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074 新しい施策
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夕の鐘が鳴るよりもやや早めの時間にコーラルの港に着いたわたし達は、港町でかなり遅めの昼食を軽く取ってから、カークの館へ向かうことにした。
三日ぶりのコーラルだが、さすがに三日程度では特に街の様子にも変化はなかった。
・・・誰かが先走って国旗を掲揚したりしてなくて良かったよ。
アキムは物珍しそうにコーラルの街を眺めていた。
あまり来た事が無いのだろうか。
食事を終え、カークの館に向かうために馬車乗り場へ向かった。
コーラルへの到着時間は特に決めていなかったので、お迎えは無い。
そのため、わたし達はタクシーのような感じで指定した行き先まで運んでくれる馬車を使うことにした。
馬車はすぐに調達できた。
「・・・その鳥は何ですか?」
怪訝そうに馬車の御者に聞かれた。
「この鳥は最近大陸で見つかった鳥の一種ですが、もうすぐ有名になるかもしれませんので、よく見ておくといいですよ」
わたしはそう説明したが、御者はすぐに興味なさそうに馬車の運賃の説明をして、わたし達に乗り込むように指示した。
「この御者さん、数日後にはこの鳥やオレ達の事を思い出してびっくりするかもしれないな」
「知人に自慢するかもしれませんね」
アドルとノーラが馬車でそんなお気楽な会話をしている間に馬車は動き出し、カークの館へと向かって走り始めた。
カークの館に着く頃には、もうすぐ夕の鐘が鳴りそうな時間になっていた。
カークの館の門番に到着を告げ、門番に案内されて邸内に入る。
すると、目の前には、異様な光景が展開されていた。
「中庭が、作業場になってるね・・・」
「エスカさんの仕業だろうね・・・」
中庭は、魔道具の武器の生産工場と化していた。
たくさんの人が設計図を見ながら組み上げ作業を行っている。
そして、エスカが中庭の中央で指揮をとっていた。
「エスカさーん!」
「あ、ユリちゃん、お帰り!さっそくだけど魔石の精製してくれない?足りなくなりそうなんだよ」
・・・挨拶だけのつもりが、いきなり仕事を振られたでござる。
「後でいい?出来るだけ早めに戻るから。もしも遅くなったら、わたしの部屋に魔石を持ってきてくれれば夜のうちにやっておくよ。今からカークさんに、ロップヤードでの報告と、お客様を連れてきた事を伝えないといけないの」
「分かった!待ってるね!早くね!」
そう言うとエスカは、再び作業に戻っていった。
・・・恋する乙女のパワーだね。
凄い勢いで魔道具の武器を量産しているようだ。
エスカの頑張りがカークの目に留まると良いなと思いながら、わたし達はカークの執務室に向かった。
◇
カークの執務室に行き、カークにアキムの協力が得られた事を報告し、アキムとサラを紹介する。
なお、カークがロップヤードに行き、アキム宅を訪問をした時はアキムに名前を教えてもらえなかったそうだ。
カークはアキムに一礼すると、協力してくれることについてお礼を言った。
「アキム様。ご協力いただける事、大変嬉しく思います。ありがとうございます」
「ユリがこの星にいることには儂にも責任の一端があるのでな。詳しい事は言えぬが、とりあえず儂もニューロックの独立とバルゴとの戦いには協力させてもらおう」
カークはアキムと握手し、さっそく明日から建国の準備や会議に参加してもらう約束を取り付けた。
サラにも一応、顔を出してもらい、カークに紹介した。
「風の精霊様にも協力いただけるとは、大変心強いです。感謝いたします」
「ま、成り行きだけどね。よろしくね」
サラにはちょっとツンデレな属性を感じていたわたしは、『べっ別にあんたのために協力するんじゃ無いんだからね!』みたいな回答を少しだけ期待していたが、残念ながらそうはならなかった。
一通りの紹介が終わったので、わたしはエスカの手伝いに行こうとしたのだが、カークに引き止められてしまった。
とりあえずアキムは用事が済んだし、アキムを客室に案内してもらう必要もあったので、特に用事がないミライと、アキムの荷物を運んでいるディーネには、アキムと一緒に退出してもらった。
「それで、わたしに用事とは何でしょうか?」
「実はユリ殿に、国の施策に関する意見をもらいたいと思っている」
「施策ですか?」
カークの説明によると、建国宣言の際に、バルゴと敵対する話以外に、ニューロックを発展させるための施策も打ち出したいそうだ。
そう言われても、わたしはまだこの国の産業について詳しくないし、ニューロックの特産品的な物も、魔石以外には思いつかない。
「例えば『農作物の収穫量を上げます』と言っても、具体的な施策を提案できなければ、領民は不満を感じますよね。もう少しこの領地に詳しくならないといい案は思いつかないと思いますが」
「できれば、他の領地にも無いような斬新なものが欲しいと思っている」
・・・さらにハードルが上がってしまった。
「明日中には、この国の農作物や産業に関する資料を渡すから、それを見て何か思いついたら教えてほしい。ユリ殿の世界の知識と照らし合わせて、異世界の勇者ならではの意見が出てくる事を期待している」
「はあ、とりあえず明日考えてみます」
悩ましい宿題をもらってしまった。
「要件は以上だ。アキム様を連れてきてくれて本当にありがとう。感謝する」
カークにお礼を言われ、わたしはカークの執務室を後にした。
アドルとエルザは引き続きカークの執務室に残り、わたし達が不在中に進んだ建国に関する作業状況の共有をするそうだ。
カークの執務室を出たわたしは、中庭に向かい、エスカに頼まれた用事を済ませる事にした。
中庭に着くと、エスカと魔道具を開発している作業者達が何やら集まって図面らしきものを見て頭を抱えていた。
精製済みの魔石不足が深刻なのだろうか。
「エスカさん、魔石の精製のお手伝いをしにきたわよ」
「あっ、ユリちゃん!計算機持ってない?」
「計算機?持ってないよ」
「うあー」
エスカが唸る。
なんでも、新しい武器の筐体設計をした設計図にミスがあって、寸法の記載を間違えていたそうだ。
急いで直したいのだが、誰も計算機を持っていなくて計算ができないという。
「屋敷の人に借りてくればいいんじゃない?」
「そう思って、さっき、使用人さんにお願いして取りにいってもらってる」
なんだ、だったらいいじゃない。
せっかちさんだな。
そんなに深刻な話ではなくてよかった。
「参考までに何を計算したいのか見せてくれる?」
「えっとね、こことここを合計して・・・」
エスカに教えてもらい、計算箇所を聞いた。
・・・そんなに難しい計算じゃなかった。
「ここが、1285000、こっちが111500、ここは11420.2857・・・有効数字は何桁まで?」
「・・・ユリちゃん?今何したの?」
「え、暗算だけど?」
周囲がどよめいた。
「六桁以上、それに小数点計算だと?」
「今、割り算もしていたよな?」
「そんな計算、頭の中だけで出来るのか?」
「本当は計算機を隠し持ってるんじゃ・・・」
なんだと失敬な。
「すみません遅くなりました。計算機をお持ちしました」
ようやく使用人さんが計算機を持ってきてくれた。
わたしが計算した所をエスカが計算機で検算するが、もちろん数字は合っていた。
「ユリちゃんすごい!一体何者なの!?」
「えーと、もうすぐ異世界の勇者になる予定です?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「わたしは計算が得意なので・・・。あ、参考までに聞きたいのですけど、みなさんは計算機無しで何桁ぐらいの計算ができるのですか?」
エスカと作業者達はお互いの顔を見合わせたり、『なんでそんな事を聞くんだ?』という顔をしている。
「二桁までだな」
「よく使う数字の組み合わせなら暗記してる」
「百万足す百万が二百万なのは分かるぜ」
「俺は三桁の足し算なら合ってる事がある。勘がいいんでな」
「計算機があるから気にした事ないよなあ?」
・・・やはり、この世界は計算機に依存しすぎて、みんな計算能力が低いんだ。
ナーズの計算大会でもそんな感じはしていた。
・・・これかな?
わたしがこの世界にもたらす事ができる施策。
計算能力向上計画、やってみようかな。
三日ぶりのコーラルだが、さすがに三日程度では特に街の様子にも変化はなかった。
・・・誰かが先走って国旗を掲揚したりしてなくて良かったよ。
アキムは物珍しそうにコーラルの街を眺めていた。
あまり来た事が無いのだろうか。
食事を終え、カークの館に向かうために馬車乗り場へ向かった。
コーラルへの到着時間は特に決めていなかったので、お迎えは無い。
そのため、わたし達はタクシーのような感じで指定した行き先まで運んでくれる馬車を使うことにした。
馬車はすぐに調達できた。
「・・・その鳥は何ですか?」
怪訝そうに馬車の御者に聞かれた。
「この鳥は最近大陸で見つかった鳥の一種ですが、もうすぐ有名になるかもしれませんので、よく見ておくといいですよ」
わたしはそう説明したが、御者はすぐに興味なさそうに馬車の運賃の説明をして、わたし達に乗り込むように指示した。
「この御者さん、数日後にはこの鳥やオレ達の事を思い出してびっくりするかもしれないな」
「知人に自慢するかもしれませんね」
アドルとノーラが馬車でそんなお気楽な会話をしている間に馬車は動き出し、カークの館へと向かって走り始めた。
カークの館に着く頃には、もうすぐ夕の鐘が鳴りそうな時間になっていた。
カークの館の門番に到着を告げ、門番に案内されて邸内に入る。
すると、目の前には、異様な光景が展開されていた。
「中庭が、作業場になってるね・・・」
「エスカさんの仕業だろうね・・・」
中庭は、魔道具の武器の生産工場と化していた。
たくさんの人が設計図を見ながら組み上げ作業を行っている。
そして、エスカが中庭の中央で指揮をとっていた。
「エスカさーん!」
「あ、ユリちゃん、お帰り!さっそくだけど魔石の精製してくれない?足りなくなりそうなんだよ」
・・・挨拶だけのつもりが、いきなり仕事を振られたでござる。
「後でいい?出来るだけ早めに戻るから。もしも遅くなったら、わたしの部屋に魔石を持ってきてくれれば夜のうちにやっておくよ。今からカークさんに、ロップヤードでの報告と、お客様を連れてきた事を伝えないといけないの」
「分かった!待ってるね!早くね!」
そう言うとエスカは、再び作業に戻っていった。
・・・恋する乙女のパワーだね。
凄い勢いで魔道具の武器を量産しているようだ。
エスカの頑張りがカークの目に留まると良いなと思いながら、わたし達はカークの執務室に向かった。
◇
カークの執務室に行き、カークにアキムの協力が得られた事を報告し、アキムとサラを紹介する。
なお、カークがロップヤードに行き、アキム宅を訪問をした時はアキムに名前を教えてもらえなかったそうだ。
カークはアキムに一礼すると、協力してくれることについてお礼を言った。
「アキム様。ご協力いただける事、大変嬉しく思います。ありがとうございます」
「ユリがこの星にいることには儂にも責任の一端があるのでな。詳しい事は言えぬが、とりあえず儂もニューロックの独立とバルゴとの戦いには協力させてもらおう」
カークはアキムと握手し、さっそく明日から建国の準備や会議に参加してもらう約束を取り付けた。
サラにも一応、顔を出してもらい、カークに紹介した。
「風の精霊様にも協力いただけるとは、大変心強いです。感謝いたします」
「ま、成り行きだけどね。よろしくね」
サラにはちょっとツンデレな属性を感じていたわたしは、『べっ別にあんたのために協力するんじゃ無いんだからね!』みたいな回答を少しだけ期待していたが、残念ながらそうはならなかった。
一通りの紹介が終わったので、わたしはエスカの手伝いに行こうとしたのだが、カークに引き止められてしまった。
とりあえずアキムは用事が済んだし、アキムを客室に案内してもらう必要もあったので、特に用事がないミライと、アキムの荷物を運んでいるディーネには、アキムと一緒に退出してもらった。
「それで、わたしに用事とは何でしょうか?」
「実はユリ殿に、国の施策に関する意見をもらいたいと思っている」
「施策ですか?」
カークの説明によると、建国宣言の際に、バルゴと敵対する話以外に、ニューロックを発展させるための施策も打ち出したいそうだ。
そう言われても、わたしはまだこの国の産業について詳しくないし、ニューロックの特産品的な物も、魔石以外には思いつかない。
「例えば『農作物の収穫量を上げます』と言っても、具体的な施策を提案できなければ、領民は不満を感じますよね。もう少しこの領地に詳しくならないといい案は思いつかないと思いますが」
「できれば、他の領地にも無いような斬新なものが欲しいと思っている」
・・・さらにハードルが上がってしまった。
「明日中には、この国の農作物や産業に関する資料を渡すから、それを見て何か思いついたら教えてほしい。ユリ殿の世界の知識と照らし合わせて、異世界の勇者ならではの意見が出てくる事を期待している」
「はあ、とりあえず明日考えてみます」
悩ましい宿題をもらってしまった。
「要件は以上だ。アキム様を連れてきてくれて本当にありがとう。感謝する」
カークにお礼を言われ、わたしはカークの執務室を後にした。
アドルとエルザは引き続きカークの執務室に残り、わたし達が不在中に進んだ建国に関する作業状況の共有をするそうだ。
カークの執務室を出たわたしは、中庭に向かい、エスカに頼まれた用事を済ませる事にした。
中庭に着くと、エスカと魔道具を開発している作業者達が何やら集まって図面らしきものを見て頭を抱えていた。
精製済みの魔石不足が深刻なのだろうか。
「エスカさん、魔石の精製のお手伝いをしにきたわよ」
「あっ、ユリちゃん!計算機持ってない?」
「計算機?持ってないよ」
「うあー」
エスカが唸る。
なんでも、新しい武器の筐体設計をした設計図にミスがあって、寸法の記載を間違えていたそうだ。
急いで直したいのだが、誰も計算機を持っていなくて計算ができないという。
「屋敷の人に借りてくればいいんじゃない?」
「そう思って、さっき、使用人さんにお願いして取りにいってもらってる」
なんだ、だったらいいじゃない。
せっかちさんだな。
そんなに深刻な話ではなくてよかった。
「参考までに何を計算したいのか見せてくれる?」
「えっとね、こことここを合計して・・・」
エスカに教えてもらい、計算箇所を聞いた。
・・・そんなに難しい計算じゃなかった。
「ここが、1285000、こっちが111500、ここは11420.2857・・・有効数字は何桁まで?」
「・・・ユリちゃん?今何したの?」
「え、暗算だけど?」
周囲がどよめいた。
「六桁以上、それに小数点計算だと?」
「今、割り算もしていたよな?」
「そんな計算、頭の中だけで出来るのか?」
「本当は計算機を隠し持ってるんじゃ・・・」
なんだと失敬な。
「すみません遅くなりました。計算機をお持ちしました」
ようやく使用人さんが計算機を持ってきてくれた。
わたしが計算した所をエスカが計算機で検算するが、もちろん数字は合っていた。
「ユリちゃんすごい!一体何者なの!?」
「えーと、もうすぐ異世界の勇者になる予定です?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「わたしは計算が得意なので・・・。あ、参考までに聞きたいのですけど、みなさんは計算機無しで何桁ぐらいの計算ができるのですか?」
エスカと作業者達はお互いの顔を見合わせたり、『なんでそんな事を聞くんだ?』という顔をしている。
「二桁までだな」
「よく使う数字の組み合わせなら暗記してる」
「百万足す百万が二百万なのは分かるぜ」
「俺は三桁の足し算なら合ってる事がある。勘がいいんでな」
「計算機があるから気にした事ないよなあ?」
・・・やはり、この世界は計算機に依存しすぎて、みんな計算能力が低いんだ。
ナーズの計算大会でもそんな感じはしていた。
・・・これかな?
わたしがこの世界にもたらす事ができる施策。
計算能力向上計画、やってみようかな。
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