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078 そろばん製作調査その一
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エスカに頼まれた追加の魔石精製作業はそれほど多いものではなかったし、途中でディーネも合流してくれたため、結構早く終わらせることができた。
「んで、ユリちゃん、何かあたしに用事があるんだっけ?」
「んー、あるにはあるんだけど、今忙しそうだから、また後にするよ。大丈夫!」
・・・エスカを借りたいのはヤマヤマだけど、わたしが勝手に借りたり、エスカだけに相談して決めてはダメだね。
今のエスカは現場責任者だ。
わたしの一存で勝手に持ち場を離れさせては、現場の人達に迷惑をかけてしまう。
・・・よし。ここはやっぱりカークさんに相談してみよう。
わたしは計算能力向上計画のために、エスカと、できればアドルも借りる相談をしに、カークの執務室へと向かった。
カークは執務室で、エリザとアドルと一緒に、建国宣言日のスケジュールの確認をしていたようだ。
「カークさん、計算能力向上計画を実行するために必要な部材の製作について、ちょっと相談がしたいのですが、今、大丈夫ですか?」
「ああ、構わない。こちらも切りがいい」
わたしが執務室の椅子に座ると、カークはわたしに向き合って、話を聞く体勢を取ってくれた。
「えーと、計算能力向上計画の中で、いくつか作らないといけないものがあります。教育の方法についても相談がしたいのですが、まずは作る方からの相談です」
そう言って、わたしは作りたいものの概要を伝えた。
そろばんと、問題集、練習用のプリントだ。
「そろばんというのは、計算機だったな」
「はい。魔力を使わずに自力で計算するための計算機です。まずはこの量産ができるか、相談したいです」
わたしはそろばんの構造を簡単に説明した。
品質には最低限のこだわりを持っている事も伝えた。
「そこでお願いなのですが、試作と量産ができるかどうか、エスカさんとアドルに手伝ってもらいたいのです」
「ふむ、アドル殿は貸し出せるが、あとはエスカ嬢か・・・」
エスカは今、武器量産の陣頭指揮を執っている。
エスカが時間を取れる状態かどうかは、カークにも分からないそうだ。
「一度、エスカ嬢を呼んで直接聞いた方がいいな。もうすぐ昼だ。エスカ嬢を昼食に誘ってみるとしようか」
「では、わたしがお昼に話がしたいと、エスカさんに伝えてきますね」
「ユリ殿が伝えてくれるのか?すまないな。昼食は会議室に運んでおこう。昼の鐘が鳴ったら来てくれ」
「わかりました。ありがとうございます。あ、すみませんが、昼食はルルさんの分も一緒にお願いしますね」
「分かった。用意しておこう」
カークの執務室を後にして、再び中庭に戻った。
エスカはさっきと同じ場所にいた。
作業の進捗をチェックしているのだろうか、手に持っている紙の束になにやら書き込んでいる。
わたしはエスカに近づき、手を振って存在をアピールした。
エスカはわたしに気がつくと、軽く手を振り返して、書き物を終えてからわたしに声をかけてくれた。
わたしはエスカに要件を伝えた。
「エスカさん、さっきの用事の話なんだけど、もうすぐお昼でしょ?お昼ご飯を食べながら聞いてもらえないかな?カークさんも一緒なんだけ・・・」
「行く。今すぐにでも行く」
エスカが食い気味に快諾してくれた。
さすが恋する乙女である。
「お昼の鐘が鳴ってからでいいよ。昼食は会議室に運んでもらえるそうだから、後で会議室に来てね。ルルさんの分も用意してもらってるから」
「わたしの分も用意していただけるのですか!ユリさん、ありがとうございます!」
ルルの嬉しそうな笑顔に手を振り、わたしは中庭を後にした。
やる事もないので先に会議室に行くと、既にカークが会議室にいた。
せっかくなので、この辺に木材屋がないか聞いてみる。
「カークさん。そろばんの素材ですけど、基本的には木材を加工して作ります。この辺に木材を扱っている店ってありますか?」
「ああ。木材問屋ならあるぞ。ニューロックは南の方に森林が広がっているからな。木材も豊富だ」
お、するといろんな種類の木があるかな?
「木の種類って色々ありますか?そろばんの素材に使えるかどうか、触ってみたり、加工に適しているか確認したいのです」
「俺も木にはそこまで詳しくないがな。色々あると思うから聞いてみるといい」
「わかりました。ありがとうございます」
わたしとカークが話をしている間に、会議室には昼食が運び込まれ、やがて昼の鐘が鳴った。
すると、鐘の音と同時にエスカとルルが会議室に入ってきた。
・・・もしかして扉の前で待ってた?
少し遅れてアドルとエリザもやってきて、昼食会は始まった。
「でね、エスカさんに相談なんだけど、そろばんというものを作りたいの。そろばんが作れるか、さらに量産ができるかを相談したいのだけど、時間取れるかしら?アドルにも手伝ってもらおうと思っているから、無理ならアドルと二人でやるつもりよ」
「んー、あたしも知らない道具には興味があるけど、今は武器量産の作業があるからねえ」
やっぱり難しいかな。
無理ならアドルとふたりで頑張るけど。
そこに、カークの助け船が入った。
「エスカ嬢。ユリ殿が作ろうとしているものは、国の政策として重要なものになる可能性が高い。出来ればお時間をいただきたいと思う。ひとまず、今日明日ぐらいで構わないので、相談に乗ってもらえる時間を取れないだろうか?」
「承知しました。取ります」
エスカがカークに二つ返事で了解した。
いやいや、大好きなカークさんのお願いだからって考えなしはやめてよ?
「えーと、あの、エスカさん、一応ちゃんと考えてね。武器量産が滞ってしまっては困るから、無理して現場を離れてみんなに迷惑をかけるような事になるのは、わたしは嫌だからね」
「ユリちゃん、あたしだって考えなしじゃないよ。量産の手順はもう確立してるし、現場の指示と確認のやり方ははルルが把握してると思うから、ルルに任せても大丈夫だと思うんだよね」
ルルもコクコクと頷いている。
どうやらルルも大丈夫なようだ。
「ではエスカ嬢。すまないが午後はアドル殿と一緒に、ユリ殿の相談に乗ってやってくれ。協力、感謝する」
「カーク様のご期待に応えられるよう、全力で頑張ります」
・・・エスカが張り切ってくれるのは嬉しいけど、盲目すぎて怖い。
まあ、無事にエスカとアドルの協力を取り付けることができたので、午後からは早速、そろばん作りの相談だね。
◇
昼食後、エスカは一度中庭に行き、ルルに現場を引き継いでから戻ってきた。
わたし達は相談の場所として、昼食会に使った会議室をそのまま使わせてもらっている。
会議室には、わたし、ディーネ、エスカ、アドルがいる状態だ。
「で、ユリちゃん、どんなものを作るの?」
「魔道具ではないんだよな?」
わたしは皆に、そろばんがどういったものかを説明した。
材質、操作性などについても細かく説明すると、エスカが少し考えて、見解を出した。
「そろばん自体は加工の魔道具で作れない事はないけど、その、玉と芯竹だっけ?そこの動きの調整が結構大変だね。加工の魔道具にも少し手を入れないとダメだろうね。いっそ専用にした方がいい。それと設計図を何度も書いて、一番いい動きになるものを作らないとね」
試行錯誤が大変そうだ、とエスカが言った。
芯竹は、そろばんの玉の中心を貫く軸だ。
玉の穴と芯竹の太さは、キツすぎず、緩すぎない、絶妙な加減が必要だ。
当然ながら、芯竹は完全に真っ直ぐでなければならないし、玉は形が揃って、玉の真芯を貫いて真っ直ぐに穴があいていなければならない。
設計図にはそのあたりも細かく指定する必要があり、さらに加工の魔道具にもその細かさに対応できるように改造する必要があるそうだ。
「加工の魔道具はオレとエスカでなんとかできるんじゃないかな。しかし木の素材については、そろばんの材料として使えるかどうか、実際に作って試してみないと分からないな。使い心地は、ユリに使ってもらって確認するしかない」
わたしはコクリと頷いた。
もちろん、納得がいくまで何度でも試しますとも。
やっぱり二人に手伝ってもらって正解だったね。
「あとユリちゃん。芯竹ってやつ。これも木でいいかな?竹ってのがよく分からないんだよね」
「この際、木でもいいよ。使い勝手が悪くなければ大丈夫よ」
この世界に竹はないのかな?
そういえば、イスカータ領のライラ島の酒場にあった串は鉄製だったっけ。
「木は硬めで、重くて、出来れば湿気に強いものか。ユートの木か、カバンの木あたりかな」
カバンの木?
もしかして樺に近いかな?
だったら使えるかも。
ちなみにどちらも建築や調度品によく使う木だそうだ。
「とりあえず、木に関してもユリに実際に見てもらわないとわからないな。材木問屋に行ってみようか?」
「行く!」
アドルの提案に即乗りして、材木問屋に行く事になった。
一応、木材問屋に出かける事をカークに伝えに行くと、カークが意外なことを言った。
「わかった。俺とノーラも行く。馬車を出すから少し待て」
太守も同行?
てか、ノーラも?
なぜ?
「んで、ユリちゃん、何かあたしに用事があるんだっけ?」
「んー、あるにはあるんだけど、今忙しそうだから、また後にするよ。大丈夫!」
・・・エスカを借りたいのはヤマヤマだけど、わたしが勝手に借りたり、エスカだけに相談して決めてはダメだね。
今のエスカは現場責任者だ。
わたしの一存で勝手に持ち場を離れさせては、現場の人達に迷惑をかけてしまう。
・・・よし。ここはやっぱりカークさんに相談してみよう。
わたしは計算能力向上計画のために、エスカと、できればアドルも借りる相談をしに、カークの執務室へと向かった。
カークは執務室で、エリザとアドルと一緒に、建国宣言日のスケジュールの確認をしていたようだ。
「カークさん、計算能力向上計画を実行するために必要な部材の製作について、ちょっと相談がしたいのですが、今、大丈夫ですか?」
「ああ、構わない。こちらも切りがいい」
わたしが執務室の椅子に座ると、カークはわたしに向き合って、話を聞く体勢を取ってくれた。
「えーと、計算能力向上計画の中で、いくつか作らないといけないものがあります。教育の方法についても相談がしたいのですが、まずは作る方からの相談です」
そう言って、わたしは作りたいものの概要を伝えた。
そろばんと、問題集、練習用のプリントだ。
「そろばんというのは、計算機だったな」
「はい。魔力を使わずに自力で計算するための計算機です。まずはこの量産ができるか、相談したいです」
わたしはそろばんの構造を簡単に説明した。
品質には最低限のこだわりを持っている事も伝えた。
「そこでお願いなのですが、試作と量産ができるかどうか、エスカさんとアドルに手伝ってもらいたいのです」
「ふむ、アドル殿は貸し出せるが、あとはエスカ嬢か・・・」
エスカは今、武器量産の陣頭指揮を執っている。
エスカが時間を取れる状態かどうかは、カークにも分からないそうだ。
「一度、エスカ嬢を呼んで直接聞いた方がいいな。もうすぐ昼だ。エスカ嬢を昼食に誘ってみるとしようか」
「では、わたしがお昼に話がしたいと、エスカさんに伝えてきますね」
「ユリ殿が伝えてくれるのか?すまないな。昼食は会議室に運んでおこう。昼の鐘が鳴ったら来てくれ」
「わかりました。ありがとうございます。あ、すみませんが、昼食はルルさんの分も一緒にお願いしますね」
「分かった。用意しておこう」
カークの執務室を後にして、再び中庭に戻った。
エスカはさっきと同じ場所にいた。
作業の進捗をチェックしているのだろうか、手に持っている紙の束になにやら書き込んでいる。
わたしはエスカに近づき、手を振って存在をアピールした。
エスカはわたしに気がつくと、軽く手を振り返して、書き物を終えてからわたしに声をかけてくれた。
わたしはエスカに要件を伝えた。
「エスカさん、さっきの用事の話なんだけど、もうすぐお昼でしょ?お昼ご飯を食べながら聞いてもらえないかな?カークさんも一緒なんだけ・・・」
「行く。今すぐにでも行く」
エスカが食い気味に快諾してくれた。
さすが恋する乙女である。
「お昼の鐘が鳴ってからでいいよ。昼食は会議室に運んでもらえるそうだから、後で会議室に来てね。ルルさんの分も用意してもらってるから」
「わたしの分も用意していただけるのですか!ユリさん、ありがとうございます!」
ルルの嬉しそうな笑顔に手を振り、わたしは中庭を後にした。
やる事もないので先に会議室に行くと、既にカークが会議室にいた。
せっかくなので、この辺に木材屋がないか聞いてみる。
「カークさん。そろばんの素材ですけど、基本的には木材を加工して作ります。この辺に木材を扱っている店ってありますか?」
「ああ。木材問屋ならあるぞ。ニューロックは南の方に森林が広がっているからな。木材も豊富だ」
お、するといろんな種類の木があるかな?
「木の種類って色々ありますか?そろばんの素材に使えるかどうか、触ってみたり、加工に適しているか確認したいのです」
「俺も木にはそこまで詳しくないがな。色々あると思うから聞いてみるといい」
「わかりました。ありがとうございます」
わたしとカークが話をしている間に、会議室には昼食が運び込まれ、やがて昼の鐘が鳴った。
すると、鐘の音と同時にエスカとルルが会議室に入ってきた。
・・・もしかして扉の前で待ってた?
少し遅れてアドルとエリザもやってきて、昼食会は始まった。
「でね、エスカさんに相談なんだけど、そろばんというものを作りたいの。そろばんが作れるか、さらに量産ができるかを相談したいのだけど、時間取れるかしら?アドルにも手伝ってもらおうと思っているから、無理ならアドルと二人でやるつもりよ」
「んー、あたしも知らない道具には興味があるけど、今は武器量産の作業があるからねえ」
やっぱり難しいかな。
無理ならアドルとふたりで頑張るけど。
そこに、カークの助け船が入った。
「エスカ嬢。ユリ殿が作ろうとしているものは、国の政策として重要なものになる可能性が高い。出来ればお時間をいただきたいと思う。ひとまず、今日明日ぐらいで構わないので、相談に乗ってもらえる時間を取れないだろうか?」
「承知しました。取ります」
エスカがカークに二つ返事で了解した。
いやいや、大好きなカークさんのお願いだからって考えなしはやめてよ?
「えーと、あの、エスカさん、一応ちゃんと考えてね。武器量産が滞ってしまっては困るから、無理して現場を離れてみんなに迷惑をかけるような事になるのは、わたしは嫌だからね」
「ユリちゃん、あたしだって考えなしじゃないよ。量産の手順はもう確立してるし、現場の指示と確認のやり方ははルルが把握してると思うから、ルルに任せても大丈夫だと思うんだよね」
ルルもコクコクと頷いている。
どうやらルルも大丈夫なようだ。
「ではエスカ嬢。すまないが午後はアドル殿と一緒に、ユリ殿の相談に乗ってやってくれ。協力、感謝する」
「カーク様のご期待に応えられるよう、全力で頑張ります」
・・・エスカが張り切ってくれるのは嬉しいけど、盲目すぎて怖い。
まあ、無事にエスカとアドルの協力を取り付けることができたので、午後からは早速、そろばん作りの相談だね。
◇
昼食後、エスカは一度中庭に行き、ルルに現場を引き継いでから戻ってきた。
わたし達は相談の場所として、昼食会に使った会議室をそのまま使わせてもらっている。
会議室には、わたし、ディーネ、エスカ、アドルがいる状態だ。
「で、ユリちゃん、どんなものを作るの?」
「魔道具ではないんだよな?」
わたしは皆に、そろばんがどういったものかを説明した。
材質、操作性などについても細かく説明すると、エスカが少し考えて、見解を出した。
「そろばん自体は加工の魔道具で作れない事はないけど、その、玉と芯竹だっけ?そこの動きの調整が結構大変だね。加工の魔道具にも少し手を入れないとダメだろうね。いっそ専用にした方がいい。それと設計図を何度も書いて、一番いい動きになるものを作らないとね」
試行錯誤が大変そうだ、とエスカが言った。
芯竹は、そろばんの玉の中心を貫く軸だ。
玉の穴と芯竹の太さは、キツすぎず、緩すぎない、絶妙な加減が必要だ。
当然ながら、芯竹は完全に真っ直ぐでなければならないし、玉は形が揃って、玉の真芯を貫いて真っ直ぐに穴があいていなければならない。
設計図にはそのあたりも細かく指定する必要があり、さらに加工の魔道具にもその細かさに対応できるように改造する必要があるそうだ。
「加工の魔道具はオレとエスカでなんとかできるんじゃないかな。しかし木の素材については、そろばんの材料として使えるかどうか、実際に作って試してみないと分からないな。使い心地は、ユリに使ってもらって確認するしかない」
わたしはコクリと頷いた。
もちろん、納得がいくまで何度でも試しますとも。
やっぱり二人に手伝ってもらって正解だったね。
「あとユリちゃん。芯竹ってやつ。これも木でいいかな?竹ってのがよく分からないんだよね」
「この際、木でもいいよ。使い勝手が悪くなければ大丈夫よ」
この世界に竹はないのかな?
そういえば、イスカータ領のライラ島の酒場にあった串は鉄製だったっけ。
「木は硬めで、重くて、出来れば湿気に強いものか。ユートの木か、カバンの木あたりかな」
カバンの木?
もしかして樺に近いかな?
だったら使えるかも。
ちなみにどちらも建築や調度品によく使う木だそうだ。
「とりあえず、木に関してもユリに実際に見てもらわないとわからないな。材木問屋に行ってみようか?」
「行く!」
アドルの提案に即乗りして、材木問屋に行く事になった。
一応、木材問屋に出かける事をカークに伝えに行くと、カークが意外なことを言った。
「わかった。俺とノーラも行く。馬車を出すから少し待て」
太守も同行?
てか、ノーラも?
なぜ?
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