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「どうしたの?」
玄関先で騒ぎを聞きつけた、母親が玄関の様子を見に来た。

「お母さん! お兄ちゃんが戻ってきた!!」
「えっ、結城!本当に結城なの!!」
驚いた様子だ。無理もない。
「ただいま、母さん」
少し恥ずかしいが、恥ずかしさよりもも再会できた嬉しさが上回るっていた。
「おかえり、結城」
母さんは静かに言った。その眼には少し涙が浮かんでいた。

「ん、祖奴らが結城の家族か?」
ブランが僕の後ろから覗き込むように話しかけてきた。
そういえば、紹介しないとと思った矢先に妹が反応を示す方が早かった。
「えっ、お兄ちゃん、その子誰」
「あぁ、ブランって言って……」
「お母さん! お兄ちゃんが外で新しい妹作ってきた!!許せない!!」
「そのようね」
なぜ、新しい妹という発想になるのか不可思議だ。無茶苦茶怒っている。
「どうして、お兄ちゃんには由愛(ゆめ)っていう妹がいるのに、外で妹作ってくるの!!」
なんだそのいいかたは、まるで僕が外で女を作ってきたダメ男みたいじゃないか。
「そうだよ、ダメお兄ちゃんだよ!」
「心の声に反応してきただと!」
「お兄ちゃんの考えてることくらいわかるよ、妹なら」
「すごい妹じゃの……」
ブランが妹の姿を見て、感想を述べている。
「なに、もめているんだ。近所迷惑だろ……」
後ろから八雲が参加してきた。
「あ、お兄ちゃんが、由愛に新しいお兄ちゃんを連れて戻ってきた?」
「何を言っているんだ、この子は…八雲君でしょ」
「あ、八雲君か」
と納得した様子だ。
「それよりも三人とも中に入りなさい」
母さんは言った。
僕たちは煤で汚れた格好。どう見てもキレイとは言えない。他人が見れば何かの事件に巻き込まれたみたいだ。

僕たちは母さんに招き入れられるように我が家の敷居をまたいだ。
玄関先で靴を脱ぎ、リビングに上がる。
そこで見慣れたはずの光景が広がっていた。
テレビには先ほどまで二人が見ていたのであろうバラエティ番組が映し出されている。
母さんに妹の由愛。
二人に会えたことで僕は、安心してしまった。
コテッ。
僕はつまずき倒れた。
「おい、結城大丈夫か!」
八雲が僕を呼ぶ声がする。
「お、お兄ちゃん!」
「結城よ」
妹とブランが心配する声が聞こえる。
「あらら、こんなところで寝ちゃって」
母さんだけが少し違う反応を示した。
そこで僕の意識は薄れた。
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