泥棒冒険者!恵まれなスキルですが勇者目指して頑張ります。

真っ白 磨代

文字の大きさ
上 下
63 / 114
第二章【仲間】

【37】精霊女王

しおりを挟む
僕達は、ダンジョンを攻略した事を説明すると精霊女王は

「なんと! 人間の分際でダンジョンを攻略したと……
これは、凄い事じゃ!!!」

他にも仲間がいる事を伝えると、呼び出せと言われたが……
これには、従わなかった。

他の者達は、僕達以上に疲労困憊だ!
いくら体力が回復しようとも、こんな人の相手をしていたら精神が参ってしまう。

それだけは避けたかった!

そして、精霊女王は初めは膨れていたが……
何故か!? 興味を僕に移した。

「お主は、不思議な感じがするのぉ?」

「はぁ……」

適当に流すと……

「どれどれ! 妾が見てやろう。」

などと聞き覚えのあるセリフを呟くと僕に触れてくると精霊女王の手が輝き出した!

「……ちょッ! 何をするんですか? 
やめて……………………」


………………僕の意識は、記憶の中へと吸い込まれていった。

僕は、思い出す……過去の……いや、前世の苦しくも悲しい記憶を…………

短いとも長いとも感じられる。
その時を……

僕は、意識を取り戻すと……

何故か!? 泣いていた。

自分では、何故泣いているのかが分からない。
精霊女王に触られてからの記憶が無いからだ! 僕は不思議に思い。

フェルに尋ねる。

「……何があったの?」

フェルは…………???

「分かりません。 この女が触れた途端、主人は泣き出しました!
そして、今の質問を投げかて来た。
それだけです!」

「……そっか…………」

僕は何故悲しんでいるのか? 泣いているのか? 気になり……
何をしたのかを精霊女王に聞いてみる。

精霊女王は、難しい顔をして僕の話をシカトした。

僕は、もう一度! 大きな声で精霊女王に聞き直してみる。

すると、精霊女王は静かな声で……

「お主……かなり力を制限しておるな……」

……力の制限?

「魔法など、上手く発動しないじゃろ!」

そう言われたので
「まぁ……はい。」と答える。

「じゃろうな……
どれ! 妾が少し力を貸してやろう。」

そう言うと、また僕に触れると眩い光を放つ!

僕は、余りの眩しさに目を瞑ってしまい。

ゆっくりと、その目を開くと……

「気分は、どうじゃ?」

「……どう? と言われましても、いつもと変わらない……」

しかし、少しだけ力がみなぎるのを感じる。

「……あれ!? なんか……力が溢れる感じがする」

そう言うと、精霊女王はニッコリと微笑み。

「お主の力や魔力を少しだけ開放してやった。 が……
これは、単なるきっかけじゃ後は自分で何とか克服するしかないじゃろうな……」

それを伝えると……
精霊女王は、少しずつ薄くなり消えていってしまった。

僕とフェルは、顔を見合わせると……

僕は、この不思議な感覚が何なのかを確かめる為に右手を前に出すとダンジョンの力を借りずにウォーターボール! を放ってみる!

すると、バスケットボールサイズの水の玉が飛んで行く!!!

覚えたての初級魔法の威力だが、僕は驚き!
次は、刀を握ると近くの木を試し切りをすると! そこそこの大きさの木が切れて、ぶっ倒れる!!!

これに僕が、驚いていると……フェルが

「……主人は、力に制限がかかっていたのですね! 皆んな不思議に思っていたのですよ」

「何が?」

「主人は、何故いつも本気を出さないのかと……
我々、魔物は相手の強さを見抜く力に長けているのです。
しかも、テイムされた後は底知れぬ主人の力をずっと感じていました」

「そうなの? 自分では分からないけど、いつも全力を尽くしていたんだけどなぁ……
でも、これからは少しずつ自分の力を制御出来るように頑張るよ!」

「はい、それが良いかと!」

そして、僕達はダンジョンルームに
やっと戻る事にとなった。


____________________________________
あとがき

「女王様! 精霊女王様!!! こんな所に居られたのですか、探しましたよ!」

精霊女王の世話係の精霊が焦って女王を探していた。

「おお! 見つかってしもうたか!?
まぁ、今日は面白いものが見れたし帰るとするか。」

すると、付人の精霊が……

「面白い事とは、何があったのですか?」

精霊女王は、面白い人間に会った事をは 話すと……付人の精霊は

「……人間ですか!? 人間など下賎で愚かな者はおりません。 
ですので! 人間に会うなど、そんな危ない事は今後しないで下さい……」

凄く人間に対して嫌悪感けんおかんを持つ付人に対して女王は……

「……まぁ、そう言うな。
人間の中にも、なかなか面白い奴もおるんじゃよ!」

かつての三英雄がそうじゃった様に……

あやつも……もしかしたら、もしかするかも知れんな。

そんな事を考えながら微笑んでいると、付人の精霊に

「その前に精霊女王様、勝手に逃げ出さないで下さい!」

そう言われて、睨まれたので……

「妾の息抜きじゃが、以後! 気をつける様にする」

そうして、2人は森の奥へと消えて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

聖女召喚に巻き込まれた私はスキル【手】と【種】を使ってスローライフを満喫しています

白雪の雫
ファンタジー
某アニメの長編映画を見て思い付きで書いたので設定はガバガバ、矛盾がある、ご都合主義、深く考えたら負け、主人公による語りである事だけは先に言っておきます。 エステで働いている有栖川 早紀は何の前触れもなく擦れ違った女子高生と共に異世界に召喚された。 早紀に付与されたスキルは【手】と【種】 異世界人と言えば全属性の魔法が使えるとか、どんな傷をも治せるといったスキルが付与されるのが当然なので「使えねぇスキル」と国のトップ達から判断された早紀は宮殿から追い出されてしまう。 だが、この【手】と【種】というスキル、使いようによっては非常にチートなものだった。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。 「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」 と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。

惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜

甲殻類パエリア
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。  秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。  ——パンである。  異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。  というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。  そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。

転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。

Gai
ファンタジー
不慮の事故で亡くなった後、異世界に転生した高校生、鬼島迅。 そんな彼が生まれ落ちた家は、貴族。 しかし、その家の住人たちは国内でも随一、乱暴者というイメージが染みついている家。 世間のその様なイメージは……あながち間違ってはいない。 そんな一家でも、迅……イシュドはある意味で狂った存在。 そしてイシュドは先々代当主、イシュドにとってひい爺ちゃんにあたる人物に目を付けられ、立派な暴君戦士への道を歩み始める。 「イシュド、学園に通ってくれねぇか」 「へ?」 そんなある日、父親であるアルバから予想外の頼み事をされた。 ※主人公は一先ず五十後半の話で暴れます。

女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました

初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。 ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。 冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。 のんびり書いていきたいと思います。 よければ感想等お願いします。

処理中です...