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189 対話
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穴のあいた床の淵に手を掛け、火の精霊が這い上がってくる。
見た目は赤みの増したバルゴだが、その中身は火の精霊に取って代わられている。
今の衝撃で中身だけ飛び出すとか、バルゴの精神が蘇るといった様子は残念ながらなさそうだった。
床穴から完全に出てきた火の精霊は、軽い準備運動をするような動きをしながらわたしに言った。
「なかなか面白いことをするじゃないか、娘。想定外の攻撃だったぞ」
「そうね、褒めてもらって嬉しいわ。びっくりしたでしょ?」
・・・わたしもびっくりしたけどね!
屋上広場は半分近くが破壊されていた。
火の精霊は周囲を眺め、壊れた床の瓦礫を蹴飛ばした。
「我の城を壊してくれたお礼もせねばなるまいな」
「いや、元々貴方のものではないでしょうが。バルゴにしたって先代から不当に王位を簒奪してるのだし、どちらのものでもないわ。盗人猛々しいわね」
目を細める火の精霊に一応の正論をぶつけたところで、わたしは一つ気になった。
「あれ、そういえばこの城って壊れるんだっけ?」
バルゴが軽く首を傾げながら『お前がぶっ壊しておいて何を言っているんだ』という目をしている気がしないでもない。
別にわたしが壊した訳ではないが。
「いやいや、確か前にこの城は壊れないって聞いたからそう思ったのよ」
「お前が壊しておいて何を言っているのだ」
・・・やっぱり気のせいじゃなかった。
しっかり言葉にされたよ。
そんな私の疑問に答えてくれたのはディーネだった。
「ユリよ。この城の護りのことを言っているのであれば、それは『魔力による攻撃が無効』ということじゃ。純粋に物理的な衝撃では壊れるのじゃ。とはいえ相当な威力は必要なのじゃ」
「ああ、そういえばそう聞いたかも。なるほどね。ありがと、ディーネちゃん!」
つまり、わたしがインチキ震脚で床をぶち抜こうとしても、魔力を纏って力を増幅させた震脚では床には傷一つつかないということだ。
破城槌のようなもので物理的に攻撃すれば破壊できるかもしれないなどと考えながら、足元にまで飛び散って来ている瓦礫を眺めた。
「ふむ。つまりお前はよく理解もせぬ癖に、闇の精霊を使ってこの船を城内に出現させるという破壊工作をしたということか」
「えっ、いや・・・そういうわけでは・・・」
「おい、闇の」
回答に窮していると、火の精霊の矛先は闇の精霊に向いた。
ひしゃげた船の扉の向こう側でビクッと動く影が見えた。
「おい、闇の。お前はこの世界に興味がなかったのではないのか。ただ役目に従い、黙々と星を維持することだけがお前の存在価値だろう。なぜこんな異世界の娘に加担するのだ」
「・・・」
闇の精霊からの返事はない。
火の精霊はさらに畳み掛ける。
「こんな小娘ごときにになんと言われたのか知らんが、お前ごときが戦いの場に出てきても役には立つまい。大人しく一人で星に魔力の供給をしていることだ。城を破壊したことは見逃してやる。さっさとこの場から去れ」
「ちょっと火の精霊さん」
「なんだ娘。我は闇の精霊に言っているのだ。お前の相手は後だ」
「いいから聞きなさい」
何も答えられずにプルプルしている闇の精霊を見かねたわけじゃない。
わたしも勝手な推測に巻き込まれている点を訂正しておきたい。
ついでに言いたいことも言うけど。
「あんたね、まるでわたしが闇の精霊さんをたぶらかしたように言ってるけど、わたしは何もしちゃいないし、何も知らなかったわよ。闇の精霊さんはミッちゃん・・・光の精霊が連れてきてくれたの。闇の精霊さんがわたしに会いたいって・・・直接言われたわけじゃないけど、そういうことらしいの。闇の精霊さんは自発的にここに来たのよ」
(そうそう。合ってるわよ。続けて続けて)
ミネルヴァが私の中から合いの手を入れる。
「それに闇の精霊がこの世界に興味がないとか、一人が好きとか、それちゃんと本人が言ったことなの?勝手に決めつけてるんじゃないの?」
「我はお前よりも闇のとの付き合いは長い。知ったふうな口をきくな」
「答えになってないんだけど。本人が言ったわけじゃない、そうでしょ?」
わたしは憤慨して言葉を続けた。
「あんたも、他の精霊も、たぶん闇の精霊の事を分かっていない。勝手に決めつけるんじゃないわよ。付き合いが長い?だったらなんで精霊同士でもっと対話しないのよ!結局あんたも何もわかってないんじゃないの?」
そう火の精霊を叱責したところ、思わぬところから反響がやってきた。
「すまないのじゃ」
「悪かったわよ」
「ごめんなさい・・・」
「いやいや、ディーネちゃん達に言ったわけじゃないんだけど・・・まあ反省してくれるのはいいことだけど」
結局ミネルヴァ以外、どの精霊も闇の精霊とはろくに接してこなかったようだ。
まあ、ご近所付き合いという感覚とも違う、グローバルな関係性だから仕方ないのかもしれないけれども。
「ま、そんなわけだから、もしも闇の精霊さんがわたしに力を貸してくれると言うなら、喜んで借りるわ」
扉の裏から見ているかどうかは分からないが、わたしは闇の精霊に手を振ってみせた。
「闇の精霊さん。わたしに会いに来てくれてありがとう!ミッちゃんの友達ならば、わたしとも友だちになってくれるかな?」
私が呼びかけると闇の精霊は船の扉からひょいっと頭を出し、コクコクと何度も首を縦に振った。
・・・これでよし!
それにこれで数値的には互角になったはず!
この星の精霊は、原初の火の精霊を親として、他の精霊は火の精霊から魔力を分配して生まれたと聞いた。
原初の火の精霊の魔力の約半分を使って、他の精霊が生み出された。
そして今、この場にはその全ての精霊が揃っている。
・・・勝てるかもしれない。
いや、勝たなきゃいけない。
ひとまず闇の精霊にはサポート的な役割でもお願いしようかと思うが、流石に敵の真ん前で呑気に打ち合わせる暇などない。
戦いながら考えるしか無いようだ。
とにもかくにも、まるで稲妻のようなスピードで斬りかかってくるあのヤヴァイ斬撃には重々気をつける事を念頭に置いて・・・
「さあ、火の精霊。再戦といきましょうか。とはいえ、この広場はこんな有様だから、場所を変えてもいいけど・・・」
「ここで構わんよ。小娘を倒すぐらい、ここで十分だ」
「はいはい、そうですか・・・」
「むしろこの場が良いのだ。そお前に見せたいものがある」
火の精霊はそういうと、穴の開いた階下に向けて魔力を放った。
そしてジリジリと角度を上に上げると、床穴の下から金属と壁がぶつかるような音が聞こえてくる。
魔力を使って何かを持ち上げようとしている、そんな感じだった。
床穴の下に一体何があるのだろう、と考えたのは僅かな時間だった。
魔力に引き寄せられる物体が姿を現す。
「階下に落とされた時、ちょうど城の小窓から見知った顔を見つけたのでな」
穴からせり上がってきたのはやや大きめの金属製の檻、
そしてそこに囚われている二人の人間。
「アドル!ミライちゃん!」
檻の中で、アドルとミライが倒れていた。
見た目は赤みの増したバルゴだが、その中身は火の精霊に取って代わられている。
今の衝撃で中身だけ飛び出すとか、バルゴの精神が蘇るといった様子は残念ながらなさそうだった。
床穴から完全に出てきた火の精霊は、軽い準備運動をするような動きをしながらわたしに言った。
「なかなか面白いことをするじゃないか、娘。想定外の攻撃だったぞ」
「そうね、褒めてもらって嬉しいわ。びっくりしたでしょ?」
・・・わたしもびっくりしたけどね!
屋上広場は半分近くが破壊されていた。
火の精霊は周囲を眺め、壊れた床の瓦礫を蹴飛ばした。
「我の城を壊してくれたお礼もせねばなるまいな」
「いや、元々貴方のものではないでしょうが。バルゴにしたって先代から不当に王位を簒奪してるのだし、どちらのものでもないわ。盗人猛々しいわね」
目を細める火の精霊に一応の正論をぶつけたところで、わたしは一つ気になった。
「あれ、そういえばこの城って壊れるんだっけ?」
バルゴが軽く首を傾げながら『お前がぶっ壊しておいて何を言っているんだ』という目をしている気がしないでもない。
別にわたしが壊した訳ではないが。
「いやいや、確か前にこの城は壊れないって聞いたからそう思ったのよ」
「お前が壊しておいて何を言っているのだ」
・・・やっぱり気のせいじゃなかった。
しっかり言葉にされたよ。
そんな私の疑問に答えてくれたのはディーネだった。
「ユリよ。この城の護りのことを言っているのであれば、それは『魔力による攻撃が無効』ということじゃ。純粋に物理的な衝撃では壊れるのじゃ。とはいえ相当な威力は必要なのじゃ」
「ああ、そういえばそう聞いたかも。なるほどね。ありがと、ディーネちゃん!」
つまり、わたしがインチキ震脚で床をぶち抜こうとしても、魔力を纏って力を増幅させた震脚では床には傷一つつかないということだ。
破城槌のようなもので物理的に攻撃すれば破壊できるかもしれないなどと考えながら、足元にまで飛び散って来ている瓦礫を眺めた。
「ふむ。つまりお前はよく理解もせぬ癖に、闇の精霊を使ってこの船を城内に出現させるという破壊工作をしたということか」
「えっ、いや・・・そういうわけでは・・・」
「おい、闇の」
回答に窮していると、火の精霊の矛先は闇の精霊に向いた。
ひしゃげた船の扉の向こう側でビクッと動く影が見えた。
「おい、闇の。お前はこの世界に興味がなかったのではないのか。ただ役目に従い、黙々と星を維持することだけがお前の存在価値だろう。なぜこんな異世界の娘に加担するのだ」
「・・・」
闇の精霊からの返事はない。
火の精霊はさらに畳み掛ける。
「こんな小娘ごときにになんと言われたのか知らんが、お前ごときが戦いの場に出てきても役には立つまい。大人しく一人で星に魔力の供給をしていることだ。城を破壊したことは見逃してやる。さっさとこの場から去れ」
「ちょっと火の精霊さん」
「なんだ娘。我は闇の精霊に言っているのだ。お前の相手は後だ」
「いいから聞きなさい」
何も答えられずにプルプルしている闇の精霊を見かねたわけじゃない。
わたしも勝手な推測に巻き込まれている点を訂正しておきたい。
ついでに言いたいことも言うけど。
「あんたね、まるでわたしが闇の精霊さんをたぶらかしたように言ってるけど、わたしは何もしちゃいないし、何も知らなかったわよ。闇の精霊さんはミッちゃん・・・光の精霊が連れてきてくれたの。闇の精霊さんがわたしに会いたいって・・・直接言われたわけじゃないけど、そういうことらしいの。闇の精霊さんは自発的にここに来たのよ」
(そうそう。合ってるわよ。続けて続けて)
ミネルヴァが私の中から合いの手を入れる。
「それに闇の精霊がこの世界に興味がないとか、一人が好きとか、それちゃんと本人が言ったことなの?勝手に決めつけてるんじゃないの?」
「我はお前よりも闇のとの付き合いは長い。知ったふうな口をきくな」
「答えになってないんだけど。本人が言ったわけじゃない、そうでしょ?」
わたしは憤慨して言葉を続けた。
「あんたも、他の精霊も、たぶん闇の精霊の事を分かっていない。勝手に決めつけるんじゃないわよ。付き合いが長い?だったらなんで精霊同士でもっと対話しないのよ!結局あんたも何もわかってないんじゃないの?」
そう火の精霊を叱責したところ、思わぬところから反響がやってきた。
「すまないのじゃ」
「悪かったわよ」
「ごめんなさい・・・」
「いやいや、ディーネちゃん達に言ったわけじゃないんだけど・・・まあ反省してくれるのはいいことだけど」
結局ミネルヴァ以外、どの精霊も闇の精霊とはろくに接してこなかったようだ。
まあ、ご近所付き合いという感覚とも違う、グローバルな関係性だから仕方ないのかもしれないけれども。
「ま、そんなわけだから、もしも闇の精霊さんがわたしに力を貸してくれると言うなら、喜んで借りるわ」
扉の裏から見ているかどうかは分からないが、わたしは闇の精霊に手を振ってみせた。
「闇の精霊さん。わたしに会いに来てくれてありがとう!ミッちゃんの友達ならば、わたしとも友だちになってくれるかな?」
私が呼びかけると闇の精霊は船の扉からひょいっと頭を出し、コクコクと何度も首を縦に振った。
・・・これでよし!
それにこれで数値的には互角になったはず!
この星の精霊は、原初の火の精霊を親として、他の精霊は火の精霊から魔力を分配して生まれたと聞いた。
原初の火の精霊の魔力の約半分を使って、他の精霊が生み出された。
そして今、この場にはその全ての精霊が揃っている。
・・・勝てるかもしれない。
いや、勝たなきゃいけない。
ひとまず闇の精霊にはサポート的な役割でもお願いしようかと思うが、流石に敵の真ん前で呑気に打ち合わせる暇などない。
戦いながら考えるしか無いようだ。
とにもかくにも、まるで稲妻のようなスピードで斬りかかってくるあのヤヴァイ斬撃には重々気をつける事を念頭に置いて・・・
「さあ、火の精霊。再戦といきましょうか。とはいえ、この広場はこんな有様だから、場所を変えてもいいけど・・・」
「ここで構わんよ。小娘を倒すぐらい、ここで十分だ」
「はいはい、そうですか・・・」
「むしろこの場が良いのだ。そお前に見せたいものがある」
火の精霊はそういうと、穴の開いた階下に向けて魔力を放った。
そしてジリジリと角度を上に上げると、床穴の下から金属と壁がぶつかるような音が聞こえてくる。
魔力を使って何かを持ち上げようとしている、そんな感じだった。
床穴の下に一体何があるのだろう、と考えたのは僅かな時間だった。
魔力に引き寄せられる物体が姿を現す。
「階下に落とされた時、ちょうど城の小窓から見知った顔を見つけたのでな」
穴からせり上がってきたのはやや大きめの金属製の檻、
そしてそこに囚われている二人の人間。
「アドル!ミライちゃん!」
檻の中で、アドルとミライが倒れていた。
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