泥棒冒険者!恵まれなスキルですが勇者目指して頑張ります。

真っ白 磨代

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第一章【幼少期】

【0.94】誤解

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次の日……

昨日の事を謝ろう!!! そう思い……

ギルドに向かった。


ギルドに入るとカウンターのローズさんを見つけて駆け寄った。

そして、昨日の事を謝ると

「……ぁぁ……別に、大丈夫です!」

何とも冷たい反応で返された。

僕は申し訳ないと言う気持ちで、その場を離れると……

パーティーになってくれる。
仲間を探した!

これは、師匠であるガシュの教えだ!

冒険者とは常に危険と隣り合わせ! だから信頼できる仲間とパーティーを組め!!!

言いたい事は、分かる。

モンスター討伐だけでは無く……
沼にハマった時や崖から落ちて動けなくなった時、仲間が居れば救助してもらえる。

それを考えると最低でも2人でクエストは受けた方がいい。

そう思い僕は、仲間となってくれる者を探す為に片っ端から冒険者達に話をかけた。

そして……

全て断られ続けた。

僕は自分が若いから断られていると思っていると、時々……

「お前なんかと組むわけねーだろ!」

と、そう言われて断られたのが気になり。

「それは何故ですか? と聞くと……」

「……それは…………」 と黙ってしまう者ばかり。

そして、ある冒険者に同じ質問をすると!

「お前みたいな【泥棒】と組むわけねーだろ!」

そう! ちゃんと断られた。

「・・・?」

僕は、その時! 不思議に思った。

確かに【泥棒】と組みたいと思う者は、少ないと思ったが断る人が以上に多すぎる。

しかも、皆んな僕のスキル職業が泥棒である事が分かっている様子だった。

僕のスキル職業の泥棒を知っているのは、昨日話したローズさんだけ……

ステータスの話をしている時は、一様ローズさんにも言われたので周りに聞こえないように気を付けて話していた。

しかも、この冒険者は昨日ギルドには居なかった。

なら、誰が? 何の為に……
僕のスキルをこの人達に教えたのか?

「あの~
つかぬ事をお聞きしますが……
僕の職業を誰にお聞きになったのですか?」

「そんなの決まってんだろ! ロー……」
「んッんんッ!!!」

周りの仲間が咳払いで、言葉を制止する。

そして、誤魔化し始めた。

「……昨日……お前の話し声が、聞こえたんだ!」

その言葉に僕は反論する。

「昨日、あなた方はギルドに居ませんでしたよね!」

すると!

「……ああ! そうだ!!!
他の冒険者に、聞いたんだった……」

そう言われたので僕は、これ以上追求は出来ないと思い諦めた。

そして、ローズさんが居るカウンターへと向かうと……

「ローズさん! 少し良いですか?」

すると! ローズさんは

「ちょっと忙しいから……
カグヤ! お願~い」

そう言うと奥に消えていった。

そして、代わりに現れたカグヤと言う女の子は、僕が言うのも何だが……

まだまだ幼さの残る新人だと言う事が行動から分かった。

僕は、そんなカグヤさんに

「すいません! 僕はローズさんに用があるのですが……」

そう言うと……

「初めまして! 私がこれからアマネ様の担当になるカグヤと言います。
初めての担当な者で、至らない点も多いとは思いますが一生懸命に頑張らせて頂きます!
なお! クエストはあちらのクエストボードからお選びになってお持ち下さい。
えぇ~と! アマネ様は、まだFランクなのでFランクのクエストしか受ける事が出来ません!
クエストを受けて10回達成しますとEランクに昇格します。
Eランクからはモンスター討伐もありますのでギルドの見立てでランクが上がって行きます。
余りにも失敗すると下がることもありますので気をつけて下さい……」

そんな事を早口で説明されている途中に
僕は、何度も話しかけたが……

永遠に無視され続けた。

しかし、それは彼女が僕を嫌っているとかでは無く。 
ただ単に緊張で僕の声が聞こえていない様だった。

そして、僕は話が終わった後に彼女にローズさんに用がある事を伝えると……

「……ぇえ~と……
私は、先輩から任されて……
アマネさんの事を全て任されました!
なので、ローズ先輩への相談も私が全て引き受けます!!!
でないと、私が叱られてしまいます。」

「……そうですか…………」

僕はそう答えて……
相談ではないし! 話もあまり通じない……
しかし、この子が叱られてしまうのは可哀想。
僕は、なかなか良い子を当てがわれた。 と
そう諦める事にした。

そして、Fランクの薬草採取のクエストを依頼してギルドを出て森へと向かった。


森へ着くと早速! 薬草採取を開始した。

幼い頃から色々と教わっていた為、すぐに既定の数を採取し終えると……

ギルドで見て、覚えていた野草採取のクエストに必要な毒消し草なども採取しておいた。

そして、そろそろ帰ろうかと思った矢先に
「きゃーー!!!」 と言う人の悲鳴が聞こえてきた。

僕は急いでその声のする方へと向かった。

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