ポニーテールの勇者様

相葉和

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145 事件はニューロックだけで起きているんじゃない

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レオを無事に鐘楼から開放した後、レオをひどい目に遭わせた侵入者共を泣かすべくカークの館に戻ったわたし達は、カークから事の顛末を聞いて、唖然とした。

「ではもう殺してしまったわけですか・・・」
「いやいや、我々が殺したのではない。死んでしまったのだ。ちゃんと話を聞いていたのか?」

カーク曰く、侵入者達から爆弾の事を聞き出した後、カークはサラにわたしへの助力を依頼した。
その後、すぐに警備兵達が侵入者達の護送準備を始め、馬車の荷台に運び込もうとした時、侵入者達が突然火達磨になったそうだ。
火の勢いは激しく、とても近づくことが出来なかったため消火することもできず、侵入者達はあっという間に消し炭になったらしい。
ここがカークの館の中庭で、馬車の荷台に乗せる前でもあったので、火が建物や馬車に引火するようなことはなかった事は幸いだった。

「直接見ていたわけではないので警備兵達の言葉を信じるしか無いが、こちらから火を放ったということはなく、四人全員、自然に燃えだしたそうだ」
「・・・これ以上、情報を漏らさないよう自害した感じですかね?」
「それも、違うような気がするのだ」

カークは悩ましげな表情を浮かべている。
こちらが手を下したのではないのであれば、普通に自害と考える他ないと思うのだが。

「警備兵が言うには、侵入者は泣きながら最後にこう叫んでいたらしい。『話が違う、俺達は除外されていたはずだ』と」
「うーん、当人達の本意ではなく、誰かにやられた、あるいは仕掛けられたという感じですかね。良くわかりませんけど」

・・・とりあえず、泣かすという目的は果たせたから良しとするか?
後味は悪いけれども。

「ユリ殿の推測する通り、私も他者からの介入の可能性を考えているが、自然発火するような要因は思い当たらぬ。縛り上げる前に身体検査を行って、武器はもちろん、魔石や魔道具の類は全て取り上げて何も持っていない状態にしていた。まあ、体内に埋め込んでいたり、飲み込んでいたら分からんがな。一応、発火原因を調べるために検死はさせる」
「うお、大変ですね・・・わたしは力になれそうもないので、とりあえず何か分かったら後で教えてください」

・・・黒焦げ死体を検死する人には気の毒だが、お任せするしか無い。
わたしは絶対にゴメンだ。

こうして侵入者事件は少しの謎を残しつつ、幕を閉じた。



侵入者騒動が一段落して数日が経った。
わたしは魔力の研鑽を積みつつ、そろばんの布教活動に復帰していた。
コーラルから発信してのそろばんのオンライン授業や、他の練習場所に赴いて『突撃・近所のそろばん授業」を行うなど、充実した毎日を送っていた。
今日もコーラル近郊の町のそろばんの練習会場にお邪魔して、出張オンライン授業を開催していた。
そして無事に授業を終え、帰りの馬車に揺られているところだ。
飛んで帰らないのは、オンライン授業を行うために投影の魔道具を操作したり、小道具を運んでくれるスタッフさん達も同行しているためで、別にわたし達だけ飛んで帰る事もできるのだが、せっかくなので護衛を兼ねて同行している。
ちなみにスタッフさん以外には、わたしのお付きでディーネとアドルがいて、さらに今日はミライも一緒についてきていた。
なお、アドルとミライがいるので、当然のようにアフロもいる。

「いやー、今日も良い授業だったね。みんなもだんだん成長しているし。そろばんの弾く音で分かるわ」
「ユリよ、音で分かるとはどういうことじゃ?」
「うん、ディーネちゃん。それはね・・・」

そろばんの腕が上達してくると、弾くリズムが一定に近づいていく。
何故なら、そろばんに数字を置く時に、玉をどう動かせばいいか悩むことがなくなるからだ。
置き方に悩んでいるうちは、そろばんの玉を動かす時にワンテンポ遅れたり、指が止まったりする。
そういう事が少なくなると、速度に個人差はあるものの、そろばんの玉を動かす音が途切れること無く一定のリズムで聞こえるようになる。

「その音を聞いているだけでも、すごく心地がいいのよねー。みんながうまくなっていくことがとても嬉しいわ」
「ユリお姉ちゃん、ミライもうまくなってる?」
「ミライちゃんも凄くうまくなってるよ。練習の賜物だねー」
「うん、ミライ頑張ってるの!」

お世辞抜きでミライの上達速度はとても早かった。
もうすぐ四級の練習が始められるほどになっている。
わたしとアフロを除いて、ニューロックで一番そろばんがうまいのはミライではないかと思っている。

「ミライ、そろばんの授業が終わった後もお部屋で練習してるの!」
「うんうん」
「アフロお姉ちゃんにも教えてもらっているの。アフロお姉ちゃん、そろばんの教え方が上手なの!」
「うん、うーん・・・」
「なによユリ。ワタシに何か不満でもあるのかしら?」
「ナイナイ、全然ないわよ」

アフロはわたしの能力をコピーしたまま、解除していない。
そのため、アフロには私と同等のそろばんの能力が備わっている。
もちろん、そろばんの腕が良くても教え方もうまいとは限らないが、アフロがミライに接する時の態度はまるで姉や母親のような感じなので、とても優しく、一生懸命に面倒を見てくれているのだろう。
ちょっと複雑な気持ちではあるが、教師が一人増えたと思えば悪いことでは無いので構わない。

「しかし、そうすると困ったわね・・・」
「やっぱり困ってるじゃない。ワタシに言いたいことがあるならハッキリいいなさい」
「いや、違うの。困っているのは、練習問題のことなのよ」

もしもこのままミライが順調に四級もこなしてしまうと、次は三級の練習になる。
もっとも、三級に入る前に、準三級の練習をやってもらうつもりだが・・・

「準三級の問題集を作るのも大変なんだけど、それ以上に大変なのは、小数点の概念ね。三級の練習をする前に、小数点の計算を練習するために準三級の練習が必要になるんだよ」
「しょうすうてん?ユリお姉ちゃん、しょうすうてんって何?」

今までは実数しか扱った事のないミライにとって、少数を理解するのはきっと大変だと思う。
おまけに割り算などでは小数点と数字の組み合わせによって、最初に置き始める位置を変えるテクニックなども覚えなければならない。
口頭で説明してもピンとこないだろうから、四級で合格点が取れるようになった時に、ちゃんと教えると約束した。

・・・問題集も早めに用意しておかなきゃね。
とはいえ、準三級の問題って作るのも結構大変なんだよね・・・

モヤモヤと考えているうちに、馬車はカークの屋敷に着いた。

「さて、とりあえず夕食の時間はもうすぐだし、食べた後で軽く準三級の問題集の検討でも・・・」
「ユリ様!お帰りをお待ちしておりました!」

馬車から降りるや否や門番に捕まり、夕食の前にすぐにカークの執務室に向かってほしいと言われた。
何があったのだろうという考えが頭を占拠し、準三級の問題集の事は一旦記憶の片隅に追いやられた。



「ユリ殿、待っていたぞ」
「ただいま戻りました、カークさん。それで用事というのは・・・」
「うむ、準備するので少し待ってくれ」

わたしはディーネだけを連れてカークの執務室に赴いた。
挨拶もそこそこに、カークは既に準備済みの投影の魔道具を使って執務室の壁に向けて投映を開始した。
そこに現れたのは、ライオット領の太守であるジェイスとその妻のロティナだった。
ジェイス達も執務室のような場所にいるようだ。

「ジェイスさん!お久しぶりです、それにロティナさんも。お二人共、お元気でしたか?」
「久しぶりだね、ユリ殿。私もロティナも元気だよ。この通り、新しい居城もほぼ完成したよ」
「あー・・・本当に良かったです。えーと、その節は大変申し訳ないことを・・・」
「いやいや気にすることは無い。それに前の城より、私とロティナが好きなように設計した今の住まいのほうが気に入っている。ユリ殿のおかげとも言えるな」
「あはは・・・」

元々あったジェイスの居城は、ジェイスの部下だったシュクリフとベルノが反乱を起こした際、城を乗っ取って籠城した二人を倒すためにわたしが城ごとぶっ壊してしまったのだ。
そのため、ジェイス達はしばらくの間住む所がなく、首都アコニールの宿屋に宿泊する羽目になっていた。
しかしようやく居城が完成したとの事で、それを聞いたわたしもホッとした。

「そういえばユリ殿は先日の王都軍との戦いでも大活躍だったと聞いたよ。さすがユリ殿だね」
「いえいえ、やれることをやっただけです。そういえばジェイスさん達は東側から攻めてくる手筈だったと聞いていますが、結局戦場には現れませんでしたよね」
「うむ。領地からの出撃が遅れてしまってな。王都軍から撤退の連絡を受けた時にはまだニューロックの領海にも到着していなかった。結果的に途中で寝返る行為をするよりも穏便に済んだと言えるかな」

ライオット領は王都からの勅命によって、東側からニューロックを攻めて王都軍と連携して挟撃するように指示を受けていた。
しかし実際はニューロックとライオットは協力関係にあり、戦闘の途中でライオットは王都軍に刃を向け、ニューロックと共闘する手筈となっていた。
ライオット領もこの作戦によって明確に王都に敵対する意思表示を行う覚悟をしていたのだが、その策を実行する前に戦いは終結してしまい、結果的にライオットは現状通り、王都寄りで中立的な立ち位置をキープしたままになった。
もっとも、変に敵対してライオット領まで王都に攻め入られるようなことになるよりもマシだと思うので、この結果は良かったと思っている。

「これも私が仮病の腹痛で艦隊の出発を遅らせて遅刻したおかげだな。はっはっは」
「もう、ジェイス様ったら」

会社員がズル休みする時の理由かよ!
そんなレベルの理由で軍隊を足止めさせるジェイスもすごいが、『ジェイス様ったら』で済ませる奥様もたいしたものだ。

「ユリ殿、ジェイス殿。挨拶はそれぐらいで良いだろうか。そろそろ本題に入りたいのだが」
「あ、はい、お願いします」

カークに促されて聞く姿勢を取る。
ジェイスとロティナも先程までの笑顔ではなく、真顔になっている。

「ユリ殿が出かけている間、ジェイス殿と情報交換をしていたのだが、その時、奇妙な共通点を見つけたのだ」
「奇妙な共通点ですか」
「うむ。先日の、王都からの侵入者の話をジェイス殿にしたところ、ライオット領でも似たような事例が出ていたのだ」
「ライオット領にも侵入者が?」

ライオット領は完全な島国のニューロックとは違い、北側の領地と地続きになっているため、侵入するのは容易だろう。
ジェイスやロティナも命を狙われたのだろうか。

「いや、侵入者ではない。発火事件の方だ」
「発火事件、ですか・・・」
「侵入者共は自然に発火して焼死した。それと同じ事がライオットで起きていたのだ」

・・・ライオットで?
何でそんな事が?

訳も分からず、わたしはディーネと顔を見合わせた。
ディーネも首を傾げている。

「あのー、つまり、ライオットで人から自然に発火現象が起きたと、そういうことですか?」
「その通りなんだ」

答えたのはジェイスだった。

「最初にそれが発生したのは、おそらくニューロックと王都の戦いが終結した時だ。我が軍の兵士の一人が突然燃え上がり、そして死んだ」
「え?発火したのはライオットの領民ということですか?不審者とか王都から来た人とかではなくて?」
「その通り。彼は移民でもなく、ライオット領で生まれた人間だった」

ニューロックで焼死した侵入者は王都から来た人間達だ。
彼らについては、王都にいる間に体に何かを仕掛けられた可能性が高いと考えていた。
しかし焼死したライオットの兵士はその可能性も低いだろう。
余計に謎が深まる。

「話はそれだけではない。首都アコニールや、ロイドの町、そして他の町でも同様の事件が起きていた。当初は不審火や火の不始末による出火と考えていた火災も、調べてみると出荷元はどうやら人間のようなのだ」
「ユリ殿。ニューロックでも同様だ。戦勝祝いの夜、コーラルでも数件の火災が報告されている。騒ぎ過ぎによる出火だと考えていたが、どうやらライオット領と同様、人間からの出火の可能性が高い」

ジェイスの説明に続いて、カークがニューロックでも同様の事件が起きていたことを補足する。

「それって・・・一体どういうことなんですか・・・」
「分からぬ。見当もつかないのだ。そこでユリ殿にも話を聞いてもらいたくて呼んだという訳だ」
「いや、わたしにもさっぱりわかりませんよ・・・」
「そうか・・・精霊様はどうお考えになりますか?」

カークがディーネに話を振る。
ディーネは目を瞑り、少し考えてからカークの問に答えた。

「・・・そうじゃの。人間の持つ魔力に、何かしら強力に作用する力を与えて人体を破壊することは出来なくはないかもしれぬ。ただし極めて難しいといえよう」
「出来なくはないのですね?」
「うむ。例えば妾が人間に直接相対して、その人間の魔力に強く干渉すれば精神に異常を起こしたり、呼吸を止めるような真似はできるかもしれぬ。ただし相手も抵抗したり逃げたりするであろう?」

こちらからの魔力干渉に対して、なすがままにされるのであれば可能性はあるけれども、そんな事をされれば普通の人間は抵抗する。
その時点で成功率はぐっと下がるらしい。

「妾やユリでも、魔道具や魔石無しでは難しいと思うのじゃ。せめて相手が干渉を容易にするような魔道具でも持っていれば別なのじゃ」
「なるほど・・・」
「さらに付け加えるならば、遠隔地にいる人間に対して作用させるとなると尚更難しいのじゃ。こちら側と遠隔地にいる人間の双方に、互いに連携するような魔道具を持たせなければ不可能なのじゃ」

ニューロックの侵入者共を捕縛した時には、魔道具の類の装備は全て外して縛り上げたという。
そうすると、やはり体内に何か魔道具のようなものが埋め込まれていたのだろうか。
しかしそれではライオット領やニューロック領の一般市民に自然発火した原因が分からない。
体内に取り入れるのに有効なものと言えば・・・

「食事?」
「ユリ殿、腹が減っているとは思うが、夕食はもう少し待ってくれないだろうか」
「いや、違いますよ!もしも体内に魔石や魔道具を取り入れるのに有効な方法は経口、つまり飲食かなと思いまして」
「ほう・・・続けてくれ」
「はい、もしも遠隔で発火を起こすために魔石や魔道具のようなものが必要で、それを本人に悟られずに人間の体内に潜ませるとしたら、食べ物に紛れさせるのが一番かなと思って」

食事にごくごく小さい魔道具を紛れ込ませ、それを食した人間に対して作用させれば可能なのではないだろうか。
とはいえ、食事に混ぜても気が付かれないほどの極小な魔道具を作るのは難しいだろうし、さらに人体発火という威力を起こすのは至難の業だろう。
いっそ毒でも食わせたほうが早いと思う。

「ちょっと無理のある推論だとは思うが、そうだな。市場に出回っている食物に奇妙なものが流通していないか、念のために調べてみることにしよう」
「カーク殿の意見に賛成だ。ライオットでもやってみよう」

・・・わたしの単なる思いつきに領主達を振り回している気がしないでもないが。

「侵入者の自然発火と領民の自然発火は、別な理由なのかもしれませんね」
「・・・ユリ殿。別にユリ殿の思いつきが間違っていたとしても責めるつもりはない。発言に保険ををかけなくても良いぞ」

・・・バレたか。

「しかしカーク殿。実際に異なる可能性もある。その方面でも検証したほうが良かろう」
「そうだな。ジェイス殿の言うとおりだ。そんなわけでユリ殿にも調査に協力して欲しい」
「あはは・・・はい、私も手伝います」
「妾も協力するのじゃ。精霊の皆にも相談してみるのじゃ」
「精霊様。ご協力、感謝します」

わたしもこの一件は気になるし、もしも親しい人に同じ被害が起きてはたまったものではないので全力で協力する旨を約束して、ジェイスとの通話を終えた。

「そんなわけでカークさん、わたし達もいろいろ調べてみますが、やって欲しいことがあれば言ってください。何でもやりますので」
「それはありがたい。早速だが、例の侵入者達の死体を検分して欲しい。多少死体の痛みは進んでいるが、魔道具を使ってできる限り保持してある。是非ユリ殿にも立会いを・・・」
「ゴメンなさい、それだけは勘弁してください・・・」

まさか夕食を待てと言ったのはそのためだったのか・・・?
食後に死体検分などをしたら・・・
いやいや、どのみちそんな事をしたら、その後の食事も出来ないわ!
というわけで、何でもやる宣言は即時撤回させていただき、死体検分は断固拒否した。
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