝から崩れ落ち、コンクリートの床の上に倒れ込んだ。

一体何が起きたんだ。
不破には分からなかった。

「は~い、一人終わり!次は……」

とギャル女は俺に向かって、人指し指を突き立て、

「アンタよ!」

「くっ……!」

不破は息を飲む。
2対に2と言う盤面が、1体2の劣勢な盤面に覆されてしまった。

正直、超能力者2人相手は、不利だ。
だが、今逃げるのは不可能。

一体、どんな能力を使ったんだ。

不破には考える時間が必要だった。
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