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47話 断ち切る鎖

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 放たれた弾は鎖に命中する。
 しかし、その鎖を一度では断ち切る事は不可能だった。

「もう一度やってみる」
「ふむ、お主に任せるぞ」

 再び銃を構えた。
 鎖にもう一度銃弾を放った。
 鉛同士が勢いよくぶつかる音が響く。
 そして、鎖は力を失った様に砕けて、少女拘束が緩み右腕が自由になった。

「よし、やったぞー」

 自然とガッツポーズが出た。これほど喜んだのは、昔雑誌の懸賞に応募して図書カードが当たった時以来だ。
 
「よしこのまま、左手の鎖も外すから待ってろよ」

「ふむ、任せる」

 ちと偉そうに感じたが、まぁ、いいだろう。

 僕は左手の鎖も銃で断ち切りに取り掛かる。

 さっきは二回必要だった。ならばと今回は一度に二回連射する事に決めた。

「いっけぇ」

 銃から放たれた弾は鎖に命中する。だが、鎖は揺れるだけで、断ち切る事は出来なかった。ぼくは、すかさず2発目を放ち、とどめを刺しに行く。

「ダメか…」
「まだのようじゃな」

 冷静な言葉を放つ少女。
 それでも僕は諦めるつもりはなかった。残された弾は2つ。
 可能性は充分ある。こんな場面で諦める事にはならない。

「もう少しだ。待ってろよ」

 どうしてこんなに必死になっているのだろう。少女は言っていた。自分は皆んなに怖れられる存在だと。
 そんなこと今は気にもしていない。

「いくぜ」

 僕は意気込んでいた。
 この1発で終わらせる、いや、終わると思っていたんだ。
 まさか、外すとは思わなかったんだ。

「き、貴重な1発が……」
「これも運命じゃな」

 少女は冷静。というよりも諦めているようだ。まだ、1発残っている。

「まだ、弾はある」
「それで鎖が断ち切れるかの…」
「分からない。でも掛けてみる価値はある」

 願いを込めて撃つのは、最後の銃弾。
 外すわけにはいかない。当たっても鎖を壊せるかも分からない。
 それでも可能性はあるんだから、挑戦せずにはいられない。

「これが最後だ。いくぞ」
「うむ、どうなってもわちは気にしないぞ。気にせずに撃つが良い」

 そんなことを言われても、力が入ってしまう。当てないとな。
 
 気持ちを込めて放つ最後の弾。
 銃の引き金を引いた。
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