7 / 18
第七話 「協力体制」
しおりを挟む
先ほどまで、校舎裏にいた不破と立神は、校舎を上がり屋上にまで来ていた。
普段は出入り禁止のため、立ち入ることができないはずなのだが、立神はあっさりと南京錠付きの施錠を外し入っていく。どこで南京錠のカギを手に入れたのだろうか……
聞いてもいいが、共犯になるとやっかいそうなので、聞くことを止めた。
「あまり端まで行くなよ」
と立神は、フェンスのところまで行こうとする不破を、注意した。
「どうしてだ?フェンスでも錆びているのか?」
「いや、そうじゃねぇ。フェンスの方まで行くと、屋上に上がってるのがバレる可能性があるから、それ以上行かないほうがいい」
と立神は言った。
「たしかにな」
と不破は立神の忠告通り、フェンスまで行くのを止めて、屋上の中心位置くらいで止まった。
そこへ、近づいてきた立神はニコニコしながら話し始めた。
「不破、知っているか。風紀委員の連中が動き出したらしい」
と立神は不破に向かって、真剣な顔で言った。
先ほどまで、どうでもいい話をひとりでに語っていたと思うと、急に表情を変えた。
「そうなのか」
「あぁ、だから俺様とお前で協力しようと考えている。さすがに、風紀委員を一人で相手するのは、お前もきついだろう」
「そんなことない。……が、風紀委員といえば、実力者揃いとのうわさもあったな」
「あぁ、だから俺様と協力して、風紀委員の連中を倒そうぜ!」
ニコニコとした表情で握手を求めてきた。
不破は一瞬考えて、『分かった』
と立神の握手に応じた。
2人にとって相手が同じなら、何も問題はなかった。しかし……
「でも、生徒会長を倒すのは俺だ!」
と不破はいった。
この発言に立神は一瞬驚いたが、すぐに笑顔……いや、笑った。
「俺様も負けねぇよ!」
不破も笑って握手をした。
二人は良きライバルになる、お互いが思ったことだった。二人とも言葉に出すことは無かったが……
普段は出入り禁止のため、立ち入ることができないはずなのだが、立神はあっさりと南京錠付きの施錠を外し入っていく。どこで南京錠のカギを手に入れたのだろうか……
聞いてもいいが、共犯になるとやっかいそうなので、聞くことを止めた。
「あまり端まで行くなよ」
と立神は、フェンスのところまで行こうとする不破を、注意した。
「どうしてだ?フェンスでも錆びているのか?」
「いや、そうじゃねぇ。フェンスの方まで行くと、屋上に上がってるのがバレる可能性があるから、それ以上行かないほうがいい」
と立神は言った。
「たしかにな」
と不破は立神の忠告通り、フェンスまで行くのを止めて、屋上の中心位置くらいで止まった。
そこへ、近づいてきた立神はニコニコしながら話し始めた。
「不破、知っているか。風紀委員の連中が動き出したらしい」
と立神は不破に向かって、真剣な顔で言った。
先ほどまで、どうでもいい話をひとりでに語っていたと思うと、急に表情を変えた。
「そうなのか」
「あぁ、だから俺様とお前で協力しようと考えている。さすがに、風紀委員を一人で相手するのは、お前もきついだろう」
「そんなことない。……が、風紀委員といえば、実力者揃いとのうわさもあったな」
「あぁ、だから俺様と協力して、風紀委員の連中を倒そうぜ!」
ニコニコとした表情で握手を求めてきた。
不破は一瞬考えて、『分かった』
と立神の握手に応じた。
2人にとって相手が同じなら、何も問題はなかった。しかし……
「でも、生徒会長を倒すのは俺だ!」
と不破はいった。
この発言に立神は一瞬驚いたが、すぐに笑顔……いや、笑った。
「俺様も負けねぇよ!」
不破も笑って握手をした。
二人は良きライバルになる、お互いが思ったことだった。二人とも言葉に出すことは無かったが……
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ガダンの寛ぎお食事処
蒼緋 玲
キャラ文芸
**********************************************
とある屋敷の料理人ガダンは、
元魔術師団の魔術師で現在は
使用人として働いている。
日々の生活の中で欠かせない
三大欲求の一つ『食欲』
時には住人の心に寄り添った食事
時には酒と共に彩りある肴を提供
時には美味しさを求めて自ら買い付けへ
時には住人同士のメニュー論争まで
国有数の料理人として名を馳せても過言では
ないくらい(住人談)、元魔術師の料理人が
織り成す美味なる心の籠もったお届けもの。
その先にある安らぎと癒やしのひとときを
ご提供致します。
今日も今日とて
食堂と厨房の間にあるカウンターで
肘をつき住人の食事風景を楽しみながら眺める
ガダンとその住人のちょっとした日常のお話。
**********************************************
【一日5秒を私にください】
からの、ガダンのご飯物語です。
単独で読めますが原作を読んでいただけると、
登場キャラの人となりもわかって
味に深みが出るかもしれません(宣伝)
外部サイトにも投稿しています。
月宮殿の王弟殿下は怪奇話がお好き
星来香文子
キャラ文芸
【あらすじ】
煌神国(こうじんこく)の貧しい少年・慧臣(えじん)は借金返済のために女と間違えられて売られてしまう。
宦官にされそうになっていたところを、女と見間違うほど美しい少年がいると噂を聞きつけた超絶美形の王弟・令月(れいげつ)に拾われ、慧臣は男として大事な部分を失わずに済む。
令月の従者として働くことになったものの、令月は怪奇話や呪具、謎の物体を集める変人だった。
見えない王弟殿下と見えちゃう従者の中華風×和風×ファンタジー×ライトホラー
孤独な銀弾は、冷たい陽だまりに焦がれて
霖しのぐ
キャラ文芸
ある目的を果たすためにだけ生きていた主人公〈空木櫂人/うつぎ・かいと〉は、毎日通うスーパーで顔を合わせる女性〈伊吹澪/いぶき・みお〉のことをなんとなく気にしていた。
ある日の夜、暗がりで男性と揉めていた澪を助けた櫂人は、その礼にと彼女の家に招かれ、彼女のとんでもない秘密を知ってしまう。しかし、櫂人もまた澪には話すことのできない秘密を持っていた。
人を喰らう吸血鬼と、それを討つ処刑人。決して交わってはならない二人が、お互いに正体を隠したまま絆を深め、しだいに惹かれあっていく。
しかし、とうとうその関係も限界を迎える時が来た。追い詰められてしまった中で、気持ちが通じ合った二人が迎える結末とは?
御神楽《怪奇》探偵事務所
姫宮未調
キャラ文芸
女探偵?・御神楽菖蒲と助手にされた男子高校生・咲良優多のハチャメチャ怪奇コメディ
※変態イケメン執事がもれなくついてきます※
怪奇×ホラー×コメディ×16禁×ラブコメ
主人公は優多(* ̄∇ ̄)ノ
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
あの世とこの世の狭間にて!
みーやん
キャラ文芸
「狭間店」というカフェがあるのをご存知でしょうか。
そのカフェではあの世とこの世どちらの悩み相談を受け付けているという…
時には彷徨う霊、ある時にはこの世の人、
またある時には動物…
そのカフェには悩みを持つものにしか辿り着けないという。
このお話はそんなカフェの物語である…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる