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2話 友達
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任務を終えた僕たちは、つかの間の休息を得ることになった。
各人は国を歩いて買い物をしたり、遊んだりしてることだろう。
そんな僕は、この世界での唯一の友達に会いに来ていた。
「元気か?」
「君こそ、無事に戻ってきたようだね」
そういう彼は書物が集められた施設で調べ物をしている僕のクラスメイトだ。
名前を三島八雲という。
「まぁ、僕は無能力者だから、戦闘には参加することはないから危険はないんだけどね」
「そうは言っても、この世界ではモンスターがいる。何が起きるかわからない。後方にいるからと言って襲われないわけではないんだぞ」
「確かにそうかも」
八雲はメガネを外して、書物を閉じた。
八雲はクラスメイトだから、一応勇者なのだが、戦線に立つことはなかった。
その理由は、八雲の能力がこの世界の文字を理解できるというものだったからだ。
それはこの世界に存在する文字ならば何でも読めてしまうため、こうやって調べ物をすることが仕事になっていた。
僕たちは、異世界から帰る方法を八雲に探してもらうことにしたのだ。
この国の王様は呼んだのに、還す方法を知らなかったのだ。
迷惑な話だが、異世界ものではよくある話だと結城は知っていた。
「それでどうなの? 帰る方法は見つかった?」
「そんなわけないだろう。みつかってたら帰ってるよ」
「え、一人でか?」
「あぁ、お前らなどほってな」
「ひでぇ」
と八雲は笑いながら言っていた。
彼はこう見えて優しいので、一人で帰るなどありえないことは分かっていた。
これは僕たち二人のいつものコミュニケーションだ。
「それで、どう僕は異能力とか魔力が使えるようになれるかな?」
と僕は八雲に頼んでいたことを尋ねる。
「まぁ、無理だろうな」
八雲はそう一言つぶやいた。
「なんでだよ!僕だってこの世界で生きてるんだから魔力ぐらいあってもいいだろ」
「知らん。わめくな」
「八雲は魔力があるから僕の悩みなんか分からないんだよ」
と僕は暴れた。
しかし、八雲ははぁ~とため息をつきこういった。
「魔力があるのも良くないぞ」
「それはある人の悩みでうらやましいよ」
「だから、ない状態からある状態になったから言ってるんだ。君には魔力がない体だし、それにこの世界が何のフィルターも通さずに見えているのがうらやましいよ」
「どういうこと?」
「我々はこの世界に来て魔力を得た。その影響なのか、我々召喚された皆は魔力を見ることができる体にもなっていた。そのせいで、生き物を見ると変な輝き込みで見えてしまっているんだ。君と違ってね。風景をそのまま見えるわけでなく、すべてのものにオーラのようなものが映りこむんだ。邪魔で仕方がない」
と八雲は少し悲しそうな顔をした。
遠くの景色を見ていた。
彼にはその景色でさえ純粋に見ることができていないのかもしれない。
「それにこれはボクの考えだが、我々の体はこの世界に生きるものに変えられてしまったのではないかと考えている」
僕は首を傾げる。それがどうしたのだろう。
僕は八雲が言いたいことが分からなかった。
「それは…いや、この話はやめておこう。まだ仮説の段階だからな」
と話を辞めた。
なぜ止めるのか。ぼくはその先が気になる。
だが、八雲はそれ以上話そうとはしなかった。
仕方なく、話題を変える。
「よし、電気を作ろう!」
僕は、急にアホになった。
各人は国を歩いて買い物をしたり、遊んだりしてることだろう。
そんな僕は、この世界での唯一の友達に会いに来ていた。
「元気か?」
「君こそ、無事に戻ってきたようだね」
そういう彼は書物が集められた施設で調べ物をしている僕のクラスメイトだ。
名前を三島八雲という。
「まぁ、僕は無能力者だから、戦闘には参加することはないから危険はないんだけどね」
「そうは言っても、この世界ではモンスターがいる。何が起きるかわからない。後方にいるからと言って襲われないわけではないんだぞ」
「確かにそうかも」
八雲はメガネを外して、書物を閉じた。
八雲はクラスメイトだから、一応勇者なのだが、戦線に立つことはなかった。
その理由は、八雲の能力がこの世界の文字を理解できるというものだったからだ。
それはこの世界に存在する文字ならば何でも読めてしまうため、こうやって調べ物をすることが仕事になっていた。
僕たちは、異世界から帰る方法を八雲に探してもらうことにしたのだ。
この国の王様は呼んだのに、還す方法を知らなかったのだ。
迷惑な話だが、異世界ものではよくある話だと結城は知っていた。
「それでどうなの? 帰る方法は見つかった?」
「そんなわけないだろう。みつかってたら帰ってるよ」
「え、一人でか?」
「あぁ、お前らなどほってな」
「ひでぇ」
と八雲は笑いながら言っていた。
彼はこう見えて優しいので、一人で帰るなどありえないことは分かっていた。
これは僕たち二人のいつものコミュニケーションだ。
「それで、どう僕は異能力とか魔力が使えるようになれるかな?」
と僕は八雲に頼んでいたことを尋ねる。
「まぁ、無理だろうな」
八雲はそう一言つぶやいた。
「なんでだよ!僕だってこの世界で生きてるんだから魔力ぐらいあってもいいだろ」
「知らん。わめくな」
「八雲は魔力があるから僕の悩みなんか分からないんだよ」
と僕は暴れた。
しかし、八雲ははぁ~とため息をつきこういった。
「魔力があるのも良くないぞ」
「それはある人の悩みでうらやましいよ」
「だから、ない状態からある状態になったから言ってるんだ。君には魔力がない体だし、それにこの世界が何のフィルターも通さずに見えているのがうらやましいよ」
「どういうこと?」
「我々はこの世界に来て魔力を得た。その影響なのか、我々召喚された皆は魔力を見ることができる体にもなっていた。そのせいで、生き物を見ると変な輝き込みで見えてしまっているんだ。君と違ってね。風景をそのまま見えるわけでなく、すべてのものにオーラのようなものが映りこむんだ。邪魔で仕方がない」
と八雲は少し悲しそうな顔をした。
遠くの景色を見ていた。
彼にはその景色でさえ純粋に見ることができていないのかもしれない。
「それにこれはボクの考えだが、我々の体はこの世界に生きるものに変えられてしまったのではないかと考えている」
僕は首を傾げる。それがどうしたのだろう。
僕は八雲が言いたいことが分からなかった。
「それは…いや、この話はやめておこう。まだ仮説の段階だからな」
と話を辞めた。
なぜ止めるのか。ぼくはその先が気になる。
だが、八雲はそれ以上話そうとはしなかった。
仕方なく、話題を変える。
「よし、電気を作ろう!」
僕は、急にアホになった。
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