50 / 107
47話 断ち切る鎖
しおりを挟む
放たれた弾は鎖に命中する。
しかし、その鎖を一度では断ち切る事は不可能だった。
「もう一度やってみる」
「ふむ、お主に任せるぞ」
再び銃を構えた。
鎖にもう一度銃弾を放った。
鉛同士が勢いよくぶつかる音が響く。
そして、鎖は力を失った様に砕けて、少女拘束が緩み右腕が自由になった。
「よし、やったぞー」
自然とガッツポーズが出た。これほど喜んだのは、昔雑誌の懸賞に応募して図書カードが当たった時以来だ。
「よしこのまま、左手の鎖も外すから待ってろよ」
「ふむ、任せる」
ちと偉そうに感じたが、まぁ、いいだろう。
僕は左手の鎖も銃で断ち切りに取り掛かる。
さっきは二回必要だった。ならばと今回は一度に二回連射する事に決めた。
「いっけぇ」
銃から放たれた弾は鎖に命中する。だが、鎖は揺れるだけで、断ち切る事は出来なかった。ぼくは、すかさず2発目を放ち、とどめを刺しに行く。
「ダメか…」
「まだのようじゃな」
冷静な言葉を放つ少女。
それでも僕は諦めるつもりはなかった。残された弾は2つ。
可能性は充分ある。こんな場面で諦める事にはならない。
「もう少しだ。待ってろよ」
どうしてこんなに必死になっているのだろう。少女は言っていた。自分は皆んなに怖れられる存在だと。
そんなこと今は気にもしていない。
「いくぜ」
僕は意気込んでいた。
この1発で終わらせる、いや、終わると思っていたんだ。
まさか、外すとは思わなかったんだ。
「き、貴重な1発が……」
「これも運命じゃな」
少女は冷静。というよりも諦めているようだ。まだ、1発残っている。
「まだ、弾はある」
「それで鎖が断ち切れるかの…」
「分からない。でも掛けてみる価値はある」
願いを込めて撃つのは、最後の銃弾。
外すわけにはいかない。当たっても鎖を壊せるかも分からない。
それでも可能性はあるんだから、挑戦せずにはいられない。
「これが最後だ。いくぞ」
「うむ、どうなってもわちは気にしないぞ。気にせずに撃つが良い」
そんなことを言われても、力が入ってしまう。当てないとな。
気持ちを込めて放つ最後の弾。
銃の引き金を引いた。
しかし、その鎖を一度では断ち切る事は不可能だった。
「もう一度やってみる」
「ふむ、お主に任せるぞ」
再び銃を構えた。
鎖にもう一度銃弾を放った。
鉛同士が勢いよくぶつかる音が響く。
そして、鎖は力を失った様に砕けて、少女拘束が緩み右腕が自由になった。
「よし、やったぞー」
自然とガッツポーズが出た。これほど喜んだのは、昔雑誌の懸賞に応募して図書カードが当たった時以来だ。
「よしこのまま、左手の鎖も外すから待ってろよ」
「ふむ、任せる」
ちと偉そうに感じたが、まぁ、いいだろう。
僕は左手の鎖も銃で断ち切りに取り掛かる。
さっきは二回必要だった。ならばと今回は一度に二回連射する事に決めた。
「いっけぇ」
銃から放たれた弾は鎖に命中する。だが、鎖は揺れるだけで、断ち切る事は出来なかった。ぼくは、すかさず2発目を放ち、とどめを刺しに行く。
「ダメか…」
「まだのようじゃな」
冷静な言葉を放つ少女。
それでも僕は諦めるつもりはなかった。残された弾は2つ。
可能性は充分ある。こんな場面で諦める事にはならない。
「もう少しだ。待ってろよ」
どうしてこんなに必死になっているのだろう。少女は言っていた。自分は皆んなに怖れられる存在だと。
そんなこと今は気にもしていない。
「いくぜ」
僕は意気込んでいた。
この1発で終わらせる、いや、終わると思っていたんだ。
まさか、外すとは思わなかったんだ。
「き、貴重な1発が……」
「これも運命じゃな」
少女は冷静。というよりも諦めているようだ。まだ、1発残っている。
「まだ、弾はある」
「それで鎖が断ち切れるかの…」
「分からない。でも掛けてみる価値はある」
願いを込めて撃つのは、最後の銃弾。
外すわけにはいかない。当たっても鎖を壊せるかも分からない。
それでも可能性はあるんだから、挑戦せずにはいられない。
「これが最後だ。いくぞ」
「うむ、どうなってもわちは気にしないぞ。気にせずに撃つが良い」
そんなことを言われても、力が入ってしまう。当てないとな。
気持ちを込めて放つ最後の弾。
銃の引き金を引いた。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
覚えた魔法は異世界召喚魔法!?
もぐら
ファンタジー
いつもと同じ日常を過ごしていた主人公は、クラスごと異世界に飛ばされてしまった。
他のクラスメイトは、チートと呼ばれるような力を手に入れているなか主人公は能力の使い方が分からなく弱者と呼ばれていた。しかし、それは常識では考えられない能力だった!
素人なもので展開遅くてすいません。
9話くらいからメインに入っていきます。
ノベルバでも同じタイトルでだしています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる