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055 交渉の前に
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エリザ達の情報収集チームから届いた連絡で、ニューロックの太守との交渉条件に『異世界の勇者を連れて来い』という指示がある事を知らされた。
「わたしを・・・差し出すの?」
アドルはわたしを太守に差し出すのだろうか。
それがアーガスの決定なのだろうか。
もしかしたらみんなの為に、わたしに犠牲になれというのだろうか。
「アドルよ。そんな事のためにユリは渡さぬよ」
「ディーネちゃん?」
「ユリよ。大丈夫じゃ。アドルだって考えなしにそんな事はせぬよ。そうであろう?」
アドルが頷く。
「もちろんだ。無条件で引き渡すような真似はしない。それに引き渡しではなく、ユリに会いたいだけなのかもしれない。太守の思惑はまだわからないからね」
「はいはーい、質問!」
エスカが手を挙げる。
「引っかかるんだけどね。『異世界の勇者』って何?」
「そりゃ、ユリの事だろう?バルゴに召喚された時に、バルゴにそう言われたから」
「なんでそれ知ってんの?」
アドルが固まった。
確かに何で知っているのだろうか。
わたしも考えてみる。
どうしてニューロックの太守はそれを知っている?
わたしがアーガスに合流していることも?
とりあえず『勇者』発言についてはわたしも心当たりがある。
「わたしがナーズの町でバルゴの兵に襲われた時に、わたしはその兵士に『勇者殿』って言われたわよ。『異世界人』とも言われたかもしれない」
「王都管理区の兵長クラスなら知っている可能性はあるね。それに『勇者』の方は王都管理区民全員への通知の中でそう言われていたから、一般市民でも知ってるはずだ。『自称勇者の反逆者を捕まえろ』って王都管理区のすべての民に通知があった」
なんだとバルゴめ。
わたしは自分から勇者なんて言ったことないわよ!
濡れ衣だ。
絶対泣かす。
「問題は『異世界の』だ」
アドルが推理を並べる。
一、エリザが報告の中でわたしのことをそう書いただけ
二、エリザがニューロックの太守にわたしの素性を明かした
三、アーガスにニューロックの内通者がいる
四、ニューロックの太守がバルゴから連絡を受けていた
五、ニューロックの太守が独自の調査でわたしの情報を掴んだ
「一、二、三は無いと思う。四か五かな」
「そうなると、いよいよ太守が敵が味方か分からないわね」
アドルは少し考えてから、今後の方針を話した。
「どんな形でニューロックの太守と交渉を行うのかは分からない。でもその時、必ずオレとディーネもユリと同行できるように取り計らってもらう。これが最低条件だ」
「ダメだったら?」
「最初から交渉は行わない」
アドルはわたしだけを差し出すつもりはないと言った。
「もしも、エリザがわたしを拘束してでも差し出そうとしたら?」
「そんな事はあり得ないと思うけど、もしもそんなことになったら、アーガスを抜けて、ユリと逃げる」
「アドルよ、妾も忘れるでない」
もちろんだよ、とアドルがディーネちゃんに笑いかける。
アドルはあの日、満天の星の下で、わたしを守ると言ってくれた。
絶対不幸にはさせないとも言ってくれた。
だから、わたしはアドルを信じる。
「わかったわ、アドル。それでいきましょう」
「いいのか?」
「いいわよ。わたしを守ってくれるのでしょう?」
わたしはアドルに向けて軽く微笑んだ。
そして、わたしはガッツポーズを取り、意思表明をする。
「それで、太守との交渉で、もしも太守側が手荒な真似をしてきたら、こっちも全力で反撃する。そして全力で逃げる!」
「いいね。全力で逃げてやろう」
アドルが楽しそうに笑う。
釣られてわたし達も笑う。
「言わなくてもわかると思うけど、あたしもユリちゃんにつくわよ。その方が面白そうだし」
「ありがとう、エスカさん。頼りにしてるわ」
面白そうだから、というのはちょっとした照れ隠しだろうなと思った。
エスカは普通にわたしとアドルに協力してくれるだろう。
わたしもこれまでの旅でエスカを信頼している。
・・・わたしにはこんなに心強い仲間がいる。
だからきっと大丈夫。
◇
翌日。朝食を済ませ、出発の時間となった。
夕方前にはコーラルの町に到着して、懐かしの星の翼号に戻れるはずだ。
ミライやルルにも久しぶりに会える。
「エスカ、ユリ。念のため、武器の手配と、ラプターの準備をしておいてほしい」
「わかった。ラプターはどうしようか。メインローターをつけて、馬車の屋根にでも括り付けておく?」
「出来るならそうしておいてほしい」
アドルは途中で襲撃される事を想定して、警戒と準備をしておくつもりらしい。
わたしは戦闘要員になる皆さんにラファルズを配った。
魔力に自信のある人には魔法剣と魔法盾も配布し、使い方の説明をする。
その間にエスカはラプターを組み上げた。
ただ、馬車の上に括り付けるのは安定しなかったので、馬車の最後尾からラプターを押し入れ、幌にメインローターがぶつかる部分には、幌に切り込みを入れた。
馬車を正面から見ると、なにやら棒のようなものが左右から少し飛び出しているように見えるが、気になるほどでは無い。
そして、出発したわたし達の懸念は、若干違う方向で当たることとなった。
◇
「命まで取られたくなければ、金目のものを全部出せ」
わたし達は盗賊団に足止めされていた。
二十人ほどの男達が、馬車をぐるっと包囲している。
「どうする、アドル?」
「面倒な事になったなあ」
エスカとアドルが若干気の抜けた会話をしている。
あまり危機感を感じていなさそうだ。
「ちょっと、アドル。大丈夫なの?」
「んー、ユリはどう思う?」
「どう思うって、みんなの命の危険が迫ってると思うのだけど」
「じゃあ、ちょっと交渉してくるよ」
そういうとアドルは馬車の外に降りた。
「ユリちゃんとディーネちゃんは念のため、ここで防御魔法を張ってて」
「分かった。でもみんなは?」
「バルゴと戦おうってメンバーよ。盗賊に遅れをとるわけないじゃ無い」
アドルは盗賊の頭目っぽい男と話しているが、どうもうまくいっていないらしい。
交渉は決裂したようで、盗賊が武器を振りかぶった。
その時、アドルの姿が消えた。
頭目がアドルを見失い、狼狽し始める。
・・・あれはたぶん、姿隠しの魔道具だ。
頭目はいきなり後頭部を殴られたようなリアクションをすると、そのまま地面に倒れた。
そして、ピィーッという笛の音が聞こえた途端、馬車から一斉にアーガスの戦闘員が飛び出していった。
アドルが笛を吹いて合図をしたようだ。
勝負はあっけないものだった。
一方的に盗賊が敗北、潰走していった。
アドル達が戻ってくる。
特に大怪我をした人もいないようだ。
「月夜の盗賊団って名乗っていたよ。だったら夜にくればいいのにな」
「捕まえなくていいの?」
「本当は捕まえておきたいけど、今はあまり揉め事を持ち込みたく無い。この後大仕事があるからね。次に会った時は容赦しない、と言っておいた」
わざと逃してやったらしい。
ついでに治療薬も少しあげたようだ。
お人好しが過ぎる気もするが、アドルらしいのかもしれない。
余計な恨みを買わずにすむかもしれないしね。
「新しい武器の性能も試せたし、ちょうどいい練習にはなったかな」
その後はトラブルに巻き込まれる事なく、無事にコーラルの町に到着した。
そのまま港に行き、船を係留している場所に行くが、そこに船は無かった。
「船がない?どういう事だ?」
「そんな・・・ミライちゃん達は!?」
呆然とするわたし達に、声をかけてくる人がいた。
聞き覚えのある声だ。
「よっ。アドル、嬢ちゃん。おつかれさん!」
「ホークス!」
「ホークスさん!」
現れたのはホークスさん一人だけだった。
「ホークス、どういう事だ?船が無いなんて、報告になかったぞ」
「すまん、今日、急に移動になったんだ。それと、非戦闘員は町の宿屋に泊まってもらっている。もちろん、ミライちゃんとルルちゃんもな」
よかった、ミライちゃん達は無事だったんだ。
もしも船ごと沈められてたら、沈めたやつを沈めなきゃ気が済まないところだったよ。
「とりあえず、移動しながら話す。俺も馬車に乗せてくれ」
「どこに向かえばいいんだ?」
ホークスがコーラスの町の中央方面を指さした。
「太守の館さ」
「わたしを・・・差し出すの?」
アドルはわたしを太守に差し出すのだろうか。
それがアーガスの決定なのだろうか。
もしかしたらみんなの為に、わたしに犠牲になれというのだろうか。
「アドルよ。そんな事のためにユリは渡さぬよ」
「ディーネちゃん?」
「ユリよ。大丈夫じゃ。アドルだって考えなしにそんな事はせぬよ。そうであろう?」
アドルが頷く。
「もちろんだ。無条件で引き渡すような真似はしない。それに引き渡しではなく、ユリに会いたいだけなのかもしれない。太守の思惑はまだわからないからね」
「はいはーい、質問!」
エスカが手を挙げる。
「引っかかるんだけどね。『異世界の勇者』って何?」
「そりゃ、ユリの事だろう?バルゴに召喚された時に、バルゴにそう言われたから」
「なんでそれ知ってんの?」
アドルが固まった。
確かに何で知っているのだろうか。
わたしも考えてみる。
どうしてニューロックの太守はそれを知っている?
わたしがアーガスに合流していることも?
とりあえず『勇者』発言についてはわたしも心当たりがある。
「わたしがナーズの町でバルゴの兵に襲われた時に、わたしはその兵士に『勇者殿』って言われたわよ。『異世界人』とも言われたかもしれない」
「王都管理区の兵長クラスなら知っている可能性はあるね。それに『勇者』の方は王都管理区民全員への通知の中でそう言われていたから、一般市民でも知ってるはずだ。『自称勇者の反逆者を捕まえろ』って王都管理区のすべての民に通知があった」
なんだとバルゴめ。
わたしは自分から勇者なんて言ったことないわよ!
濡れ衣だ。
絶対泣かす。
「問題は『異世界の』だ」
アドルが推理を並べる。
一、エリザが報告の中でわたしのことをそう書いただけ
二、エリザがニューロックの太守にわたしの素性を明かした
三、アーガスにニューロックの内通者がいる
四、ニューロックの太守がバルゴから連絡を受けていた
五、ニューロックの太守が独自の調査でわたしの情報を掴んだ
「一、二、三は無いと思う。四か五かな」
「そうなると、いよいよ太守が敵が味方か分からないわね」
アドルは少し考えてから、今後の方針を話した。
「どんな形でニューロックの太守と交渉を行うのかは分からない。でもその時、必ずオレとディーネもユリと同行できるように取り計らってもらう。これが最低条件だ」
「ダメだったら?」
「最初から交渉は行わない」
アドルはわたしだけを差し出すつもりはないと言った。
「もしも、エリザがわたしを拘束してでも差し出そうとしたら?」
「そんな事はあり得ないと思うけど、もしもそんなことになったら、アーガスを抜けて、ユリと逃げる」
「アドルよ、妾も忘れるでない」
もちろんだよ、とアドルがディーネちゃんに笑いかける。
アドルはあの日、満天の星の下で、わたしを守ると言ってくれた。
絶対不幸にはさせないとも言ってくれた。
だから、わたしはアドルを信じる。
「わかったわ、アドル。それでいきましょう」
「いいのか?」
「いいわよ。わたしを守ってくれるのでしょう?」
わたしはアドルに向けて軽く微笑んだ。
そして、わたしはガッツポーズを取り、意思表明をする。
「それで、太守との交渉で、もしも太守側が手荒な真似をしてきたら、こっちも全力で反撃する。そして全力で逃げる!」
「いいね。全力で逃げてやろう」
アドルが楽しそうに笑う。
釣られてわたし達も笑う。
「言わなくてもわかると思うけど、あたしもユリちゃんにつくわよ。その方が面白そうだし」
「ありがとう、エスカさん。頼りにしてるわ」
面白そうだから、というのはちょっとした照れ隠しだろうなと思った。
エスカは普通にわたしとアドルに協力してくれるだろう。
わたしもこれまでの旅でエスカを信頼している。
・・・わたしにはこんなに心強い仲間がいる。
だからきっと大丈夫。
◇
翌日。朝食を済ませ、出発の時間となった。
夕方前にはコーラルの町に到着して、懐かしの星の翼号に戻れるはずだ。
ミライやルルにも久しぶりに会える。
「エスカ、ユリ。念のため、武器の手配と、ラプターの準備をしておいてほしい」
「わかった。ラプターはどうしようか。メインローターをつけて、馬車の屋根にでも括り付けておく?」
「出来るならそうしておいてほしい」
アドルは途中で襲撃される事を想定して、警戒と準備をしておくつもりらしい。
わたしは戦闘要員になる皆さんにラファルズを配った。
魔力に自信のある人には魔法剣と魔法盾も配布し、使い方の説明をする。
その間にエスカはラプターを組み上げた。
ただ、馬車の上に括り付けるのは安定しなかったので、馬車の最後尾からラプターを押し入れ、幌にメインローターがぶつかる部分には、幌に切り込みを入れた。
馬車を正面から見ると、なにやら棒のようなものが左右から少し飛び出しているように見えるが、気になるほどでは無い。
そして、出発したわたし達の懸念は、若干違う方向で当たることとなった。
◇
「命まで取られたくなければ、金目のものを全部出せ」
わたし達は盗賊団に足止めされていた。
二十人ほどの男達が、馬車をぐるっと包囲している。
「どうする、アドル?」
「面倒な事になったなあ」
エスカとアドルが若干気の抜けた会話をしている。
あまり危機感を感じていなさそうだ。
「ちょっと、アドル。大丈夫なの?」
「んー、ユリはどう思う?」
「どう思うって、みんなの命の危険が迫ってると思うのだけど」
「じゃあ、ちょっと交渉してくるよ」
そういうとアドルは馬車の外に降りた。
「ユリちゃんとディーネちゃんは念のため、ここで防御魔法を張ってて」
「分かった。でもみんなは?」
「バルゴと戦おうってメンバーよ。盗賊に遅れをとるわけないじゃ無い」
アドルは盗賊の頭目っぽい男と話しているが、どうもうまくいっていないらしい。
交渉は決裂したようで、盗賊が武器を振りかぶった。
その時、アドルの姿が消えた。
頭目がアドルを見失い、狼狽し始める。
・・・あれはたぶん、姿隠しの魔道具だ。
頭目はいきなり後頭部を殴られたようなリアクションをすると、そのまま地面に倒れた。
そして、ピィーッという笛の音が聞こえた途端、馬車から一斉にアーガスの戦闘員が飛び出していった。
アドルが笛を吹いて合図をしたようだ。
勝負はあっけないものだった。
一方的に盗賊が敗北、潰走していった。
アドル達が戻ってくる。
特に大怪我をした人もいないようだ。
「月夜の盗賊団って名乗っていたよ。だったら夜にくればいいのにな」
「捕まえなくていいの?」
「本当は捕まえておきたいけど、今はあまり揉め事を持ち込みたく無い。この後大仕事があるからね。次に会った時は容赦しない、と言っておいた」
わざと逃してやったらしい。
ついでに治療薬も少しあげたようだ。
お人好しが過ぎる気もするが、アドルらしいのかもしれない。
余計な恨みを買わずにすむかもしれないしね。
「新しい武器の性能も試せたし、ちょうどいい練習にはなったかな」
その後はトラブルに巻き込まれる事なく、無事にコーラルの町に到着した。
そのまま港に行き、船を係留している場所に行くが、そこに船は無かった。
「船がない?どういう事だ?」
「そんな・・・ミライちゃん達は!?」
呆然とするわたし達に、声をかけてくる人がいた。
聞き覚えのある声だ。
「よっ。アドル、嬢ちゃん。おつかれさん!」
「ホークス!」
「ホークスさん!」
現れたのはホークスさん一人だけだった。
「ホークス、どういう事だ?船が無いなんて、報告になかったぞ」
「すまん、今日、急に移動になったんだ。それと、非戦闘員は町の宿屋に泊まってもらっている。もちろん、ミライちゃんとルルちゃんもな」
よかった、ミライちゃん達は無事だったんだ。
もしも船ごと沈められてたら、沈めたやつを沈めなきゃ気が済まないところだったよ。
「とりあえず、移動しながら話す。俺も馬車に乗せてくれ」
「どこに向かえばいいんだ?」
ホークスがコーラスの町の中央方面を指さした。
「太守の館さ」
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