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069 アキムの提案
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「由里は大きくなったら、何になりたいんだ?」
「わたしは、お父さんの後を継いで、そろばん塾をやるの!」
「よく言った!聞いたか母さんよ。由里が後を継いでくれるってよ!」
「あんまり期待しない方がいいわよ。由里はなんでも手を出すけど飽きっぽいんだから」
「わたしは日本で一番そろばんが上手い人になって、それからお父さんのお仕事をお手伝いして、すごいそろばん塾を開くの!」
・・・でも、日本一にはなれなかったんだよねー。
そろばんの練習は続けたけど、高校に入ってからは学校が面白くて、部活も面白くて、そろばんの練習も疎遠になったし、結局違う仕事に就いた。
あーあ。続けていたら、もっと違うミライがあったのかなあ?
あれ、ミライ?
ミライってなんだっけ?
ミライちゃん?
「ユリお姉ちゃん?ユリお姉ちゃん?」
あ、ミライちゃんだ。
「ユリお姉ちゃん起きた・・・アドル!ノーラお姉ちゃん!ディーネちゃん!ユリお姉ちゃんが起きたよー!」
ミライちゃんが叫んでる。
みんなを呼んでるのかな。
あ、ミライちゃん泣いた。
ぐえっ!重いよミライちゃん・・・
ここは、どこ?
木の家?
わかった。アキム様の家だ。
ああそっか。わたし、負けたんだっけ・・・
◇
わたしはアキムの家のベッドで寝かされていた。
小綺麗で、人が使った形跡が感じられないシーツと掛け布。
装飾品のない、簡素で小さな部屋。
おそらくアキムの寝室ではなく、客人用の部屋のようだ。
バタバタと足音が聞こえて、アドル達が部屋に入ってきた。
「ユリ、気がついてよかったよ」
「師匠、心配しました。ううう」
「ユリお姉ちゃあん・・・ひっく」
アドルが安堵の表情でわたしを見ている。
ノーラは半ベソだ。
ミライはひっくひっく言ってる。
ディーネちゃんは・・・そうだ!
「ディーネちゃん、怪我はない?一緒に竜巻に巻き込まれたでしょう?羽根もげてない?」
ハシビロコウの美しい羽根に傷でもついたら大変だ。
わたしは慌てて目だけでディーネの体を見た。
「ユリよ。妾の依代の体は外傷などすぐに治せる。自分の心配より妾の心配が先とは、ユリらしいのじゃ」
あ、そうだ。
竜巻以前にわたし、首から血がピューってなってたんだ。
恐る恐る首を触った。
手の甲で傷を負った付近を撫でてみるが、傷らしいものは無かった。
「ユリの傷は妾が治癒した。失われた血は回復できないので無理に動かぬ方が良い」
「そっか、いつもありがとうね、ディーネちゃん!」
「礼はいらぬよ。妾のせいでユリは負けたのだからの」
ディーネのせい?
なんで?
「妾はユリと風の精霊の戦いに割り込んだ。ユリが飛ばされぬとも、反則負けじゃ」
「そんなこと関係ないよ!ディーネちゃんがわたしを助けてくれなかったら、わたしは多分そのまま死んじゃうか、何もできずに飛ばされて、結局負けてたでしょう?」
「いや、ユリが何か起死回生の一手を考えていたら、妾はそれを邪魔した事になる」
「ないない。そんなもんなかった。『ギブアップ』だったよ」
わたしは最初に風の精霊の竜巻を受けた時に、『吹き飛ばす系の攻撃をしのげれば勝ち』だと、勝手に思っていた。
別の手段で攻撃をされるなんて、思ってもみなかった。
わたしの浅慮のせいだ。
「だからディーネちゃんは命の恩人であって、勝負の結果を気にやむ必要はありません。わかりましたか?これは命令です」
「・・・うむ。心得た」
ディーネの表情が和らいだように感じた。
まあ、勝負には負けたけど、ディーネもわたしも無事ならばそれでいい。
「ごめんね、アドル。わたし負けちゃった。アキム様に協力してもらえなくなっちゃった」
「いいんだ。ユリが無事だったんだ。それ以上の事はないよ」
「まったくですよ師匠。あの後のアドル殿は見ていられませんでしたよ」
「ノーラさん!?ちょっと、やめっ!ぐえっ!」
アドルが慌ててノーラの口を塞ぎに行くが、華麗にノーラに組み伏せられてしまった。
さすがニューロックで一、二の実力を持つ格闘家だ。
アドルは、吹き飛ばされたわたしに駆け寄り、ディーネが治癒をかけている横で大粒の涙を流しながら、わたしに情熱的な求愛の台詞をかけ続けたそうだ。
一命を取り留めた事を確認すると、今度は風の精霊とアキムに食ってかかったという。
なぜ致死性の攻撃をしたのか、そこまでやる必要はあったのか、オレの大事な女になんて事をするんだ、今度はオレが相手だこの野郎、と、それはそれはものすごい猛抗議で、アキムも風の精霊も引き気味だったという。
「・・・いや、ユリ。ノーラさんの説明はだいぶ脚色されているから。全てを信じてはいけない」
「あ、そうなのね・・・」
ノーラの拘束から逃れたアドルは、ノーラの説明について一部異議を唱えた。
わたしはノーラの話を聞いて、ちょっとドキドキしてしまった。
・・・でもまあさすがに脚色されてるわよね。
どのへんが脚色された所なのかはわからないけど。
あれ、わたし今ちょっと残念だと思った?
いやいやそんな事ない。
まったくノーラは話を盛りすぎなのよ。
「起きたか、ユリ」
アキムが部屋に入ってきた。
アドルがアキムを睨みつける。
「何の用だ」
「ここは儂の家だ。儂の自由だろう?」
アドルは丁寧な言葉遣いをせず、アキムを敵認定しているかのような態度だ。
どうせ協力も得られないし、別に構わないかな。
アキムがわたしに体の容態について聞いた。
「ユリ。体調はどうだ」
「えーと、血が足りないのであまり動くなと言われました。特に気分が悪いような事は今のところはないです」
「そうか。明日までここで休んでいるといい。栄養のつく食事と薬も出そう。おまえ達は先に町の宿に帰るがいい」
「ユリを一人で置いていけるか!」
アドルが血相を変えて抗議するが、アキムは静かに受け流した。
「悪いようにはせぬ。それに気が変わった。儂はおまえ達に協力する事にした」
「ええっ?」
「良いのですか?」
アドル達が驚きの声を上げた。
わたしも驚いたが、意外すぎて声にならなかった。
「それとな、ユリには大事な話がある。お前達には聞かせられない話だ。それにこの小屋は狭い。全員が泊まれる部屋は無い。だから帰れと言っている。明日の午後にはユリと儂で町に向かうから、そこで待っていろ」
「・・・信用していいのか?」
「儂は嘘はつかない。言えない事は言わないだけだ」
そう言われても『はいそうですか』とはならないよね。
アドルはまだ悩んでいる。
ノーラは・・・あ、考えてなさそう。
その時、ミライがしっかりした口調で、アキムの提案を受け入れる意思表明をした。
「ミライはアキムおじいちゃんを信用しようと思います」
「ミライちゃん!?」
アドルが再び驚きの声を上げた。
「アキムおじいちゃんは、ユリお姉ちゃんに大事な話があると言いました。それに今ユリお姉ちゃんは動けません。アキムおじいちゃんに任せたほうがいいと思います」
淡々と語るミライ。
スパッと割り切れるあたり、ミライはすごいね。
子供だし、難しいことはあんまり考えてないのかもしれないけどね・・・
わたしはベッドから上半身を起こし、ミライの全身が見れる体勢になった。
そして、気がついた。
・・・違う。
ミライはすごく我慢して言ってるんだ・・・
ミライは、手を固く握り、そして軽く震えてい
た。
拳を強く握りすぎて、筋肉が痙攣しているような状態だ。
ぐっと歯も食いしばっていた。
・・・わたしを残していく事が心配で無いはずがないんだ。
ミライもきっとわたしと一緒に居たいはずなんだ。
だけど、アキムはわたしにしか話せない事があると言った。
ミライだけなら残っても良さそうな気もするけど、ここでミライがアキムを信用して町に戻ると言えば、アドル達もそれに従うと考えたのなら・・・
それにわたしはどのみちまだ動けない。
だから、たとえ嫌でも『信用するしかない』と決めたのだとしたら・・・
こんな小さい子が、歯を食いしばって自分に言い聞かせている。
わたしの考えすぎかもしれないけど、やはりミライはすごい子なのかもしれない。
だったら、わたしも覚悟を決めよう。
「アドル、わたしは大丈夫。必ず明日、アキム様と一緒に行くから、みんなで町に戻ってて」
「本当に大丈夫か?」
「うん。大丈夫。ミライちゃんもありがとう。わたしはミライちゃんの気持ち、ちゃんと分かっているよ」
そう言って、わたしはミライの頭をやさしく撫でた。
ミライが驚いたような顔でわたしの顔を見ると、ちょっとだけ涙を浮かべて笑顔で頷いた。
「わたしは、お父さんの後を継いで、そろばん塾をやるの!」
「よく言った!聞いたか母さんよ。由里が後を継いでくれるってよ!」
「あんまり期待しない方がいいわよ。由里はなんでも手を出すけど飽きっぽいんだから」
「わたしは日本で一番そろばんが上手い人になって、それからお父さんのお仕事をお手伝いして、すごいそろばん塾を開くの!」
・・・でも、日本一にはなれなかったんだよねー。
そろばんの練習は続けたけど、高校に入ってからは学校が面白くて、部活も面白くて、そろばんの練習も疎遠になったし、結局違う仕事に就いた。
あーあ。続けていたら、もっと違うミライがあったのかなあ?
あれ、ミライ?
ミライってなんだっけ?
ミライちゃん?
「ユリお姉ちゃん?ユリお姉ちゃん?」
あ、ミライちゃんだ。
「ユリお姉ちゃん起きた・・・アドル!ノーラお姉ちゃん!ディーネちゃん!ユリお姉ちゃんが起きたよー!」
ミライちゃんが叫んでる。
みんなを呼んでるのかな。
あ、ミライちゃん泣いた。
ぐえっ!重いよミライちゃん・・・
ここは、どこ?
木の家?
わかった。アキム様の家だ。
ああそっか。わたし、負けたんだっけ・・・
◇
わたしはアキムの家のベッドで寝かされていた。
小綺麗で、人が使った形跡が感じられないシーツと掛け布。
装飾品のない、簡素で小さな部屋。
おそらくアキムの寝室ではなく、客人用の部屋のようだ。
バタバタと足音が聞こえて、アドル達が部屋に入ってきた。
「ユリ、気がついてよかったよ」
「師匠、心配しました。ううう」
「ユリお姉ちゃあん・・・ひっく」
アドルが安堵の表情でわたしを見ている。
ノーラは半ベソだ。
ミライはひっくひっく言ってる。
ディーネちゃんは・・・そうだ!
「ディーネちゃん、怪我はない?一緒に竜巻に巻き込まれたでしょう?羽根もげてない?」
ハシビロコウの美しい羽根に傷でもついたら大変だ。
わたしは慌てて目だけでディーネの体を見た。
「ユリよ。妾の依代の体は外傷などすぐに治せる。自分の心配より妾の心配が先とは、ユリらしいのじゃ」
あ、そうだ。
竜巻以前にわたし、首から血がピューってなってたんだ。
恐る恐る首を触った。
手の甲で傷を負った付近を撫でてみるが、傷らしいものは無かった。
「ユリの傷は妾が治癒した。失われた血は回復できないので無理に動かぬ方が良い」
「そっか、いつもありがとうね、ディーネちゃん!」
「礼はいらぬよ。妾のせいでユリは負けたのだからの」
ディーネのせい?
なんで?
「妾はユリと風の精霊の戦いに割り込んだ。ユリが飛ばされぬとも、反則負けじゃ」
「そんなこと関係ないよ!ディーネちゃんがわたしを助けてくれなかったら、わたしは多分そのまま死んじゃうか、何もできずに飛ばされて、結局負けてたでしょう?」
「いや、ユリが何か起死回生の一手を考えていたら、妾はそれを邪魔した事になる」
「ないない。そんなもんなかった。『ギブアップ』だったよ」
わたしは最初に風の精霊の竜巻を受けた時に、『吹き飛ばす系の攻撃をしのげれば勝ち』だと、勝手に思っていた。
別の手段で攻撃をされるなんて、思ってもみなかった。
わたしの浅慮のせいだ。
「だからディーネちゃんは命の恩人であって、勝負の結果を気にやむ必要はありません。わかりましたか?これは命令です」
「・・・うむ。心得た」
ディーネの表情が和らいだように感じた。
まあ、勝負には負けたけど、ディーネもわたしも無事ならばそれでいい。
「ごめんね、アドル。わたし負けちゃった。アキム様に協力してもらえなくなっちゃった」
「いいんだ。ユリが無事だったんだ。それ以上の事はないよ」
「まったくですよ師匠。あの後のアドル殿は見ていられませんでしたよ」
「ノーラさん!?ちょっと、やめっ!ぐえっ!」
アドルが慌ててノーラの口を塞ぎに行くが、華麗にノーラに組み伏せられてしまった。
さすがニューロックで一、二の実力を持つ格闘家だ。
アドルは、吹き飛ばされたわたしに駆け寄り、ディーネが治癒をかけている横で大粒の涙を流しながら、わたしに情熱的な求愛の台詞をかけ続けたそうだ。
一命を取り留めた事を確認すると、今度は風の精霊とアキムに食ってかかったという。
なぜ致死性の攻撃をしたのか、そこまでやる必要はあったのか、オレの大事な女になんて事をするんだ、今度はオレが相手だこの野郎、と、それはそれはものすごい猛抗議で、アキムも風の精霊も引き気味だったという。
「・・・いや、ユリ。ノーラさんの説明はだいぶ脚色されているから。全てを信じてはいけない」
「あ、そうなのね・・・」
ノーラの拘束から逃れたアドルは、ノーラの説明について一部異議を唱えた。
わたしはノーラの話を聞いて、ちょっとドキドキしてしまった。
・・・でもまあさすがに脚色されてるわよね。
どのへんが脚色された所なのかはわからないけど。
あれ、わたし今ちょっと残念だと思った?
いやいやそんな事ない。
まったくノーラは話を盛りすぎなのよ。
「起きたか、ユリ」
アキムが部屋に入ってきた。
アドルがアキムを睨みつける。
「何の用だ」
「ここは儂の家だ。儂の自由だろう?」
アドルは丁寧な言葉遣いをせず、アキムを敵認定しているかのような態度だ。
どうせ協力も得られないし、別に構わないかな。
アキムがわたしに体の容態について聞いた。
「ユリ。体調はどうだ」
「えーと、血が足りないのであまり動くなと言われました。特に気分が悪いような事は今のところはないです」
「そうか。明日までここで休んでいるといい。栄養のつく食事と薬も出そう。おまえ達は先に町の宿に帰るがいい」
「ユリを一人で置いていけるか!」
アドルが血相を変えて抗議するが、アキムは静かに受け流した。
「悪いようにはせぬ。それに気が変わった。儂はおまえ達に協力する事にした」
「ええっ?」
「良いのですか?」
アドル達が驚きの声を上げた。
わたしも驚いたが、意外すぎて声にならなかった。
「それとな、ユリには大事な話がある。お前達には聞かせられない話だ。それにこの小屋は狭い。全員が泊まれる部屋は無い。だから帰れと言っている。明日の午後にはユリと儂で町に向かうから、そこで待っていろ」
「・・・信用していいのか?」
「儂は嘘はつかない。言えない事は言わないだけだ」
そう言われても『はいそうですか』とはならないよね。
アドルはまだ悩んでいる。
ノーラは・・・あ、考えてなさそう。
その時、ミライがしっかりした口調で、アキムの提案を受け入れる意思表明をした。
「ミライはアキムおじいちゃんを信用しようと思います」
「ミライちゃん!?」
アドルが再び驚きの声を上げた。
「アキムおじいちゃんは、ユリお姉ちゃんに大事な話があると言いました。それに今ユリお姉ちゃんは動けません。アキムおじいちゃんに任せたほうがいいと思います」
淡々と語るミライ。
スパッと割り切れるあたり、ミライはすごいね。
子供だし、難しいことはあんまり考えてないのかもしれないけどね・・・
わたしはベッドから上半身を起こし、ミライの全身が見れる体勢になった。
そして、気がついた。
・・・違う。
ミライはすごく我慢して言ってるんだ・・・
ミライは、手を固く握り、そして軽く震えてい
た。
拳を強く握りすぎて、筋肉が痙攣しているような状態だ。
ぐっと歯も食いしばっていた。
・・・わたしを残していく事が心配で無いはずがないんだ。
ミライもきっとわたしと一緒に居たいはずなんだ。
だけど、アキムはわたしにしか話せない事があると言った。
ミライだけなら残っても良さそうな気もするけど、ここでミライがアキムを信用して町に戻ると言えば、アドル達もそれに従うと考えたのなら・・・
それにわたしはどのみちまだ動けない。
だから、たとえ嫌でも『信用するしかない』と決めたのだとしたら・・・
こんな小さい子が、歯を食いしばって自分に言い聞かせている。
わたしの考えすぎかもしれないけど、やはりミライはすごい子なのかもしれない。
だったら、わたしも覚悟を決めよう。
「アドル、わたしは大丈夫。必ず明日、アキム様と一緒に行くから、みんなで町に戻ってて」
「本当に大丈夫か?」
「うん。大丈夫。ミライちゃんもありがとう。わたしはミライちゃんの気持ち、ちゃんと分かっているよ」
そう言って、わたしはミライの頭をやさしく撫でた。
ミライが驚いたような顔でわたしの顔を見ると、ちょっとだけ涙を浮かべて笑顔で頷いた。
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