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094 土の精霊
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残り少ない魔力でフラフラと飛び、なんとかコーラルの港に降り立ったわたしは、真っ先にディーネの姿を探しに走った。
とはいえ、魔力と共に体力もだいぶ消費しており、マラソンの後のような疲労を感じながらも、とにかくディーネに合流すべく、精一杯走った。
「はあ、はあ・・・ディーネちゃん・・・いた!」
ディーネはわたしが港から飛び立った場所からほぼ移動していなかったため、すぐに見つけることができた。
ただ、ディーネの隣には、何者かの姿があった。
息を切らせながらディーネに駆け寄ると、ディーネも私の方に向かって走ってきて、わたしの体を受け止めてくれた。
「ユリよ、よくやったのじゃ。サラちゃんもお疲れ様なのじゃ」
ディーネは羽根で私の頭をわしゃわしゃ撫でてくれた。
幸せで気を失いそうだ。
いや、まだ気を失うわけにはいかない。
「はあ、はあ・・・ディーネちゃんも無事でよかったよ。さっき町を守ってくれたアレ、ディーネちゃんが力を貸してくれたのでしょう?」
「うむ、じゃが妾はたいしたことはしておらぬ。真の功労者を紹介せねばならぬな」
ディーネはそう言うと、傍にいる人に目を向けた。
白いドレスを着て、腰よりも下まで伸ばした茶色の髪のグラマラスな女性。
・・・胸にメロン入ってね?
一つわたしにくれないかな・・・
ニコニコしながら佇む女性は、想像通りならば、きっと・・・
「ユリよ。此奴は土の精霊じゃ。先の攻撃はこの土の精霊が防いでくれたのじゃ」
「やっぱり・・・土の精霊さん。ありがとうございます。でもなぜここに?」
土の精霊はドルッケンでほぼ土と同化して寝ていたはずだ。
それにサイズ感が全然違う。
ドルッケンで見かけた土の精霊は、めちゃくちゃデカかった。
まあ、精霊なのでその辺の融通はきくのかも知れないと思うことにする。
わたしの質問に対して土の精霊は、ニコニコした表情のまま私に近寄ってきた。
ずんずん近寄って近寄って・・・
顔がめっちゃ近い。
しかしニコニコ笑顔は崩さない。
逆にめっちゃ怖いんですけど・・・
実は怒ってる?
そして土の精霊が口を開いた。
「ワタシね。寝てたの。それはもう安らかに」
まるで死んでいたかような言い方だが、寝ていた姿は実際に見たので知っている。
「ワタシね。前は王都の近くの海の底の寝ぐらで寝てたの。でもね、何やら異変を感じたから、この地に場所を移して寝ることにしたの。ワタシはゆっくり寝たかったの。分かる?」
それは先王が星降りの儀式をするための魔道具を壊したあたりの話だろうか。
もしくはわたしと水の精霊が王都を脱出したゴタゴタの時だろうか。
とりあえず何かを察してニューロックに住まいを移したことは分かった。
「はい、その、なんとなく分かります」
「ここなら誰にも邪魔されずに寝れると思ったの。なのに、いきなり大魔術の気配がするじゃない?ワタシも身の危険を感じてね。仕方ないけど起きなきゃと思ったわけよ。分かる?」
「はい・・・分かります・・・」
ニコニコ笑顔で怒ってますね、分かります・・・
「で、魔力の気配を探ってここに来てみたら、水の精霊・・・今はディーネっていうんだっけね。ディーネに会ったわけ。けったいなナリをしていたから最初は水の精霊だと分からなくてとりあえず攻撃しちゃったわよ」
「うむ。消滅するかと思ったのじゃ」
土の精霊、やべえ奴だな・・・
「でもすぐにこの鳥が水の精霊・・・ディーネだと分かってね。それからディーネに話を聞いたの。要するに、あなたがここにいるから、この地が大魔術で攻撃されることになったのでしょう?とりあえずヤバそうな大魔術は回避できたみたいだけど、まだ攻撃に晒されてたから、残りはワタシが防いでおいたけどね。はあ・・・。本当に良い迷惑なのよ。分かる?」
「はい・・・」
三回目の『分かる?』だ。
笑顔のプレッシャーも半端ない。
「分かっていただけたようで良かったわ。ではワタシの平穏のためにここで死んでくださいますね」
「はい?」
ぞわっと悪寒が走った。
土の精霊が右手でわたしの首を刈ろうとしたのと、わたしが水の防御で障壁を張ったのはほぼ同時だった。
ぎいん、という音を立てて、ほとんど勘で張ったわたしの障壁が、土の精霊が放った右手の手刀を受け止めていた。
「あっぶな・・・ちょっと、いきなり何するんですか!」
「防がれた?・・・ふーん。これは水の精霊の力ね。それに風の精霊の力も感じるわね。あなた達、こんな子に力を貸してるの?」
土の精霊がディーネにニコニコ笑顔を向けた。
ディーネは土の精霊のとった行動に怒りを滲ませていた。
「土の精霊よ。其方は妾の話をどう解釈したのじゃ?ユリはむしろ被害者だと説明したであろう。頭が悪いにも程があるのじゃ」
「この子がいるからこの地が攻撃されているのでしょう?間違っていて?」
「確かに間違いではないのじゃ」
「ならば殺してしまえばいいじゃないの。そうすればもうあんな訳の分からない攻撃なんてされないんでしょ?頭が悪いのはどっちよ」
土の精霊の話も筋が通っていないわけではないが、極端すぎて身も蓋もない。
さてどう説得しようかと思った時、空から影が落ちてきた。
上空から一機のラプターが飛んできたのだった。
そして操縦していた男がラプターの窓から身を乗り出し、大声で叫んだ。
よく知っている顔と声だった。
「ユリ!」
「アドル!?無事でよかった!」
アドルはひとまず近場にラプターを着陸させると、こちらに走ってきた。
わたしはアドルの両手を握り、無事を喜んだ。
「ユリも無事でよかった。ええと、こちらの方は?」
「わたしもさっき初めてお会いしたのだけど、こちらは土の精霊さんよ」
「本当に?とても綺麗な人だね。そうか、ユリは土の精霊も仲間にしたのか。それでコーラルを守ってくれたんだね。土の精霊様、ありがとうございます」
アドルは土の精霊に恭しく頭を下げてお礼を言った。
「いやいやアドル。仲間どころか、わたし、ついさっき殺されかけ・・・うひっ!?」
「ええ、ワタシは土の精霊。アドルさん、そうなのよ、この町を守るためにこのお嬢さん方に協力させていただいたわ・・・そうよね、ユリさん?」
頭を下げているアドルに状況説明をしようとしたその時、土の精霊がわたしとディーネに殺気に満ちた顔を向けてそう言い放った。
こくこくこくこく・・・
カタカタカタカタ・・・
わたしとディーネは反射神経で赤べこのように首を縦に振った。
「そうですか。土の精霊様、重ねてお礼を申し上げます。ありがとうございます」
再び恭しく頭を下げるアドルに、土の精霊が言った。
「いいのよ、あなたが喜んでくれるなら。それにもっとくだけて接してくれると嬉しいわ」
「は、はあ・・・」
そしてアドルと土の精霊は楽しそうに会話を始めた。
さっきまでの殺伐とした雰囲気は全く無く、むしろ甘い雰囲気さえ感じた。
え、何?
なんかモヤッとするし、ちょっとイラっとするんだけど。
(はあ・・・忘れてたわ。ユリ、とりあえず危機は回避されたと思うけど、別の危機が発生したわ)
「サラちゃん?それってどういう事?」
はぁ、とサラがわたしの中でため息をつくのが分かった。
(土の精霊はね、昔から人間の男に惚れっぽいの。どうやらアドルを気に入ったみたいよ)
「ええっ?」
(それにね、人の男を横取りするのが大好きなの。あなたの世界で言うところの『寝取り』ね)
「ええええええ!?」
わたしがサラと脳内会話を続ける間も、ニコニコしながらアドルと談笑していた土の精霊は、いきなりアドルの頭をその豊満な胸に押し込むようにして抱きしめた。
土の精霊はニヤッとこちらに悪い笑顔を向けた。
「ああっ!?アドルも何してんのよ!」
アドルは離れようとジタバタしているようだが、精霊様を無理やり引き離して良いものかどうかと遠慮しているようにも見えた。
わたしも引き離してやりたいのはヤマヤマだけど、ここで土の精霊の機嫌を損ねたら、まためんどくさくなる気もするし・・・
(とりあえずユリ。あなたがアドルを諦めるか、土の精霊が飽きるまで我慢なさい)
「そんなあ・・・」
ひとまず胸から脱出したアドルだが、顔はニヤけていた。
アドルもまんざらじゃない様子?
なんか腹立つ。
「サラちゃん。わたしは諦めないわよ。誰が渡すもんですか」
(あら、ハッキリ言ったわね。当てられちゃった?)
「うっさい!」
(まあ、頑張りなさい。アドルが死なないうちにね)
「はい?」
サラちゃん、今なんか怖いこと言わなかった?
(これまで土の精霊に魅入られた男達だけどね。みんな早死にしてるのよ。たまたまかもしれないけど、もしかしたら精気でも吸い取られてるのかもしれないわね)
「そんな!冗談じゃないわよ!」
アドルが土の精霊に魅入られないように、なんとかして土の精霊を阻止せねば・・・
アドルがやれやれといった態度でこちらにやってきた。
「ユリ、土の精霊様の歓迎にはびっくりしたけど、今の状況と協力のお願いをしたら、分かってもらえたよ」
「そうね。わたしはやっぱりアドルは大きいほうが好きだと言うことが分かったわ」
「えっと・・・ユリ、なんか怒ってないか?」
「知らない!アドルの馬・・・鹿・・・」
そしてわたしは緊張のほぐれと蓄積した過度の疲れで、ディーネにもたれかかるように崩れ落ち、意識を失った。
とはいえ、魔力と共に体力もだいぶ消費しており、マラソンの後のような疲労を感じながらも、とにかくディーネに合流すべく、精一杯走った。
「はあ、はあ・・・ディーネちゃん・・・いた!」
ディーネはわたしが港から飛び立った場所からほぼ移動していなかったため、すぐに見つけることができた。
ただ、ディーネの隣には、何者かの姿があった。
息を切らせながらディーネに駆け寄ると、ディーネも私の方に向かって走ってきて、わたしの体を受け止めてくれた。
「ユリよ、よくやったのじゃ。サラちゃんもお疲れ様なのじゃ」
ディーネは羽根で私の頭をわしゃわしゃ撫でてくれた。
幸せで気を失いそうだ。
いや、まだ気を失うわけにはいかない。
「はあ、はあ・・・ディーネちゃんも無事でよかったよ。さっき町を守ってくれたアレ、ディーネちゃんが力を貸してくれたのでしょう?」
「うむ、じゃが妾はたいしたことはしておらぬ。真の功労者を紹介せねばならぬな」
ディーネはそう言うと、傍にいる人に目を向けた。
白いドレスを着て、腰よりも下まで伸ばした茶色の髪のグラマラスな女性。
・・・胸にメロン入ってね?
一つわたしにくれないかな・・・
ニコニコしながら佇む女性は、想像通りならば、きっと・・・
「ユリよ。此奴は土の精霊じゃ。先の攻撃はこの土の精霊が防いでくれたのじゃ」
「やっぱり・・・土の精霊さん。ありがとうございます。でもなぜここに?」
土の精霊はドルッケンでほぼ土と同化して寝ていたはずだ。
それにサイズ感が全然違う。
ドルッケンで見かけた土の精霊は、めちゃくちゃデカかった。
まあ、精霊なのでその辺の融通はきくのかも知れないと思うことにする。
わたしの質問に対して土の精霊は、ニコニコした表情のまま私に近寄ってきた。
ずんずん近寄って近寄って・・・
顔がめっちゃ近い。
しかしニコニコ笑顔は崩さない。
逆にめっちゃ怖いんですけど・・・
実は怒ってる?
そして土の精霊が口を開いた。
「ワタシね。寝てたの。それはもう安らかに」
まるで死んでいたかような言い方だが、寝ていた姿は実際に見たので知っている。
「ワタシね。前は王都の近くの海の底の寝ぐらで寝てたの。でもね、何やら異変を感じたから、この地に場所を移して寝ることにしたの。ワタシはゆっくり寝たかったの。分かる?」
それは先王が星降りの儀式をするための魔道具を壊したあたりの話だろうか。
もしくはわたしと水の精霊が王都を脱出したゴタゴタの時だろうか。
とりあえず何かを察してニューロックに住まいを移したことは分かった。
「はい、その、なんとなく分かります」
「ここなら誰にも邪魔されずに寝れると思ったの。なのに、いきなり大魔術の気配がするじゃない?ワタシも身の危険を感じてね。仕方ないけど起きなきゃと思ったわけよ。分かる?」
「はい・・・分かります・・・」
ニコニコ笑顔で怒ってますね、分かります・・・
「で、魔力の気配を探ってここに来てみたら、水の精霊・・・今はディーネっていうんだっけね。ディーネに会ったわけ。けったいなナリをしていたから最初は水の精霊だと分からなくてとりあえず攻撃しちゃったわよ」
「うむ。消滅するかと思ったのじゃ」
土の精霊、やべえ奴だな・・・
「でもすぐにこの鳥が水の精霊・・・ディーネだと分かってね。それからディーネに話を聞いたの。要するに、あなたがここにいるから、この地が大魔術で攻撃されることになったのでしょう?とりあえずヤバそうな大魔術は回避できたみたいだけど、まだ攻撃に晒されてたから、残りはワタシが防いでおいたけどね。はあ・・・。本当に良い迷惑なのよ。分かる?」
「はい・・・」
三回目の『分かる?』だ。
笑顔のプレッシャーも半端ない。
「分かっていただけたようで良かったわ。ではワタシの平穏のためにここで死んでくださいますね」
「はい?」
ぞわっと悪寒が走った。
土の精霊が右手でわたしの首を刈ろうとしたのと、わたしが水の防御で障壁を張ったのはほぼ同時だった。
ぎいん、という音を立てて、ほとんど勘で張ったわたしの障壁が、土の精霊が放った右手の手刀を受け止めていた。
「あっぶな・・・ちょっと、いきなり何するんですか!」
「防がれた?・・・ふーん。これは水の精霊の力ね。それに風の精霊の力も感じるわね。あなた達、こんな子に力を貸してるの?」
土の精霊がディーネにニコニコ笑顔を向けた。
ディーネは土の精霊のとった行動に怒りを滲ませていた。
「土の精霊よ。其方は妾の話をどう解釈したのじゃ?ユリはむしろ被害者だと説明したであろう。頭が悪いにも程があるのじゃ」
「この子がいるからこの地が攻撃されているのでしょう?間違っていて?」
「確かに間違いではないのじゃ」
「ならば殺してしまえばいいじゃないの。そうすればもうあんな訳の分からない攻撃なんてされないんでしょ?頭が悪いのはどっちよ」
土の精霊の話も筋が通っていないわけではないが、極端すぎて身も蓋もない。
さてどう説得しようかと思った時、空から影が落ちてきた。
上空から一機のラプターが飛んできたのだった。
そして操縦していた男がラプターの窓から身を乗り出し、大声で叫んだ。
よく知っている顔と声だった。
「ユリ!」
「アドル!?無事でよかった!」
アドルはひとまず近場にラプターを着陸させると、こちらに走ってきた。
わたしはアドルの両手を握り、無事を喜んだ。
「ユリも無事でよかった。ええと、こちらの方は?」
「わたしもさっき初めてお会いしたのだけど、こちらは土の精霊さんよ」
「本当に?とても綺麗な人だね。そうか、ユリは土の精霊も仲間にしたのか。それでコーラルを守ってくれたんだね。土の精霊様、ありがとうございます」
アドルは土の精霊に恭しく頭を下げてお礼を言った。
「いやいやアドル。仲間どころか、わたし、ついさっき殺されかけ・・・うひっ!?」
「ええ、ワタシは土の精霊。アドルさん、そうなのよ、この町を守るためにこのお嬢さん方に協力させていただいたわ・・・そうよね、ユリさん?」
頭を下げているアドルに状況説明をしようとしたその時、土の精霊がわたしとディーネに殺気に満ちた顔を向けてそう言い放った。
こくこくこくこく・・・
カタカタカタカタ・・・
わたしとディーネは反射神経で赤べこのように首を縦に振った。
「そうですか。土の精霊様、重ねてお礼を申し上げます。ありがとうございます」
再び恭しく頭を下げるアドルに、土の精霊が言った。
「いいのよ、あなたが喜んでくれるなら。それにもっとくだけて接してくれると嬉しいわ」
「は、はあ・・・」
そしてアドルと土の精霊は楽しそうに会話を始めた。
さっきまでの殺伐とした雰囲気は全く無く、むしろ甘い雰囲気さえ感じた。
え、何?
なんかモヤッとするし、ちょっとイラっとするんだけど。
(はあ・・・忘れてたわ。ユリ、とりあえず危機は回避されたと思うけど、別の危機が発生したわ)
「サラちゃん?それってどういう事?」
はぁ、とサラがわたしの中でため息をつくのが分かった。
(土の精霊はね、昔から人間の男に惚れっぽいの。どうやらアドルを気に入ったみたいよ)
「ええっ?」
(それにね、人の男を横取りするのが大好きなの。あなたの世界で言うところの『寝取り』ね)
「ええええええ!?」
わたしがサラと脳内会話を続ける間も、ニコニコしながらアドルと談笑していた土の精霊は、いきなりアドルの頭をその豊満な胸に押し込むようにして抱きしめた。
土の精霊はニヤッとこちらに悪い笑顔を向けた。
「ああっ!?アドルも何してんのよ!」
アドルは離れようとジタバタしているようだが、精霊様を無理やり引き離して良いものかどうかと遠慮しているようにも見えた。
わたしも引き離してやりたいのはヤマヤマだけど、ここで土の精霊の機嫌を損ねたら、まためんどくさくなる気もするし・・・
(とりあえずユリ。あなたがアドルを諦めるか、土の精霊が飽きるまで我慢なさい)
「そんなあ・・・」
ひとまず胸から脱出したアドルだが、顔はニヤけていた。
アドルもまんざらじゃない様子?
なんか腹立つ。
「サラちゃん。わたしは諦めないわよ。誰が渡すもんですか」
(あら、ハッキリ言ったわね。当てられちゃった?)
「うっさい!」
(まあ、頑張りなさい。アドルが死なないうちにね)
「はい?」
サラちゃん、今なんか怖いこと言わなかった?
(これまで土の精霊に魅入られた男達だけどね。みんな早死にしてるのよ。たまたまかもしれないけど、もしかしたら精気でも吸い取られてるのかもしれないわね)
「そんな!冗談じゃないわよ!」
アドルが土の精霊に魅入られないように、なんとかして土の精霊を阻止せねば・・・
アドルがやれやれといった態度でこちらにやってきた。
「ユリ、土の精霊様の歓迎にはびっくりしたけど、今の状況と協力のお願いをしたら、分かってもらえたよ」
「そうね。わたしはやっぱりアドルは大きいほうが好きだと言うことが分かったわ」
「えっと・・・ユリ、なんか怒ってないか?」
「知らない!アドルの馬・・・鹿・・・」
そしてわたしは緊張のほぐれと蓄積した過度の疲れで、ディーネにもたれかかるように崩れ落ち、意識を失った。
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