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026 再会
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「・・・エンガチョじゃないもん」
ユリは毛布に包まり、不貞腐れていた。
『エンガチョ』はともかく、ミライは掃除道具を取りにすっ飛んで行っただけで、すぐに道具を持って戻ってきた。
そして、体の動かない由里に代わって、ミライが由里の粗相の始末をしてくれているため、由里は罪悪感にも囚われていた。
「いい加減、元気出すの」
「ごめんねミライちゃん。ミライちゃんは何も悪くないのに・・・」
「ミライは元気だし、掃除は得意なの!」
「わたし、お姉ちゃん失格だよ、ううう・・・」
(ユリ、来たのじゃ)
「来た?誰が?」
(挨拶に来たのじゃ。妾達を助けてくれた人たちじゃ)
何人かの足音が聞こえる。
精霊さんはソワソワしているような感じがする。
とりあえず横になったまま、扉側に体と顔を向ける。
扉を開け、複数の男女が入ってくる。
そこには知ってる顔もあった。
ミライの父親のドルフだ。
それと、知らない男女、そして、この顔はもしかして・・・
「アドル!?」
「やあ、ユリ。また会えて嬉しいよ」
生きてた。生きててくれた!
アドル生きてたよ!
良かった!
(いかにもアドルじゃ。この船で妾達を助けてくれたのじゃよ)
「船?ここ、船の中なの?」
さっきからフワフワ揺れている感じがしていたのは、体調面だけではなく、実際に揺れていたのか。
「ああ、ここは船の中。オレ達、反バルゴ組織、『アーガス』の旗艦、『星の翼』号の中だ。まだ出来たばかりの船なんだぜ」
「ほえー。すごいね」
全貌を見ていないので、ありきたりの感想しか言えないが、これだけ客室が立派ならば、かなり大きい船なのだろう。
「私たちも挨拶させてもらっていいかな?」
グラマーなお姉さんがニッコリする。
隣には大柄な男の人がいる。
どちらも知らない人だ。
「アタシはこの船の船長でもあり、一応、『アーガス』のリーダーのエリザだ。よろしく頼むよ、未来の勇者さん」
「よろしくお願いします。あの、助けてくださったそうで、ありがとうございます。それと勇者はやめてください・・・」
勇者呼ばわりされて酷い目に遭っているのだ。今は特に勇者なんて呼ばれたくはない。
わたしは軽く目を伏せた。
「分かった。ユリって呼ぶよ。よろしくな。船の中にはこいつら以外にもまだメンバーがたくさんいるが、皆持ち場を離れられないし、どうせ一度に覚えられないだろ?追々紹介するよ」
姐さんな感じのエリザさん。
頼りになりそうな人だ。
続いて、姉さんの隣にいる大柄な男の人が自己紹介をする。
「オレの名前はホークス。副長だ。よろしく頼む。そんな暗い顔するな。美人が台無しだぞ?」
「ほう、アタシの目の前で女を口説くとは、いい度胸してるじゃねえかホークス」
「やめろってエリザ、そんなんじゃねえだろ。アドルに怒られちまうよ」
「なっ!?おいホークスてめえ!」
ホークスとエリザの関係はなんとなく分かった気がする。
アドルは顔を真っ赤にして怒ってる。
ふふっエリザとホークスは仲良しさんだね。
アドルもそんなに怒らなくていいのに。
「ユリお姉ちゃん、顔が赤いの。モテモテなの?」
「やっ、何でもないわよっ。何でも!」
「ユリさん、娘を助けてくれたんだってね。本当にありがとう」
ドルフがミライの頭に掌を乗せ、優しくなでて、そしてわたしに頭を下げた。
「ちょっと、やめて下さいよ、頭を下げないといけないのはわたしです。ミライちゃんを危ない目にあわせたのはわたしのせいなんです。いや、危ない目どころか、実際に危なかったし。わたしの方こそ、申し訳ございません!」
頭を下げたいのに下げられないわたしは、とりあえず目を瞑って謝意を伝える。
エリザがパンッと手を叩き、空気を変える。
「お二人とも、そこまでよ。どちらも謝った。ミライちゃんは元気。ユリも生きてた。ならばどちらも気に止むことはないでしょう。だから後はわたし達に協力しなさい!」
「エリザ、またお前は強引な・・・」
ホークスの顔が引き攣る。
アドルは軽く笑っている。
いいノリだね。
こういう空気は好きだし、気持ちが救われる。
「まだ目的地まで長いんだし、動ける人は動く。動けない人は大人しく回復する。いいね!」
「はーいエリザお姉さん!」
ミライが手を上げて、元気よく返事をする。
エリザがミライの上げた方を握り、腰を落としてミライと視点の高さを合わせる。
「ミライちゃんが一番しっかりしてるね。ユリの看病、しっかり頼むわよ!」
「任せてください、エリザお姉さん!」
「お父様、ミライちゃんを養子にいただきたいのですが、後ほどお話よろしいでしょうか?」
「断る。断固として」
客室が笑い声に包まれた。
しかし、目的地まで長いって、今どこに向かっているのだろう。
「あのーすみません、目的地ってどこなんですか?あと、ミライちゃん達も一緒で構わないのですか?」
「そうだね、とりあえず、ユリを乗せたところから話をしようか」
わたしは、ナーズでの戦いの後から、現在の状況になった経緯をエリザさん達から聞いた。
わたしは槍で刺されたミライを見て精神が暴走し、水の精霊の力を借りて兵士を倒した後、ミライに癒しをかけたところで力尽き、完全に意識を失った。
ここまでは水の精霊に聞いた話だ。
その後、ドルフに、倒れているわたしとミライが発見され、どちらも生きていることは確認できたが、家の周りで激しく争った後と、大量の血のシミにドン引きし、どのみち父娘揃って、叛逆の罪で王国に殺されると思ったと言う。
・・・やっぱりわたし、迷惑かけまくりだ。
その後、すぐに家を訪れる者があり、早くも兵士が来たかと思ったら、アドル達だったという。
アドル達はナーズでユリを探しながら、警備兵達の動きも監視していたところ、警備隊長が向かったというドルフの家を突き止めたらしい。ただし、アドル達が来た時には既に戦いが終わった後だったが。
「もっと早く辿り着けていれば良かったんだけど。ごめん」
「ううん、いいの。アドルが来てくれただけで嬉しい。無事でいてくれて本当に嬉しいの」
(ほう、ユリ、なんか甘いのう)
「少し黙ってて(超小声)」
アドル達はドルフに、アドル達が現王に敵対する者である事を伝え、ユリの引き渡しを要求したが、なかなか信用しないドルフに手を焼いた。
早くしないと王国側の増援が来るかもしれない状況であり、アドルは必死の説明を続け、最終的に、ドルフが『どうせ反逆罪で殺されるなら、俺達も一緒に連れていけ』と言い、その条件を呑んだという。
「ドルフさん、お仕事とか投げてきてしまって良かったのですか?やっぱりわたしが・・・本当にごめ・・・」
「ユリさん、謝るのは無しと言ったでしょう。そこまでですよ。俺が娘のために決めた事です。それに今の国のやり方に不満があるのは俺も一緒ですから」
結果的にミライ達を保護できたことは、ミライを救う為に暴走したユリの望みでもあったが、ドルフにもそう言ってもらえて良かった。
そして、増援の警備兵が到着する前に、ミライの家の海側に船を回し、全員を乗せて出発したという。
それが約ニ週間前の事だそうだ。
その後、コンテナ船を装う星の翼号は、目立たぬようにコンテナ船らしい航行速度で、途中で何度か陸に立ち寄り、補給や修復、現地のメンバーと情報交換したり、増員をしながら、目的地に向かっている途中との事だった。
「目的地は、アタシの故郷、ニューロックよ」
「ああ、魔獣を食べる人達が住んでるっていう所ね」
「ユリ!それどこ情報よ!食べないわよ!」
エリザさんが剣幕で吼えた。
地雷踏んじゃった!?
わたしは情報源のドルフに目を向けるが、凄い勢いで顔ごと目を逸らされた。
ちょっと!ここは助けなさいよ!
ユリは毛布に包まり、不貞腐れていた。
『エンガチョ』はともかく、ミライは掃除道具を取りにすっ飛んで行っただけで、すぐに道具を持って戻ってきた。
そして、体の動かない由里に代わって、ミライが由里の粗相の始末をしてくれているため、由里は罪悪感にも囚われていた。
「いい加減、元気出すの」
「ごめんねミライちゃん。ミライちゃんは何も悪くないのに・・・」
「ミライは元気だし、掃除は得意なの!」
「わたし、お姉ちゃん失格だよ、ううう・・・」
(ユリ、来たのじゃ)
「来た?誰が?」
(挨拶に来たのじゃ。妾達を助けてくれた人たちじゃ)
何人かの足音が聞こえる。
精霊さんはソワソワしているような感じがする。
とりあえず横になったまま、扉側に体と顔を向ける。
扉を開け、複数の男女が入ってくる。
そこには知ってる顔もあった。
ミライの父親のドルフだ。
それと、知らない男女、そして、この顔はもしかして・・・
「アドル!?」
「やあ、ユリ。また会えて嬉しいよ」
生きてた。生きててくれた!
アドル生きてたよ!
良かった!
(いかにもアドルじゃ。この船で妾達を助けてくれたのじゃよ)
「船?ここ、船の中なの?」
さっきからフワフワ揺れている感じがしていたのは、体調面だけではなく、実際に揺れていたのか。
「ああ、ここは船の中。オレ達、反バルゴ組織、『アーガス』の旗艦、『星の翼』号の中だ。まだ出来たばかりの船なんだぜ」
「ほえー。すごいね」
全貌を見ていないので、ありきたりの感想しか言えないが、これだけ客室が立派ならば、かなり大きい船なのだろう。
「私たちも挨拶させてもらっていいかな?」
グラマーなお姉さんがニッコリする。
隣には大柄な男の人がいる。
どちらも知らない人だ。
「アタシはこの船の船長でもあり、一応、『アーガス』のリーダーのエリザだ。よろしく頼むよ、未来の勇者さん」
「よろしくお願いします。あの、助けてくださったそうで、ありがとうございます。それと勇者はやめてください・・・」
勇者呼ばわりされて酷い目に遭っているのだ。今は特に勇者なんて呼ばれたくはない。
わたしは軽く目を伏せた。
「分かった。ユリって呼ぶよ。よろしくな。船の中にはこいつら以外にもまだメンバーがたくさんいるが、皆持ち場を離れられないし、どうせ一度に覚えられないだろ?追々紹介するよ」
姐さんな感じのエリザさん。
頼りになりそうな人だ。
続いて、姉さんの隣にいる大柄な男の人が自己紹介をする。
「オレの名前はホークス。副長だ。よろしく頼む。そんな暗い顔するな。美人が台無しだぞ?」
「ほう、アタシの目の前で女を口説くとは、いい度胸してるじゃねえかホークス」
「やめろってエリザ、そんなんじゃねえだろ。アドルに怒られちまうよ」
「なっ!?おいホークスてめえ!」
ホークスとエリザの関係はなんとなく分かった気がする。
アドルは顔を真っ赤にして怒ってる。
ふふっエリザとホークスは仲良しさんだね。
アドルもそんなに怒らなくていいのに。
「ユリお姉ちゃん、顔が赤いの。モテモテなの?」
「やっ、何でもないわよっ。何でも!」
「ユリさん、娘を助けてくれたんだってね。本当にありがとう」
ドルフがミライの頭に掌を乗せ、優しくなでて、そしてわたしに頭を下げた。
「ちょっと、やめて下さいよ、頭を下げないといけないのはわたしです。ミライちゃんを危ない目にあわせたのはわたしのせいなんです。いや、危ない目どころか、実際に危なかったし。わたしの方こそ、申し訳ございません!」
頭を下げたいのに下げられないわたしは、とりあえず目を瞑って謝意を伝える。
エリザがパンッと手を叩き、空気を変える。
「お二人とも、そこまでよ。どちらも謝った。ミライちゃんは元気。ユリも生きてた。ならばどちらも気に止むことはないでしょう。だから後はわたし達に協力しなさい!」
「エリザ、またお前は強引な・・・」
ホークスの顔が引き攣る。
アドルは軽く笑っている。
いいノリだね。
こういう空気は好きだし、気持ちが救われる。
「まだ目的地まで長いんだし、動ける人は動く。動けない人は大人しく回復する。いいね!」
「はーいエリザお姉さん!」
ミライが手を上げて、元気よく返事をする。
エリザがミライの上げた方を握り、腰を落としてミライと視点の高さを合わせる。
「ミライちゃんが一番しっかりしてるね。ユリの看病、しっかり頼むわよ!」
「任せてください、エリザお姉さん!」
「お父様、ミライちゃんを養子にいただきたいのですが、後ほどお話よろしいでしょうか?」
「断る。断固として」
客室が笑い声に包まれた。
しかし、目的地まで長いって、今どこに向かっているのだろう。
「あのーすみません、目的地ってどこなんですか?あと、ミライちゃん達も一緒で構わないのですか?」
「そうだね、とりあえず、ユリを乗せたところから話をしようか」
わたしは、ナーズでの戦いの後から、現在の状況になった経緯をエリザさん達から聞いた。
わたしは槍で刺されたミライを見て精神が暴走し、水の精霊の力を借りて兵士を倒した後、ミライに癒しをかけたところで力尽き、完全に意識を失った。
ここまでは水の精霊に聞いた話だ。
その後、ドルフに、倒れているわたしとミライが発見され、どちらも生きていることは確認できたが、家の周りで激しく争った後と、大量の血のシミにドン引きし、どのみち父娘揃って、叛逆の罪で王国に殺されると思ったと言う。
・・・やっぱりわたし、迷惑かけまくりだ。
その後、すぐに家を訪れる者があり、早くも兵士が来たかと思ったら、アドル達だったという。
アドル達はナーズでユリを探しながら、警備兵達の動きも監視していたところ、警備隊長が向かったというドルフの家を突き止めたらしい。ただし、アドル達が来た時には既に戦いが終わった後だったが。
「もっと早く辿り着けていれば良かったんだけど。ごめん」
「ううん、いいの。アドルが来てくれただけで嬉しい。無事でいてくれて本当に嬉しいの」
(ほう、ユリ、なんか甘いのう)
「少し黙ってて(超小声)」
アドル達はドルフに、アドル達が現王に敵対する者である事を伝え、ユリの引き渡しを要求したが、なかなか信用しないドルフに手を焼いた。
早くしないと王国側の増援が来るかもしれない状況であり、アドルは必死の説明を続け、最終的に、ドルフが『どうせ反逆罪で殺されるなら、俺達も一緒に連れていけ』と言い、その条件を呑んだという。
「ドルフさん、お仕事とか投げてきてしまって良かったのですか?やっぱりわたしが・・・本当にごめ・・・」
「ユリさん、謝るのは無しと言ったでしょう。そこまでですよ。俺が娘のために決めた事です。それに今の国のやり方に不満があるのは俺も一緒ですから」
結果的にミライ達を保護できたことは、ミライを救う為に暴走したユリの望みでもあったが、ドルフにもそう言ってもらえて良かった。
そして、増援の警備兵が到着する前に、ミライの家の海側に船を回し、全員を乗せて出発したという。
それが約ニ週間前の事だそうだ。
その後、コンテナ船を装う星の翼号は、目立たぬようにコンテナ船らしい航行速度で、途中で何度か陸に立ち寄り、補給や修復、現地のメンバーと情報交換したり、増員をしながら、目的地に向かっている途中との事だった。
「目的地は、アタシの故郷、ニューロックよ」
「ああ、魔獣を食べる人達が住んでるっていう所ね」
「ユリ!それどこ情報よ!食べないわよ!」
エリザさんが剣幕で吼えた。
地雷踏んじゃった!?
わたしは情報源のドルフに目を向けるが、凄い勢いで顔ごと目を逸らされた。
ちょっと!ここは助けなさいよ!
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