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059 最後の試験
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わたしは無事に二つの試験を突破した。
・・・これでもう終わりならいいんだけど。
でも試験終了とは言われていないから、やっぱりまだあるのだろうと思っている。
カークの館で夕食をいただくため、わたし達は食堂に移動した。
食堂では既にノーラがわたし達の到着を待っていた。
「お待ちしておりました師匠!二つ目の試験も合格したと伺いました。流石です。おめでとうございます」
「ありがとう、ノーラさん。そちらの用事は済んだの?」
「えーと、はい。なかなか厄介でしたか、無事に終わりまして・・・」
ノーラの目がまた泳いでいる。
・・・大丈夫よノーラ、わたしには分かってるよ。
全員が席に座り、食事前の挨拶を唱和し終えると、夕食会が始まった。
客人として招かれているわたし達に提供された食事は、とても豪華なものだった。
「アタシの食事も毎回こんな感じで、かえって恐縮したよ」
エリザが苦笑している。
本当に好待遇だったようだ。
カークがいい人で良かった。
そのカークから、明日の試験についての話を聞かされた。
「ユリ殿。明日、最後の試験を受けてもらいたいと思う。本当にこれで最後だ」
「分かりました。内容はどんなものでしょう?」
「最後は、頭と魔力を使うものだ」
ノーラがガチャッと食器を鳴らして食事の手を止め、カークを見た。
「お父様。まさか、あれをやるのですか?」
「ああ。あれだ。お前も挑戦しただろう?」
「はい・・・」
あれってなんだ?
ノーラの顔が少し陰っている。
そんなに難しいものなの?
頭を使うからノーラには大変だったのかな、と失礼な事を考えていると、ノーラがわたしの方を向いて激励の言葉をかけてくれた。
「師匠・・・最後の試験ですが、私では師匠のお役に立てません。ですが、師匠のやり方を見て勉強させていただこうと思います。師匠ならきっとできると思います。頑張ってください!」
「はあ、見られて役に立つかは分かりませんけど・・・」
しかし、魔力絡みか・・・
先ほどの財務試験では、わたしが計算がめちゃくちゃ得意な事を言わなかったせいで、結果として財務担当の人を傷つけた。
なので今度は先に言っておくことにした。
「カークさん。わたしはまだこちらの世界に来て日が浅いので、この世界の常識についてはよく知りません。頭の出来についてもなんとも言えません。ですので、試験内容を聞いてもよく分からないかもしれません。ただ、魔力に関して言えば、人一倍強いというか、多いというか、規格外とまで言われた事があります」
「ほう。それほどまでにか」
「詳しい事については今はまだ言えません。もしかしたらカークさんの情報網でとっくに知っているかもしれませんけど。とにかく、魔力量の計測的なものであれば、難なく合格する可能性が高いと思います」
これは慢心ではない。
事実を伝えただけだ。
これで試験が回避できるならば、その方が助かる。
しかしカークは考えるそぶりすら見せず、即答した。
「構わない。存分にその魔力を駆使して、試験に臨んでほしい」
「・・・はい。分かりました」
カークはわたしの了解の返事を聞くと、ノーラに顔を向けた。
「ノーラ。明日の試験の結果次第で、先程お前に伝えた事を決断したいと思う」
「はい。良いと思います」
カークの話を聞いたノーラがわたしにニコッと笑いかけた。
何?なんの密談をしたの?
ぞぞっと悪寒が走った。
◇
食事の後、明日の準備があるとの事で、カークとノーラは退席し、わたし達はそれぞれの客間に案内された。
わたしとエリザ、ディーネで同室。
アドルとホークスは別の部屋だ。
部屋をあてがわれた後、わたし達はお風呂に案内された。
お風呂はかなり大きかった。
足を投げ出して入れる湯船は最高だ。
さすがは太守の館だ。
「・・・なあ、ユリ」
「何ですかエルザさん」
・・・わたしはもう慣れたけど、エリザにとっては奇妙に感じるんだろうね。
「その・・・ディーネは、鳥なんだよな?」
「鳥ですけど、中身は水の精霊様ですよ」
わたしとエリザが大浴場の湯船の中で、並んで肩まで浸かっている。
その横で、ディーネも首だけ出してお湯に浸かっていた。
頭に手拭いまで乗せている。
とてもシュールな光景だ。
「その、いいのか?鳥が温水に入って」
「一応、水鳥で、暖かい気候の沼や湿地に住んでいる鳥なので、いいんじゃないですかね?」
「・・・水鳥とかって、水面に浮くんじゃないのか?肩まで浸かって、くつろいでいるように見えるが」
「いいんですよ。ディーネちゃんなので」
ディーネは別に風呂を必要としていない。
でもわたしとディーネはたまに一緒に入る。
ディーネに、お湯が気持ちがいいと思う感覚があるのかは分からない。
わたし達と同じ生活をしてみたいという気持ちがあるのかもしれない。
鳥だけど。
カピバラさんやお猿さんのように、ハシビロコウが温泉に入るという話はわたしも聞いたことがない。
でも、一緒に入れるなら、それはそれで嬉しい。
ハシビロコウと混浴なんて、絶対に地球では体験できないのだから。
風呂から上がったわたし達は、明日の試験について、一応対策を練ることにした。
どんな試験かはわからないので、具体的な対策は練りようもないけど。
「頭と魔力を使うのよね。どういうことだと思う?ディーネちゃん」
「そうじゃな。問題解決のために魔力をどうやって活かすか、ということじゃろうかの」
知能テストみたいなもんかな?
『台と棒を使って高いところにあるバナナを取れ』の魔力版みたいな?
わたしはエリザとディーネに、そんな知能テストの話をしてみる。
「なるほどね。だとすると、いくつか魔道具を与えられて、そいつをうまく使って問題を解決しろ、ということかもしれないね」
「エリザさんはそういうの得意ですか?」
「アタシ?普通じゃないかな」
わたし自身も普通だと思う。
魔道具を使った経験もまだ少ないし。
数学パズルなんかは結構好きでいろいろやったけど。
「ユリよ。とりあえず魔力に関してだけは其方は問題ない。むしろ規格外じゃ」
「うん、自分でもそう申告したしね」
実際にそうだから、認めざるを得ない。
「そしてユリには、向こうの世界の知識がある。それらを駆使して、頑張ってみるのじゃ」
「そうね。やるしかないもんね」
「頼むぞ、ユリ。でも気負うな。失敗したっていい。お前一人が試験をやらされているこの状況は異質なんだ。ダメなら次の方法をみんなで考える。それだけだ」
エリザがニッと笑い、親指を立てる。
そうだよね。
わたしは一人じゃない。
とにかくできるだけ頑張る事にして、早めに就寝した。
◇
翌朝、朝食をとった後で中庭に来るように指示されたわたし達は、少しの食休みの後に中庭に移動した。
そしてそこで、奇妙な物体を目にした。
「でっかい円柱?」
幅が十メートル、高さも十メートルほどの綺麗な円柱がどーんと置かれていた。
表面はつるつるで、手をかけられる場所はなさそうだ。
馬鹿でかい分銅、あるいは文鎮といった印象だ。
カークが円柱の前でわたしに試験の説明をした。
「これが最後の試験だ。この円柱の上、その中心には大きめの魔石が置いてある。それを取ってきてほしい。ただし、使えるのはこの魔道具だけだ」
カークが魔道具を手渡す。
背負いカバンのような魔道具だ。
「この魔道具を使うと、最大二十五ローグまで飛び上がる事が出来る。どれだけ魔力を注いでも、絶対に二十五ローグで停止する。そして、円柱の幅と高さは五十ローグだ」
たしか一ローグが二十センチほどだったから、五ローグで一メートル。五十ローグだと十メートルね。
魔道具で飛べる高さはその半分だから五メートルと。
つまり、この魔道具を使っても、円柱の半分の高さまでしか飛べないという事だ。
でも連続で使えば問題はない。
問題はないけど・・・
「その魔道具を使っていいのは一回の試技で一回だけだ。途中でもう一度使ってはならない」
なるほど、やはりそうきたか。
まあそりゃそうよね。
ということは、魔力というより、頭を使う方のウェイトが多そうな試験かな?
「安全のために、防具とマットは用意してある。好きに使ってくれ。ただし、それらを足場にするような用途で使ってはならない」
カークが指をさす先に、兜と、関節ガード、そしてマットが準備されていた。
マットは縦二メートル、横一メートル、厚さ二十センチほどの大きさで、十数枚あった。
重ねて使えば、落下した時の衝撃を十分に吸収してくれるだろう。
「では始めてくれ」
・・・これでもう終わりならいいんだけど。
でも試験終了とは言われていないから、やっぱりまだあるのだろうと思っている。
カークの館で夕食をいただくため、わたし達は食堂に移動した。
食堂では既にノーラがわたし達の到着を待っていた。
「お待ちしておりました師匠!二つ目の試験も合格したと伺いました。流石です。おめでとうございます」
「ありがとう、ノーラさん。そちらの用事は済んだの?」
「えーと、はい。なかなか厄介でしたか、無事に終わりまして・・・」
ノーラの目がまた泳いでいる。
・・・大丈夫よノーラ、わたしには分かってるよ。
全員が席に座り、食事前の挨拶を唱和し終えると、夕食会が始まった。
客人として招かれているわたし達に提供された食事は、とても豪華なものだった。
「アタシの食事も毎回こんな感じで、かえって恐縮したよ」
エリザが苦笑している。
本当に好待遇だったようだ。
カークがいい人で良かった。
そのカークから、明日の試験についての話を聞かされた。
「ユリ殿。明日、最後の試験を受けてもらいたいと思う。本当にこれで最後だ」
「分かりました。内容はどんなものでしょう?」
「最後は、頭と魔力を使うものだ」
ノーラがガチャッと食器を鳴らして食事の手を止め、カークを見た。
「お父様。まさか、あれをやるのですか?」
「ああ。あれだ。お前も挑戦しただろう?」
「はい・・・」
あれってなんだ?
ノーラの顔が少し陰っている。
そんなに難しいものなの?
頭を使うからノーラには大変だったのかな、と失礼な事を考えていると、ノーラがわたしの方を向いて激励の言葉をかけてくれた。
「師匠・・・最後の試験ですが、私では師匠のお役に立てません。ですが、師匠のやり方を見て勉強させていただこうと思います。師匠ならきっとできると思います。頑張ってください!」
「はあ、見られて役に立つかは分かりませんけど・・・」
しかし、魔力絡みか・・・
先ほどの財務試験では、わたしが計算がめちゃくちゃ得意な事を言わなかったせいで、結果として財務担当の人を傷つけた。
なので今度は先に言っておくことにした。
「カークさん。わたしはまだこちらの世界に来て日が浅いので、この世界の常識についてはよく知りません。頭の出来についてもなんとも言えません。ですので、試験内容を聞いてもよく分からないかもしれません。ただ、魔力に関して言えば、人一倍強いというか、多いというか、規格外とまで言われた事があります」
「ほう。それほどまでにか」
「詳しい事については今はまだ言えません。もしかしたらカークさんの情報網でとっくに知っているかもしれませんけど。とにかく、魔力量の計測的なものであれば、難なく合格する可能性が高いと思います」
これは慢心ではない。
事実を伝えただけだ。
これで試験が回避できるならば、その方が助かる。
しかしカークは考えるそぶりすら見せず、即答した。
「構わない。存分にその魔力を駆使して、試験に臨んでほしい」
「・・・はい。分かりました」
カークはわたしの了解の返事を聞くと、ノーラに顔を向けた。
「ノーラ。明日の試験の結果次第で、先程お前に伝えた事を決断したいと思う」
「はい。良いと思います」
カークの話を聞いたノーラがわたしにニコッと笑いかけた。
何?なんの密談をしたの?
ぞぞっと悪寒が走った。
◇
食事の後、明日の準備があるとの事で、カークとノーラは退席し、わたし達はそれぞれの客間に案内された。
わたしとエリザ、ディーネで同室。
アドルとホークスは別の部屋だ。
部屋をあてがわれた後、わたし達はお風呂に案内された。
お風呂はかなり大きかった。
足を投げ出して入れる湯船は最高だ。
さすがは太守の館だ。
「・・・なあ、ユリ」
「何ですかエルザさん」
・・・わたしはもう慣れたけど、エリザにとっては奇妙に感じるんだろうね。
「その・・・ディーネは、鳥なんだよな?」
「鳥ですけど、中身は水の精霊様ですよ」
わたしとエリザが大浴場の湯船の中で、並んで肩まで浸かっている。
その横で、ディーネも首だけ出してお湯に浸かっていた。
頭に手拭いまで乗せている。
とてもシュールな光景だ。
「その、いいのか?鳥が温水に入って」
「一応、水鳥で、暖かい気候の沼や湿地に住んでいる鳥なので、いいんじゃないですかね?」
「・・・水鳥とかって、水面に浮くんじゃないのか?肩まで浸かって、くつろいでいるように見えるが」
「いいんですよ。ディーネちゃんなので」
ディーネは別に風呂を必要としていない。
でもわたしとディーネはたまに一緒に入る。
ディーネに、お湯が気持ちがいいと思う感覚があるのかは分からない。
わたし達と同じ生活をしてみたいという気持ちがあるのかもしれない。
鳥だけど。
カピバラさんやお猿さんのように、ハシビロコウが温泉に入るという話はわたしも聞いたことがない。
でも、一緒に入れるなら、それはそれで嬉しい。
ハシビロコウと混浴なんて、絶対に地球では体験できないのだから。
風呂から上がったわたし達は、明日の試験について、一応対策を練ることにした。
どんな試験かはわからないので、具体的な対策は練りようもないけど。
「頭と魔力を使うのよね。どういうことだと思う?ディーネちゃん」
「そうじゃな。問題解決のために魔力をどうやって活かすか、ということじゃろうかの」
知能テストみたいなもんかな?
『台と棒を使って高いところにあるバナナを取れ』の魔力版みたいな?
わたしはエリザとディーネに、そんな知能テストの話をしてみる。
「なるほどね。だとすると、いくつか魔道具を与えられて、そいつをうまく使って問題を解決しろ、ということかもしれないね」
「エリザさんはそういうの得意ですか?」
「アタシ?普通じゃないかな」
わたし自身も普通だと思う。
魔道具を使った経験もまだ少ないし。
数学パズルなんかは結構好きでいろいろやったけど。
「ユリよ。とりあえず魔力に関してだけは其方は問題ない。むしろ規格外じゃ」
「うん、自分でもそう申告したしね」
実際にそうだから、認めざるを得ない。
「そしてユリには、向こうの世界の知識がある。それらを駆使して、頑張ってみるのじゃ」
「そうね。やるしかないもんね」
「頼むぞ、ユリ。でも気負うな。失敗したっていい。お前一人が試験をやらされているこの状況は異質なんだ。ダメなら次の方法をみんなで考える。それだけだ」
エリザがニッと笑い、親指を立てる。
そうだよね。
わたしは一人じゃない。
とにかくできるだけ頑張る事にして、早めに就寝した。
◇
翌朝、朝食をとった後で中庭に来るように指示されたわたし達は、少しの食休みの後に中庭に移動した。
そしてそこで、奇妙な物体を目にした。
「でっかい円柱?」
幅が十メートル、高さも十メートルほどの綺麗な円柱がどーんと置かれていた。
表面はつるつるで、手をかけられる場所はなさそうだ。
馬鹿でかい分銅、あるいは文鎮といった印象だ。
カークが円柱の前でわたしに試験の説明をした。
「これが最後の試験だ。この円柱の上、その中心には大きめの魔石が置いてある。それを取ってきてほしい。ただし、使えるのはこの魔道具だけだ」
カークが魔道具を手渡す。
背負いカバンのような魔道具だ。
「この魔道具を使うと、最大二十五ローグまで飛び上がる事が出来る。どれだけ魔力を注いでも、絶対に二十五ローグで停止する。そして、円柱の幅と高さは五十ローグだ」
たしか一ローグが二十センチほどだったから、五ローグで一メートル。五十ローグだと十メートルね。
魔道具で飛べる高さはその半分だから五メートルと。
つまり、この魔道具を使っても、円柱の半分の高さまでしか飛べないという事だ。
でも連続で使えば問題はない。
問題はないけど・・・
「その魔道具を使っていいのは一回の試技で一回だけだ。途中でもう一度使ってはならない」
なるほど、やはりそうきたか。
まあそりゃそうよね。
ということは、魔力というより、頭を使う方のウェイトが多そうな試験かな?
「安全のために、防具とマットは用意してある。好きに使ってくれ。ただし、それらを足場にするような用途で使ってはならない」
カークが指をさす先に、兜と、関節ガード、そしてマットが準備されていた。
マットは縦二メートル、横一メートル、厚さ二十センチほどの大きさで、十数枚あった。
重ねて使えば、落下した時の衝撃を十分に吸収してくれるだろう。
「では始めてくれ」
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